武尊・尾瀬・片品旅行記(ブログ) 一覧に戻る
 自転車の旅 夏が来たので行ってしまった遥かな尾瀬遠い空(後編)<br /><br /> 出発から3日目の8月13日、檜枝岐民宿の朝。<br /> 部屋の窓ガラスが薄明るくなってくる。時計を見るとまだ4時半だ。ピチャピチャピチャという雨音を寝ながらずっと聞いているんだけど、さっぱり止まないので今日は朝から雨の中かなーと憂鬱。しかし、起きて窓の外をよく見ると東の空がほんのり明るいではないか、おーこれは晴れるな!と直感的に分かる。こういうのを希望的天気観測と言うんだろうか。ではあの音は何だったかというと、窓のすぐ下の池に水が注いでいる音だったんですよこれが。寝るときには疲れてたから気が付かなかったようだ。まずはめでたしめでたし。<br />

自転車の旅 夏が来たので行ってしまった遥かな尾瀬遠い空(後編)

4いいね!

1985/08/11 - 1985/08/14

588位(同エリア782件中)

おく

おくさん

 自転車の旅 夏が来たので行ってしまった遥かな尾瀬遠い空(後編)

 出発から3日目の8月13日、檜枝岐民宿の朝。
 部屋の窓ガラスが薄明るくなってくる。時計を見るとまだ4時半だ。ピチャピチャピチャという雨音を寝ながらずっと聞いているんだけど、さっぱり止まないので今日は朝から雨の中かなーと憂鬱。しかし、起きて窓の外をよく見ると東の空がほんのり明るいではないか、おーこれは晴れるな!と直感的に分かる。こういうのを希望的天気観測と言うんだろうか。ではあの音は何だったかというと、窓のすぐ下の池に水が注いでいる音だったんですよこれが。寝るときには疲れてたから気が付かなかったようだ。まずはめでたしめでたし。

旅行の満足度
5.0
同行者
一人旅
一人あたり費用
1万円未満
  •  5時を過ぎると雲の切れ間から青空も覗いてきて、今日は一日何とか降らないでくだせいと祈る気持ちになる。本日の標高差は、この桧枝岐村から尾瀬の沼山峠までが805m差で、その先は登山道になるので自転車は担がなくてはなりません。だから是非とも雨には遠慮してもらいたいのです。<br /><br /> 階下に降りて昨夜の2家族と朝食をご馳走になっていると、横浜のお母さんが「えらい事故があったらしいですよ。長野にヒコーキが落ちたらしいってニュースで言ってました」と。それには歌手の坂本九も乗っていたと言っている。聞いてても何だか遠い世界の架空話みたいだったのが、それがあの群馬県上野村の日航大惨事になることに気づくのは前橋に帰ってからのことでした(哀悼)。<br /><br /> 民宿を後に沼山峠目指して川沿いの道をのんびり走っていくと、キリンテと言う大きなキャンプ場があって、ここはまぁテントテントの大賑わいだ。よくもまぁこんな山の中にこんだけ人がいたもんだと感心してしまう。この人達、昨夜の豪雨をテントでしのげたんかいのと余計な心配をしてしまった。

     5時を過ぎると雲の切れ間から青空も覗いてきて、今日は一日何とか降らないでくだせいと祈る気持ちになる。本日の標高差は、この桧枝岐村から尾瀬の沼山峠までが805m差で、その先は登山道になるので自転車は担がなくてはなりません。だから是非とも雨には遠慮してもらいたいのです。

     階下に降りて昨夜の2家族と朝食をご馳走になっていると、横浜のお母さんが「えらい事故があったらしいですよ。長野にヒコーキが落ちたらしいってニュースで言ってました」と。それには歌手の坂本九も乗っていたと言っている。聞いてても何だか遠い世界の架空話みたいだったのが、それがあの群馬県上野村の日航大惨事になることに気づくのは前橋に帰ってからのことでした(哀悼)。

     民宿を後に沼山峠目指して川沿いの道をのんびり走っていくと、キリンテと言う大きなキャンプ場があって、ここはまぁテントテントの大賑わいだ。よくもまぁこんな山の中にこんだけ人がいたもんだと感心してしまう。この人達、昨夜の豪雨をテントでしのげたんかいのと余計な心配をしてしまった。

  •  キリンテキャンプ場を横目で見物しながらずんずん進んでいくと、七入りという所から道は川を離れ、急に完璧な峠道になってしまった。この山道がまたもの凄い勾配で、標識には10%11%と遠慮無く書かれてある。それでも道幅が広くて登りやすいルートが取れるようならまだマシだが、車1台がやっとという道幅では何の手だてもできない。やっぱりこんな人の来ない山ん中にいい加減な道を作るとこんなひどい道路になってしまうんだ、馬鹿ったれと福島県を叱りとばしてやりました。<br /><br /> サイクリングの事前トレーニングは最初のころは真面目にやっていたけど、慣れてくると面倒がって一切やらなくなってしまった。なので急な登り坂には心臓がとてもついていきません。もうドッキンドッキンと半鐘の早打ちみたいに弾んできちゃいます(今の人は半鐘知らないかな?)。でもたまには心臓と言うのは早打ちさせた方が流れが良くなっていいんだとどっかの本で読んだ覚えがあるので、これは体にいいことなんだぞと自分に納得させながら登りを頑張る。

