2021/07/01 - 2021/07/01
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welcometoiranさん
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今朝は幾分早めに出発をして、イスファハン街道の始まりであるシラーズの入り口、コーラン門の向かいにあるクーパー山に登りました。そこには800 年以上も前に建てられた、”鬼のゆりかご”がまだしっかりとした形を残してイスファハン街道を見下ろしています。数えるのも忘れるほどの階段を上り、息が上がるたびに振り返ってはシラーズの町を見下ろして休憩です。その途中には、ダルビッシュたちの住居として使われていた洞窟がいくつも山肌に掘られていました。
そこからバザールに向かって徒歩で20分程度行くと、途中にはアリ・エブネハムゼ廟があります。今回は、写真数の関係上、鬼のゆりかごとクーパー山についてお伝えし、次回は後編ということで、ハムゼ廟からバザールまでをお伝えしていきます。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- 家族旅行
- 交通手段
- 徒歩
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クーパー山は、大通りを挟んだコーラン門の向かい側にあります。登り口は数か所ありますが、今日は、山のふもと、公園として整備されている公園口から上ることにしました。公園はいつもきれいに整備され、朝の光を浴びた木々が輝いていました。
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登り口に行く途中、ふと、左側を見ると、5Dシネマの看板がありました。今まで3Dシネマ、というのは見たことがありましたが、4Dを通り越して5Dとは、いかに。残念ながら閉館していました。再開したらぜひ、体験したいものです。ちなみに、看板の真ん中に表記されているペルシャ数字の5、は、ハート型をさかさまにしたかわいらしい形をしています。
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階段を上って数分、大きな洞窟が見えてきました。この山のほかにも、コーラン門の裏山にもこのようなダルビッシュの洞窟が残っています。ダルビッシュとは、イスラム教が形式化し、律法主義に傾倒していくことに反して、精神的に神を崇拝する人たちの集団を言います。長い衣装と高い帽子をかぶってくるくる回旋する踊りで有名なスーフィズムの人たちもその1つです。彼らは民衆にイスラム教の精神世界を広めながら托鉢し、洞窟で、ものに執着しない質素な集団生活を送っていました。彼らの墓は、この公園の南側に造られています。10年ほど前までは、まだ、街中で托鉢をしている彼らを見かけたものですが、今ではほとんど見かけなくなり、洞窟での生活は行われていません。
休日になれば、見晴らしがいいこともあり、家族連れがピクニックにやってきます。 -
どこまでも続く長い階段です。見上げるとより疲れそうなので、左右の景色を眺めながら登っていきます。平日の午前8時30分、だれも見かけませんでした。
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だんだん息が上がってきます。後ろを振り返ると街並みが見渡せます。町の向こうの山並みは、イランで一番長い、イランの北西から南西まで続くザグロス山脈です。山を越えていくとペルシャ湾に通じます。
日陰で休憩、汗が止まりません。 -
あと一息で山頂、という山肌に、炭で黒々といたずら書きか?と、見てみると、”ごみ捨てるな”の文字が。市民の認識が高くなったこともありますが、町の中でごみをほとんど見かけないのは、ごみ箱の設置数が格段に増えたことと、清掃員たちの責任ある仕事のおかげです。今日も、大きな袋と箒を担いだ清掃員がこの階段を下りていきました。本当にご苦労様です。
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ようやく、鬼のゆりかごが山頂に姿を現しました。
しかし、あと10段がきつい、見上げるだけで、足を動かすことができない。こういう時にイラン人(シーア派の人たちに限る)は、ヤー、アリ!と、初代シーア派イマームの名前を叫んで踏ん張ります。もう少し、頑張るか。 -
鬼のゆりかご、とは、敵がイスファハン街道から攻めてくるのを見張る、見張り台の名称です。約800年前に建てられたといわれています。山頂に載った姿がゆりかごに見立てられたのでしょうか。その隣には、イランイラク戦争で亡くなった兵士が眠る墓が建てられていました。ここでしばし休憩をします。広々と広がる空の下、涼しい風に吹かれながら持参の紅茶とサンドイッチで朝食を取りました。
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見張り台からの眺めです。こうしてみると、シラーズの町には高層ビルがほとんどないのが見て取れます。一番高い建物は、20数階のチャムラーンホテルです。どこでも空が大きく見られます。秋になれば雨も降って(シラーズは5月ごろから10月初めごろまで全く雨が降りません)、空気がきれいになって、澄み切ったペルシャンブルーの空が見られるようになります。
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見張り台のアーチから、眼下にイスファハン街道が向こうの山に向かって走っているのが見えます。ここからイスファハンまでは約500キロ、途中に世界遺産ペルセポリスやキュロス2世が眠るパサルガダエなど、見所がたくさんあります。
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下りは、コーラン門方面への道を取ることにします。上りとは違い、石畳の歩道が造られていて、周りの風景を楽しみながら降りていきます。
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滑落注意の看板。歩道の外は恐ろしい急斜面です。
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下りていくと、コーラン門が見えてきました。昔のイスファハン街道はこの門の下を通っていました。旅人がイスファハン方面へ旅をする際に、門の上部に置かれた大きなコーランが旅人の安全を祈ったことから、コーラン門と名付けられました。現在、そのコーランは市内のパルセ博物館で保管されています。
門の上、山の際に建つ大きな建物は、5つ星シラーズグランドホテルです。最上階のレストランは見晴らしが最高、素敵なディナータイムが楽しめます。 -
山を下りると、広場に出ました。ここは旅行をする人たちの休憩所になっています。木の下に座っていた家族は、他の町からシラーズの病院へ来て、ここで休憩しているとのことでした。おちゃめな女の子がかわいらしいです。イラン人にとって欠かせないポット、この中に紅茶が入っています。ポットは、実は日本製が大人気です。質が良く、冷めにくいと評判です。皆さんの健康を祈って。
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さて、ここからコーラン門へ渡ろうと思ったのですが、横断歩道も歩道橋もなく、交通の激しい時間帯になってしまい車が途切れません。ここから写真を撮って済ますことにしました。門の間から見るシラーズの夜景は一見の価値がありますので、コーラン門はまた後日、ということにしました。
さあ、ここからアリ・エブネ・ハムゼ廟へ出発します。次回は廟とそこからバザールへ向かう様子をお伝えします。
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