少数民族に触れる旅　ラオカイ省編　サパ・バックハー　モン族・ザオ族と交流

2019/04/27 - 2020/05/01

ラオカイ省といえばサパ。
欧米人のトレッキングツアーを見境なく受け入れた結果、擦れた人が多いです。ツアー客が通りかかるとビジネスで少数民族の生活を演じている人達もいて、巨大テーマパーク化しています。
穴場と言えばバックハー。でも今は、ハノイのツアー会社の格好の標的になっています。

手配旅行によるトレッキングツアーでは決して見えない、素の姿に出会う旅を決行。
内容が飛び飛びなのは、
撮影した写真のほとんどがポートレートだったからです。

自分からモデル役を買う人は、お金目当てなので興味を持てません。
現地の言葉であいさつし、良い関係を築くとき、はじめて相手の写真を撮りたいという気持ちになります。プリントできませんが、取り立ての写真を画面で見せて｢プレゼント｣すると喜ばれます。

エリア サパ(ベトナム)

• 旅行の満足度: 5.0

バックハー市場。
民族衣装のオンパレード。
刺繍の色のパターンから、花モン族と分かります。
モン族は華南が起源で、焼畑による移動や19世紀の清の迫害を逃れてきました。
固有の文字は持ちません。
ベトナム語は、民族間の共通語としての役割も果たします。

現地で牛一頭購入することは、
我々が自動車を１台購入するのと同じ金銭感覚です。

バックハー市場 市場

こちらは水牛ですね。

アヒルのヒナ
篭の中でビヨピヨ。

子豚。
肥育します。

足を縛って袋に詰め、
背中に背負って持ち帰ります。
金切り声を上げて必死に抵抗します。
安心してください、食べるのはだいぶ先のことですから。

ウサギも売っています。

子犬も。
大人になるまで育てて食用にします。

馬肉。
既に解体済み。

農業機械の使えない斜面の田畑へもアクセスできるので、有能な労働力です。
エサやりの手間もエサ代も不要。自分たちで勝手にやってくれます。
バックハー(北河)は、バックハー県のバックハー市鎮。
つまり県の中心なので、栄えています。最も、県全体の人口は6万人弱ですが。

バックハーから徒歩６キロの村　バンフォー(本舗)

ローカル度が急激に増します。
ツーリストが訪れない、何の変哲もない村です。
商店に貼ってある広告・チラシが面白いです

棚田とまではいきませんが、
長閑な眺めです。

大井川上流みたいな景色です。

夕方の棚田。

化学肥料や農業機械を使用しないので生産性は低いですが、
アヒルや合鴨などを放し飼いにして、雑草や害虫を駆除しています。
昆虫も大活躍。

4月は天気が不安定。

行く宛てのない散歩でしたが、
地元の子供たちと遊んだり
放し飼いの家畜を観察したりしたら、
こんな時間に。

馬が荷役に使われていました。
かなり小ぶりです。

バックハー 散歩・街歩き

カラオケは、国際標準語です。
写真だと、クラブみたいですが。フィーバーしています。
7つのボックス(個室)がありますが、全然埋まっていません(笑)。

宿の夕食は普通。
宿泊客は全員、旧宗主国のフランス人でした。
私だけ日本人。

街の中心から1kmほどの所にある宿。
高床式の伝統式家屋です。新築なので、清潔なバンガローという感じ。
ナーホイ(那匯)という村です。

サ ハウス ホテル

翌朝、宿の近くの小さな小学校へお邪魔。
事務室兼図書室にアポなしで見学を依頼したら、あっさりOK。
実生活では未だに役立っていない教員免許も、海外旅行では大活躍です。
出口(下校時に目にする)にはスローガンが。
我々は学生であることを誇りに思う　ナーホイ中学校
共産党は、就学率100%を目指しています。

まずは英語の授業。世界の国々
某男子の教科書。うまく発音できない単語にベトナム語の振り仮名が。
声調記号が大活躍で、カタカナ表記よりもリアルに再現できます。

バックハー 散歩・街歩き

凄い和気藹々としたクラスでした。
山の中の田舎町ですが、LL教室があったのにはびっくり。
英語で日本人に質問　という飛び入りコーナーまで登場。

赤いスカーフは、小学生が着用しないといけないアイテム。
赤は共産党のシンボルカラーです。
ちなみにベトナムの学制は小学校5年、中学4年が義務教育だそうです。

次の時間は音楽。
とても有名な童謡。
この後、ベトナム各地でこのメロディを口ずさむと、
皆、この曲知っているというリアクションが返ってきます。
下にはヨナ抜き(ファとシがない)音階の説明が。マニアックです。

