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写真は、石打から十日町に行く国道353号線にある案内版です。<br /><br />関興寺は、関東管領・上杉家やその守護代・長尾家のゆかりの寺であり、120貫文の地を領し、越後は当然とし遠く能登まで総計三百カ寺の末寺を有していたと伝えられている臨済宗円覚寺派の古刹です。<br /><br />しかし、戦国時代のお寺は出城の役目をすることが多く、ここ関興寺も上杉謙信の跡目を争う景勝・景虎の兵火に晒されました。そこで、時の住職は、兵火から上杉家寄進の大般若経を守るため味噌の入った桶に入れました。<br /><br /> それゆえ、関興寺の味噌は、「大切な経典を守った有難い味噌で、経典のご利益・功徳があるに違いない」と参拝する者に崇(あが)められ、以来、「この味噌をいただくものは大般若経典のご利益にあずかり福徳が授かることができる」と世の人々に言いはやされるようになり、それが転じて「関興寺の味噌なめたか」の言葉が、後世の人々に伝えられるようになったということです。<br /><br /> なお、六日町には曹洞宗の雲洞庵があって、こちららは、「雲洞庵の石ふんだか」と言われています。両方の寺をセットで参拝されると良いと思います。私は、雲洞庵で「関興寺の味噌なめたか」を知って、そのうち訪れたいと思っていました。

味噌なめたかの関興寺

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2021/06/27 - 2021/06/27

16位(同エリア64件中)

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自炊おやじさん

写真は、石打から十日町に行く国道353号線にある案内版です。

関興寺は、関東管領・上杉家やその守護代・長尾家のゆかりの寺であり、120貫文の地を領し、越後は当然とし遠く能登まで総計三百カ寺の末寺を有していたと伝えられている臨済宗円覚寺派の古刹です。

しかし、戦国時代のお寺は出城の役目をすることが多く、ここ関興寺も上杉謙信の跡目を争う景勝・景虎の兵火に晒されました。そこで、時の住職は、兵火から上杉家寄進の大般若経を守るため味噌の入った桶に入れました。

 それゆえ、関興寺の味噌は、「大切な経典を守った有難い味噌で、経典のご利益・功徳があるに違いない」と参拝する者に崇(あが)められ、以来、「この味噌をいただくものは大般若経典のご利益にあずかり福徳が授かることができる」と世の人々に言いはやされるようになり、それが転じて「関興寺の味噌なめたか」の言葉が、後世の人々に伝えられるようになったということです。

 なお、六日町には曹洞宗の雲洞庵があって、こちららは、「雲洞庵の石ふんだか」と言われています。両方の寺をセットで参拝されると良いと思います。私は、雲洞庵で「関興寺の味噌なめたか」を知って、そのうち訪れたいと思っていました。

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  • 関興寺案内図です。説明書きは以下のとおりでした。<br /><br />1 駐車場<br /> 2 総門<br /> 3 円光池<br /> 4 登龍の滝<br /> 5 三門<br /> 6 水月観音<br /> 7 臥龍庭(枯山水・巨石庭園)<br /> 8 双龍殿(方丈)<br />9 棲龍池<br />10 昇龍の滝<br />11 庫裡<br />12 宗善庵(塔頭)<br />13 清聲楼(鐘楼)<br />14 智泉閣(経蔵)<br />15 平和延命地蔵<br />16 大悲閣(観音堂)<br />17 悠久陵(合葬墓)<br />18 みろくの里(フリースペース)<br />

    関興寺案内図です。説明書きは以下のとおりでした。

    1 駐車場
    2 総門
    3 円光池
    4 登龍の滝
    5 三門
    6 水月観音
    7 臥龍庭(枯山水・巨石庭園)
    8 双龍殿(方丈)
    9 棲龍池
    10 昇龍の滝
    11 庫裡
    12 宗善庵(塔頭)
    13 清聲楼(鐘楼)
    14 智泉閣(経蔵)
    15 平和延命地蔵
    16 大悲閣(観音堂)
    17 悠久陵(合葬墓)
    18 みろくの里(フリースペース)

