2017/12/22 - 2018/01/02
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giantpandaloverさん
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カンパーニャの旅を終え、ローマに帰還。ローマではトラステベレを中心に探索、その後、パリに移動してお洒落なパッシー地区を探索。パリで2018年の新年を迎えました。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 交通手段
- 鉄道 タクシー 徒歩 飛行機
- 航空会社
- ANA
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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12/29(金)11:30にナポリからItaloでローマに到着。
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ローマではトラステベレのB&B「Rizzo's Estate Natale」に宿泊。トラステベレに泊まるのは初めて。
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100㎡程のアパート。これで一泊110ユーロ。2泊だけでは勿体ない感じ。
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ベッドルームも広々。
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部屋から見える朝市。ローマの下町の息吹を感じる活気あるエリア。
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色とりどりの野菜や果物。
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カルボナーラ、アマトリチャーナなどローマのパスタには欠かせないグァンチャーレ(豚のほほ肉の塩漬け)。100g160円位と本場はやはりお手頃。
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トラステベレ側からテベレ川を渡る。
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マルケス劇場近くは旧ユダヤ人地区。ひと際目を惹くシナゴーグ。今は観光客向けにユダヤ料理を出すレストランなどが軒を連ねている。
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スパーダ宮へ。17世紀の枢機卿ベルナルディーノ・スパーダのパラッツォ。スパーダ家のコレクションが展示されている。
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バロックの鬼才ボッローミニによる光学トリックのギャラリー。奥行は実際は短く、その先にある彫刻も小さいが、床をせり上げ、天井を下げることで、それがいかにも長く、その先に等身大の彫刻があるように錯覚させる構造になっている。
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トラステベレに戻り、聖チェチリア・イン・トラステベレ教会へ。3世紀に殉教したローマ出身の聖女チェチリアを祀るため、9世紀にパスカリス1世によって建立された教会。
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教会の内部。祭壇の下にサンタ・チェチリアのお墓がある。
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ルネサンスの彫刻家ステファノ・マデルノによる「聖チェチリアの大理石像」
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聖チェチリアは、230年頃の皇帝アレクサンデル・セウェルスの時代に殉教。斬首されたが、その後3日間生き延びたと伝わる。神を賛美するのに楽器を奏でながら歌ったと言い伝えられており音楽家の守護聖人。5世紀に聖チェチリア・イン・トラステベレ教会が建立され、その後、1599年にスフォンドラーティ枢機卿が教会を改築した際に聖女の墓を開けたところ、聖女は殉教した時のままの姿だったという。大理石像の首にも殉教した際の傷跡が残る。
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サン・フランチェスコ・ア・リーパ教会。フランチェスコ会を始めた聖フランチェスコがローマ滞在時に宿泊し祈りを捧げた教会。
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この教会にバロックの天才彫刻家ジャン・ロレンツォ・ベルニーニの「福者(ベアータ)ルドヴィーカ・アルベルト―ニ像」がある。
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バルニーニ晩年の傑作。福者ルドヴィーカ・アルベルト―ニは、ローマの有名な貴族アルベルトーニ家に1473年に生まれた。夫の死後、フランチェスコ会に入会し、貧しい人々のために自らの財産を擲って奉仕。宗教生活の中でたびたび法悦(宗教的な恍惚状態)を体験し奇跡を行った。この彫刻もルドヴィーカが法悦に見舞われているところを表している。
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夕食はテスタッチョのペコリーノ(Pecorino)へ。市場近くに名店あり。
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奇を衒わず落ち着いた店内。
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温野菜の盛り合わせ。オリーブオイルと塩だけで野菜の甘みを味わう。
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パッケリのアマトリチャーナ。
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正当派カルボナーラ。グアンチャーレと卵とペコリーノチーズで作る。
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ローマ名物サルティンボッカ。仔牛肉に生ハムとセージを乗せてバターでソテーしたもの。
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カラメルが多めの蒸しプリン。
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明けて12/30(土)。早朝に9番のトラムでトラステベレを出発。
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今日の観光はジェス教会から。1534年にイグナチウス・デ・ロヨラやフランシスコ・ザビエルらによって創設されたイエスズ会の本拠地。日本にもカトリックを伝道。
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天井のフレスコ画は、ジョヴァンニ・バッティスタ・ガウッリの「イエスの御名の勝利」。スタッコ彫刻と相俟って壮大なスケール。
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サンタンドレア教会。ピッコローミニ家の末裔でアマルフィ公爵夫人のコスタンツァ・ピッコローミニ・ダラゴナの寄進により建立。アマルフィの守護神サンタンドレア(セント・アンドリュー)に捧げられている。
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教会内部にはサンタンドレアのフレスコ画。X型の十字架で処刑されたとされる。
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この教会にはシエナ出身の名家ピッコローミニ家の法王ピウス2世(在位1458年-1464年)の墓がある。ピウス2世はオルチャ渓谷のピエンツァに理想都市を作ったことで有名。
