2021/07/04 - 2021/07/04
7位(同エリア141件中)
かっちんさん
滝上町と上川町の境界にある浮島峠。天塩岳の南東に位置します。
この峠の上川町側に標高約870mの溶岩台地に発達した「ヘの字」型の高層湿原、面積は22ha、周囲3kmの広大な「浮島湿原」があります。
湿原には、大小70余りの沼(池塘)が点在し、湿原草の根によってできた浮島を見ることができます。
場所は国道273号線「浮島トンネル」の上川町側入口付近から旧道を2.5kmほど進むと駐車場とトイレがあります。
ここから湿原までは1.6km。1本道の遊歩道が整備されています。
旧道は浮島トンネルが開通するまで使用されていたもので、駐車場から先(滝上町方面)が通行禁止になっており、浮島トンネルの滝上町側入口からは旧道(廃道)に入れません。
最近、滝上町側の通行禁止旧道を歩いて入った登山者がクマに襲われた事故が発生しています。
個人で訪れるには、アクセスやクマ被害などの難易度が高いので、「たきのうえホテル渓谷」のツアープランを利用しました。(上川町ではツアー開催がありません)
ツアーは滝上観光協会が主催し、地元ネイチャーガイドが案内してくれます。
ツアー料金は4,500円、2時間~2時間半。
集合は滝上町から約40km離れた旧道駐車場ですが、私たちは鉄道・バスを利用する旅なのでホテルの御厚意により車で送迎してもらいました。
浮島湿原には、エゾベニヒツジグサなどの水生植物、モウセンゴケなどの湿性植物、ワタスゲ、チングルマ(綿毛)、ゴゼンタチバナなどの高山植物が咲いています。
訪れる人が少なく、自然のままの神秘的な湿原が残されています。
湿原内の木道を歩く探勝一周コースは1.1kmほどです。
今回の旅行日程
1日目 東京、新幹線、新函館北斗、札幌、旭川、上川、都市間バス、滝上、北見滝上駅見学、錦仙峡散策、たきのうえホテル渓谷泊
2日目 陽殖園見学、滝上郷土館見学、浮島湿原散策、たきのうえホテル渓谷泊
3日目 予備日、2日とも晴れていたので
路線バスで渚滑へ、渚滑駅跡見学、オムサロ原生花園見学
なお、旅行記は下記資料を参考にしました。
・滝上町観光協会「浮島湿原」
・ぶらっと北海道「浮島湿原」
・北海道STYLE「浮島湿原」
・北海道森林管理局「上川浮島風景林」
・童話村たきのうえホテル渓谷HP
・梅沢俊著「新北海道の花」
・山川草木図譜「コツマトリソウ」
・四季の花散歩「ゴゼンタチバナ」
・あの頂を越えて「ミミコウモリ」
・二人の館「エゾベニヒツジグサ」
・北海道開発局「泥炭地ってなに?」
・daydream、azusan36ブログ「渚滑線 ~濁川駅・北見滝ノ上駅~」
・ウィキペディア「マイヅルソウ」「シラオイハコベ」「ヒカゲノカズラ」「ミツバオウレン」「池塘」「モウセンゴケ」「ツルコケモモ」
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 徒歩
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行あり)
-
「浮島湿原」
国道273号「浮島トンネル」の上川町側入口付近から旧道に入り、駐車場のあるところです。 -
遊歩道の入口
入林届に記入します。
当日の参加者は4名。スタッフは滝上町観光協会、地元ネイチャーガイド、ホテル支配人の3名。 -
浮島遊歩道入口
16kmではなく、1.6km。
アップダウンはそれほどなく、歩きやすい遊歩道です。 -
低い位置に咲く「コツマトリソウ」(遊歩道)
遊歩道の周辺には山野草が咲いているので、ガイドさんと花の名前を確認していきます。
「コツマトリソウ」は湿原の草むらの中の根方に埋もれるように生えている小さな花。
「ツマトリソウ」よりはるかに小さく、花は下の方の葉脇から出る花柄の先に付いています。 -
線香花火がパチパチはじけてるような「マイヅルソウ」(遊歩道)
白い花は総状花序に20個ほどつきます。
茎の途中に2枚のハート形の葉をつけます。 -
これは何でしょう?(遊歩道)
-
