2021/06/10 - 2021/06/12
69位(同エリア597件中)
ひらしまさん
嬬恋村での貸別荘避難生活も、残すところあと3日の辛抱となった。せっかく長くいたのだから周辺で気になるところは行っておきたい。
というわけで、浅間牧場、フランス料理店エフア、さらに家への帰路で万平ホテル、碓氷第三橋梁などに立ち寄ってみた。
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■10日目 晴れ
軽井沢との行き帰りにいつもその前を通る浅間牧場をちょっとのぞいてみることにした。浅間牧場は嬬恋村の東隣、長野原町にある。
食事処のあるいかにも観光牧場っぽい入り口から1kmほど登って第2駐車場で車を降りると、浅間山に抱かれた静かな牧草地があった。 -
前方に10頭ほどの牛の群れがいた。
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とくに食事中ということもなく、憩いのひと時というご様子。
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集団からちょっと離れて愛を語り合う2人。
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まったく予備知識なしに来たこの牧場。観光牧場かと思ってたけど、あとで説明板を読んだら、ここは県営の家畜育成牧場で、酪農家から預かった子牛を育てているんだって。
で、ここ入り口付近にいる牛たちは、観光客のために「展示」しているんだそう。浅間山を背景に絵になる。群馬県はなかなか住民サービスがいいね。無料だし。 -
この時カメラを置いたのは大きな切り株の上で、集合写真用にカメラを置けるようになっている。かゆい所に手が届くサービスだ。
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食事の時間になったらしく、牛たちは行儀よく並んで餌を食べ始めた。
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おいしい牛乳飲ませてくださいね。
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駐車場近くの丘にはあやめが咲いていた。
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レンゲツツジと浅間山。
観光客も数えるほどで、のんびりゆったりできた浅間牧場だった。 -
この日のランチは中軽井沢駅近くのフランス料理店エフアを予約していた。
実は一週間前に来ようと思ったら予約がとれなくて、一番早く空いているのが今日だった。客は一度に2組まで限定ということもあるが、この時期でこれだからかなりの人気店のようだ。
店の周囲はちょっと殺風景な場所だが、中にはいると窓の景色は緑を配し、インテリアもナチュラルでいい感じだ。 -
この店の料理はおまかせのみなので、なにが出てくるかはわからなかったが、アミューズの甘エビでぐっとひきこまれた。
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アスパラと白身魚をハッシュドポテトで包み焼きし生ハムをのせた前菜。信州産のアスパラがまずその大きさで目を奪い、その豊かな味が食べる者を幸福感で包む。
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サラダをはさんで出された魚のカリフワと玉ねぎの甘さ。
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さわやかなヘベスのシャーベットのあとは、飯山特産みゆきポークのソテー。
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デセールは山椒の芽のプリン。
最初から最後までおいしく楽しい料理ばかりだった。
これで税込み6000円。フォークなどは基本的に変えない方式で、ボトルの水は2杯目からは自分で注いだが、でも、本質的なサービスはちゃんとしてくれている。クレジット不可だし、駐車場はアパートの自転車置場みたいなところ。でも、そんなことはどうでもいい。
素敵な店でおいしく美しい料理をリーズナブルに楽しめる。最高!
帰りにエフアという店名の由来を聞いたら、ご夫婦2人の頭文字だと教えてくれた。 -
■11日目 晴れ時々曇り
新聞をパソコンで読むのにもようやく慣れてきた。とは言え、デジタルで読む新聞には安らぎがない。
午後、ホテルグリーンプラザまで散歩。
使われている気配のない別荘もあった。あたかも中世の田舎の教会のような趣きを感じる。 -
ところどころに現れる巨岩に存在感がある。
いつの間にか、借りている別荘のことをウチと呼ぶようになっている。向かいに咲き誇っていたレンゲツツジの花も枯れてきて、別荘暮らしも明日で終わりだ。 -
■12日目 晴れ
最終日。11時過ぎに別荘を撤収し、昼食に軽井沢万平ホテルのカフェテラスに行く。
土曜だから混んでるかと心配したが、駐車場もカフェテラスもすんなりはいることができた。 -
高級ホテルなんだから値段が高いのは仕方ないが、ウェイトレスの皆さんがマスクの上にフェイスシールドまで付けているのが、ホテルというよりホスピタルにいるみたいでくつろげない。
でも、ポテトチップスはおいしかった。 -
帰路は碓井軽井沢ICに向かわず、国道18号でかつての国鉄信越線の碓氷第三橋梁に寄ることにした。
軽井沢駅前を左折するとナビ上に碓氷峠という表示が出たので、峠道を登るのかと思ったらほとんど登らないうちに県境を越え、あとはひたすら下る。
あれで碓氷峠を名乗るとはおこがましい。先日登ったあの峠こそ、歴史的にも地理的にも碓氷峠の名にふさわしいというべきだろう。