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その向かいにはピウス2世の甥の法王ピウス3世(在位:1503年)の墓もある。この法王は在位僅か26日で死去。毒殺説もある。
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次にサンタ・マリア・ソプラ・ミネルバ教会へ。ドミニコ修道会の教会。奥に見えるのはパンテオン。教会前にはエジプトのサイスからローマに運ばれたオベリスクをベルニーニ作のゾウが支えている。
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教会内部の天井は金メッキの星をちりばめた鮮やかな青色。
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15世紀末のカラファ礼拝堂にはフィリッピーノ・リッピのフレスコ画がある。下は受胎告知で、上部は聖母被昇天。水色の鮮やかさが印象的。
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アントニアッツォ・ロマーノの受胎告知(1485年)。この教会にはルネサンス期の傑作が溢れている。
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ベノツッオ・ゴッツオリ作「聖母子」(1449年)。ゴッツオリと言えば、モンテファルコのサンフランチェスコ教会にフレスコの傑作がある。
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ドミニコ会士でもあったルネサンス画家フラ・アンジェリコのお墓まである。
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ミケランジェロ作「救世主キリスト」像。
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14世紀シエナ出身の聖女カタリナのお墓もある。彼女はドミニコ会の在俗修道女。法王グレゴリウス11世に、教皇庁をアヴィニョンからローマに返すよう説いた。
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次はサン・ルイジ・デイ・フランチェージ教会。1589年創建。13世紀フランス・カペー朝第9代の国王で2回も十字軍を出して死後列聖されたルイ9世に捧げられた教会。「フランスの聖ルイ」をイタリア語読みするとこうなる。ローマ在住フランス人の国民教会。
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この教会の至宝が、コンタレッリ礼拝堂にあるカラバッジョの聖マタイに関する3作品。これは「聖マタイと天使」。
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最も有名な「聖マタイの召命」。
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サンティニャツィオ教会。イエスズ会を創設した聖イグナチウス・ロヨラに捧げられた教会。1650年創建。
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身廊の天井はイエスズ会の画家アンドレア・ポッツォによる「イエズス会士イグナチウスの栄光」のフレスコ画。この絵は騙し絵の技法で描かれていて、目印の位置から見ると、青天に向かって無限の空間が広がって見える。アンドレア・ポッツォの騙し絵はモンテプルチャーノのジェス教会にも傑作がある。
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騙し絵で描かれたクーポラ。
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続いてコロンナ宮殿へ。コロンナ家は15世紀に法王マルティーノ5世を輩出した名家。家紋には柱(イタリア語でコロンナ)が描かれている。マルティーノ5世は、1378年から1417年の間、ローマとアヴィニョンに法王庁が分立した西方教会大分裂を終結させた法王。
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宮殿の2階入口にあるブロンジーノの「ヴィーナス」。
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映画「ローマの休日」の舞台にもなった大広間。
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1849年ルイ・ナポレオン(のちのナポレオン3世)がローマのお家騒動に介入してローマに侵攻した際にジャニコロの丘から撃ちこんだ大砲の玉。
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コロンナ宮にはジローラモ・コロンナ枢機卿らが収集したローマ有数の絵画コレクションが展示されている。この「豆を食べる人」はバロックの画家アンニーバレ・カラッチが1580年頃に描いた作品。農夫が木のスプーンで豆を食べている。バロックという時代にこういう素朴な風俗画が描かれていることに驚き。
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ブロンジーノの「聖アンナと聖母子」。ブロンジーノは陶磁器のように透き通る肌が特徴的。
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コロンナ宮殿を出たところで遅めの昼食。前菜のズッキーニとナスのグリル。
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ローマ名物のパスタ・アラ・グリーチャ(Pasta alla gricia)。グアンチャーレとペコリーノ・ロマーノ(羊乳のチーズ)と胡椒だけのパスタ。これは玉ねぎも足している。シンプルだが旨味成分が重なり合っていて美味しい。これにトマトソースを足すとアマトリチャーナになる。アマトリチャーナのトマトソース抜きがグリーチャ。
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コロンナ宮を出てすぐにあるトレヴィの泉。折角なので拝んでいく。
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とは言え、この人混み。オーバーツーリズムということを考えてしまう。
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午後イチはバルベリーニ宮殿へ。バルベリーニ家の法王ウルバーノ8世の建設。マデルノ、ベルニーニ、ボッローミニというバロックのスーパースターたちが建設に携わっている何とも贅沢な宮殿。
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フィレンツェの裕福な商人バルベリーニ家の繁栄はマッフェオ・バルベリーニが1623年に法王ウルバーノ8世に選出されたことに始まる。ローマはカトリックの総本山ということもあり、立派なパラッツォの残る名家は、大抵ルネサンス・バロック期に法王を輩出している。
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1300年代ルネサンス初期シエナ派のセーニャ・ディ・ボナベントゥーラの聖母子。
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フィリッポ・リッピの「二人のひざまずく寄進者のいる受胎告知」。
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ラファエロの「フォルナリーナ」。厳重にガラスで保護されている。
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カラヴァッジョの「ホロフェルネスの首を斬るユディト」。
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同じくカラヴァッジョの「ナルシス」。水鏡に写った自分自身を愛してしまったギリシャ神話の美少年。
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バルベリーニ宮殿を出て、タクシーでボルゲーゼ公園にあるヴィラ・ジュリア国立博物館へ。エトルリア美術を展示する博物館。
