2021/09/12 - 2021/09/13
168位(同エリア591件中)
国電さん
■はじめに
日本各地にある「鉄道車両を二次利用した宿泊施設」に泊まるこのシリーズであるが、過去には以下のように実施してきている。
1回目(2010年10月) https://4travel.jp/travelogue/10529718
・阿久根ツーリングSTAYtion(鹿児島県阿久根市) ※2014年閉鎖
・ブルートレインたらぎ(熊本県多良木町)
・TR列車の宿(宮崎県日之影町)
2回目(2017年5月) https://4travel.jp/travelogue/11252922
・トレインホステル北斗星(東京都中央区)
・ブルートレインあけぼの(秋田県小坂町)
3回目(2019年11月) https://4travel.jp/travelogue/11562761
・ブルートレイン日本海(岩手県岩泉町)
(2008年に閉鎖された小岩井農場にある「SLホテル」の外観も見学)
今回の宿泊施設は、山梨県富士河口湖町にある「モーニングサラダ」と、長野県上田市にある「民宿あずさ号」である。後者については、時折テレビや雑誌で取り上げられたりしているので有名であろうが、前者はあまり知られていないのではないかと思う。というのも、通常の客車ではなくて、貨車(車掌車)が再利用されているからである。
ということで、まずは予約である。モーニングサラダの場合、土曜日はお1人様プランがないため、金曜日に休みを取って宿泊することにした。素泊りで7,700円也。
民宿あずさ号については、土曜日(祝前日)は料金が高くなるため、こちらは日曜日に予約を入れた。宿泊料(2食付)が11,000円+1人宿泊であるため5,500円追加である。
@上田市内にて
- 旅行の満足度
- 4.5
PR
-
■2021.9.3
今日はせっかく休みを取っているが、河口湖に移動するだけである。しかも、素泊りプランが「チェックイン19時から」であるため、15時にでも家を出れば充分である。
そこであれこれ考え、「最安の方法で河口湖まで移動する」ことにチャレンジしてみることにした。ネットで似たようなことをしている人の案を参考にして、「新宿から格安チケットを使って京王線で高尾へ」「JRで上野原へ」「高速バスで河口湖駅へ」である。
昼頃、定期券で新橋へ行き、格安チケット(時差切符)を使ってメトロで新宿へ向かった。チケットショップへ行き、京王線の株主優待券を購入。
@今日のサブテーマは「格安」 -
14時00分発の特急で高尾に向かい、JRに乗り換えて上野原へ向かった。
駅前にあったスーパーで時間潰しをしてから、高速バス停へと向かった。この急坂が、まるで山登りのようであった(毎日通う人は大変そうである)。安い方法を実践するためこのような乗り継ぎをしているが、頑張ったところで数百円しか変わらないので、普通に高速バスだけで直行するのがベストであろう(今日は、暇すぎるためこのような無茶な移動をしているだけである)。
@高速バス停入口(動物侵入防止) -
16時15分、事前にネット購入していた高速バスに乗り込んで、河口湖駅へと向かった。17時00分到着。まずは、地元のスーパーに行って夜用食材を買いあさった。
宿泊地であるペンション村までの交通手段であるが、夕方までであればバスがあるが、もうこの時間となれば徒歩だけである。ということで、1時間45分の散歩である。
19時少し過ぎに、宿に到着した。支払いを済ませ、早速コテージへと向かう。「禁煙車」の表示がすばらしい。
@入口 -
早速中へ。入ってすぐの場所は区切られた空間となっており、机や椅子、電子レンジやポット、冷蔵庫などもあり、設備としては充分である。壁には圧力計やこの車両の昔の姿の写真など、鉄道グッズが掲げられている。
@鐡の雰囲気(実は部屋の鍵も鉄道車両) -
仕切りの壁の向こうが、寝室スペースである。車掌車=狭いというイメージであるが、1人で寝るにはこれで充分である。中央ドアの向こうには、トイレ(ウォシュレット付)とシャワー室もあり、コテージ内ですべてを済ませることができる。
@外に出る必要なし -
国鉄時代のこの車両であるが、この部屋に泊まった人のブログ等で必ずと言っていいほど紹介されているのが、天井にある国鉄マーク(JNR)付きの扇風機である。実はこの扇風機、枕元にあるスイッチを押すと稼働するのである。飾りだけかと思っていたが、実際に動いたのは驚きであった。
@回してみる -
その後は、スーパー食材で夕食を済ませて、就寝。ベッドも大きく、快適である。
■2021.9.4
今日は、ただ単に帰るだけである。ということで、富士河口湖町付近のグルメ+観光である。
出発前に、今回の車両の外観の紹介である(昨晩は暗くなってからの到着であったため)。塗装はされているが、見た目としては車両(車掌車)の雰囲気をかなり保った状態である(右奥の飛び出している部分は、増設されたシャワー室)。
@こんな外観 -
7時45分頃にチェックアウトをして、今日は左回りに河口湖沿いを歩いていった。約1時間40分ほど歩き、疲れ切ったところで道の駅に到着した。売店を見たりしてから再度出発し、河口湖駅には10時25分頃に到着した。
