天竜旅行記(ブログ) 一覧に戻る
 中央構造線を走る道が県内にある。<br /> YouTubeでそれを知った。<br /> 走ってみたいと思った。<br /> 天竜川河口から北に50kmに佐久間町がある。<br /> その佐久間の簡易郵便局と、城西の郵便局とを結ぶ県道290号線。<br /> 狭く、曲りくねり、急傾斜の山道を通る車は、ほとんどないはず。<br /> 秘境だ。<br /> そこもまた面白い。

中央構造線の谷を走る(1/4)水窪羽ケ庄佐久間線・龍王ごんげんの滝

25いいね!

2021/01/03 - 2021/01/03

31位(同エリア69件中)

旅行記グループ 中央構造線の谷を走る

0

40

motogen

motogenさん

 中央構造線を走る道が県内にある。
 YouTubeでそれを知った。
 走ってみたいと思った。
 天竜川河口から北に50kmに佐久間町がある。
 その佐久間の簡易郵便局と、城西の郵便局とを結ぶ県道290号線。
 狭く、曲りくねり、急傾斜の山道を通る車は、ほとんどないはず。
 秘境だ。
 そこもまた面白い。

同行者
カップル・夫婦(シニア)
交通手段
自家用車 徒歩

PR

  •  天竜川の堤防を北上する。<br /> 遥か遠くにちらりとのぞく山脈が、うっすらと白くなっている。<br /> 「雪!」<br /> 前日汗まみれになって、冬用タイヤに履き替えてきたことが報われそうだ。

     天竜川の堤防を北上する。
     遥か遠くにちらりとのぞく山脈が、うっすらと白くなっている。
     「雪!」
     前日汗まみれになって、冬用タイヤに履き替えてきたことが報われそうだ。

  •  二俣のコンビニで弁当を買って、

     二俣のコンビニで弁当を買って、

  •  満面に水をたたえた船明ダム湖を通過する。<br /> (晴天続きで、安部川や富士川は干上がっているのに、ここはなぜか満水)

     満面に水をたたえた船明ダム湖を通過する。
     (晴天続きで、安部川や富士川は干上がっているのに、ここはなぜか満水)

  •  秋葉トンネルに入る。<br /> 152号線は、7月に豪雨で崖崩れや土砂滑りが多数発生し、トンネル内にも亀裂が生じ、長い間通行止め。<br /> 復旧したばかりのトンネルだ。

     秋葉トンネルに入る。
     152号線は、7月に豪雨で崖崩れや土砂滑りが多数発生し、トンネル内にも亀裂が生じ、長い間通行止め。
     復旧したばかりのトンネルだ。

  •  トンネルだけでなく多数の場所が崩れていて、全線開通となったのは6日前のこと。<br /> やっと秋葉ダムの横を通って北上できる。<br /> (実はこのニュースを見てやって来たのだ。)

     トンネルだけでなく多数の場所が崩れていて、全線開通となったのは6日前のこと。
     やっと秋葉ダムの横を通って北上できる。
     (実はこのニュースを見てやって来たのだ。)

  •  竜山の町中を走り抜ける。<br /> この町の人たちは、復旧工事の期間、数時間かけて愛知県を迂回していたのだ。

     竜山の町中を走り抜ける。
     この町の人たちは、復旧工事の期間、数時間かけて愛知県を迂回していたのだ。

  •  この152号線、道幅は広くなり、カーブは緩やかになって、60km/h以上のスピードで走っても怖さを感じない。<br /> ここまで走って来たのは数十年ぶり。<br /> 見違えるほど進化している。

     この152号線、道幅は広くなり、カーブは緩やかになって、60km/h以上のスピードで走っても怖さを感じない。
     ここまで走って来たのは数十年ぶり。
     見違えるほど進化している。

  •  出発してから1時間10分。<br /> 分岐点に到着した。<br /> この北の谷間から流れてくるのが水窪川で・・(実は東の方向だった)<br /> ここを左折すれば佐久間の町で、直進すれば水窪の町のはずだが・・

     出発してから1時間10分。
     分岐点に到着した。
     この北の谷間から流れてくるのが水窪川で・・(実は東の方向だった)
     ここを左折すれば佐久間の町で、直進すれば水窪の町のはずだが・・

  •  西の谷間から流れて来るこの川が天竜川のはず。<br /> (本当は北だった)<br /> しかし、自信が持てない。<br /> 今回はカーナビは使わず、人間の空間識別能力で走っています。