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チェルヴェテリのエトルリア遺跡から出土したBC520年頃の「夫婦の陶棺」。
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エトルリア文化は、ローマの征服以前のイタリア半島で栄えた。BC7~6世紀が最盛期。金板には解読されていないエトルリア文字が残されている。
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剽軽な青銅製のオブジェ。
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エトルリア人の兵士を象ったオブジェ。
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ヴィラ・ジュリアの夕暮れ。因みに、ヴィラ・ジュリアは法王ユリウス3世が建てた別荘。
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夕食はテスタッチョのアグスタレッロで。「行列のできるトラットリア」。
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店内は黄色を基調にした気取らない雰囲気。
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リガトーニのカルボナーラ。グアンチャーレと卵とペコリーノと胡椒だけのシンプルな味付け。
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グリーチャ。カルボナーラから卵を抜いたもの。グアンチャーレとペコリーノと胡椒だけ。旨味が深い。
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トリッパ(牛の胃)の煮込み。
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付け合わせの野菜のソテー。
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セコンド(メイン)はローマ名物スコッタディート・ダバッキオ(scottadito d'abbacchio)。子羊のあばらの肉を「指が火傷する」という名前のとおり豪快に手掴みで食べる。炭火の風味と骨の周りの歯ごたえのある肉が美味しい。
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明けて今日は大晦日。朝早くトラステベレのB&Bを出てフィウミチーノ空港へ。アリタリアでパリへ向かう。
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パリではウェスティン・バンドームに宿泊。バンドーム広場の近く。
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部屋はパリの割には広々。
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ホテルにチェックイン後、マルモッタン・モネ美術館へ。世界最大級のモネのコレクションを収蔵する。
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モネ 「印象・日の出」 (1872年)。印象派という名の由来となった作品。
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モネ「睡蓮」 1915年。
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「睡蓮」の絵が沢山。
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ベルト・モリゾ「舞踏会で」(1875年)。モリゾは、マネの絵のモデルとしても知られる。
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ルノワールが描いた「モネ夫人」
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同じくルノアールの描いたジュリー・マネの肖像。エドゥアール・マネの弟の画家ウジェーヌ・マネとベルト・モリゾの娘で、本人も画家。
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なぜか葛飾北斎の「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」も展示してある。
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同じく北斎、諸国滝廻り「下野黒髪山きりふりの滝」。
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美術館を出て高級住宅街の16区パッシー地区の年の瀬。
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La Grande Epicerie de Paris。パリの明治屋的な高級食材店。
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チョコレートのコーナー。並べ方も芸術的。
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紅茶・ハーブティーのコーナーもお洒落。
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オリーブ・オイルも種類豊富。
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チーズ・コーナーもさすが。
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大晦日の夕食は年越し蕎麦ならぬ年越しのFruits du Mer。
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鱈のソテー。
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夜のヴァンドーム広場。静かなゆく年。
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明けて2018年元旦。1903年創業の老舗サロン「アンジェリーナ」で朝食。
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ヨーグルト、フルーツ、シリアルのセット。日本ならお節料理のタイミング。
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黒トリュフ入りのスクランブルド・エッグ。
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パンにも色々美味しそうなジャムが付いている。
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朝食後、ポンピドゥー国立近代美術館へ。元旦に開いている美術館・博物館は少ないため結構な人出。
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マティス「黒猫を抱く少女」
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ピカソ「アルルカン」。
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オランダ人モンドリアンの「コンポジション」。
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ウォーホールの「Ten Lizes」。エリザベス・テイラーの顔写真が10枚コピーされている。
今回の旅はこれでおしまい。カンパーニャ州パエストゥムのギリシャ神殿に始まり、エトルリア&ローマ文化、中世→ルネサンス→バロックを経て、パリの近代美術まで、芸術いっぱいの旅でした。(完)
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