紀の国訪問記（７２）南紀白浜へ。

2021/08/04 - 2021/08/08

昔の田辺を正確に知る訳ではないが、自分の知る限りの田辺は港に面した城下町で、紀州徳川家家老職にあった安藤氏が田辺藩主として、明治の廃藩置県まで君臨していた。田辺湾に面した小藩ではあったが、昭和平成の大合併で市域はどんどん熊野山中まで広がり、現在では熊野本宮大社まで市の一部となっている。そのおかげと言うか何というか、熊野本宮の僧兵として活躍した、あの武蔵坊弁慶も今では田辺市のヒーローとなっている。

この合併の故か、田辺は県内では和歌山に次ぐ２番目に人口の多い市となっていて、その市域の広さは近畿圏では一番だ。尤も県内第２の都市と言っても、和歌山自体が人口過疎県で、総人口は１００万人にも満たず、県庁所在地の和歌山市でも３５万人程度で、それ以下の橋本、海南、新宮、にしても皆弱小で、この田辺は８万にも達していない。ただ棚ぼたなのは、熊野山中の町村を合併したお陰？で、その村落の端のほうの一部は新宮よりも南になっていて、ここ田辺は本州で一番南の市となっている。

イーデスハンソンが近くに住む中辺路停留所を出たバスは田園の渓流に沿ってなだらかな道路を下って行く。昔の遍路道はこの川沿いを上って来たのだろう。今見ても実に歩き易そうな辺路だ。急な下りも登りもどこにもなく、殆ど１本道を下って行く。田辺に近づくに連れ住宅も増えてきて、行き交う車も多くなる。市の郊外らしき賑やかな通りに出ると、漸くバスは今までの桃源郷のような山里から、現代の町、現在の時間に戻って来たような感じになる。市街地に入ると多少乗客の乗り降りも出てきて、暫く走って田辺駅前に停車する。ここは３日前にＪＲ電車乗り継ぎの際に降り立った駅だ。バスは少し長く停車し、又何人かの客を乗せ、白浜に向かう。

紀伊田辺駅を出たバスは、隣駅の南紀白浜駅で停まり、ここでも又数人の客を乗せ、最終の白浜空港に向かって走らせる。白浜駅を出ると直ぐにも海が見えて来る。南紀白浜の海だ。関西一のリゾート地で、海あり温泉ありパンダありだ。ここの動物園は全国的にも有名で、日本で一番多くのパンダを飼育している。尤も７－８匹程度だから、西安のパンダ園の数百匹を越える大小様々なパンダ、その中には白浜のパンダの倍程も大きいジャイアントパンダも何十匹もいて、規模の点では全く比較にならない。西安のパンダをみてきた身には白浜のパンダ園など殆ど興味はないが、それでもここは国内では最大で、全国から集まる人気の場所だ。バスは海沿いを走り、白浜の中心地に向かう。その少し手間に大きな海鮮マーケット、「とれとれ市場」があって、広大な駐車場は、このコロナ下でも沢山の買い物客で賑わっていた。

エリア 南紀白浜(和歌山)

• 旅行の満足度: 4.5

中辺路バス停留所を出たバスは、川沿いに緩やかな下り坂を進んで田辺に向かう。

バスは田辺駅、白浜駅を経由して、白浜の海に出る。

白浜は関西一のリゾート地。海沿いには大きなリゾートホテルも見える。

白浜漁港。漁船とレジャーボートと半々だ。

この漁港の先が白浜のメインの通りだ。

ああ有名な、海鮮市場、「とれとれ市場」が見えてきた。

ここは漁協直営の市場で、関西一の規模を誇る。

さて、これから白浜メインの通りに入ってくる。