     キリンテキャンプ場を横目で見物しながらずんずん進んでいくと、七入りという所から道は川を離れ、急に完璧な峠道になってしまった。この山道がまたもの凄い勾配で、標識には10%11%と遠慮無く書かれてある。それでも道幅が広くて登りやすいルートが取れるようならまだマシだが、車1台がやっとという道幅では何の手だてもできない。やっぱりこんな人の来ない山ん中にいい加減な道を作るとこんなひどい道路になってしまうんだ、馬鹿ったれと福島県を叱りとばしてやりました。

     サイクリングの事前トレーニングは最初のころは真面目にやっていたけど、慣れてくると面倒がって一切やらなくなってしまった。なので急な登り坂には心臓がとてもついていきません。もうドッキンドッキンと半鐘の早打ちみたいに弾んできちゃいます(今の人は半鐘知らないかな?)。でもたまには心臓と言うのは早打ちさせた方が流れが良くなっていいんだとどっかの本で読んだ覚えがあるので、これは体にいいことなんだぞと自分に納得させながら登りを頑張る。

  •  10時に新潟と福島の分岐点に当たる御池ロッジ到着。ここで一息入れて尾瀬沼山峠へ走り出すと、道は今までの登り一方だけでなく、時々は下ったりしながら高原の景色の中をくねくねと続いていく。こういう道を走っていると、あー来て良かったと思うものだ。と、突然、ガチャと音がしてウンともスンともペダルが回らなくなってしまった。急いで自転車を確認してみると後ろの変速機の所でチェーンが引っかかって絡まっている。この愛車は8年も乗っているので、変速機もだいぶくたびれて調子が悪いからギアの切り替えは注意してやってるのだが、どうもこりゃ困りましたな。ドライバーで直そうとしても硬くからみついたチェーンはビクともしない。かといって、ここで力任せにやってチェーンを切ったり変速機を壊したらそれこそ取り返しの付かない結果になってしまう。細心の注意を払って慎重に慎重に時間を掛けて直すことしばし、やっとなんとかチェーンを元に戻すことが出来る。さいわい変速機も壊れては居なかった。あー良かったほっとした。もしも直せなかったら漕げない自転車でどうやって前橋まで戻ろうかと考えてしまった。

     10時に新潟と福島の分岐点に当たる御池ロッジ到着。ここで一息入れて尾瀬沼山峠へ走り出すと、道は今までの登り一方だけでなく、時々は下ったりしながら高原の景色の中をくねくねと続いていく。こういう道を走っていると、あー来て良かったと思うものだ。と、突然、ガチャと音がしてウンともスンともペダルが回らなくなってしまった。急いで自転車を確認してみると後ろの変速機の所でチェーンが引っかかって絡まっている。この愛車は8年も乗っているので、変速機もだいぶくたびれて調子が悪いからギアの切り替えは注意してやってるのだが、どうもこりゃ困りましたな。ドライバーで直そうとしても硬くからみついたチェーンはビクともしない。かといって、ここで力任せにやってチェーンを切ったり変速機を壊したらそれこそ取り返しの付かない結果になってしまう。細心の注意を払って慎重に慎重に時間を掛けて直すことしばし、やっとなんとかチェーンを元に戻すことが出来る。さいわい変速機も壊れては居なかった。あー良かったほっとした。もしも直せなかったら漕げない自転車でどうやって前橋まで戻ろうかと考えてしまった。

  •  走り出すとほどなく沼山休憩所につきまして、さてこれからが本日のメーンエベント自転車担ぎの始まりです。何やらかすかに戦慄を感じてしまいます。まず重たいカメラや水入りボトル、その他重たい諸々は用意のザックに入れて背中に担ぎ自転車をなるべく軽くする。そしてフレームが当たる肩にはタオルを幾重にもたたんでザックの肩紐の間に挟んだら、ヨイショとかけ声も勇ましく自転車を担ぎ上げ、元気に木製の階段を上っていく。しかし短時間ならまだしも、ずっととなるとこりゃ想像以上に重たいもんだ。さっきの勇ましい元気はどこへやら、こまめに下ろしてはしょっちゅう休むことにする。

     走り出すとほどなく沼山休憩所につきまして、さてこれからが本日のメーンエベント自転車担ぎの始まりです。何やらかすかに戦慄を感じてしまいます。まず重たいカメラや水入りボトル、その他重たい諸々は用意のザックに入れて背中に担ぎ自転車をなるべく軽くする。そしてフレームが当たる肩にはタオルを幾重にもたたんでザックの肩紐の間に挟んだら、ヨイショとかけ声も勇ましく自転車を担ぎ上げ、元気に木製の階段を上っていく。しかし短時間ならまだしも、ずっととなるとこりゃ想像以上に重たいもんだ。さっきの勇ましい元気はどこへやら、こまめに下ろしてはしょっちゅう休むことにする。

  •  尾瀬には20回くらい来たけれど、福島県側からは今回が初めてなので、こっから沼山峠までどのくらいの登りがあるのか見当が付かない。だが、それなりの覚悟をして意気込んでた割には沼山峠は意外と早くやってきた。熊笹の間から突然尾瀬沼が見えたのには感激。美しさもさることながら、ガイドブックには「展望が急に開けて尾瀬沼が見えるところが沼山峠」とあるのを良く覚えていたからだ。峠ってのは普通は頂上にあるもので、登りはそこでおしまい。あとは下りになるから負担もグッと軽くなるってもんです。