ヒトデ形の花「タニギキョウ」(遊歩道)
花冠は5裂し径1cmほど。葉は広卵形で先がまるい。 -
「シラオイハコベ」(遊歩道)
花は白色で、径は約6mmと小さく、茎先にまばらな集散花序をつけます。
花弁は5個、萼片より短く、深く2裂します。
対生する葉は柄がなく被針形で先がとがり、長さ5cmほど。 -
ブラシのような「ヒカゲノカズラ」(遊歩道)
つる状のシダ植物。
地表をはい回り、針状の細い葉が茎に一面に生えているので、やたらに細長いブラシのような姿です。 -
トドマツの幹(遊歩道)
ガイドさんから、幹の円周がわかれば樹齢が算出できる話を聞きます。
早速、みんなでメジャーを使い幹の胴回りを計測すると円周=200cm。
ここからは数学の式を思い出して・・・
円周=2πrなので
半径r=200cm÷(2×3.14)=31.8cm=318mm
トドマツの年輪は1年に3.8mm成長するので
318mm÷3.8mm=83.6
つまり樹齢は83.6歳となります。
なるほど。 -
枝に付着する「サルオガセ」(遊歩道)
-
上品な「コゼンタチバナ」(遊歩道)
輪生に見える4~6枚の葉を付け、頭状花序の白い花を咲かせます。
外側の4枚の花弁に見える総苞片の中に数十個の小さな花を付けます。 -
可憐な「スミレ」(遊歩道)
-
恥じらうように咲く「イワツツジ」(遊歩道)
花は枝先に葉に隠れるように1~数個付けます。
花冠は長さ5~6mmの鐘形で先が5裂。 -
「クロエゾマツ」(遊歩道)
湿原の周囲には、クロエゾマツとアカエゾマツの原生林があります。 -
シラカバ林(遊歩道)
-
湿原入口の案内板(遊歩道)
湿原入口に到着。
湿原には、大小70余りの沼(池塘)が点在し、湿原草の根によってできた浮島を見ることができます。
現在、南沼分岐(中ノ沼付近)~南沼の木道が朽ちているので通行禁止です。 -
水芭蕉の群落を通る木道
花は終わり、大きな葉だけです。 -
「ミミコウモリ」
葉はコウモリの羽ばたく形に似ており縁に鋸歯があります。
葉柄の基部に耳の形をした翼が付いています。 -
木道の続く「浮島湿原」(湿原入口付近)
正面の「東ノ沼」の周りを木道に沿って右へ進みます。 -
高山植物の「ミツバオウレン」(湿原)
花茎の高さは5~10cmで、1個の花を上向きに付けます。
白い花弁に見えるのは萼片で5枚。
花弁は蜜を分泌し、黄色で萼片より小さい。 -
「ワタスゲ」の群落(湿原)
-
イチオシ
真っ白な綿毛(ワタスゲ)
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「池塘」と「浮島」(湿原)
堆積した泥炭層の隙間に水で涵養された部分が「池塘(ちとう)」です。
池塘の中に「浮島」が浮いています。 -
「モウセンゴケ」(湿原)
食虫植物の一種で、葉にある粘毛から粘液を分泌して虫を捕獲します。
甘い香りの粘液に釣られるなどしてやってきた虫がくっつくと、粘毛と葉がそれを包むように曲がり、虫を消化吸収します。 -
ハート形の「池塘」(湿原)
-
「カラフトイソツツジ」(湿原)
高さ50~80cmの常緑の低木。
葉は革質で厚く長さ3~5cm、縁を裏面に巻き込みます。
花は球状に多数つき、花冠は5裂して径1cmほど。 -
葉の裏面(カラフトイソツツジ)
茶褐色の毛が多いので「カラフトイソツツジ」。
白毛が多いと「イソツツジ」。 -
もっとも深い「東ノ沼」(湿原)
沼の中で、深さがもっとも深い約2.5mの「東ノ沼」。 -
湿原の周りは「アカエゾマツ」樹林帯(湿原)
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目立つ「ゼンテイカ」(湿原)
咲いていたのはこの1輪だけ。 -
反り返る「ツルコケモモ」(湿原)
前年の枝先にできた花芽から1-4本の花柄をだして、その先端に下向きの淡紅色の花を1個ずつ咲かせます。
花冠は4裂し、カタクリの花のように背面に反り返ります。 -
小さな沼が点在する湿原
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「ホロムイリンドウ」の葉(湿原)
