2021/01/01 - 2021/01/02
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xiaomaiさん
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高雄市左營で「鳳邑舊城城隍廟及十三角落廟庚子出巡遶境大典」が行われた。実施されたのは、庚子年12月27日から1月2日で、これほど長期に渡った出巡遶境(神明の市中視察)は見たことがない。台湾では、例年1月1日のみが元旦の祝日で休めるのだけれど、今年は土日が重なり三連休となったため、最後の2日間を見に行くことができた。鳳邑舊城城隍廟へは昨年9月に訪れて以来の再訪。毎日どんより曇った台北と異なり、高雄は天気がよい上、日差しも強く感じた。高雄の人々とともに、2021年早々に神明に平安を祈ることができて良かった。
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遶境は朝6時に出発するため、新幹線で高雄へ向かった。
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南港出発後、台北、板橋、台中にのみ停車し、105分で高雄左營に到着。
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タクシーで覆鼎金保安宮へ。画像は門楼。
覆鼎金保安宮 寺院・教会
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10時過ぎに到着。既に遶境の一行は到着し始めていた。
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順番が来るのを橋の上で待つ金龍。
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次々と保安官に到着する神輿
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到着した神明へのご接待品一式
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順番が回ってきた金龍が大きく華麗に舞う。
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千里眼将軍と順風耳将軍
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初めて訪れた保安官
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1833年の創建で、1998年に現在地へ移り再建された。
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1階正殿
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主祭神は中壇元帥三太子。
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中壇元帥はインドの神話にその端を発し、毘沙門天の子だとされている。それがのちに仏教に入り、最終的に道教の神にもなった。三太子と呼ばれるのは、李靖将軍(『西遊記』の托塔李天王、『封神演義』の李靖)の第三子であるため。
三太子は子供の頃から神力を有し、成長後は太乙真人を師と仰いで、7歳の時、東海へ遊びに行った際、龍宮へ出向いた。その時、龍王の子がエビやカニの兵士を率いて戦いを挑んだが、三太子に大敗を喫してしまった。このことを知った龍王は玉皇上帝に三太子の父である李靖将軍に責任を取らせるべきだと訴えた。すると、三太子は両親に罪が及ぶのを申し訳ないと思い、自身の肉を母に、骨を父に返し、育ててくれたことに感謝した。その後、魂だけとなった三太子は太乙真人に救われ、再度骨肉をつけてもらった。
このような経緯があり、兵力の神とされる。また、芸事や乗り物の運転操縦の守護神としても信仰を集めていて、芸能人やタクシー運転手などの信者が多い。 -
1階右手に子供の出生発育を守る註生娘娘。
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さらに台湾人にとってとても大切な天上聖母(媽祖)。
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左手には二郎神。中壇元帥が李靖将軍の三男であるのに対し、こちらは次男。道教においては治水の神として知られる。
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そして、財運を司る福徳正神。
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正殿の左には木彫りの見事な神輿。
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ゲーム機のようなおみくじ機。
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三太子と月下老人が置かれていたけれど、既に遶境は始まっているため、お出ましにはならず、ただ単にこの場所に神明として置かれていたのだろう。
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お守りや数珠。気持ちを金銭に表して納めるようになっている。
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お守りや記念タオルなどの自販機。便利とはいえ、お守りを自販機で買うのは気が引ける。
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と言いつつも、いつまた来られるかわからないし、兵力の神に悪から守って欲しい気持ちもあり、中壇元帥と福徳正神のお守りを授けていただいた。
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2階の凌霄寶殿におわすは玉皇上帝。さらに三官大帝もお祀りされている。
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玉皇上帝に右に南斗星君。この神明は、六星宮(射手座の六星)を所管し、功爵禄寿を職務としている。
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玉皇上帝に右に北斗星君。この神明は、七星宮(大熊座の七星)を掌管し、人間界の生死を司っている。
以上の神々のほか、中二階に当たるところがあり、右側に太乙真人、左側に斗姥元君、六十甲子太歳星君を祀っている。 -
一般道と保安官を結ぶ橋の上に多くの花車や神輿が列を成しているのが見えた。
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保安宮のすぐ隣(同じ敷地内)にある小さな福徳祠。
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ここには、本境福福正神、五路財神、文昌帝君、魁星夫子、朱衣帝君、文衡帝君、孚佑帝君が祀られている。
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こちらの福徳正神は、やさしそうな。親しみの持てるお顔をされている。
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財運の神である五路財神
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学問の神である文昌帝君
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コミカルに動く三太子。
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福徳祠の前で視線を感じてドキッとした。艶やかなピンク色の服に身を包み、日傘をさしているこの女性は?
