2021/06/06 - 2021/06/09
614位(同エリア3326件中)
ひらしまさん
家のリフォーム工事のための貸別荘での避難生活も半ばを迎えた。
別荘は群馬県の嬬恋村にあるけれど、車で30分ほど走ると長野県軽井沢町に出る。これも何かの縁と思い、今までなじみのなかった軽井沢も少し訪ねてみることにした。
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■6日目 曇り時々晴れ
きょうも別荘地散策。 -
別荘地のあちこちで放射状に伸びる大きなシダを見る。華はないけどなかなか堂々として立派だと思う。
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愛用してきたペレットストーブの調子が悪い。燃焼ポットにたまっていた灰を取り除き、焚きつけからペレットに燃え移るのを手助けし、燃え具合を見ながらペレット供給量を調節してようやく安定して燃えるようになった。
しかし、あまり寒くなかったのでペレット量を「小」にしていたら、いつの間にか火が消えてしまい、ペレットだけがうず高く積もっていた。使いこなすのはなかなか難しい。 -
■7日目 晴れ
きょうは天気が良いので軽井沢へ出かけることにした。
浅間山も初めて山頂を見せてくれている。
白糸ハイランドウェイは500円もとるからさぞよい道路と思ったらぼろ道路で驚いた。でも、白糸の滝以外ではほとんど車に出会わず、静かでいい。旧三笠ホテル近くでは子鹿を見かけた。 -
旧軽井沢の駐車場に車を置き、ショー記念礼拝堂に向け北に歩くつもりでうっかり東に歩いていた。
商店街からすぐなのに、静かでうっそうとした緑に包まれた大きな別荘がゆったりと点在している。これがほんとの軽井沢の別荘地かと感嘆するのみ。
上流階級ってやっぱりあるんだなあ。 -
元に戻ってショー通りを歩き、ここではリスに出会った。
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軽井沢に最初に別荘を建て、その後の高級避暑地となるきっかけをつくった宣教師ショーの記念礼拝堂。19世紀に建てられ、質素そのもの。
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商店街への道沿いで見かけた変な建物。美術館にでもなるのかな。
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雲場池へ車で移動した。池から道路を隔てて反対側にあるお屋敷の門が、庭の緑を背景に美しい。
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通用門でもこの気品。
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ここもまたわたしには別世界だ。
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それでは雲場池へ。
雲場池は、鹿島の森の湧水を水源とする雲場川の水をせき止めてつくられた細長い池。 -
水面に青空が映り、気持ちがいい。
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周囲の緑がみずみずしい。
池の周りの小道を時計回りに進もう。 -
カルガモ発見。
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上流はこんなに小さな流れだった。
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今年初めてとんぼを見る。
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左岸側を戻る。
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緑を写す水面をゆくカルガモたち。
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みずすましってどうして浮いていられるんだろう。とても大きな蟻にも出会った。
自然の豊かな空間だ。 -
家の近くにこんな池があって散歩できたらいいなと思う雲場池だった。
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お昼は池にほど近いシェ・草間を予約していた。
上品な雰囲気の店だ。 -
昼のムニュcを選んだ。