  • 総門です。<br /><br />安房勝山藩・酒井家の代官である下田家の屋敷門を平成21年に移築したそうです。<br /><br />

    総門です。

    安房勝山藩・酒井家の代官である下田家の屋敷門を平成21年に移築したそうです。

  • 総門の説明書きです。これによると、関興寺は、十万石の格式を有していたようです。<br /><br />関ヶ原合戦後、大壇越(だいだんのつ)・上杉景勝公の会津・米沢移封の為、庇護を失った越後関興寺は一時衰退するが、それを憂いだ景勝公の命により、米沢藩・二代藩主定勝公(さだかつこう)指南役・萬源恵祥禅師(ばんげんえしょうぜんじ)(鎌倉建長寺第一八五世住持)が米沢関興庵から越後関興寺第三七世に住持するや、ご朱印地を与えられるなど徳川幕府より篤い庇護を受け、十万石の格式を授かるまでに法燈が復興した。<br /><br />以下略。<br />

    総門の説明書きです。これによると、関興寺は、十万石の格式を有していたようです。

    関ヶ原合戦後、大壇越(だいだんのつ)・上杉景勝公の会津・米沢移封の為、庇護を失った越後関興寺は一時衰退するが、それを憂いだ景勝公の命により、米沢藩・二代藩主定勝公(さだかつこう)指南役・萬源恵祥禅師(ばんげんえしょうぜんじ)(鎌倉建長寺第一八五世住持)が米沢関興庵から越後関興寺第三七世に住持するや、ご朱印地を与えられるなど徳川幕府より篤い庇護を受け、十万石の格式を授かるまでに法燈が復興した。

    以下略。

  •  三門です。<br /> 三門とは、空(くう)・無相(むそう)・無作(むさ)の三解脱 (さんげだつ) 門を略した呼称で、禅宗七堂伽藍(三門(さんもん)・仏殿(ぶつでん)・法堂(はっとう)・禅堂(ぜんどう)・庫裏(くり)・東司(とうす)・浴堂(よくどう))の中の一つです。<br />

     三門です。
     三門とは、空(くう)・無相(むそう)・無作(むさ)の三解脱 (さんげだつ) 門を略した呼称で、禅宗七堂伽藍(三門(さんもん)・仏殿(ぶつでん)・法堂(はっとう)・禅堂(ぜんどう)・庫裏(くり)・東司(とうす)・浴堂(よくどう))の中の一つです。

  • 三門の案内

    三門の案内

  • 三門の天井絵で荒川姿泉画伯による雲龍図です。<br /><br />

    三門の天井絵で荒川姿泉画伯による雲龍図です。

  • 三門を出ると左手に六地蔵があり、参道(?)の両側にお地蔵さんが並んでいます。

    三門を出ると左手に六地蔵があり、参道(?)の両側にお地蔵さんが並んでいます。

  • 三門をくぐって出たところです。

    三門をくぐって出たところです。

  • 参道石段の左には水月観音がありました。

    参道石段の左には水月観音がありました。

  • 石段の上がりきった右手には鐘楼があり、ちょうど時の鐘を雲水さんが突いていました。<br /><br />

    石段の上がりきった右手には鐘楼があり、ちょうど時の鐘を雲水さんが突いていました。

  • 石段の鐘楼とは反対側には智泉閣(経蔵)があります。

    石段の鐘楼とは反対側には智泉閣(経蔵)があります。

  • 経蔵(智泉閣)は、一切経を収められている回転する六角形の書架(輪蔵?)があり、この書架を回転させると一切経を習得したと同等のご利益が得られる、または、一切経をすべて唱えたことと同じ功徳があると言われているようです。

