
2020/09/30 - 2020/10/01
23位(同エリア405件中)
かっちんさん
今晩の宿「湯の瀬温泉」は、山形県庄内地方の山あいにひっそりと佇む一軒宿です。
源泉掛け流しの温泉にはプールのような大露天風呂を立ち湯・歩行湯などで楽しめます。混浴ですが女性には湯あみ着の貸し出しがあります。
ここは鮮魚商も営んでいるため、夕食は地元 由良漁港から直接仕入れた日本海の新鮮な魚介類の料理と周囲の山々で採れた山菜など旬の恵みがいただけます。
アクセスは、JR羽越本線あつみ温泉駅から路線バス「戸沢線」に乗ります。終点から1.8km先の宿までは、事前に連絡しておけば宿の車がお迎えに来てくれます。
ところで路線バス「戸沢線」は、鶴岡市の委託を受け廃止代替路線として庄内交通が運行し、路線維持してきた経緯があります。
温海(あつみ)地域内を生活の足として運行していた路線バスは全部で5路線、41バス停留所。人口減少により利用する人が徐々に減り、本日、令和2年(2020)9月30日をもって廃止となります。
翌10月1日からは自治体による新しい交通手段の乗合タクシーが運行されます。
今日はあつみ温泉駅から海岸沿いにある奇岩「塩俵岩(しおだわらいわ)」を見学し、最後の運行となる路線バスに乗り戸沢地区へ向かいます。
終点の強竜寺バス停からは宿の送迎車で「湯の瀬温泉」に到着します。
宿では大露天風呂の巨大さにビックリし、夕食の料理に舌鼓を打ちます。
翌日はさらに内陸部の下菅野代まで車で送ってもらい、かつて庄内藩公認の小国街道(現在 国道345号)を路線バスで鶴岡駅へ向かいます。
なお、旅行記は下記資料を参考にしました。
・庄内交通HP
・庄内観光サイト「塩俵岩」
・東北パラダイス「立岩海底温泉 遊楽」
・新潟近県お気軽温泉紀行「立岩海底温泉 遊楽」
・多幸の湯番台のブログ「北帰行Ⅳ写真集・風景編」:「塩俵岩」
・ホテルサンリゾート庄内HP
・山五十川HP
・田力ブログ「自然栽培の稲刈りと棒掛け作業」
・ミズホHP「棒掛け、はざかけ」
・湯の瀬旅館HP
・温コレ「山形/湯の瀬温泉・湯の瀬旅館」
・よござんす日誌「湯の瀬温泉 湯の瀬旅館 ~お部屋・食事編」
・秋建時報「日本国に日本の原風景を見た」平成21年6月1日:小国街道
・廃墟検索地図「菅野代小中学校」
・何とか庵「新・県民ケンちゃん~鬼坂峠1」
・マイナビニュース「JR東日本E653系、ハマナス色の特急「いなほ」登場! 新潟駅を発車」
・ウィキペディア「JR東日本GV-E400系気動車」「いなほ (列車)」
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 高速・路線バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
あつみ周辺観光案内図
奇岩「塩俵岩」は、あつみ温泉駅と五十川駅(いらがわえき)のほぼ中間にあります。
(あつみ温泉駅から3.2km、五十川駅から2.9kmのところ)
今晩の宿は五十川駅から内陸部に入った戸沢地区にある山あいの「湯の瀬温泉」。
あつみ温泉駅から塩俵岩、五十川駅を経由する路線バス「戸沢線」の終点は「強竜寺」バス停。
そこからは宿のお迎えの車に乗ります。
また、鶴岡駅から越沢方面行きの路線バスで「下菅野代」で降り、宿のお迎えをお願いするルートもあります。
どちらも運行本数が少ないので要注意。 -
「塩俵岩」バス停
あつみ温泉駅から鶴岡行きの庄内バスに乗れば、5分で到着します。
但し、昼間の時間帯は3本のみ(2020年10月1日以降)。
私はあつみ温泉駅から海岸沿いを奇岩「立岩」などを見ながら歩いてきました。 -
紺碧の海に見とれる若者(塩俵岩付近)
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海の釣り堀跡?(塩俵岩付近)
以前、立岩海底温泉「遊楽」という温泉施設と海の釣り堀があったのですが、2012年4月の爆弾低気圧により被災。
その後、休業となり、2017年に温泉施設が壊され、更地になってしまいました。 -
こちらを見つめる「ツリフネソウ」(塩俵岩付近)
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塩俵を積み重ねたような「塩俵岩」
玄武岩脈の一塊で、よく発達した層状節理とこれに直角に発達した五角形や六角形の柱状節理が交互に交叉しています。 -
祀られている「塩俵岩」
よく見るとライオンのような岩が・・・ -
イチオシ
碧い日本海と「塩俵岩」
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五角形や六角形の「塩俵岩」
