2022/06/06 - 2022/06/06
30位(同エリア341件中)
ひらしまさん
※ 固有名詞の〔 〕内は英語風表記です。
アントウェルペン〔アントワープ〕中央駅9時のICでヘント〔ゲント〕に向かう。1等車はここでも遠くまで歩かされて、高いし、なんだかなあと思いながら乗り込んだ。でも、きょうの車両はすいているから、わたしらの感染対策的にはしかたないか。
静かだった車内に突然、にぎやかな音楽が流れてきた。途中駅で乗ってきた斜め後ろの席の男性のスマホが発生源のようだ。数人いた前方の乗客がみな振り返る。
みなさんを代表して?妻が「小さくしていただけますか」と笑顔で言うと、彼はあわてて切ってくれた。わたしも明るくありがとうと伝える。
1時間でヘントのシントピータース〔セントピータース〕駅に着いた。エレベータのないホームに天を仰いだが、頑張って階段を往復して荷物を運び、トラム1番で宿に向かった。
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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ヘントの宿はクラーンレイにある「ハーモニー」。午前中だけど、はいることができた。
2つの建物をつなぎ合わせていて、玄関への経路がわかりづらい変則的な構造だ。 -
レイエ川に面して、対岸の煉瓦造りの古い家々が味わい深い眺めをつくってくれている。
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早速街歩きに出かけた。
宿の前のレイエ川を東方向に見る。 -
南西のフレイスハイス橋(肉市場橋)の向こうに見える大肉市場。壁面が顔に見えてユーモラスだ。右奥に見えるのはコーレンレイ。
フレイスハイス橋を渡って旧市街の中心部に向かう。 -
大肉市場の表に出た。15世紀に建てられた屋内肉市場。6百年前にこの規模とは驚く。堂々たるものだ。
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クラス〔グラス〕橋からクラスレイを望む。
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クラスレイには大きなギルドハウスが並ぶ。比較して一言でいえば、クラスレイは豪壮、向かいのコーレンレイはかわいく、宿のあるクラーンレイとその対岸は素朴だ。
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12世紀から17世紀にかけて建てられた様々な様式の立派なギルドハウスが並ぶ様は、織物業を基盤に商工業者の都市として栄えたヘントの象徴と言っていいのだろう。
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南には聖ミヒエル橋と聖ミヒエル教会のどっしりと落ち着いた姿が見える。
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その聖ミヒエル橋からコーレンレイを振り返る。
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橋を東に渡る。かつての郵便局が今は商業施設やホテルになっている。
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聖ニコラス教会が前方に現れた。13世紀以来という古刹。
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その先にそびえる鐘楼を通り過ぎて
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聖バーフ大聖堂にはいった。
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ファン・アイク兄弟による祭壇画「神秘の仔羊」を見ようと思ったのだけれど、長い列ができている。もともと有名だから見ようかという軽薄な心根の我らは即退散だ。
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無料エリアだけで十分満足して出る。
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繊維ホール。イングランドから羊毛を輸入して織る毛織物業で栄えたヘントの有力者たちがここに集った。
そして、隣接する鐘楼は、町の自治に危機が迫ったとき打ち鳴らされたという。 -
お腹もすいたので、鐘楼近くの食堂「パッション」にはいる。満席で1時間くらい待つと最初は言われたのだが、幸いにも席をつくってもらえた。
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海老のクロケットは衣が薄く上品。
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郷土料理ワーテルゾーイ。鶏肉、セロリ、ニンジンなどがはいったシチュー。コクがあって、澄んだ味は、この旅で食べた料理の中で一番おいしいと思った。
この店はパンもフリットもつかなかったので、2人で2皿ではいくら小食の我々でも足りないかなと思ったら、小鍋にはいったワーテルゾーイが追加で出てきた。よくわからなかったけれど、あれはやっぱり、すっかり貧しくなった円安ニッポンの旅人に同情してくれたのか。
ビール含めて46ユーロ。気持ちのいいサービスとおいしい料理は是非もう一度行きたいと思える店だった。
〔追記〕
あの小鍋はなんだったのかと考えていて、入店するときに一旦は満席で断られたのに席をつくってもらえたことを思い出した。それと合わせてみれば、もしかしたら、2年ぶりにやってきた日本人観光客を、よく来たねと歓迎してくれたのではないだろうか。今ではそんな気がしている。 -
写真の市庁舎など、街なかをあっちこっち散策しながら、フランドル伯居城へ向かった。
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石造りの門をくぐってフランドル伯居城にはいる。
フランドル伯は、フランス王国と神聖ローマ帝国の間の緩衝地帯として独立性を保っていたフランドル地方の領主。 -
建てられたのは12世紀。中世の城らしく、重く陰気な気配が漂う。
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内部は整備され、見学ルートが定められている。
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暗く狭い階段を上り、城の屋上へ。
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ヘントの街が一望できる。
近くに旧魚市場、大肉市場、遠くには左から大聖堂、鐘楼、聖ニコラス教会、そして旧郵便局の塔がそびえている。 -
クラスレイあたりのにぎわいが見てとれる。
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東にもいくつもの塔を見ることができる。
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下にはトラムが走っている。
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北西へ続く運河沿いの市街。
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そろそろ下りようか。
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城郭を出て外壁の回廊をめぐる。
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トイレ!
