2021/08/07 - 2021/08/08
127位(同エリア361件中)
さるおさん
私、今はこんな仕上がりになっていますが、これでも中-高時代は文学少女として鳴らしておりました。一度でも文学少女と言われた人ならば誰でも太宰治に憧れた時代はあるでしょう。私も例に漏れず。左程、作品のファンだったわけではありませんが、神経質そうな外見、羽織った黒いマント、"生まれてすみません"や"恥の多い人生を送ってきました"に代表される自虐的な文章、幾人もの女に愛し愛され、極めつけの入水心中、そのドラマチックな生涯に強く憧れたものです。少女時代、"好きな男性のタイプは?"と聞かれ、同世代の友達がアイドルの名前をあげる中、"太宰治"と答えるような、いけすかないガキでした。今では、"こんな男に引っ掛かったらエラい目にあう"と認識していますが(笑)。
そんなこんなで、一度訪れてみたかった太宰の故郷、金木。今回の旅の目的の一つでもあります。
行程:「立佞武多の館」→津軽鉄道(風鈴列車)→金木(斜陽館・津軽三味線会館・太宰治疎開の家)
ホテル:サンルート五所川原
- 旅行の満足度
- 4.5
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五所川原のお宿は「サンルート五所川原」。普通のビジホですが、昨日の宿が狭すぎて広く感じる(笑)。温泉大浴場付。
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夜ご飯は、ホテルの人に勧められたお寿司屋さんへ。お刺身の帆立が甘かった。お寿司屋の御主人と立佞武多の事など色々お話し。多分、女性一人客に気をつかわれたのだと思う…。
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「立佞武多の館」
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"ねぶた"と一口に行っても、地域ごとに特色がある。
「五所川原立佞武多」は20mを超える巨大な山車と「ヤッテマレ」の掛け声が特徴的。
青森ねぶたは歌舞伎などをモチーフにした人形型ねぶたが特徴。掛け声は"ラッセーラ"。
弘前のねぶたは扇型。哀調的な囃子で掛け声は"ヤーヤドー"。 -
この旅では、五所川原、青森、弘前の3つの"ねぶた"を見学したが、私は「五所川原立佞武多」が一番好きかな。実際の祭りの雰囲気の中で見るのとは、また違うだろうが、やはり20mを越える立佞武多は迫力がある。
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「立佞武多の館」の見せ方も上手い。立佞武多を囲んだ螺旋状になったスロープを上から下りながら見学するシステム。色んな高さ、色んな角度から立佞武多を見ることが出来る。
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下から見上げると迫力あるんだよねぇ。
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全体で見ると、より大きさがわかりますね。七階建てのビルに相当するそうです。
この「五所川原立佞武多」は電線の出現により小型化を余儀なくされ、戦後の大火により設計書や写真が消失、姿を消したそうです。それが平成5年に設計図が発見され、平成8年に80年の時を経て復活。その時の五所川原の人々の気持ちはいかばかりのものだったでしょうか。眼前に現れた"故郷の誉"、胸が熱くなったことでしょうね。 -
祭りの時は、立佞武多がこの館から迫り出していくそうです。想像しただけで興奮するわ。まるでガンダムじゃん。
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ギャラリーでは「映える浮世絵版画展」。出店作品は、歌川国貞、歌川豊国、歌川広重など。
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津軽鉄道「津軽五所川原駅」から太宰の故郷「金木」に向かいます。冬のストーブ列車が有名ですが、夏のこの時期は「風鈴列車」。それにしても味のある駅。
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列車の中にも風鈴。車窓からは岩木山。沿線に咲く名も知らない花々。美しい風景。
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「金木」到着。
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はい、出た、「斜陽館」。でっけぇ家だな。太宰、いいトコのお坊ちゃんだったんだなぁ。
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こちらはお庭。太宰の父、源右衛門は大地主で後に貴族議員を務めている。"津軽の殿様"と呼ばれる父や家が、逆に太宰のコンプレックスになったと言う。国民的ドラマ"おしん"と同じ時代背景。幼少の頃、口減らしの為奉公に出された少女と同時代を、太宰は、このお屋敷で過ごしたのだ。
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太宰治・・・10代から花街に出入りし、薬物中毒になり、女にだらしなく、38歳で愛人と入水自殺。代表作「走れメロス」「人間失格」「斜陽」「グッドバイ」他多数。人生そのものが小説のような天性の作家。
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蔵には太宰の幼少期の写真なども飾られている。一目で太宰と判る。子供の頃から、あまり変わってないんだなぁ。
