
2021/05/02 - 2021/05/02
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ノーーウォリーズさん
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3日間のタスマニア旅行の最終日のテーマとして、紅葉を追いかけてみます。5月上旬のタスマニアは紅葉のベストシーズン。イギリスなど北半球から持ち込まれた落葉樹があちこちに植えられて、祖国イギリスの雰囲気を出しています。オーストラリアでは紅葉鑑賞はあまり聞かないですが、比較的寒冷地のタスマニアや本土の高地では、北半球から輸入された見事な紅葉を見ることができます。次のテーマはクラシックカー。紅葉とクラシックカーには何の関係もないですが、ロスでは紅葉の下で偶然にもクラシックカーイベントが開催されています。意外にも2つはよく似合い、同時に楽しんできました。
後半は、シドニーでも同じ2つのテーマを探してみます。5月下旬に開催されたホットロッド&カスタムショー Hot Rod & Custom Auto Expoでは、1930年代に始まった世界最古のアメリカのカスタムカー文化「ホットロッド」を、約100年後の現在もオーストラリアで継承されている体験をします。なお、私はクラシックカーの知識があまりないので、車の説明はウィキペディアを参照しています。詳しい人には、突っ込みどころが沢山あるかも知れません。予めご了承ください。
- 旅行の満足度
- 4.0
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タスマニアのロンセストン空港を出発した瞬間から気がつきます。どの町でも紅葉した木々が綺麗で、その鮮やかさはシドニーと比較になりません。なお南半球に位置するオーストラリアには例外の1種類を除き、固有種で紅葉する落葉樹はなく、年中緑の常緑樹が基本です。紅葉する木はほぼ全て輸入されたものです。
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この邸宅にも見事な色の木々が。
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オーストラリアの固有種で紅葉する唯一の例外は、タスマニアの標高800m以上の高地で見られるファガスまたは南極ブナと呼ばれる種類。クレイドルマウンテンが有名です。今回訪れた標高1572mのベンロモンド山の麓でも見られないか注意深く探しましたが全く見かけず。その代わり、山の麓でこの小さな木に数枚の葉が赤く変色しているのを見かけます。これが固有種なのかは不明です。タスマニアには卵から産まれる哺乳類プラティパスなど、珍しい例外がいろいろあります。
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旅の3日目、ベンロモンド山などのトレッキング後にワイナリーを訪れます。ここでもブドウの木は見事に赤く紅葉しています。トレッキングの予定を急遽変更して紅葉を見に行ってきます。
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タスマニアのどの町でも紅葉が見れますが、今回敢えて選んだのが、タスマニアの内陸部にあるロスRossの町。事前にタスマニアの紅葉の名所を調べていませんでしたが、ロスはタスマニアでも古い町で知られているので、紅葉も綺麗に違いないと思い行ってみます。ロスの町に入ると両側には紅葉の並木道です。予想は当たります。
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ロスブリッジです。1836年建設ですが、中世の雰囲気があります。
ロスブリッジ 建造物
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ロスベーカリーは紅葉に囲まれています。魔女の宅急便のモデルとなったと噂されるベーカリーで、普段は多くの日本人含め観光客が集まる店です。現在は海外から渡豪はできないので、外国人観光客はいませんが。
ロスビレッジ ベーカリー 建造物
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ロスベーカリーは地元民にも人気で、行列ができています。
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これは今が旬の帆立のパイ。AUD$9.8。帆立はこちらではあまり採れず高いので相応の値段です。
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紅葉のロスを散歩します。ローカルの教会と紅葉。まるで北半球のイギリスにいるかの雰囲気。
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別の教会です。どれも19世紀の建物です。時が止まっています。
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紅葉の並木道が見事です。200年前にイギリスから入植した人々が種木を輸入して植えたのでしょう。
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紅葉が見られるのは町中のみ。郊外の山には紅葉する木はなく、ユーカリなどの常緑樹の緑の山です。山全体が紅葉という景色はオーストラリアでは見られません。
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落葉した葉っぱも綺麗です。絵を描いている画家もいます、きっと素晴らしい絵が描けるでしょう。