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こちらを向いたままスマホの操作を始めた。
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手を頰に当て、何かを考えているよう。
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橋の上を長い金龍が通過中。あれ、先程の女性の顔が90度曲がってしまっている。それでもこちらを見ている。
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保安宮の前は人が多かったけれど、福徳祠の前は見物客が少なく見やすいことに気づいて、ここで見ることにした。画像は北極殿の神輿。
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水牛陣。昨年末に新北市中和で見たようなコミカルな寸劇はなかった。
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レディース神輿。中におわすは註生娘娘。なるほど、女神だから、女性が担いでいたのだ。
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王馬。遶境に参加する馬を見たのは初めて。南部の遶境は北部とさまざまな点で異なる。
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おとなしい馬で暴れることなく、列に入って行進。
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台北の八爺よりおとなしめに動かれる鳳邑舊城城隍廟の八爺。
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大きな青空、保安官、そして七爺。
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鳳邑舊城城隍爺の神輿がご到着。
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今回の遶境の中心人物であり、地元の方々の信仰が集まる神明。
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参加された各地の廟の神輿や花車などの停車場。これだけの多さを目にすることは滅多にない。画像では多さをさほど感じないけれど、奥に深く、ぎっしり停められていた。
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保安官の大階段前の特設祭壇に祀られた中壇元帥。後方におられるのは鳳邑舊城城隍爺。
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舊城城隍廟の「自問心」の花車。
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武術を披露する佳興宋江陣頭
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ここで一行は昼食休憩。その後、再出発。今年の先鋒官は覆鼎金保安宮で、中壇元帥の神輿が先頭を切って進まれる。この順番はポエという占いで決められ、先鋒官になるというのは非常に名誉なことだ。
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王馬
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その後、次々と神輿が進んでいく。
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制服を着用して担ぐところも少なくなかった。
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このような太鼓(開路鼓)を鳴らしながら踊るグループもある。
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亀とか海老とか貝とか......
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金獅
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神輿の担ぎ手は若い人だけでなく、熟練者もいて、安定した担ぎ方をされていた。
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若い人が多いと、神輿の揺れが大きめになり、力のある担ぎ方になる傾向があると思われた。
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神輿はやはり見るものではなく、担ぐものだ。日本にいた頃は、地元の神輿だけでなく、知人の伝で浅草三社祭の神輿を担がせてもらっていた。懐かしいなあ。
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十二婆姐。先ほどずっとこちらを見ていたのはこのうちのお一人だったのだ。
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さまざまな神輿が次々と目の前を通り過ぎていく。
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電子音に合わせて踊る三太子
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城隍爺と中壇元帥に龍舞を披露。
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そして、次の立ち寄り寺院へ向かう。
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途切れることのない神輿
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あ、またこの女性(というか、信仰の対象)、十二婆姐。
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千里眼将軍。各地各廟で形も色も異なる。
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順風耳将軍
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慈徳宮の神輿を担がれていたのは大ベテラン。
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かと思えば、青少年の担ぐ神輿がやってくる。
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金龍も多かった。
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豊穀宮の神農大帝の神輿
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元帝廟の北極玄天上帝の神輿
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舊城城隍廟の福徳正神の神輿
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先ほどとは別の十二婆姐
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舊城城隍廟に祀られる註生娘娘の神輿をかつぐレディース。
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その後を舊城城隍爺の王馬
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東港大漢楽団