     尾瀬には20回くらい来たけれど、福島県側からは今回が初めてなので、こっから沼山峠までどのくらいの登りがあるのか見当が付かない。だが、それなりの覚悟をして意気込んでた割には沼山峠は意外と早くやってきた。熊笹の間から突然尾瀬沼が見えたのには感激。美しさもさることながら、ガイドブックには「展望が急に開けて尾瀬沼が見えるところが沼山峠」とあるのを良く覚えていたからだ。峠ってのは普通は頂上にあるもので、登りはそこでおしまい。あとは下りになるから負担もグッと軽くなるってもんです。

  •  峠で尾瀬沼バックの記念写真をハイカーに撮って貰い、ゆるい下り坂なので今度は自転車をころがしながら下りて行ける。これなら思いのほか楽なので山道も気楽なもんだ。

     峠で尾瀬沼バックの記念写真をハイカーに撮って貰い、ゆるい下り坂なので今度は自転車をころがしながら下りて行ける。これなら思いのほか楽なので山道も気楽なもんだ。

  •  大江川湿原の木道に出たところで12時過ぎたのでお昼にする。と言っても持参のチョコレートやら乾パン、それにボトルの水だから大したことはない。一番旨かったのは、桧枝岐農協で仕入れた半分黒くなったようなバナナ。ほかはピーナッツや乾パンなどの乾いた食べ物ばっかりなので、こういう水分を含んだ食べ物はここでは貴重なのが分かった。バナナもっと買ってくれば良かった。

     大江川湿原の木道に出たところで12時過ぎたのでお昼にする。と言っても持参のチョコレートやら乾パン、それにボトルの水だから大したことはない。一番旨かったのは、桧枝岐農協で仕入れた半分黒くなったようなバナナ。ほかはピーナッツや乾パンなどの乾いた食べ物ばっかりなので、こういう水分を含んだ食べ物はここでは貴重なのが分かった。バナナもっと買ってくれば良かった。

  •  尾瀬沼のほとりに建っている長蔵小屋には間もなく着いて、小屋(と言ってもでっかい建物です)の脇へ自転車を立てかけ、今夜のねぐらの下見をかねて付近をブラブラと出かけていく。<br /><br /> 山小屋の料金表を覗いてみると、素泊まりで2600円で自分のシュラフで寝るなら1600円だそうだ。布団代が千円か。金払った畳の部屋でシュラフで寝るってのは変なもんだな。

     尾瀬沼のほとりに建っている長蔵小屋には間もなく着いて、小屋(と言ってもでっかい建物です)の脇へ自転車を立てかけ、今夜のねぐらの下見をかねて付近をブラブラと出かけていく。

     山小屋の料金表を覗いてみると、素泊まりで2600円で自分のシュラフで寝るなら1600円だそうだ。布団代が千円か。金払った畳の部屋でシュラフで寝るってのは変なもんだな。

  •  尾瀬沼ヒュッテで高い缶ビール350円也を買って、ちびちび飲んでいたら、本日もおまたせの例の雨がビシバシ音を立てて降ってくる。しばらくはこのヒュッテの軒先で雨宿りをさせてもらおうか。でも、ちっとも雨は止みそうもないので、こんな軒先にいるよりは無料休憩所の方が椅子もあるしいいやと雨の中を走り出す。途中、立て掛けてある自転車にポンチョをすっぽりかぶせてから少し離れた休憩所に入って行くと、中は大分すいていて長椅子の上でゴロリと横になってても大丈夫だ。<br /><br /> しばらくそんなことしてたら段々寒くなってきたので、長袖長ズボンを重ね着しておく。高いけどあったかい汁物でも食べよかなと思ってる内、お客は数人になってしまい、とうとう店じまいしてしまった。食べられなくなったと思うと余計食べたくなるもんだ。残念なことしたなー、チャンスに後ろ髪は無いことをまた思い出す。<br /><br /> 本日の午後はひたすら時間つぶしの暇つぶしだけど、他の観光地と違い尾瀬での暇つぶしも満更じゃないことを実感する。尾瀬に来るのに馬鹿野郎はいないから、そういう面では街よりはるかに安全だし、何しろどこを見渡しても景色は抜群なんだから、人通りの少なくなった尾瀬の夕景を飽きるほど見ていられる。ホントに飽きたけど。<br />

     尾瀬沼ヒュッテで高い缶ビール350円也を買って、ちびちび飲んでいたら、本日もおまたせの例の雨がビシバシ音を立てて降ってくる。しばらくはこのヒュッテの軒先で雨宿りをさせてもらおうか。でも、ちっとも雨は止みそうもないので、こんな軒先にいるよりは無料休憩所の方が椅子もあるしいいやと雨の中を走り出す。途中、立て掛けてある自転車にポンチョをすっぽりかぶせてから少し離れた休憩所に入って行くと、中は大分すいていて長椅子の上でゴロリと横になってても大丈夫だ。

     しばらくそんなことしてたら段々寒くなってきたので、長袖長ズボンを重ね着しておく。高いけどあったかい汁物でも食べよかなと思ってる内、お客は数人になってしまい、とうとう店じまいしてしまった。食べられなくなったと思うと余計食べたくなるもんだ。残念なことしたなー、チャンスに後ろ髪は無いことをまた思い出す。