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街中の紅葉から道路に目を移すと、そこには沢山のクラシックカーが見られます。古い街並みと紅葉とクラシックカーで、まるで50年前に戻った気分です。右は1975年まで存在した英国の高級車ハンバー Humber。
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この日のロスでは、クラシックカーイベント Picnic at Rossが開催中です。タスマニア中からクラシックカーが集まっています。左は豪州国産(GMの豪州ブランド)ホールデン・トラナ Holden Torana、1970年代のレースシーンで活躍して未だにファンが多い車です。右側は50年代のフォードです。
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1950年代のクライスラー・プリムス Chrysler Plymouth、この大きさでも当時のアメリカ市場では大衆車の扱いだったそうです。どれだけ豊かだったのでしょう。
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車内は赤いシートで派手、綺麗に保たれています。
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ずらりと並んだ、1950-60年代アメリカンのクラシックカー。今日ここで見られるのは、主にアメリカ車とイギリス車です。
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こちらはクライスラーのカークラブ。カーメーカー毎にクラブがあります。
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カーマニアが集まって何か熱い議論をしています。現地の人はあまり紅葉には関心を示さず、クラシックカーのクラブの交流目的の人が殆どです。日本と同じ紅葉文化はこちらにはありません。
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1950年代のフォード・ゼファー Ford Zephyrは、イギリス市場では高級車として売られていたそうです。アメリカ市場なら小型車の扱いでしょう。車文化は各国で大きく異なりますが、豪州には1920年代からホールデンとフォードの工場があり、アメリカの車文化に大きく影響を受けています。
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メキシコ風のガイコツ。
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英国車も人気です。これは高級車ベントレー。
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ベントレーの内装、古いながら高級感あります。今日集まった車にはすべてナンバーが付いており、自走可能な保存状態です(Conditional registrationの場合は、条件を満たす時のみ走行可能)。
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1980年台のジャガー。古き良き丸みがあるクラシックカーの雰囲気を持つ世界最後のモデルだったかも知れません。10年前頃までは、シドニーで走っているのを見かけました。
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ミニが文字通りミニだった頃のモデル。古いアメリカ車の大きさには驚きますが、古いイギリス車の小ささにも驚きです。
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このフォード・マスタングは今でもレースに出場しているのでしょう、爆音を上げて走っています。人口50万人ほどのタスマニア中のクラシックカーが集結しました。2時間ほどロスの町で紅葉とクラシックカーを楽しみました。そのままロンセストン空港へ向かい、3日間のタスマニア滞在を終えてシドニーへ向かいます。
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シドニーに着いて、紅葉並木を探してみます。シドニー中心部の街路樹の多くが北半球から持ち込まれた落葉樹で紅葉します。しかし紅葉の色は緑・黄・茶のまだら模様で、まるで錆びた様な色になり綺麗ではありません。
この写真はシドニーのハイドパーク。朝日の強い光を利用して、茶色の葉っぱが黄金に輝いて見える様に撮った奇跡の一枚。シドニー市街には紅葉の名所はなく(個人宅に数本の綺麗な木は見かけますが)、綺麗な紅葉並木を見るには標高の高いブルーマウンテンズやキャンベラに行かなければいけません。ハイドパーク 広場・公園
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シドニーでもクラシックカーイベントを探してみます。丁度5月下旬にシドニーでホットロッド&カスタムショー Hot Rod & Custom Auto Expoのイベントが開催されているので行ってみます。会場のローズヒルガーデン競馬場入口の赤い紅葉が綺麗です。クラシックカーの分野は細分化されていますが、今日は「ホットロッド」などアメ車がテーマです。ここから先はクラシックカーの話になります。
http://hotrodandcustom.com.au/
なお日本でも同様のホットロッドのイベントがあります。
https://yokohamahotrodcustomshow.com/リッジス パラマッタ ホテル