    経蔵(智泉閣)は、一切経を収められている回転する六角形の書架(輪蔵?)があり、この書架を回転させると一切経を習得したと同等のご利益が得られる、または、一切経をすべて唱えたことと同じ功徳があると言われているようです。

  • 一般に本堂といわれる方丈(双龍殿)の前には枯山水の庭があります。

    一般に本堂といわれる方丈(双龍殿)の前には枯山水の庭があります。

  • 方丈の廊下は、禅宗の寺らしくピカピカに磨き上げられています。

    方丈の廊下は、禅宗の寺らしくピカピカに磨き上げられています。

  • 廊下の上には、時代劇では大名駕籠と言われている乗物が吊してあります。これでは柄の高さが分かりません。十万石の柄の高さを確認したかった。<br /><br /> 筆者注:江戸参府旅行日記 東洋文庫303(ケンペル著 斎藤信訳 平凡社)によると大名等の高貴な人が乗るものは乗物と呼ばれ、それの担い棒である柄は乗る人の格により高さが決められていたそうです<br />

    廊下の上には、時代劇では大名駕籠と言われている乗物が吊してあります。これでは柄の高さが分かりません。十万石の柄の高さを確認したかった。

     筆者注:江戸参府旅行日記 東洋文庫303(ケンペル著 斎藤信訳 平凡社)によると大名等の高貴な人が乗るものは乗物と呼ばれ、それの担い棒である柄は乗る人の格により高さが決められていたそうです

  • 廊下に架かる欄間の彫刻も立派です。さすが十万石の格式のある寺院です。<br /><br />

    廊下に架かる欄間の彫刻も立派です。さすが十万石の格式のある寺院です。

  • 方丈と庫裏の渡り廊下(?)の裏にある棲龍池と昇龍の滝です。<br />

    方丈と庫裏の渡り廊下(?)の裏にある棲龍池と昇龍の滝です。

  • 円光池の向こうに三門・方丈・庫裏が望めます。

    円光池の向こうに三門・方丈・庫裏が望めます。

  • 最後に、「関興寺の沿革」と「味噌なめたかの由来」の案内を掲載します。

    最後に、「関興寺の沿革」と「味噌なめたかの由来」の案内を掲載します。

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この旅行記へのコメント (3)

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  • 黒田(温泉)さん 2021/09/09 00:33:19
    改めて拝見!
    自炊おやじ様

    今日(2021.09.08)改めてこの「旅行記」を拝読しました。

    >三門の天井絵で荒川姿泉画伯による雲龍図です。

    この「天井絵」に気付かなかったです。
    同じ場所を旅行して、大概私の方が、「重要な観光ポイント」の見逃しが1、2か所あります。
    自炊おやじ様は、観察力が素晴らしいです。
    いつも感心しております!
  • 黒田(温泉)さん 2021/07/01 23:41:30
    素晴らしい!
    自炊おやじ様

    今晩は。
    素晴らしいレポートです!

    >六日町には曹洞宗の雲洞庵があって、こちららは、「雲洞庵の石ふんだか」と言われています。両方の寺をセットで参拝されると良いと思います。私は、雲洞庵で「関興寺の味噌なめたか」を知って、そのうち訪れたいと思っていました。

    私は、7年ほど前に二寺を「セット」で訪問しました。
    「関興寺」では、奥様が直接お寺の中をご案内してくださいました。
    そして、「味噌いわれ」を聞き、帰りに小さな壺に入った「味噌」を買って帰りました!
    いい思い出です。
    この度、自炊おやじ様の「4トラ」を通じて、懐かしく振り返ることが出来ました。
    ありがとうございました。

    自炊おやじさん からの返信 2021/07/09 07:43:12
    Re: 素晴らしい!
    おはようございます。コメントをありがとうございます。

    すでにセットで訪れられていたのですね。さすがですね。味噌の入った小さな壺は気がつきませんでした。また、行く機会がありましたら、気をつけてみます。

自炊おやじさんのトラベラーページ

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