     本日の午後はひたすら時間つぶしの暇つぶしだけど、他の観光地と違い尾瀬での暇つぶしも満更じゃないことを実感する。尾瀬に来るのに馬鹿野郎はいないから、そういう面では街よりはるかに安全だし、何しろどこを見渡しても景色は抜群なんだから、人通りの少なくなった尾瀬の夕景を飽きるほど見ていられる。ホントに飽きたけど。

  •  雨が上がった尾瀬沼にモヤがかかって、燧ヶ岳が夕焼けに染まりだした。段々とモヤまでもピンク色に染まっている、値千金の景色じゃないですかー。これどっかの写真展に出したら何か貰えないですかね?<br /><br /> もうすっかり暗くなって人影も見えなくなってきたので、昼間の内に目を付けておいた今夜の野宿ポイントへシュラフ片手におじゃまする。ここは長蔵小屋の離れの売店になっていて、夜は無人になるらしい。地べたより1m程高くなっている高床式の売店で、広いベランダ風休憩所にもなっている。売店の長いひさしの下にお土産を並べるためのビニールが掛かったテーブルが2つ出しっぱなしになっている。勿論、無人になる夜は品物は売店内の小屋にしまって戸を立ててあるが、有り難いことに畳一枚ほどの大きなテーブルはそのまんまだ。その上にシュラフを敷くと、なんとこれは今までの野宿で一番贅沢な寝台ができ上がったではありませんか。テーブルは後1つ人が寝られる分まるまる余っているのです。あーもったいない、誰かほかの宿なしさんを招待したい気分だ。<br /><br /> 大体、駅やバス停のベンチというのは、人のお尻分しか幅がないのでその上に寝るのは狭さとの闘いなので、こんなに広々とした寝台は後にも先にもないのじゃないかと大変贅沢な気分になりました。私の幸福度と贅沢度のハードルはとても低いのです。<br /><br /> 昼間、近くをぶらついた時にキャンプ場も見物しに行ったんだけど、鬱蒼(うっそう)とした木立の中、結構沢山の人たちがキャンプしていた。雨続きのため下はグショグショでテントの下にスノコや段ボールを敷いているらしいけど、何だか惨めっぽいなーという感じ。中には屋根だけ付いた材木集積所の上に陣取ってるグループもあった。テントはキャンプ場に張ったけど下がビチャビチャなので、今夜は全員で材木の上に寝ることに決めたようだ。あんなんよりこっちの売店の方が何倍も快適だぞと一人ほくそ笑んだりしてね。一人なら誘ってもいいけど、グループじゃ寝台が足らないので声は掛けない。<br /><br /> そういえば、キャンプ場である親子連れがこんな会話をしてたなー。「旅館に泊まれば一人1万円で何人で何万だろー。それよりお父さんは同じお金でテント買ってこういう所に泊まる方がいいと思ったんだよ。それでテント買ったんだ・・・」なんともいい話じゃありませんか。こういう山の中に家族でキャンプに来られる子供はやっぱり普通の旅館に泊まる旅行しかしたことない子供より貴重な体験をする訳だから、幸せなんだろなーとしんみり思ったり、明日の予定なんぞも考えたりして快適な尾瀬の夜は更けていくのでした。<br /><br /><br />

     雨が上がった尾瀬沼にモヤがかかって、燧ヶ岳が夕焼けに染まりだした。段々とモヤまでもピンク色に染まっている、値千金の景色じゃないですかー。これどっかの写真展に出したら何か貰えないですかね?

     もうすっかり暗くなって人影も見えなくなってきたので、昼間の内に目を付けておいた今夜の野宿ポイントへシュラフ片手におじゃまする。ここは長蔵小屋の離れの売店になっていて、夜は無人になるらしい。地べたより1m程高くなっている高床式の売店で、広いベランダ風休憩所にもなっている。売店の長いひさしの下にお土産を並べるためのビニールが掛かったテーブルが2つ出しっぱなしになっている。勿論、無人になる夜は品物は売店内の小屋にしまって戸を立ててあるが、有り難いことに畳一枚ほどの大きなテーブルはそのまんまだ。その上にシュラフを敷くと、なんとこれは今までの野宿で一番贅沢な寝台ができ上がったではありませんか。テーブルは後1つ人が寝られる分まるまる余っているのです。あーもったいない、誰かほかの宿なしさんを招待したい気分だ。

     大体、駅やバス停のベンチというのは、人のお尻分しか幅がないのでその上に寝るのは狭さとの闘いなので、こんなに広々とした寝台は後にも先にもないのじゃないかと大変贅沢な気分になりました。私の幸福度と贅沢度のハードルはとても低いのです。

     昼間、近くをぶらついた時にキャンプ場も見物しに行ったんだけど、鬱蒼(うっそう)とした木立の中、結構沢山の人たちがキャンプしていた。雨続きのため下はグショグショでテントの下にスノコや段ボールを敷いているらしいけど、何だか惨めっぽいなーという感じ。中には屋根だけ付いた材木集積所の上に陣取ってるグループもあった。テントはキャンプ場に張ったけど下がビチャビチャなので、今夜は全員で材木の上に寝ることに決めたようだ。あんなんよりこっちの売店の方が何倍も快適だぞと一人ほくそ笑んだりしてね。一人なら誘ってもいいけど、グループじゃ寝台が足らないので声は掛けない。