「ホロムイリンドウ」は湿原型で葉は細く幅1cm以下。
秋になると少数の花がほとんど茎頂に付きます。 -
沼に浮かぶ「エゾベニヒツジグサ」(湿原)
水中の根際から伸びる花柄の先に、直径約5cmの白色の花を1個つけるのですが、今はありません。
葉は卵状円形~広楕円形で、長柄があり、水面に浮かび、基部は心形。
未草(ヒツジグサ)の和名は、未の刻(午後2時頃)に開花することから付けられたといいます。 -
泥炭(湿原)
気温が低く植物が完全に分解されずにできた土が「泥炭(でいたん)」。 -
ボサボサ頭の綿毛(湿原)
「チングルマ」の綿毛です。 -
誰もいない湿原
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イチオシ
私が主役(チングルマの綿毛)
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木立が映る静かな「東大沼」(湿原)
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「ハイイヌツゲ」(湿原)
常緑の小低木。
葉は互生し、長楕円形で厚みとつやがあり、浅い鋸歯縁。 -
「エゾゴゼンタチバナ」(湿原)
花のつくりがゴゼンタチバナと似ていますが、花弁の色は黒紫色を帯びています。 -
「アカミノイヌツゲ」(湿原)
常緑の小低木。
多くの枝を分けて、こんもりした樹形。
葉はやや密に互生し、硬く光沢と厚みがあり、縁には不明瞭な鋸歯があります。
果実は球形で、赤く熟しています。 -
樹皮が剥がれたエゾマツ(湿原)
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中間地点の案内板(北ノ沼付近)
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ワタスゲの咲く湿原(北ノ沼)
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「北ノ沼」(湿原)
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イチオシ
ボコッと浮かんでるような「浮島」(湿原)
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「北大沼」(湿原)
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滝上方面への分岐(北大沼)
木道は湿原の出口まで続いていますが、その先に通じる旧道は通行禁止になっています。
この木道は歩かず、分岐から左に曲がり「中ノ沼」へ向かいます。 -
イチオシ
綺麗に並ぶ「エゾゴゼンタチバナ」(中ノ沼付近)
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イチオシ
「ワタスゲ」の咲き誇る湿原
-
イチオシ
木道を歩く「浮島湿原ツアー」
先頭は滝上観光協会のスタッフ。 -
黒い水面に見える「森沼」(湿原)
ここで10分ほど休憩。
スタッフからお茶とお菓子をいただきます。 -
歩きやすい木道(湿原)
幅広い木道です。 -
湿原入口に到着
入口から東ノ沼、東大沼、北ノ沼、北大沼、中ノ沼、森沼、東ノ沼、入口まで、一周してきました。
グーグルマップで湿原を歩いた距離を測ってみると、1.1kmほどでした。 -
渚滑森林鉄道の橋脚跡(滝上橋から)
昭和10年(1935)~昭和34年(1959)まで、渚滑線濁川駅から渚滑川の本流を結ぶ森林鉄道が、山から伐採した丸太を運んでいました。
ツアーの帰りに、国道273号滝上橋から森林鉄道の橋脚跡を確認することができました。
訪れる人が少なく、自然のままの浮島湿原でした。
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この旅行記へのコメント (4)