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裏側から見る城郭。
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朽ちても味がある。
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角は半円筒で守るのがこの城のスタイルのようだ。
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城壁に花が咲いていた。
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外壁の外に出て見上げる。
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城の北側に堀と小さな草地があり、人びとの憩いの場となっている。
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そして水鳥も遊んでいる。
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雛の集団もいる。ここの鳥たちは人を恐れないようだ。
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この子はなにかお話してたのかな。
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西側の道路に出て、堀越しに見るフランドル伯居城。
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旧魚市場は観光案内所になっているようだ。
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華麗な門がすばらしい。
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宿に帰り、対岸の景色を見ながら昼風呂につかって足の疲れをほぐす。至福のひととき!
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城の近くの店で焼いてもらったピザでの夕食のあと、ひとりで散歩に出た。9時近いけれど、まだまだ明るい。
クラーンレイ界隈は静かだ。 -
北の橋を渡って進むと広場に出た。金曜広場だった。
塔群を背景にかっこよくポーズを決める銅像は誰だったんだとあとで調べてみたら、14世紀ヘントの商工業者出身の政治家アルテフェルデ。英仏百年戦争に際し、羊毛のつながりの強いイングランドを支持し、フランドル都市連合を組織して親フランス派のフランドル伯を追放したという。
当時のフランドルでは領主より商工業者が強かったのだ! -
雲が多く雨もぱらついた空がようやく晴れてきた。
広場の角にあるこの美しい建物は、Torekenという名の15世紀のギルドハウス。塔の鐘で金曜市の開催を告げたという。 -
金曜広場で見えた3基の塔は、ここ聖ヤコブ教会のものだった。とんがり帽子が左右違うのは戦争のせいかなあ。でも、石壁がいい感じだ。
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空が青いと教会も美しい。
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市庁舎のあたりに出て、その後またクラスレイに来てしまった。さすがに日は低くなり、コーレンレイの影が映っている。
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宿の近くに戻り、対岸からクラーンレイを眺めた。
泊まっているホテル・ハーモニー(右端)を含め今風に建て替えられた建物が多いが、昔の外観を維持しながら改修して使うということは難しかったのかなあ。 -
ちなみに、我々の部屋の壁の写真がかつてのクラーンレイではないかと思う。
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かなり傷んできているように見える対岸の建物たちがうまく再生できるといいなと、勝手なことを願いながら部屋に戻った。
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この旅行記へのコメント (4)
-
- sanaboさん 2022/08/03 00:27:45
- ヘント
- ひらしまさん、こんばんは
ヘント編も懐かしく拝見させていただきました。
繊維ホールと鐘楼、そして壮麗なギルトハウスがかつて織物業で栄えた
ヘントの隆盛ぶりを窺わせ、今でも本当に美しい佇まいの街ですね。
私は日程的に宿泊できなかったので、クラスレイやコーレンレイ界隈の
夜景を見られなかったのが心残りとなっていました。
ひらしまさんたちはクラーンレイにあるホテルに泊まられたのですね。
窓から眺める風景が最高に素敵で、ヘントの街の魅力を存分に
堪能されたことと思います。
お食事をされた「パッション」という名に覚えがあり
自分の旅行記をチェックしたら同じお店のようでした。
私もワーテルゾーイを食べましたが、パンが付いてきて小鍋が来なかったのは
ランチタイムメニューだったからかしら、とずっと気になっています(笑)
親フランス派のフランドル伯が商工業者出身の政治家アルテフェルデに
追放されてしまったとは知りませんでした。
本当に恐るべし、当時の商工業者の権力、ギルドパワーですね!