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会場は3分割されています。まずはノスタルジアコーナーという1950-60年代のアメリカ車の展示を見に行きます(厳密にはこれはホットロッドとは呼びません)。豪華で巨大でアメリカの豊かさを象徴した車が並びます。私が産まれた遥か前ですが、個人的には1950年代の車が一番かっこ良いと思います。
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1958 Lincoln Continental MarkⅢ。全長5.8m, 全幅2.1mの巨大ボディ。リンカーン・コンチネンタルにはアメリカ大統領も乗っていました。後ろから見た姿はまるでチョコレートの板です。
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1941 Chevy Cadillac。富の象徴シボレー・キャデラック。アメリカでは戦争中にも、沢山の鉄とガソリンが必要なこんな大きな車が製造されていたとは、国力の違いを感じます。
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1959 Chevy Impala。シボレー・インパラはローライダー用カスタムカーのベースとして有名です。インパラは1965年に年間に100万台が売れて、歴代でも1400万台とアメリカで歴代最も良く売れた車のひとつです。インパラはキャデラックの様な高級車ではなかったのですが、今見るととても贅沢な車です。
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車の内装。今でもクラシックカーが現役で動いているキューバで一度乗ってみたいです。
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ホールデンのカスタムカラー車。ホールデンとはGMのオーストラリアでのブランド名。豪州のレース界においてホールデンはとても人気がありますが、ホットロッド界では人気がなくこれが唯一見かけた車。展示車は殆どがホールデンではなくシボレーブランドの車。シボレーブランドの車は輸入車の様で左ハンドルです。
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1957 Chevy Belair。シボレー・ベルエアーはインパラの兄弟車。こちらは未塗装で、派手なカスタムカラー車とは正反対です。ラッドロッドと呼ばれる、敢えて錆が見えるボロボロの車が好きな人たちもいます。
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1964 Buick Riviera。古き良きアメ車が集結しています。全部を紹介できませんが、1950-60年代のアメ車だけでも100台以上展示しています。
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2輪車は多くないですが、何箇所かで展示されています。光り輝くハーレー・デビッドソン。なお右の女性は一般人です。
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クラシックバイク。メーカー名不明。
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日本の車のショーでは若い女性モデルが立っているのを良く見ますが、こちらではその文化は絶滅寸前です。今日も車の側に女性モデルは見かけません。男女平等時代では受付やキャビンアテンダントなども、女性だけの仕事ではなく男性も多いです。その代わりピンナップ・ページェントが開催されます。日本語ではミスコンでしょうか。
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ピンナップ・ページェントとは、右の参加者の女性の自己紹介を左の司会の女性が読みながら、参加者がそれに合わせたポーズをとります。女性らしい仕草でアピールする女性(今では滅多に見かけません)もいれば、
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過激な火遊びの得意技を披露する女性もいます。美しさより個性を競っている様です。
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スプレーペイントを披露するコーナー。ボディに絵を描いている車は今日は見かけませんでしたが。
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爆音がするので近づいて見ると、巨大なエンジンを積んだモーターボートがエンジンを吹かしています。他の車もエンジンを吹かしをしていますが、ここは競馬場、ボートや車のレースはできません。結局爆音だけで全く動かず私には意味不明だったのですが、好きな人にはエンジンの音だけでも楽しめるのでしょう。
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2番目に、ホットロッドのコーナーへ向かいます。ホットロッドとは1930年代にアメリカで始まった改造車の文化で、カスタムカーとしては最古の歴史があります。1920-30年代の主にフォードの大衆車は安く若者でも購入可能だったので、この車をベースに改造する文化が始まったのです。その文化が約100年たった今でも継承されています。
この写真は改造していないほぼノーマルの状態の車、3.3Lですが小さなエンジンが見えます。ボロボロですがナンバープレートは付いており、走る事はできるのでしょう。 -
そんな車に派手なペイントをすると、お洒落なクラシックカーの雰囲気になります。ホットロッドは、1920-30年代の車に巨大なエンジンとタイヤを積んだり、派手なペイントを施したカスタムカーです。フォード車の殆どが右ハンドルなので、アメリカから輸入車ではなく、豪州で生産されたアメリカ車なのかと思います。