-
- 春光さん 2021/08/18 19:14:13
- 懐かしい
- こんにちは。いつも楽しく興味深く拝見させて戴いております。
浮島湿原は20年以上前ですが、熊鈴片手に一人で訪れたことがあります。森の中からいきなり視界が開けて人工の庭園のような風景が眼に飛び込んできた感動は忘れません。その時はかっちんさんが書いているような「アップダウンはそれほどなく」どころかほぼ登山のような崖を登っていったような記憶があり、あの時俺はどこから行ったのだろうと不思議に思ってますw
浮島に限らずこのところ北海道全土で熊の出没事例が報告されており、そもそも旅行することへの抵抗もあり昔のように気軽にトレッキングが出来なくなって残念ですが、かっちんさんを始めとする4トラの猛者の方々の旅行記のお陰で旅行に行けなくても楽しませてもらってます。
これからも日本のそこにしかない文化や風景を伝えてください。
- かっちんさん からの返信 2021/08/18 21:45:18
- Re: 懐かしい
- 春光さん
こんばんは。
いつもご覧いただき、ありがとうございます。
春光さんの訪れたルートは旧道を滝上側から入り、途中から急峻な山道を登り湿原へ行ったと思います。
その時の感動は素晴らしかったことが想像できます。
この部分の旧道がその後、通行禁止になり、人の出入りがなくなり、熊の棲みかが近くにできたようです。
現在は上川側からのルートだけになっています。以前もこのルートはあったようです。
コロナ感染拡大が増えている中、今はじっとしています。
かっちん
-
- takaさん 2021/08/18 14:30:09
- 博識さに驚愕!
- かっちんさん、こんにちは。
まず始めにクマに出会わなくて本当に良かったですね。
さて、毎回、旅行記を拝見していますが、その博識さに圧倒されて、今回も筆をとらずにいられなくなりお邪魔しました。前回も書いたのですが、かっちんさんの旅行記は私の故郷北海道のものが多く、ずっと興味を持って拝見していました。
かっちんさんは、自分を「鉄ちゃん」と評していましたが、どうしてどうして私は大学教授のような方だと最近はつくづく思っています。もちろん、鉄道についてはこの上なく詳しくて私もちょっとだけ「鉄」な部分はあるのですが、かっちんさんの知識は教授クラス。
今回も滝の上町の旅行記で、私も芝桜についての旅行記を綴りましたが、見た目だけの平板な表面的なものだけで恥ずかしいくらいです。
旅された各地では歴史や文化、自然、全てを詳しく調査され、研究された上の知識だと思いますが本当に博識でいらっしゃいますね。
自然一つとってみても然り。私も実は昔、野草にはまり、近郊の山野をかけまわり、野の花を調べて写真撮影で記録化して、ちょっとは知っているつもりだったのですが、かっちんさんの知識も素晴らしく、旅行記巻頭の解説も、もはや論文の域ですね。
かっちんさんなら各地の博物館や郷土館などでは引っ張りだこで学芸員としても活躍できる方だと思いました。これからも楽しみにしています。ありがとうございました。
taka
- かっちんさん からの返信 2021/08/18 17:35:26
- RE: 博識さに驚愕!
- takaさん こんにちは。
興味深く読んでいただき、ありがとうございます。
クマの事故はニュース等でご存じ通り死亡事故になってしまいました。
私が訪れた1週間後の出来事ですが、道内に住んでいない者にとっては対応の仕方がわからず怖いと思いました。
いろいろとお褒めの言葉をいただき嬉しい次第です。
現役時代は総合電機メーカーの技術者でした。晩年は後輩に教えたりする仕事をしていて、物事をわかりやすくまとめることが今の旅行記につながったのかも知れません。
旅行記を作成するのに色々な情報を調べているので、結構時間を取られてしまい、タイミングのずれた時期に投稿することが多々あります。
元気なうちは旅の良さを発信していきたいと思っています。
かっちん
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