分区で長屋門のある屋敷が新区へ

2022/08/12 - 2022/08/12

　戸塚区役所の9Fには区政推進課がある。3Fの総合案内で、史跡などはここが該当部署ではないかというのだ。なお、総合案内は非正規であり、市職員ではないのだという。
　日立工場の裏山の尾根には街道が通っていたが、数年前から横浜市で墓地公園を造成中で一山が閉鎖されている。
　この街道は宝蔵院の墓地まで続いているが、途中で右に下りると相澤家の前に出る。相澤家には長屋門があり、かつては名主を務めた家であることが分かる。
　区政推進課の職員は長屋門がある相澤家のことは知らないという。
　幕末になって横浜が開港し、国際港湾として発展し、横浜市となった。ここ鎌倉郡にあった戸塚周辺も戦前には横浜市と合併し、戸塚区となっている。
　江戸時代には名主が村方三役の一、村の長で村政の中心であった。そしてその屋敷には長屋門を構えていた。いわば、横浜開港前からの名残が長屋門である。そして、それが明治になって市政へと変換したのだ。だから戸塚区役所の職員も名主とその名主屋敷ぐらいは知っていても当然であると思われる。
　しかし、旧戸塚区は何度か分区されている。その結果、現在の戸塚区には3棟しか長屋門が残っていないのに対し、分区した栄区には4棟、泉区には5棟も残っている（https://4travel.jp/travelogue/10735201）。
　すなわち、戸塚区では分区して長屋門が分区した新区に住所が移ってしまっているのだ。それもたった3棟になっているのだ。
　3棟しかないのであれば区職員も知っておくべきであろう。
（表紙写真は戸塚区役所）

エリア 戸塚・いずみ野・港南台(神奈川)

戸塚区役所。