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1923 Chevy T-Bucket。ベースはフォード車が殆どですが、シボレーもあります。大きなエンジンに積み替えると、車のボディより大きくなるので、前部分のボディが取り払われてエンジンが剥き出しなのがホットロッドの大きな特徴。
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1923 Ford Model-T。フォードT型は1910年から世界初の量産車として1500万台以上が作られました。ゴールドのパーツを沢山使い派手な車です。ほぼ全てのパーツがオリジナルから取り替えられているので、この車を1923年製と呼ぶのは無理があると思いますが。オリジナルの雰囲気は全くなく何でもありです。
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1931 Ford Model-A Coupe。フォードA型はホットロットのベースとして最も人気があります。フォードT型の後継車で約500万台が生産されました。ご覧の様に地面に鏡があり、車の下まで輝いています。これらの車はホットロッドクラブに所属する個人オーナーの所有です。公道では一切乗らない展示用なのでしょう。
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1934 Ford 3 Window Coupeには太いタイヤが付けられてドラッグレース用に改造されています。90年前の車の強度で10倍以上のパワーのエンジンを載せてドラッグレースにでたら車が空中分解されそうですが。他に見かけた車種は1930年代のFord Tudor, Ford Coupe, Ford Roadsterなど。全部を紹介できませんが、ホットドッドコーナーだけでも100台以上あります。
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3番目に、屋外のコーナー向かいます。ここでは実際に動いているクラシックカーを見ることができます。これは1949 Ford Custom 戦後初めてフォードから発売されたモデルです。錆が残るそのままの状態の車(ラットロッド)で、見かけによらずしっかりと走ります。
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Ford Deluxe Ute。ピックアップ車の車高を下げたローライダーが目立ちます。隙間には指一本入りません。地面からギリギリの車高で、家のガレージにどうやって入れているのか不思議です。
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これは走行中のローライダー。油圧式の車高調整システムがあり、走行中は少し上げて走るのだそう。一時期、車高を下げる車が流行ったことがありましたが、このオーナー達に言わせればローライダーは流行ではなく1950年代から続く文化なのでしょう。
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左はFord Thunderbird。1960年代のアメ車は流線型から巨大に見えますが全長5.20m, 全幅1.92mと、豪州で2020年に1番売れているトヨタ・ハイラックスと同サイズ。駐車場にも収まります。右はDodge Delux。上のローライダーと似た様な車種ですが、標準の車高だと全く別の車に見えます。
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Mazda RX3。今回登場した車の99%はアメ車でしたが、唯一見かけた日本車がマツダ。レースシーンでは有名なのか、結構足を止めて覗いている人がいます。シドニーでも日本車クラシックカーのカークラブもあります。
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Ford Mustangが颯爽と去っていきます。フォード・マスタングはマッスルカーの代表格で、豪州では新旧モデルともとても人気です。ここは駐車場なので全力では走れませんが、他のレースイベントではクラシックカーもエンジン全開で走ります。
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ホールデン(GMの豪州ブランド)のピックアップ車。アメリカのシボレーは十字架マークですが、オーストラリアのホールデンは同じ車(右ハンドル仕様)にこのライオンのマークを付けて売っています。実はホールデンの販売は2020年に終了して、GMは豪州市場から撤退を決めています。約100年続いてきた豪州のホールデンの歴史が終わりとても残念なニュースです。かつて豪州ではトヨタ・三菱・ホールデン・フォードなど多くの乗用車が生産されていましたが、2017年に全社撤退。今の新車はすべてが輸入車となっています(バス・トラックの生産は残っています)。
タスマニアとシドニーで、紅葉とクラシックカーのイベントを楽しみました。今までクラシックカーの知識はあまりなかったのですが、この旅行記を作成して多くを学びました。アメ車文化がここオーストラリアでも根強く続いている事がわかりました。2020年代は電気自動車EVが本格的に普及し始める時代で、100年前エンジン時代のホットロッド文化はどうなるのでしょうか。2020年代には電気自動車のカスタムカー文化も流行するはずで、これから新たな文化が誕生するのでしょう。次回の旅行記でもオーストラリアのクラシックな乗り物を紹介します。
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