     そういえば、キャンプ場である親子連れがこんな会話をしてたなー。「旅館に泊まれば一人1万円で何人で何万だろー。それよりお父さんは同じお金でテント買ってこういう所に泊まる方がいいと思ったんだよ。それでテント買ったんだ・・・」なんともいい話じゃありませんか。こういう山の中に家族でキャンプに来られる子供はやっぱり普通の旅館に泊まる旅行しかしたことない子供より貴重な体験をする訳だから、幸せなんだろなーとしんみり思ったり、明日の予定なんぞも考えたりして快適な尾瀬の夜は更けていくのでした。


  •  出発から4日目、快適な売店寝台の朝。<br /> やっぱり4時頃になるとほんのりと明るくなってきて、4時半になると辺りが白んできた。心配していた蚊もいなくて売店の大きなテーブル寝台での一夜はもう最高でしたばいてん。<br /><br /> この売店の小さな看板には5時開店とあるので、その前に起床しなくちゃなんだけど、5時過ぎても誰も店を開けに来ない。もうお盆なので夜明けにはハイカーがどっとやってくるかと思ってたけど、それもまだのようだ。私が初めて尾瀬を訪れた時は、夜中歩いて明け方に尾瀬沼に着いたことがあったので、それと同じと思ってたけど今は違うのかな。どうやら売店もハイカーが来始めてから開けるんだろう。<br /><br /> 今日はこのあと三平峠を越え大清水へ出て帰ってしまおうかどーしようかと迷ったけど、尾瀬へ自転車で来るのはもう有りっこないのだし、折角だから山越えして尾瀬ヶ原を縦断、鳩待へ出てしまう尾瀬満喫コースにしようと決める。そして、山の鼻あたりの屋根の下で野宿して、あさってゆっくりと前橋まで走ればいいやってことにする。<br /><br /> 昨日の無料休憩所へ行って300円のなめこ汁を頼み、持参の乾パンやらチーズ蒲鉾、バナナやチョコレートで朝飯とする。やっぱり山では汁物が一番旨いなー。今日はこの後、ボトルに前橋から持参の粉末ポカリスエットを入れて持ち歩くのでちょっとおまけの楽しみがあるんですよ。乾パン食べたのは初めてではないが、今まで食べた時は物は試しと摘んで食べた程度だったので、食事として食べるのは今回が初めてだった。乾パンは水なしでは食べづらく、一度に沢山食べられないのも分かった。好きなことして乾パン食べてるんだから仕方ないけど、自衛隊員とか被災地なんかで乾パン食べざるを得ない場合は気の毒だな。<br /><br /> 歯磨きをして7時に長蔵小屋を出発、尾瀬ヶ原を目指して歩き始める。尾瀬の意外な良いところは、他の山と違って水が豊富なところだ。山小屋がある所ならどこでも無料で好きなだけ水が使える。沼があって湿地帯の尾瀬ならではだろう。<br /><br /> 沼沿いの道は結構デコボコがあってくねくねと木々の間を縫って続き、多少の登り下りがあるので、自転車もそれに応じて担いだり転がしたりとこまめに上下しなくてはならない。平らな所があると言っても、多くが木道を歩く尾瀬なので、尾瀬の中では一度も自転車に乗ることはありません。そんな道をのんきに歩っていると、50分で反対側の沼尻休憩所に着く。<br /><br /> 自転車は木道にころんと転がして小屋の中に入っていくと、缶ビールが天然の水でチョロチョロと冷やされていて旨そうだ。まるで私に飲んで貰いたくて出番を待っているかのようだけど、いやいやまだまだこの先は難所の山越えが控えているので飲むのは早いのだよ。じっと我慢の子でいなくてはならない。ちゃん。<br /><br /> 次に山小屋がある見晴らし休憩所までは、山の中を2時間も掛けて越えなくてはならないのだ。そしたら原っぱに出たお祝いに飲むことにしよう。代わりにボトルのポカリをチビチビ飲む。これだってビールに負けず旨いのなんのって、こんなに旨いんならもう一袋持ってくれば良かったかなー。サイクリングに新たな発見をしてしまった。<br /><br /> 沼尻をあとに本日の最高の難所、いや、今回サイクリング最高の難所である尾瀬ヶ原へ抜ける山道へ入っていく。この道はハイキングで一度歩いた事があるので、その険しさは良く覚えている。いささか戦慄を覚えて鳥肌が立っちゃいそうだ。

     出発から4日目、快適な売店寝台の朝。
     やっぱり4時頃になるとほんのりと明るくなってきて、4時半になると辺りが白んできた。心配していた蚊もいなくて売店の大きなテーブル寝台での一夜はもう最高でしたばいてん。

     この売店の小さな看板には5時開店とあるので、その前に起床しなくちゃなんだけど、5時過ぎても誰も店を開けに来ない。もうお盆なので夜明けにはハイカーがどっとやってくるかと思ってたけど、それもまだのようだ。私が初めて尾瀬を訪れた時は、夜中歩いて明け方に尾瀬沼に着いたことがあったので、それと同じと思ってたけど今は違うのかな。どうやら売店もハイカーが来始めてから開けるんだろう。