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王馬の最後。白い毛が多く混じり、高齢な馬だとわかる。7日間も毎日歩き続けて大丈夫かなと心配。
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最後に舊城城隍爺の神輿が出立される。
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列を成す信徒。
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だんだん舊城城隍爺の神輿が近づいてくる。
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もうすぐだ。
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信者が神様にお願い事をしながら、神輿の下を這って進む。
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這って進む前に手を合わせなければいけないのにそれを忘れ、這って進むときも願い事をするのを忘れてしまった。つまり単なる通過になってしまった。
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こちらが舊城城隍爺。お体を動かすことができる塑像で、身長は7尺6寸半。2.3m以上というご長身。
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城隍爺のご加護をいただくべく、並ぶ信徒は数知れず。初めてのこととはいえ、正しい方法を取らなかった自身を悔い、もう一度並ぼうかと思ったけれど、やめておいた。
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すべての希望者が神輿の下を這った後、城隍爺はご出発。
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一行の最後には清掃担当グループ。この方達がいてくださってこその遶境。
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その後、一行とともに街中を進んだ。
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遶境で日の目を浴びるのは寺院でのパフォーマンスの時だけ。ほとんどの時間は移動と待機に費やされる。信仰心なくしてできることではない。
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一行を離れ、近道をした。途中で見かけた「八百屋」。自動車関連商品の店。
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新莊天后宮
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副玉二聖母、天上聖母、玄天上帝、中壇元帥、福徳正神、註生娘娘、千里眼將軍、順風耳將軍、天虎將軍、黒虎將軍、太歳星君などを祀る。
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豊谷宮へ向かう途中、城隍廟の鮮花車を見かけた。
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小規模な豐谷宮福徳祠
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ここにも、遶境の一行が訪れる。
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神農大君を主祭神とする菜公豐谷宮。
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日本時代、近隣7家が土地公、土地婆、土地子を毎年交代で自宅にお祀りしていた。1943年に神農大君も合祀することを決め、長老である呉天寶氏の家に固定的に安置することにした。その翌年、呉氏が土地を寄贈し、廟を建立して今に至っている。
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主祭神の神農大君
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小さい廟ながら、神様に布袋劇(人形劇)をお見せする舞台がある。
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鳳邑城隍廟興隆外里13角頭公廟の1つとなっており、遶境の一行が訪れる。
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十二婆姐ももちろん立ち寄る。
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入り口がある程度勾配のある坂になっている。
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そのため、車や神輿は上る時も下りる時も苦労する。
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細い道を進む金龍
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水牛も同様に進む。
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神輿も
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十二婆姐も
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もちろん王馬も。
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自宅に何頭もの馬が現れ、住民は驚いていたかもしれない。
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どの子もおとなしいから大丈夫。
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信徒は自宅の前を神々が通られることを光栄に思い、接待の準備をされて、神明がお通りになるのを待つ。
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その後、人も龍も水牛も十二婆姐も王馬も、道を徒歩で進む。気温が上がらない冬でないとできない祭だと感じた。
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自宅を6時半ごろ出て以来、何も食べていない状態で、14時半を過ぎていた。それで、一行が自由黄昏市場を通り過ぎたときに、列を離れて市場に入り食堂を探した。
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野菜、果物、肉、魚などが多く並べられていた。
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湯圓を売る店も。
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もちろん食堂もあった。
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一通り見て、この店に決定。
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三種魚肉とろみスープ(下にはご飯)。空腹だったこともあるけれど、これは本当においしかった。近所に住んでいたら通うなと思いながら完食。
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こちらで飲み物を買い......
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ドーナツ屋さんでも買い......