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太宰は奥の長椅子に寝っ転がって、よくサイダーを飲んでいたらしい。明治、大正の時代に青森の地方都市で、これだけの洋間を持っていた家だ。大した家だったことは容易に想像がつく。太宰は実家の事を権力主義と嫌っていたけど、太宰の心根には、"良い家の六男坊"の持つ無邪気さや素直さ(いわゆる育ちの良さ)が垣間見える。そこが彼の人間性の魅力を増している気がする。
"生まれてすみません"なんて言ってたけど、本音じゃそんなこと思ってなかったのでは・・・。いい家に生まれた後ろめたさみたいなものは感じていただろうけど。だから余計に自虐的な態度をとっていたのかなぁ。
太宰って、何回か自殺未遂を繰り返しているけど、本気で死ぬつもりは無かったと思う。この人、どこか楽観主義なところがあるから、心のどこかに自分は死なないと思ってたんじゃないかなぁ。死んで一番ビックリしているのは太宰自身だったりして。 -
太宰の母の部屋。太宰の母は病弱で叔母と子守のタケが太宰の面倒をみていた。部屋で寝ている母の側で、幼少の太宰は時を過ごしたらしい。左から2枚目のふすまのいちばん最後の2文字は「斜陽」。少年の頃、いつも眺めていたこの言葉を冠した小説は、後に作家の代表作となる。
欄間の白い飾りは雪の結晶を現しているらしい。なんかこの家、地方の家なのに、天井の細工だったり、階段のデザインだったり、いちいちセンスがいいんだよね。父親の趣味だったのかなぁ。このセンスの良さも、太宰の人間形成に少なからず影響していると思う。 -
「津軽三味線会館」
津軽三味線の展示もあるが、そちらは流し見。目的は演奏のみ。 -
演奏時間5分前にホールに入ったら、お客さんは私一人だけだった。申し訳ないなと思っていたら、若いお嬢さん二人組が開始ギリギリに入場。三人で横一列に並んで観賞する。
流派の名前は忘れたけど、津軽三味線にしては大人しい印象の演奏だった。 -
「太宰治疎開の家」
終戦直前、東京の戦禍から妻子と共に逃れてきた太宰が身を寄せた実家の離れ。1年と少し滞在した。斜陽館から現在の場所に移築。 -
滞在期間一年と数か月の間に太宰は、この部屋で23もの作品を執筆。私も太宰を真似て机の前に座ってペンを握ってみました。
ここの館内には「太宰屋」さんというショップがあって、Tシャツなどの太宰グツズを販売しています。そこの若きご主人が仰っていた。"皆さん、斜陽館の見学はされるけど、なかなかコチラまで足を運んでくれない。コッチの方が、太宰をより近くに感じられるのに・・・"と。皆さん、金木にお越しの際は、「太宰治疎開の家」にも是非お立ち寄りください。 -
「太宰屋」さんの御主人に、太宰の事を色々お話いただきました。感受性が強い子だったこと、実家に居場所が無いと感じていたこと等々。その話を聞いていると、"あー、この人、太宰治が好きなんだなあ"ってわかります。何かを好きな人の話は面白い。ホントはもっとお話しを聞いていたかったけど、列車の時間があるので先を急ぎます。
そんな御主人の熱い太宰談義に触発され購入した「津軽」。太宰が故郷・津軽を三週間旅した時の紀行文です。但し、研究者の多くはこの作品を自伝的小説とみなしていますが。私はこの後、この「津軽」と一緒に旅を続けることになります。 -
「津軽」を読みながら列車を待つ。
<感想>
太宰の茶目っ気やお調子者の部分が表れていて面白かったです。太宰の別の一面が見れました。 -
津軽鉄道「走れメロス号」。車内ではアテンドの女性が太宰の「津軽」を朗読してくれます。そんなに上手な朗読じゃないけど、その朴訥な感じが、また宜し。
太宰は「津軽」の中で、自分の故郷・金木をこう評している。"善く言えば、水のように淡泊であり、悪く言えば、底の浅い見栄坊の町ということになっているようである"、そしてこうも、"(私は)謂わば純血種の津軽人である。だから少しも遠慮なく津軽の悪口を言うのである。(中略)なんと言っても、私は津軽を愛しているのだから"と。 -
五所川原から弘前までは、また「リゾートしらかみ」で。
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また今日もお昼を食べ損ねた。「リゾートしらかみ」内で購入した「海鮮小箱」。「リゾートしらかみ」だけの限定販売です。
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この旅行記へのコメント (2)
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- お黙り!さん 2021/12/30 13:13:26
- ホンマでっか?(笑)
- さるおさん、こんにちは。
衝撃的な下記の文章
[少女時代、"好きな男性のタイプは?"と聞かれ、同世代の友達がアイドルの名前をあげる中、"太宰治"と答えるような、いけすかないガキでした。今では、"こんな男に引っ掛かったらエラい目にあう"と認識していますが(笑)。]
アハハハハ、私もそうです。でも、これって誰もが通る道?←そんなはずないけど。30代からは普通の人が好きでしたが、最近、再び、悪い男が好きになってきました(具体的な人はいませんが、良いおじいちゃんより、病んでる人)でも、犯罪者は駄目ですよ(笑)昨年、予定していたのですが駄目になり、来年こそは太宰の故郷へ行きたいと思っています。その時は参考にさせて頂きますね。
マリー
- さるおさん からの返信 2022/01/01 15:10:00
- RE: ホンマでっか?(笑)
- マリーさん
初めまして・・・と言うか、あけましておめでとうございます(笑)。
初めての方にする挨拶かどうかは別として、今日は元旦なので、一応・・・。
私も正月早々、衝撃的なコメントを目にしてしまいました。まさか共感いただけるとは(笑)。
金木を訪問された際のマリーさんの旅行記が今から楽しみです!
青森は金木以外も楽しい場所が多かったので、今度は下北辺りを訪れたいと思っています。
さるお
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