     今日はこのあと三平峠を越え大清水へ出て帰ってしまおうかどーしようかと迷ったけど、尾瀬へ自転車で来るのはもう有りっこないのだし、折角だから山越えして尾瀬ヶ原を縦断、鳩待へ出てしまう尾瀬満喫コースにしようと決める。そして、山の鼻あたりの屋根の下で野宿して、あさってゆっくりと前橋まで走ればいいやってことにする。

     昨日の無料休憩所へ行って300円のなめこ汁を頼み、持参の乾パンやらチーズ蒲鉾、バナナやチョコレートで朝飯とする。やっぱり山では汁物が一番旨いなー。今日はこの後、ボトルに前橋から持参の粉末ポカリスエットを入れて持ち歩くのでちょっとおまけの楽しみがあるんですよ。乾パン食べたのは初めてではないが、今まで食べた時は物は試しと摘んで食べた程度だったので、食事として食べるのは今回が初めてだった。乾パンは水なしでは食べづらく、一度に沢山食べられないのも分かった。好きなことして乾パン食べてるんだから仕方ないけど、自衛隊員とか被災地なんかで乾パン食べざるを得ない場合は気の毒だな。

     歯磨きをして7時に長蔵小屋を出発、尾瀬ヶ原を目指して歩き始める。尾瀬の意外な良いところは、他の山と違って水が豊富なところだ。山小屋がある所ならどこでも無料で好きなだけ水が使える。沼があって湿地帯の尾瀬ならではだろう。

     沼沿いの道は結構デコボコがあってくねくねと木々の間を縫って続き、多少の登り下りがあるので、自転車もそれに応じて担いだり転がしたりとこまめに上下しなくてはならない。平らな所があると言っても、多くが木道を歩く尾瀬なので、尾瀬の中では一度も自転車に乗ることはありません。そんな道をのんきに歩っていると、50分で反対側の沼尻休憩所に着く。

     自転車は木道にころんと転がして小屋の中に入っていくと、缶ビールが天然の水でチョロチョロと冷やされていて旨そうだ。まるで私に飲んで貰いたくて出番を待っているかのようだけど、いやいやまだまだこの先は難所の山越えが控えているので飲むのは早いのだよ。じっと我慢の子でいなくてはならない。ちゃん。

     次に山小屋がある見晴らし休憩所までは、山の中を2時間も掛けて越えなくてはならないのだ。そしたら原っぱに出たお祝いに飲むことにしよう。代わりにボトルのポカリをチビチビ飲む。これだってビールに負けず旨いのなんのって、こんなに旨いんならもう一袋持ってくれば良かったかなー。サイクリングに新たな発見をしてしまった。

     沼尻をあとに本日の最高の難所、いや、今回サイクリング最高の難所である尾瀬ヶ原へ抜ける山道へ入っていく。この道はハイキングで一度歩いた事があるので、その険しさは良く覚えている。いささか戦慄を覚えて鳥肌が立っちゃいそうだ。

  •  しかし、さすがこの道は凄いですねー!覚悟はしてたけど嫌んなる程めちゃくちゃの道です。10年前にもこの道を歩った事があって、空身のハイカーでも結構大変なコースという道なのです。こういう道で大小4つのバッグを提げたいかにも重そうな自転車なんか担いでいると、すれ違うハイカーが何やら声を掛けてきます。<br />「頑張ってくださーい」<br />「凄いですねーっ」<br />「大変ですねー」<br />「頑張りますねー」<br /> と言うのがその多くだけど、中には<br />「たまげたーっ何担いでるのかと思った」とか<br />「うへーっ自転車だよ!」<br />「ちからもちーっ」<br /> ある親子連れなんか<br />「○○ちゃんもあーいう事する位にならなくちゃ」<br /> なんて小さな子供に言ってるよ。いやー私なんかが人生の目標なんかに例えられちゃっていいんかねー。<br /><br /> その内こっちもすれ違う人の反応が楽しみのひとつになったりしてね。何しろ出会う人で声を掛けてくれない人の方が珍しいほどの人気者なんですよ。もしかして今日が人生最良の日?<br /><br /> 小さな山あり谷あり倒木を乗り越えたりのほか、川にかかる木道の橋を渡るときなんか自転車ごと落ちないように真剣そのものだ。何だかこの山道で体力をあらかた使い果たしてしまった感じになった。特に担いでいる右腕と肩の消耗が激しく「こりゃもー限界だぜよ」なんて言ってる内に、あーら嬉しや木立の間から派手な山小屋の屋根が目に入ってくる。そうなると最後の元気がでてきて、幾分足どりも軽くなった気がする。もうすぐ休める、ビールが飲める~。<br /><br /> 沼尻からここまでの所要時間が2時間弱で、ガイドブックの予定所要時間が1時間半だから自転車同伴を考えればまずまずってところか。私の体力もまずまずだな。

     しかし、さすがこの道は凄いですねー!覚悟はしてたけど嫌んなる程めちゃくちゃの道です。10年前にもこの道を歩った事があって、空身のハイカーでも結構大変なコースという道なのです。こういう道で大小4つのバッグを提げたいかにも重そうな自転車なんか担いでいると、すれ違うハイカーが何やら声を掛けてきます。
    「頑張ってくださーい」
    「凄いですねーっ」
    「大変ですねー」
    「頑張りますねー」
     と言うのがその多くだけど、中には
    「たまげたーっ何担いでるのかと思った」とか
    「うへーっ自転車だよ!」
    「ちからもちーっ」
     ある親子連れなんか
    「○○ちゃんもあーいう事する位にならなくちゃ」
     なんて小さな子供に言ってるよ。いやー私なんかが人生の目標なんかに例えられちゃっていいんかねー。

     その内こっちもすれ違う人の反応が楽しみのひとつになったりしてね。何しろ出会う人で声を掛けてくれない人の方が珍しいほどの人気者なんですよ。もしかして今日が人生最良の日?