この時点で、すでに2万歩近く歩いている。かなり疲れたが、道路沿いには時折変なものがあったりするので、面白さもある。
@無人「薪」販売所 -
10時40分発の列車に乗り、富士山で下車。ここでの目的は、言うまでもなく「吉田うどん」である。
駅から歩いて数分の場所にある店に行き、開店直後の11時に店内に入った。注文したのは、馬肉を使った「肉うどん」である。
@硬くて美味い -
うどんを頂いてから駅に戻り、11時36分発の列車に乗り込んだ。
この後は、禾生(かせい)で下車して徒歩観光であるが、旅の本題からは逸れているので削除である。あれこれ見てから、高速の小形山バス停からバスに乗って上野原で下車し、往路と同様にJRと京王線を乗り継いで帰るだけである。
■2021.9.12
午前中は語学試験(TOEIC)を都内で受験し、その後は有楽町の家電量販店に行ったりしてから東京駅に向かい、14時04分発の新幹線で上田に向かった。15時39分到着。
@上田と言えば六文銭 -
しばし市内散策をしてから、16時30分頃に宿の送迎車で駅前から宿に向かった。
10分ほどで到着し、早速民宿内へ。各ウェブサイト等であれこれ紹介されているが、やはり建屋内に鉄道車両1両が丸々あるのは違和感がある。
@存在感あり -
案内されて、車両内へ。ここで、宿帳に記入したりしてから、民宿内の説明を受けた。夕食は19時にしてもらい、翌朝は午後勤務のため早めに出発するため、朝食は7時30分頃、送迎を8時20分頃に設定してもらった。
@革製の切符+ペーパークラフト付き -
室内であるが、一面「畳敷き」である。列車の車内という観点からは違和感満載であるが、宿泊施設としての快適性という意味では、車両をそのまま使うよりはこれの方が一枚上手である。座席はいくつか残されているので、そこに座れば「車内っぽい」感じは充分に残されている。
@宿泊施設ですから -
手続き後すぐに、運転席に案内された。鍵を差し込むと「プシュー」となってエアーが入る(つまり「生きている」証拠。この後、ドア開閉なども実施した)。ただ単に「係留しているだけ」の保存車両は多くあるが、作動する状態というのは珍しい。
@運転席 -
運転席のすぐ右には受話器があるが、これは「車内放送用」である。受話器を取って話してみると、車内に自分の声が響き渡った。
そして受話器の下にある黒いボタンが、「あのオルゴール」(鉄道唱歌)である。もちろん、作動させて録音をした。
@ちょっと感動的 -
続いての操作は、ドアの開閉である。これまた普段は体験できない貴重なものであるが、写真では面白さを表現できないので省略。
続いてはホーム(?)に降りて、行先表示の操作である。この手のものは鉄道博物館等でもあるが、やはり動かしてみると面白い。
@2種類あり -
一通りの説明が終わり、宿のおばさんは裏手へ引き上げていった。
さて、後はそれ以外の展示物をあれこれと自分で見るだけである。建屋内にある鉄道グッズをあれこれ見てから車両内に戻り、奥へと進んでいった。まず特筆すべきは、車内用自動販売機が残っている点である。もちろん使用はできないが、懐かしいこと限りない。
@懐かしい -
もう1点特筆すべきは、洗面台とトイレが使えるという点である。洗面台は、若干のアレンジはされているものの昔の面影そのままであり、トイレはウォシュレット付きになっているものの、付属品等は以前のままである。
@使えます -
風呂に入ってから建屋内の奥にある広間へ向かい、夕食である。すでに他のサイトでも紹介済みであるが、釜飯と手打ち蕎麦がメインである。
@当然ビールも注文 -
美味しく頂いてから、就寝。
■2021.9.13
6時前、車内の電灯が点いて明るくなった。畳敷きであるが、天井は鉄道のそれであるので、やはり「車内にいる」という感覚である。
車内には色々と「小ネタ」があるが(トイレ使用中を示すライトなど)、今となってはもう見られない代物としては、「自由席」「指定席」を示すアナログの表示板であろう。取り換え式ではなく、ひっくり返すだけで表示を変えられるようになっている(しかも、取り外せない工夫がされている)。
@地味なポイントですが -
建屋内にも、色々な鉄道グッズや有名人の色紙などが飾られている。具体例を示すとキリがないが、やはり個人的に目を引くのは給水器であろうか。昔は優等列車にはもれなく付いていたものである。
@懐かしい -
7時過ぎに朝食を頂いて、その後は運転席で汽笛鳴らし等の体験をさせてもらい、遮断機を閉じさせてもらったり、外に出て記念撮影をしてから行先票を回転させて様々な表示を見せてもらったりした(表紙写真)。
宿泊料はそれなりに高いが、貴重な経験をさせてもらった1泊であったと思う。
駅まで送迎してもらい、8時37分発の新幹線に乗車。東京駅到着後はいったん家に戻り、サラリーマンの風采になって午後から出勤するだけである。
@電光掲示
*旅行記および私の詳細については以下で。
「鐡旅」http://www2u.biglobe.ne.jp/~kokuden/tetu.htm
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