時節柄テラス戸を開放しているが、妻が寒がるとマダムがさっと閉めてくれる。 -
久々のフランス料理の優雅な気分を楽しむことができた。
ツルヤで食材を買って帰る。嬬恋もようやく暖かくなってきて、この日はストーブもエアコンも使わずにすんだ。 -
■8日目 曇り
終日読書と碓氷峠の情報収集。
■9日目 晴れ
この日は碓氷峠の見晴らし台をめざす。
ショー記念礼拝堂の少し先にある遊歩道入り口で、妻の運転する車を降りて歩き出した。 -
熊よけに音を出すことが推奨されているのでスマホのラジオを鳴らしながら歩くが、野外でははなはだ頼りない音量だ。前にも後ろにも人っ子一人いないので、熊さん来ないでと願いながら歩く。
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それでも最初の1kmくらいは別荘が点在していたが、この吊り橋を渡ると完全に山道になる
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分岐に表示がなく、落ちている(置いてある?)枝などから推測して決める感じ。だから、この表示板を見たときはほっとした。
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緩やかな登りがずっと続く。
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この道は中山道ではないけれど、昔の街道はこんなものだったんだろうな。
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3.5kmを70分でゆっくり登った。
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見晴らし台で妻と合流。
東の山々が幾重にも重なり、よい眺めだ。 -
大昔、ヤマトタケルが東国遠征の帰途に東国を振り返り、自分のために身を捨てた妻をしのんで「アヅマハヤ=我が妻よ」と嘆いたのが、ここ碓氷峠だそうだ(諸説あります)。
前日に碓氷峠の情報収集の中でその話を知り、びっくりした。長野県出まれのわたしは子どもの頃に教わった「信濃の国」という歌を今でも大体覚えているが、その一節に「あずまはやとしやまとたけ 嘆き給いし碓氷山」というのがあった。その意味を、わたしはなんとなく「東隼人」みたいに思っていたけど、全然そうじゃなくて「我が妻よとヤマトタケルがお嘆きになった碓氷山」だったのか。
「アヅマハヤ=我が妻よ」でもう一つひらめいたのは、嬬恋など群馬県の西部地域をさす吾妻(あがつま)という地名。あきらかにヤマトタケルの故事からとった名だろう。それがさらに広がって東国全体をアヅマと呼ぶようになり、それからアヅマに東という漢字があてられるようになった、などと想像をめぐらしながら遊歩道を歩いてきた。
もっとも、吾妻郡や嬬恋村という名が制定された明治期は皇国史観が盛んな時期だから、それを反映してつくられた地名だったのかもしれない。 -
見晴らし台を進むと八ヶ岳、さらに右手に浅間山も見えた。
壮大な眺めに満足した後は、名物力餅で昼食にしようと峠の茶屋に向かった。ところが、2,3軒ある茶屋はどこも閉まっている。妻がバスの運転手に聞いたところでは、コロナの影響で営業しているのは1軒だけになり、その1軒がきょう水曜は定休日なんだとか。
県境をまたぐ茶屋で食べる力餅、楽しみにしていたのに。 -
とりあえず、ヤマトタケルが勧請したという熊野権現を見学。
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神社なのになぜか梵鐘が鎮座ましましている。この鐘は鎌倉期の1292年に松井田武士団が奉納したという、たいそう由緒正しいものらしい。
とすると、アズマハヤの故事もここが舞台だったのに違いあるまい。と、その時は思ったのだけれど、それが素人の浅はかさ。
あとで調べてみると、この神社は熊野信仰の伝播年代からみて古代末期以降のものと考えられていて、ヤマトタケルの勧請はもちろんフィクションということになる。
一方、南5kmにある国道18号碓氷バイパスの入山峠からは古代の祭祀遺跡が発見されており、古代東山道のルートとしては入山峠が有力らしい。
としてもここ碓氷峠は、ヤマトタケルが振り返り見た景色とは少し違っていたにせよ、中世から近代にかけての実に長い間、多くの旅人たちがさまざまな思いで東国を見渡してきた地であることだけは確かな事実だ。
別荘に戻り、あるもので昼食。
ここでの暮らしも残り3日となったが、埼玉は30度越えと聞くと家に帰りたくなくなる。妻はソファに寝そべって森を眺めているのが最高だといっている。