トウモロコシの粒にも似ています(笑) -
「塩俵岩」のシルエット
遠くに見えるのは日本海に浮かぶ粟島。 -
芭蕉の石碑(塩俵岩付近)
詠句「あつみ山や吹浦(ふくうら)かけて夕涼み」
芭蕉と曽良が酒田から大山を経て海岸の景勝地を見ながら温海に着いたのは、元禄2年旧暦6月26日未刻で、鈴木惣左衛門宅に泊まります。
詠句は酒田の不玉と共に小舟で納涼のときの立句。翠峰温海岳から吹浦かけての景趣と涼風に感動した雄大な句です。 -
午後の日本海と粟島(塩俵岩)
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塩俵岩を通る羽越本線
令和元年(2019)8月から走り始めた「GV-E400系」気動車です。
ディーゼルエンジンの動力で発電した電力をモーターで駆動する電気式気動車です。
羽越本線は電化されていますが、村上駅手前で交流から直流に切り替わるため、普通列車には交直変換設備が不要な気動車が使われています。 -
おや、また何か来るぞ(塩俵岩)
ライオンくんが振り向いて教えてくれます。
いや、作曲家のバッハにも見えますが・・・ -
イチオシ
青空に映えるハマナス色の特急「いなほ」(塩俵岩)
羽越本線の海岸線に自生するハマナスをイメージした特急「いなほ」です。 -
海底温泉の源泉タンク
海底1525mから汲み上げる天然温泉「遊楽温泉」の源泉タンクは現在も残されています。
源泉はタンクローリーで輸送し、由良海岸を望む高台に佇む「ホテルサンリゾート庄内」の温泉に使われています。 -
塩俵岩バス停
15:38の戸沢行きバスに乗ります。 -
1日3本の戸沢線(塩俵岩)
一番下に「2020年9月30日までの運行」と書かれています。 -
最後の運行となる戸沢行きバス(塩俵岩)
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バスの車内
乗車している人は5人ほど。
地元の人とバスマニアらしき人。 -
五十川付近(バス車窓)
この先、鉄道はトンネル、道路は岬をまわります。 -
五十川駅前(国道)
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五十川駅を過ぎたあたり(車窓)
バスは右に曲がり、五十川沿いに上流の山五十川・戸沢地区へ向かいます。 -
山五十川の集落(車窓)
山五十川は清流五十川に沿うように約600人の住人が寄り添う山間の地域です。 -
蔵屋敷(山五十川)
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稲刈り作業(山五十川)
天日で自然乾燥させた稲を脱穀しています。 -
稲の「棒掛け」(山五十川)
東北地方でよく見られる稲を乾燥させる方法です。
立てた棒に束にくくった稲を、稲穂が重ならないように回しながら高さを変えて取り付けています。 -
「旧山戸小学校」(山五十川)
山戸小学校は平成28年(2016)3月末に長い歴史を閉じ、あつみ小学校に統合されました。
バス停の名前は「旧山戸学校前」。 -
山あいを流れる五十川(車窓)
-
イチオシ
庄内地方の「棒掛け」(山五十川)
鎧を付けた戦国武将の一団みたいです。 -
「コンバイン」(山五十川)
広い田んぼでは「コンバイン」が使われています。 -
砂利採掘場(山五十川)
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戸沢集落(車窓)
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イチオシ
超アナログ的な手動式料金表示機(車内)
降車バス停毎に料金カードが用意されており、上のツマミを移動させると切り欠きの異なるカードがバタッと倒れる仕組み。 -
バス料金は690円(車内)
終点の強竜寺に到着し、運転手は整理券7番(塩俵岩から)の料金を確認しています。 -
バスのりば「強竜寺」
今日が最後になるバス停です。 -
明日からは乗合タクシーの運行
あつみ温泉へは行きに朝2本、帰りに昼以降2本となり、現在より約半分の運行になります。 -
強竜寺の寺院
-
イチオシ
「戸沢線」最終運行のバス(強竜寺)
2020年9月30日が最終日となった路線バス「戸沢線」。
最後のバスに乗り、お別れできました。 -
湯の瀬旅館
強竜寺から宿のお迎えの車に乗り「湯の瀬旅館」到着。
ここは山形県鶴岡市戸沢字神子谷です。
かつて車で巡回する鮮魚商をしていた先代が開いた宿で、近くに嫁いだ姉妹も手伝いに来て親子4代、家族総出でのもてなしがあります。 -
旅館内案内図
2階建ての細長い建物は、客室が25室、内風呂2ヶ所に混浴の大露天風呂があります。 -