お部屋の壁に飾られていたレトロなお写真がとても素敵でしたね。
きっとお泊りになられる皆さん、当時に想いを馳せられることでしょう。
歴史に裏打ちされた古い街並みの魅力を、旅行記を拝見しながら
ひしひしと感じ、楽しませていただきました。
連日の猛暑、凄まじいですね! くれぐれもご自愛の上、お過ごし下さいませ。
sanabo
- ひらしまさん からの返信 2022/08/03 21:06:08
- Re: ヘント
- sanaboさん、こんばんは。
ご訪問ありがとうございます。
> 私は日程的に宿泊できなかったので、クラスレイやコーレンレイ界隈の
> 夜景を見られなかったのが心残りとなっていました。
旅行記作成時にあらためてsanaboさんの旅行記を拝見して感じたのは、日帰りなのに僕たちよりずっとたくさん歩き回ってらっしゃることです。
sanabo旅行記は教科書のように読み込んだはずなのに、おすすめのパーテルスホルはすっかり抜け落ちていて、宿のすぐ近くなのに行けばよかったと後悔することしきりです。
鐘楼も登ればよかったなあ。
そして、せっかく泊まったのになぜ夜景を撮らないのかというお叱りの声が聞こえてきそうです。
たしかsanaboさんはヨーロッパの日が長い季節を選んで6月頃に行くとおっしゃっていたと思いますが、一日にたくさん歩き回る体力も根性もない僕たちは逆で、本当はもっと日の短い季節に行きたいんです。
でも、ヨーロッパの秋は天気が良くないようなのでこの時期にしたというわけなんです。
その点、sanaboさんの「秋色のベルギー」は好天に恵まれ、ほんとうによかったですね。
> 私もワーテルゾーイを食べましたが、パンが付いてきて小鍋が来なかったのは
> ランチタイムメニューだったからかしら、とずっと気になっています(笑)
パッションはグーグルマップで選んだのですが、偶然同じ店になりましたね。
sanaboさんの時はパンが付いて小鍋はなかったんですか…。
想像するに、今年の急激なインフレで値段を上げる代わりにパンが削られたんですね。
そして、小鍋はやっぱり、超円安への同情措置だったということで決定!
> 歴史に裏打ちされた古い街並みの魅力を、旅行記を拝見しながら
> ひしひしと感じ、楽しませていただきました。
ぼくも同感です。
壮麗なギルドハウスの景観の裏には、毛織物業などを基盤に都市の自治を築き、時に領主とも闘った商工業者の営みがあったことを知りました。
機会があったらもう一度あの街をフラフラさ迷い歩いてみたいものです。
ひらしま
- sanaboさん からの返信 2022/08/03 22:31:41
- RE: Re: ヘント
- ひらしまさん、お返事ありがとうございます。
私も他の方の旅行記を拝見し、自分が行かなかった場所や見落としたスポットなどを見つけ、残念に思うことがしばしばあります。こういうアングルで写真を撮ればよかったとか思い始めると、きりがありません。
パーテルスホールはおまけのようなものでしたが、確かにお泊りになられたホテルから近いので夜の散策時にいらっしゃれたかもしれませんね。あっ、ダメ出ししてしまったかも(´艸`*)
> そして、せっかく泊まったのになぜ夜景を撮らないのかというお叱りの声が聞こえてきそうです。
心の声が聞こえてしまいましたか?(笑) 私がヘントに1泊したかったのは、クラスレイ、コーレンレイの綺麗な夜景を見たかったからなのです〜
> たしかsanaboさんはヨーロッパの日が長い季節を選んで6月頃に行くとおっしゃっていたと思いますが、一日にたくさん歩き回る体力も根性もない僕たちは逆で、本当はもっと日の短い季節に行きたいんです。
そうなのですか?! 我が家は昔からヨーロッパの田舎をレンタカーで周っていましたが、グーグルマップもナビも無い時代に薄暗くなってからホテルを探すのが心細かったのと、フィルムカメラの時代は薄暗くなるともうシャッターが切れず、写真好き夫婦なので必然的に日の長い6月に旅行していました。新緑の季節が好きでしたし、ホテル代もバカンスシーズンに比べお安いですし。でも最近は歳のせいか秋の落葉のヨーロッパもいいなと思うようになり、デジカメで夜景も綺麗に撮れるようになりましたものね。
次回はブリュッセル編でしょうか。また楽しみにしております♪
sanabo
- ひらしまさん からの返信 2022/08/04 17:21:08
- RE:RE:Re: ヘント
- sanaboさん、こんばんは。
優しい慰めのお言葉と、厳しいダメ出しのお言葉まで頂戴し、大変にありがとうございます(涙)。
> フィルムカメラの時代は薄暗くなるともうシャッターが切れず
本当にそうでした。手振れ補正もなかったし。
今はいい時代になりましたね。
エンドレスに写真が撮れてしまうので、帰ってきてからの整理が大変という問題はありますが(笑)。
> でも最近は歳のせいか秋の落葉のヨーロッパもいいなと思うようになり、デジカメで夜景も綺麗に撮れるようになりましたものね。
するとsanabo家の次回旅はこの秋でしょうか。
復活を楽しみにしていますよ。
きょうは雷はうるさいけど涼しくなってほっとしていますが、来週また38℃が襲ってくるようですね。
皆様おからだを大切にお過ごしください。
ひらしま
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