     小さな山あり谷あり倒木を乗り越えたりのほか、川にかかる木道の橋を渡るときなんか自転車ごと落ちないように真剣そのものだ。何だかこの山道で体力をあらかた使い果たしてしまった感じになった。特に担いでいる右腕と肩の消耗が激しく「こりゃもー限界だぜよ」なんて言ってる内に、あーら嬉しや木立の間から派手な山小屋の屋根が目に入ってくる。そうなると最後の元気がでてきて、幾分足どりも軽くなった気がする。もうすぐ休める、ビールが飲める~。

     沼尻からここまでの所要時間が2時間弱で、ガイドブックの予定所要時間が1時間半だから自転車同伴を考えればまずまずってところか。私の体力もまずまずだな。

  •  このあとは、まっ平らの尾瀬ヶ原を2時間も歩いて山の鼻休憩所まで行けばいいんだから、ホントに散歩みたいなもんだ、気楽だね。ここでお待ちかねの缶ビールを大枚400円出して飲むことにする。顔を洗いさっぱりした所で、外に何台も並んでいる木製テーブル付きベンチで持参のピーナッツ肴に飲んでいると親子連れが同席してきたので自然と話し始める。<br /><br /> 何とびっくり九州からわざわざやってきたそうだ。当然尾瀬は初めてで、このあと三条の滝を見て尾瀬沼へ行き、三平峠を越えるなんてとんでもないことを言ってるから、私は三条の滝も三平峠も経験しているが、時間的にまったく無理だ。三条の滝なんか見る程の物でないから止めにして、直接沼へ向かった方がいいとガイドブック片手に尾瀬のアドバイスをして上げる。それでもこれからあの山道を越えて尾瀬沼経由して三平峠を越えてバス停がある大清水に至るには少なくとも4,5時間は必要だけどね。この人だいじょうぶかな。<br /><br /> 檜枝岐民宿で一緒になった横浜の人たちといい、この九州の人たちといい、まったく遠いところから尾瀬に憧れてやってくるもんだ。そー言えば数年前に京都であった地元のおっちゃんも群馬から来たと言ったら「一度尾瀬に行きたい思ーてるんや」ゆーてたん思いだしたわ。こっちは地元だから尾瀬なんかは泊まりで来るもんじゃないと有り難みがないが、遠くの人から見たら随分と羨ましい話なのかもね。歌のどおり「遥かな尾瀬 遠い空」なんだろう。

     このあとは、まっ平らの尾瀬ヶ原を2時間も歩いて山の鼻休憩所まで行けばいいんだから、ホントに散歩みたいなもんだ、気楽だね。ここでお待ちかねの缶ビールを大枚400円出して飲むことにする。顔を洗いさっぱりした所で、外に何台も並んでいる木製テーブル付きベンチで持参のピーナッツ肴に飲んでいると親子連れが同席してきたので自然と話し始める。

     何とびっくり九州からわざわざやってきたそうだ。当然尾瀬は初めてで、このあと三条の滝を見て尾瀬沼へ行き、三平峠を越えるなんてとんでもないことを言ってるから、私は三条の滝も三平峠も経験しているが、時間的にまったく無理だ。三条の滝なんか見る程の物でないから止めにして、直接沼へ向かった方がいいとガイドブック片手に尾瀬のアドバイスをして上げる。それでもこれからあの山道を越えて尾瀬沼経由して三平峠を越えてバス停がある大清水に至るには少なくとも4,5時間は必要だけどね。この人だいじょうぶかな。

     檜枝岐民宿で一緒になった横浜の人たちといい、この九州の人たちといい、まったく遠いところから尾瀬に憧れてやってくるもんだ。そー言えば数年前に京都であった地元のおっちゃんも群馬から来たと言ったら「一度尾瀬に行きたい思ーてるんや」ゆーてたん思いだしたわ。こっちは地元だから尾瀬なんかは泊まりで来るもんじゃないと有り難みがないが、遠くの人から見たら随分と羨ましい話なのかもね。歌のどおり「遥かな尾瀬 遠い空」なんだろう。

  •  尾瀬ヶ原は予想通り何のことはなく自転車をころころ転がしていれば良いので、これで大分体力の回復ができる。唯一の難点は、自転車を転がすのは木道2車線(?)を使ってしまうってことだ。だから向こうからハイカーさんがくると立ち止まって道を譲ってやらなくてはならない。それと、自転車を転がしてるだけじゃ誰も誉めてくれやしない。ちょっと珍しそうな顔をされるだけだから張り合いがない。ま、ここじゃ何の苦労もしてないんだから当たり前か。