さて、つづら折りの18号をかなり下ったところに第三橋梁駐車場があった。結構広い。ここに車を置いて歩くとすぐ、煉瓦造りの鉄道橋が姿を現した。
ちなみに、写真に写っているバス停の時刻を見たら1日1往復!だった。 -
今から130年ほど前の明治中期に、国鉄信越線を通すためにつくられ、71年間活躍したが、信越線が電化に伴って上流に移り、その役割を終えた。
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横川駅~軽井沢駅の碓氷エリアに18ある橋のうち最大で、横川駅から数えて3番目の橋なので碓氷第三橋梁と呼ばれた。
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橋の長さ91 m、川底からの高さ31 mの堂々たる四連アーチ橋。
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近づくと、あとで補強された橋脚が実用本位の武骨さを見せる。
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裏側に出て橋脚を見上げた。
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130年がいい味になっている。
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意外な模様も見せてくれる。
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植物もたくましい。
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登りやすい階段がつくられていたので、橋に上がってみた。
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かつての線路は、今は「アプトの道」として横川~熊ノ平の5.9 kmを歩けるようになっている。
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橋を渡って横川側から。
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ここを蒸気機関車が走っていたのだ。
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橋の両側はトンネルで、カーブしていて先は見えない。
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川の上流にもう一つの鉄道橋が見えた。あれが電化後の信越線だろう。わたしも何回かは通ったはずだ。
しかし、あちらも1997年の北陸新幹線開業に伴い廃止されている。人が大勢見えるけど、信越線ツアーとかあるのかな。 -
軽井沢側のトンネルものぞいてみる。
居合わせた方のお話では、以前来た時はここから先ははいれなかったそうだ。 -
横川から軽井沢までトンネルは26を数え、このトンネルは6番目らしい。
ここで「信濃の国」の話に戻るけれど、あの6番の歌詞の全体はこうだった。
吾妻はやとし日本武(やまとたけ) 嘆き給いし碓氷山
穿つ隧道(トンネル)二十六 夢にもこゆる汽車の道
みち一筋に学びなば 昔の人にや劣るべき
古来山河の秀でたる 国は偉人のある習い
つまり、標高差553mもある険しい横川~軽井沢間を、26のトンネルと18の橋とアプト式を用いて鉄道を通した、当時の最先端技術を讃えた上で、君たちもしっかり勉強して立派な人になるんだよと鼓舞する歌だったんだな(ヤマトタケルは枕詞みたいなものだ、きっと)。
子どもの頃に意味わからずに歌っていた歌の意味を、図らずも今回教わることになった。
これらのトンネルや橋の設計から現場作業にいたる経験の蓄積が、その後の20世紀の日本を発展させていったことは間違いないだろう。その頃はまだ、人と科学技術は幸せな関係にあったのだ。
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この旅行記へのコメント (2)
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- yamayuri2001さん 2021/08/17 10:01:53
- 素敵な滞在記。
- ひらしまさん、こんにちは。
別荘滞在記、楽しく拝見しました。
最後のレストランは、両方素敵ですね。
書いてあったように、高級レストランは、フェイスシールドと
マスクの二重構えで、働いている方が苦しくないのかなと
心配してしまいますね!
私と軽井沢の相性は、いつ行っても曇り!
ひらしまさんは、お天気に恵まれましたね。
碓氷第三橋梁は、とても雰囲気が良いですね。
遠い昔に思いを馳せてしまいそうな橋梁です。
6月は少し肌寒かったかもしれませんが、十分楽しまれましたね。
寒暖差の激しい昨今、どうぞお体に気を付けてお過ごしください。
yamayuri2001
- ひらしまさん からの返信 2021/08/17 16:55:04
- Re: 素敵な滞在記。
- yamayuri2001さん、こんにちは。
ご訪問とメッセージ、ありがとうございます。
嬬恋は思っていた以上に涼しいというより寒くて戸惑いましたが、晴れの日が何日かあり、そんな日は出かける楽しみもあってありがたかったです。
碓氷第三橋梁は、4トラベルの旅行記で知り行ってみました。
山深い緑の中に忽然と現れる煉瓦造りの橋は、その歴史を含めてとても印象深いものがありました。
yamayuri2001さんの多彩な旅行記、いつも楽しく読ませていただいてます。
城ケ崎旅行記では、夏なのに空気が澄んで大島まであんなにくっきり見えるのに驚きました。
40周年のお祝いだったのかもしれませんね。
ひらしま
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