久しぶりに札幌を訪れ、市内を散策した。主たる目的は近代美術館でフェルメールを見ること、もう一つは素晴らしい音響で知られるキタラホールで札幌交響楽団を聴くことだ。<br /><br />まずは駅から北海道立近代美術館まで約30分歩き、「フェルメールと17世紀オランダ絵画展」を訪れた。入場料は1,800円と安くはないが、ドレスデンから運ばれてきたフェルメール、レンブラントなどの至宝約70点は見逃せない。フェルメールの現存する作品は35点ほど。この展覧会では『窓辺で手紙を読む女』1点のみ。この作品は壁に描かれたキューピットが何者かに消されていたが、調査の結果元通りに復元されたことで話題になった。北海道立近代美術館は、地域性と国際性を併せ持つ総合的近代美術館の構想のもとに、1977年にオープン、基本理念は「地域に開かれ、地域の美術文化を拓く」である。土曜日でありかなり混んでいた。<br /><br />続いて、初めてキタラホールを訪れた。この日は札幌交響楽団の定期演奏会、マティアス・バーメルト指揮で水上の音楽、モーツァルトピアノ協奏曲第27番、シューマン・ラインという水をテーマにしたプログラムだ。バーメルトはスイス生まれの名匠、演奏は極めて伝統的で中庸、極端な表現はなく、適切なテンポとバランスを重視した玄人受けする演奏、少し刺激には乏しい、と感じた。<br /><br />キタラホールは1997年に中島公園にオープンした近代的なホールで、ホールの名称は公募で選ばれ、ギリシャ神話の音楽神アポロンの楽器「キターラ」と「北」の意味がかけられており、座席は2,008席。サントリーホール、川崎ミューザホール、横浜みなとみらいホール、大阪シンフォニーホール、愛知コンサートホールなどベルリンフィルハーモニーザールにならった素晴らしい音響と、死角のないステージを取り囲むスタイルが国内に次々建設された。それらのホールと比較しても、キタラホールはベストを争う素晴らしい音響だ。実際、指揮者サイモン・ラトルは「近代的なコンサートホールとしては世界一」と評したそうだ。パシフィック・ミュージックフェスティバルもここを主会場として開催される。札幌市民がうらやましい。

札幌を散策する－1：札幌の誇る近代美術館とキタラホールを訪れる

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2022/05/27 - 2022/05/28

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この旅行記のスケジュール

2022/05/27

飛行機での移動

18:45仙台空港〜 20:00新千歳空港（MM417）
徒歩での移動

12:00札幌駅→13:00道立近代美術館
徒歩での移動

13:00道立近代美術館→16:00札幌コンサートホールキタラ
徒歩での移動

19:00札幌コンサートホールキタラ→21:00ホテル

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久しぶりに札幌を訪れ、市内を散策した。主たる目的は近代美術館でフェルメールを見ること、もう一つは素晴らしい音響で知られるキタラホールで札幌交響楽団を聴くことだ。

まずは駅から北海道立近代美術館まで約30分歩き、「フェルメールと17世紀オランダ絵画展」を訪れた。入場料は1,800円と安くはないが、ドレスデンから運ばれてきたフェルメール、レンブラントなどの至宝約70点は見逃せない。フェルメールの現存する作品は35点ほど。この展覧会では『窓辺で手紙を読む女』1点のみ。この作品は壁に描かれたキューピットが何者かに消されていたが、調査の結果元通りに復元されたことで話題になった。北海道立近代美術館は、地域性と国際性を併せ持つ総合的近代美術館の構想のもとに、1977年にオープン、基本理念は「地域に開かれ、地域の美術文化を拓く」である。土曜日でありかなり混んでいた。

続いて、初めてキタラホールを訪れた。この日は札幌交響楽団の定期演奏会、マティアス・バーメルト指揮で水上の音楽、モーツァルトピアノ協奏曲第27番、シューマン・ラインという水をテーマにしたプログラムだ。バーメルトはスイス生まれの名匠、演奏は極めて伝統的で中庸、極端な表現はなく、適切なテンポとバランスを重視した玄人受けする演奏、少し刺激には乏しい、と感じた。

キタラホールは1997年に中島公園にオープンした近代的なホールで、ホールの名称は公募で選ばれ、ギリシャ神話の音楽神アポロンの楽器「キターラ」と「北」の意味がかけられており、座席は2,008席。サントリーホール、川崎ミューザホール、横浜みなとみらいホール、大阪シンフォニーホール、愛知コンサートホールなどベルリンフィルハーモニーザールにならった素晴らしい音響と、死角のないステージを取り囲むスタイルが国内に次々建設された。それらのホールと比較しても、キタラホールはベストを争う素晴らしい音響だ。実際、指揮者サイモン・ラトルは「近代的なコンサートホールとしては世界一」と評したそうだ。パシフィック・ミュージックフェスティバルもここを主会場として開催される。札幌市民がうらやましい。