     尾瀬ヶ原は予想通り何のことはなく自転車をころころ転がしていれば良いので、これで大分体力の回復ができる。唯一の難点は、自転車を転がすのは木道2車線(?)を使ってしまうってことだ。だから向こうからハイカーさんがくると立ち止まって道を譲ってやらなくてはならない。それと、自転車を転がしてるだけじゃ誰も誉めてくれやしない。ちょっと珍しそうな顔をされるだけだから張り合いがない。ま、ここじゃ何の苦労もしてないんだから当たり前か。

  •  途中、唯一の山小屋である竜宮小屋を通過して、原っぱの終点である山の鼻に着いたところ、まだ1時半なので、ここで一息入れて鳩待峠まで登ってしまうことに決定。<br /><br /> ここから鳩待までは登り一方なので、ひとつ馬力のつく物を食べておこうとカレーライス650円とオロナミンC200円を奮発する。残りのポカリ粉末でボトルを一杯にして自転車の所に戻ると、尾瀬の係員みたいのが来てて「ここは自転車は入ってはいけないんです」とのこと。あーそうなんですかー、これから鳩待へ帰るところなんですー。なんてとぼけといたけど、こっちは尾瀬へ来る前からそんなこたぁ承知の助でして、沼にも環境庁の出張所があるから、沼で捕まると先へ進めないからやばいなーと思っていたんですよ。ここでだったら何のことはありませ~ん。<br /><br /> 2時半に鳩待峠目指していざ出発。最初の内こそ木道の平坦な道が続くが、その内自転車を担がなくてはならない山道になるはずなので、気がぴりぴり張っている。しかし自転車は小川を渡る橋なんかで何度か担いだ程度で坂道もほとんど木道が続いているから転がして登ることができる。だけど担ぐと途端にひっきりなしにやって来るハイカーが誉めてくれる。うーん、やっぱり気分がいい、がはははは。誉めてもらえるんだったらもっと担いでもいいんだけど。<br /><br /> 意外や以前来たときよりも格段に道は整備されていて、ガイドブックでは山の鼻まで1時間半の所要時間だったのに何のことはない1時間で登り切ってしまった。ここは3時間掛かるものと覚悟してたんだけど予想外のハイスピードでクリアしてしまった。だからボトルのポカリもいくらも飲まないで殆ど残っているという勿体なさ。

     途中、唯一の山小屋である竜宮小屋を通過して、原っぱの終点である山の鼻に着いたところ、まだ1時半なので、ここで一息入れて鳩待峠まで登ってしまうことに決定。

     ここから鳩待までは登り一方なので、ひとつ馬力のつく物を食べておこうとカレーライス650円とオロナミンC200円を奮発する。残りのポカリ粉末でボトルを一杯にして自転車の所に戻ると、尾瀬の係員みたいのが来てて「ここは自転車は入ってはいけないんです」とのこと。あーそうなんですかー、これから鳩待へ帰るところなんですー。なんてとぼけといたけど、こっちは尾瀬へ来る前からそんなこたぁ承知の助でして、沼にも環境庁の出張所があるから、沼で捕まると先へ進めないからやばいなーと思っていたんですよ。ここでだったら何のことはありませ~ん。

     2時半に鳩待峠目指していざ出発。最初の内こそ木道の平坦な道が続くが、その内自転車を担がなくてはならない山道になるはずなので、気がぴりぴり張っている。しかし自転車は小川を渡る橋なんかで何度か担いだ程度で坂道もほとんど木道が続いているから転がして登ることができる。だけど担ぐと途端にひっきりなしにやって来るハイカーが誉めてくれる。うーん、やっぱり気分がいい、がはははは。誉めてもらえるんだったらもっと担いでもいいんだけど。

     意外や以前来たときよりも格段に道は整備されていて、ガイドブックでは山の鼻まで1時間半の所要時間だったのに何のことはない1時間で登り切ってしまった。ここは3時間掛かるものと覚悟してたんだけど予想外のハイスピードでクリアしてしまった。だからボトルのポカリもいくらも飲まないで殆ど残っているという勿体なさ。

  •  福島県側から自転車を担ぎながら沼へ入って、尾瀬ヶ原を縦断し鳩待まで来られたので大満足の爽快な気分に浸りました。おまけにまだ4時前というハイペースに、最近体力落ち気味の心に自信を取り戻せた気がした。バッグの中にまだ羊かんが残っていたので、それとポカリを飲んで一息つき、この辺りで1泊という予定を繰り上げて前橋まで帰っちゃうことにする。こっから前橋までは80数キロ、今出発すれば今日中に帰れらいと、4時15分鳩待峠をあとに前橋目指して元気にペダルをこぎ始めたのでありました。<br /><br /><br /> おわり<br />

     福島県側から自転車を担ぎながら沼へ入って、尾瀬ヶ原を縦断し鳩待まで来られたので大満足の爽快な気分に浸りました。おまけにまだ4時前というハイペースに、最近体力落ち気味の心に自信を取り戻せた気がした。バッグの中にまだ羊かんが残っていたので、それとポカリを飲んで一息つき、この辺りで1泊という予定を繰り上げて前橋まで帰っちゃうことにする。こっから前橋までは80数キロ、今出発すれば今日中に帰れらいと、4時15分鳩待峠をあとに前橋目指して元気にペダルをこぎ始めたのでありました。


     おわり

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