客室の窓からの景色(湯の瀬旅館)
五十川を挟んだ向かいには鯉の養殖場だったお庭とツルが・・・
ツルは本物ではありません。 -
五十川沿いに建つ「湯の瀬旅館」
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イチオシ
大露天風呂(湯の瀬旅館)
早速、露天風呂に浸かります。
幅約15m、奥行き約23m、深さ1.2mのプールのような浴場。
女湯とはのれんで仕切られていますが、混浴なので広い露天風呂に女性も浸かることができます。
泉質は無色透明のアルカリ性単純温泉。お肌がツルツルになります。
泳ごうとしましたが、何だか重い感じ。歩いて一周してきました。 -
温海管内バス時刻表(湯の瀬旅館の掲示)
あつみ温泉と戸沢を結んでいたバス路線が本日で運行が終了します。 -
イチオシ
豪華な夕食(湯の瀬旅館)
お刺身(マグロ、カンパチ、ハタ)、タコのカルパッチョ、カニ足、エビフライ、庄内麩とゆうがおの煮付け、クチボソカレイの焼き魚、赤魚の煮付け、など。
鮮魚商の資格があるスタッフが、毎朝由良港に海の幸を直接仕入れて来るので、鮮度と味は抜群。 -
芋煮とご飯(夕食)
芋煮は山形の郷土料理。 -
翌朝の内風呂(湯の瀬旅館)
ライオンの湯口から溢れる温泉。 -
朝食(湯の瀬旅館)
お刺身、温泉玉子、ヒジキ煮、鮭の塩焼き、アケビの味噌詰め、ご飯、味噌汁、漬物、ヤクルト、梨など。 -
ロビーと売店(湯の瀬旅館)
朝食後、お客さんと女将、大女将などがロビーの椅子に座り、談笑の場になります。
この宿はリピーターが多く、話がはずみます。 -
鯉の泳ぐ池(湯の瀬旅館)
ロビーから見えます。 -
立派な錦鯉(湯の瀬旅館)
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清流の五十川(散策)
宿の周りを朝散歩します。 -
先代が始めた錦鯉の養殖場(散策)
現在は養殖をやっていません。
錦鯉の養殖を始めた当時、湯の瀬温泉の湯が流れ込む川で錦鯉が越冬することがわかり、これが「湯の瀬旅館」開業のきっかけになりました。 -
外から見た大露天風呂(散策)
当初の源泉の温度は24℃。「もっと掘り進めば・・・」と多額の費用を掛けて掘り進んでも良い源泉にはあたらず。
専門家からも「無駄」と言われ温泉の採掘許可深度直前の1,050mに達したとき、ついに熱々48℃の源泉が湧き出しました。
今ではその豊富な湯量が湯の瀬旅館一番の自慢となっています。 -
湯の瀬旅館創始者の石碑(散策)
創始者の偉業に敬服します。 -
五十川上流の流れ(散策)
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大型バス(散策)
屋根があり保存しているようです。 -
栗の実がいっぱい(散策)
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栗拾い(散策)
イガ栗がいっぱい落ちているので、栗拾いをやり宿の女将さんにあげました。
今晩の宿の夕食は栗ご飯かも・・・ -
水車(散策)
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下菅野代
宿の送迎車で、鶴岡へ抜ける国道345号と交差する下菅野代(しもすがのだい)まで送ってもらいました。 -
下菅野代バス停
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バス時刻表(下菅野代)
9:09のSモール(鶴岡駅)行きに乗ります。 -
旧街道の趣き(下菅野代)
国道345号は、かつて鶴岡城下から湯田川、木野俣、関川などの山間の小さな山里を縫いながら進み、国境(くにざかい)の堀切峠を越え村上領の岩船郡小俣に通じる「小国街道」でした。
庄内藩公認の街道です。 -
鶴岡駅前方面のバス(下菅野代)
このバスに乗ります。 -
旧菅野代小中学校(車窓)
明治13年(1880)に宝伝寺境内に菅野代学校として創立。
平成8年(1996)に閉校となり、3階建て校舎が残っています。 -
「鬼坂延命地蔵尊」(車窓)
鬼坂峠を越えた坂の下地区に龍泉寺があり、その一角に「鬼坂延命地蔵尊」があります。 -
鶴岡駅
下菅野代からバス43分で到着。
鶴岡駅からは羽越本線に乗り、村上へ向かいます。
湯の瀬温泉は、山あいにありながら海の幸、山の幸の料理が味わえ、大露天風呂、家族ぐるみのおもてなしなど、お勧めの宿です。
旅の専門誌「ノジュール」でも紹介されました。
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