後半は、明るく平易な旋律の歌。
前半に歌った曲の、しっとりしたメロディとは対照的。
皆で歌うと楽しい曲です。

こんな感じでみんなで斉唱します。
前列手前の男子は、クラスNo.1のお調子者。
席は、もちろん教卓の真ん前。お調子者の指定席です(笑)
日本と同じ(笑)

休み時間は、運動会みたいに賑やかでした。
走ったり、何人かでじゃれたり、
男女の仲が良いのが印象的でした。
一人一人の屈託のない笑顔が忘れられません。
ピントがバッチリ合ったポートレートをアップできないのが残念です。

階段に貼ってあった画

サパ湖畔にて
前評判通り、サパは心無い欧米人が軽薄な仏心で現金を恵んだ結果、
お金を請う子供であふれています。英語でせびります。
いずれバックハーもそうなると思うと、残念でなりません。
少なくともサパ周辺では、民族衣装を着た子供≒学校へ通っていない。
清潔な状態の既製服を着た子供≒学校へ通っている　の図式が成り立ちます。

サパ湖 自然･景勝地

町の中心

サパは高台にあるので、周囲の集落へ移動するには、必ず坂を下ります。

棚田。田植え前でした。
日本の本州と同じ気候なので、田植えもGW明けです。
ちなみに、ベトナムは熱帯なので、米の二期作が標準です。

この辺りは黒モン族が多く、稲作がメインです。
19世紀のチャイナドレスと同じパターンの上着も来ます。

泊まった宿。
タヴァン(左文)地区にあります。サパから8kmに位置する共同体。
黒モン族の女性たちが経営し、地域の子どもの教育を支援しています。
宿泊者は、文房具や教材などを差し入れる人が多いです。
貧困に陥るのは、キン族よりも少数民族が圧倒的に多いです。
https://www.zizihomestayandtrekking.com/

どんな村にも保育園があります。
男女平等を標榜する社会主義だけあって、夫婦共働きは当たり前。
そのための環境も整っています。

ペットボトルに入った、緑色の液体は一体何でしょうか？

正解は、ガソリンです。
バイクの燃料として使用します。

宿で藍染を体験。
黒モン族は黒い衣装が特徴ですが、
実は藍染を繰り返して作った限りなく黒に近い濃藍です。
写真は、宿のYouTubeチャンネルで顔出し自己紹介しているオーナー。

この棚田の上に宿が。
写真少ないですが、連泊しています。

地元ネットワークを利用して、タフィン地区の宿を取ってもらいました。
バイクのお尻に乗って、現地まで移動。
村はずれの詰所で入境料を払うと、ゲートが開きます。
行政上はサパ市社に属する共同体です。

タフィン村 散歩・街歩き

村の中心でもこんな感じ。
サパから日帰りツアーで訪れるのが一般的なので、お世辞にも快適な宿ではありません。
看板にホームステイと書かれているのが分かりますか？
雨は防げるが、窓は隙間だらけ、古い布団と砂埃の床で虫と共存という感じでした。

村を散歩。
豚は泥水に浸かるのが本当に大好き。
日本人に例えると、あ~いい湯だなという緩んだ表情をしています。
どろんこ子豚という絵本もありましたね。
豚は多産の象徴。この母豚の周りにも赤ちゃん豚が群がっていました。

上記の
ザオ族の経営する宿の1階

宿の土間に集まってきた子供たち。
田舎の人たちは、カメラを向けると、反射的に顔を隠します。
恥ずかしさと、よそ者への警戒心からです。
外国人とすれ違う時は、安全な間隔をキープします。
仲良くなって打ち解けると、素敵な写真が撮れます。
夕方は、ずっと子供たちと遊んでいました。

タフィン村 散歩・街歩き

タフィンは赤ザオ族の村として有名。
女性も頭を剃り、独特の頭巾をかぶります。
頭巾は歳を重ねるほど大きくなります。稲作を行います。
薬草を入れた湯舟で入浴することでも有名です。
華南が起源で漢字を使用しますが、日常の書き言葉はベトナム語です。

ハノイから往路は夜行(ソフトシート)、
復路は昼行でした。
夜行はリクライニングが効き、時短効果大で及第。
但し、ガンガンに冷房が効くので寝冷えしないように。
昼間はバス移動の方が早くて快適です。

ラオカイ駅 駅

一等車の車内
一等車と二等車が連結されます。
切符を買う際は、ソフトシートorハードシート？という訊き方をしてきます。
外国人だと、自動的にソフトシート(一等車)の切符を発行する係員も多いです。
二等車は木の椅子なので、かなりハード。1,2時間が限界です。

ハノイ着。ベトナム(キン族)らしい空気が
妙に懐かしいです。