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この旅行記へのコメント (2)
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- ねんきん老人さん 2023/05/17 11:43:49
- 軽井沢への思いを新たにしました。
- ひらしまさん、こんにちは。 かねてご旅行記を拝読してはおりましたが、初めて愚考を書き込みます。 千葉県在住のヨレヨレジジイです。
ご自宅のリフォームの間を貸別荘でという優雅なご身分に羨望の限りですが、それは望むべくもない貧乏人のことですからさておくとして、軽井沢という場所のイメージを変えてくれる新しい視点に思いを新たにしました。
私も軽井沢には何度か行っていますが、とりたててどうということもないただの観光地でした。 人・人・人で、どちらかというと居心地の悪い思いの方が強いでしょうか。
それが、ひらしまさんの視点ではまったく別の世界が広がっているということを知り、大袈裟に言うとショックです。
まず2枚目の写真で放射状に葉を広げる大きなシダを見てびっくり。 とくだん珍しいものではありませんが、軽井沢で目にした記憶がなく、私自身に軽井沢で自然を楽しむという感性がなかったせいで気がつかなかったのだと思います。
そのあとカルガモ、トンボ、ミズスマシなど、ひらしまさんが、チャラチャラした若者が群がる軽井沢のイメージからは遠いほのぼのとした自然の営みに目を配られていることが伝わってきました。 次にはまた歴史の夢に溢れたヤマトタケルのお話・・・私のこれまでの薄っぺらな軽井沢感を一変させてくださいました。
ヤマトタケルといえば、私の住む千葉県木更津市は「君去らず」が「きさらづ」に変化した地名だと言われています。 今でも市の広報や市民歌には「君去らず」という地名が頻繁に出てきます。
木更津は海に面しており、かつては海沿いであった小山から今でも貝類の化石が沢山出てきますが、そこはヤマトタケルが相模灘での海難に遭って流れ着いた場所で、ヤマトタケルが波に沈んだオトタチバナヒメを偲んでなかなか立ち去ることができずにいたということから「君去らず」、その場所は現在「恋の森」と呼ばれており、そこにはヤマトタケルノミコトとオトタチバナヒメの像を祀った展望台があります。
また、そこから直線で2kmほどの海沿いにはオトタチバナヒメの櫛が流れ着いたという場所に「吾妻神社」があり、オトタチバナヒメの像が祀ってあります。
そして木更津の北隣にある市は袖ケ浦市といいますが、その地名はオトタチバナヒメの着物の袖が流れ着いた所という話を由来としています。
それやこれや、ひらしまさんのご旅行記に出てくるお話と酷似していますので、おおいに興味を抱きました。
これまでなんとなく若者の押し寄せる「軽い」所と感じていた軽井沢がひらしまさんのご旅行記でにわかに自然と歴史に支えられた奥深い場所と思えるようになりました。
新しい視点を得ることができた、有意義な朝でした。 ありがとうございました。
ねんきん老人
- ひらしまさん からの返信 2023/05/17 22:47:35
- Re: 軽井沢への思いを新たにしました。
- ねんきん老人さん、初めまして。
こちらこそかねてよりねんきん老人さんの旅行記を楽しみに拝読しておりました。
そして、ねんきん老人さんの高い批評精神が軽妙洒脱の筆の中に垣間見える旅行記に、僕もあんな旅行記を書けたらいいのにとずっと思っておりました。
また、宿はもっぱら星の下というハードな旅を続けてらっしゃることにも、軟弱な僕は脱帽するのみです。
さて、このたびは軽井沢旅行記にメッセージをいただき、ありがとうございます。
自分とは縁のないところと思っていたのに家のリフォームのためにやむを得ず近くに行くことになり、時間だけはたっぷりあったので軽井沢に親しむことができました。
そして、町中でも雲場池のような自然豊かなところがあるのを見てうらやましく思いました。アウトレットだけが軽井沢じゃないんですね。
しかし、「木更津」がヤマトタケルの「君去らず」だったとは驚きました。
たしかにオトタチバナヒメ伝説の相模灘から潮の流れに乗って総の国へというのは無理がないですね。それに比べると碓氷峠はかなり遠いので、あそこまでオトタチバナを引っ張るのはちょっと苦しい気もします。
いずれにせよ、地名とは歴史あるいは人の思いが込められておもしろいものだとあらためて感じました。
これからもどうぞよろしくお願いします。
ひらしま
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