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デザートタイム。さっぱりしたレモン冬瓜と揚げ加減が絶妙な「雙胞胎(ふたご)」という名のドーナツ。ドーナツというと油っこさがあることが多いけれど、ここのはそれがまったくなく、2つ食べられたかもしれない。1つ20元、3つで50元。
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自由黄昏市場からほど近い葫蘆尾福徳廟。
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1950年に創建された廟。現在のものは1991年に再建されたもの。
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福徳正神を主祭神とし、天上聖母、五營將軍などが祀られている。
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爆竹の音だけを出すエコな爆竹代用機。ここだけでなく、高雄左營ではこれが使われることが多く、実際に爆竹を鳴らすことはほとんどなかった。昨年12月の台北青山祭で日中問わず大量の爆竹が鳴らされ、大量のクレームが市役所に届けられたからなのか、あるいはもう何年も前からこうなのかは不明。
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ここでも、城隍爺の神輿くぐりがあった。
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列に並び2度目のお参り。神輿をくぐる前に手を合わせたものの、後ろの人に迷惑をかけぬよう這って早く前進することに気を取られて、願い事をするのを忘れてしまい、またもや失敗。
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ここでも多くの信徒が長い列を成していた。
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城隍爺のビスケットだと言われてもらったもの。以前の平安餅に代わるものなのだろう。おいしくいただいた。
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葫蘆尾福徳廟は微笑公園の中にあり、その近くにこのトラックがあった。見てすぐ馬運車だとわかった。王馬は台南市新化から運ばれてきたレンタル馬だった。レンタルとは言え、大役を果たしたことに違いはない。7日間休むことなく歩きっぱなしでかわいそうだったけれど、城隍爺のご加護があるはず。
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完全に一向から離れ、ホテルにチェックインすることにした。この日宿泊したのは「蓮潭國際會館」。
ガーデン ヴィラ ホテル ホテル
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入ってすぐ左手にあるベーカリー
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ホテルにしては良心的価格。
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エレベーターに乗り10階へ。エレベーターを降りると、蓮池潭が望めた。
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1016号室
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行政客房(Executive double bed room)
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ホテル内で作られているクッキーが置かれていた。
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広く清潔感がある客室。
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蓮池潭とは反対側で、シティビュー。
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日月潭の紅茶はティーバッグだったけれど、豊かな香りだった。台湾の紅茶製造史は日本時代まで遡れる。当時、英国との取引もあり、高い評価を受けていた。
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シャワールームとは別にバスタブ。
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台湾首府大学が研究開発したアメニティ。このホテルは台湾首府大学の実習機関として2005年に設立された。実習ホテルとしては台湾で最大規模を誇る。
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遠目になるけれど、テレビを見ながらの入浴も可能。
近辺には高雄らしい料理が食べられる店はないように感じた。でも、蓮池潭へは徒歩圏内だから、蓮池潭を中心に高雄を楽しみたいという人にはいいだろう(ただ夏の場合は短い距離でも多量の汗をかくことになる)。 -
17時ごろ舊城城隍廟などへ参詣に出かけた。ホテルからは徒歩で10分ほど。画像は慈濟宮の龍虎塔。昨年9月に行った時は汗を多く流しながら、九曲橋を渡り塔に上った。
左営蓮池潭/龍虎塔 滝・河川・湖
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遶境最終日に神輿が立ち寄る慈濟宮。
慈済宮 寺院・教会
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中に入ると、保生大君が乗られた神輿があった。最終日のみ、遶境にご参加になる。
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保生大君のご尊顔。
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広々とした内部。
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保生大君のおられるところに必ずおわす虎爺は保生大君の下に安置されている。
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続いて、啓明堂へ。
啓明堂 寺院・教会
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2階の正殿に祀られる關聖帝君。その後ろに至聖先師(孔子)。さらに、岳武穆王(岳飛)や延平郡王(鄭成功)も祀られている。
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4階の凌霄寶殿には赤いお顔の玉皇上帝もおいでになる。
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啓明堂の前にある春秋御閣
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鳳邑舊城城隍廟。夜間に訪れたのは初めて。思いの外、美しい。
鳳邑旧城城隍廟 寺院・教会
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己の心に問うてみよ
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こちらが今回の遶境の中心となる神明の城隍爺。司法神であると同時に地域の守護神でもあられる。
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虎爺は神案の下に。
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八爺
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七爺
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普段こちらに祀られている七爺は遶境中。
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高雄都会快速公路、西部浜海公路を歩道橋で横切る。右に見える明るい建物は高雄物産館。
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ホテル近辺をうろつくも、台湾南部ならではのグルメが見つからず、結局こちらへ。
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蔥爆牛肉飯(80元)。高雄らしいものではなく、台湾中どこにでもあるものだけれど、味はよかった。
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19時44分にホテル帰還。
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エレベーターを降りて見た蓮池潭の夜景。日中の方が景色を楽しめる。
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チェックイン時に買ったシナモンロール。大きくて翌朝食べきれそうになかったから、半分夜食として食べた。
この日は歩行数が29,216歩にも上り、翌日は遶境を見るために6時にチェックアウトするから、早めに就寝した。
(続)
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