     西の谷間から流れて来るこの川が天竜川のはず。
     (本当は北だった)
     しかし、自信が持てない。
     今回はカーナビは使わず、人間の空間識別能力で走っています。

  •  自信のないまま、左折して橋を渡る。<br /> 道路は狭くなり、中央分離線もなくなった。<br /> 右の崖上に集落があるようだ。

     自信のないまま、左折して橋を渡る。
     道路は狭くなり、中央分離線もなくなった。
     右の崖上に集落があるようだ。

  •  帰宅後にマップを見ると、集落は西渡(にしど)だった。<br /> 13年前には山香小学校があったが、廃校となっている。

     帰宅後にマップを見ると、集落は西渡(にしど)だった。
     13年前には山香小学校があったが、廃校となっている。

  •  佐久間は3つの地区から成り立っていたことを知ったのも、帰宅後のこと。<br /> 4つあった小学校は、今は佐久間小学校に統合されてしまっていた。

     佐久間は3つの地区から成り立っていたことを知ったのも、帰宅後のこと。
     4つあった小学校は、今は佐久間小学校に統合されてしまっていた。

  •  西渡の集落を超えると、対向車とのすれ違いに、徐行しなければならない場所も現れた。<br /> 不安に思うのは、天竜川の上流を目指しているのに、道は下り坂になっていること。

     西渡の集落を超えると、対向車とのすれ違いに、徐行しなければならない場所も現れた。
     不安に思うのは、天竜川の上流を目指しているのに、道は下り坂になっていること。

  •  おかしい!<br /> こんなはずがない!<br /> 下流に向かっているぞ。<br /> ここは『千と千尋の神隠し』の世界かも知れない・・<br /> ばかばかしいが、心底そんな不安が押し寄せてきて、途中立ち止まって考え込む。<br /> マップを見るとこれで良いらしい。<br /> マップまで狂い出したのでは?

     おかしい!
     こんなはずがない!
     下流に向かっているぞ。
     ここは『千と千尋の神隠し』の世界かも知れない・・
     ばかばかしいが、心底そんな不安が押し寄せてきて、途中立ち止まって考え込む。
     マップを見るとこれで良いらしい。
     マップまで狂い出したのでは?

  •  トンネルだ!<br /> 道路も2車線となった。

     トンネルだ!
     道路も2車線となった。

  •  希望を持ってトンネルを抜ける。<br /> 「おおっ!町だ!」

     希望を持ってトンネルを抜ける。
     「おおっ!町だ!」

  •  飯田線の線路も現れた。<br /> 「これで良し!」<br /> 安心はするものの、こうなると『千と千尋・・』の湯婆婆(ゆばあば)の世界もまんざらではなかったと、少しがっかり。

     飯田線の線路も現れた。
     「これで良し!」
     安心はするものの、こうなると『千と千尋・・』の湯婆婆(ゆばあば)の世界もまんざらではなかったと、少しがっかり。

  •  飯田線の下をくぐる。<br /> 右への脇道が見えた。<br /> 290号線の入口はここかな・・とブレーキ。

     飯田線の下をくぐる。
     右への脇道が見えた。
     290号線の入口はここかな・・とブレーキ。

  •  やはりここが、めざす谷への入口だった。<br /> ここからが水窪羽ケ庄佐久間線だ。

     やはりここが、めざす谷への入口だった。
     ここからが水窪羽ケ庄佐久間線だ。

  •  少しの間、家屋があったが、

     少しの間、家屋があったが、

  •  突然、対向車にも苦慮する細い道路に変わり、踏切が現れた。<br /> 飯田線。

     突然、対向車にも苦慮する細い道路に変わり、踏切が現れた。
     飯田線。

  •  いつかこの飯田線に乗って、見知らぬ場所を走れたらいいな・・<br /> と思いながら線路を横切る。<br />  <br /> 

     いつかこの飯田線に乗って、見知らぬ場所を走れたらいいな・・
     と思いながら線路を横切る。
      
     

  •  急こう配の坂道を、ウンウンとエンジン音をうならせて登ること5分、

     急こう配の坂道を、ウンウンとエンジン音をうならせて登ること5分、

  •  「龍王権現遊歩道」の看板のある場所に到着してしまった。<br /> 車が停められる場所まで用意されている。<br /> もっと山の上かと思っていたのに予想外。<br /> 標高は255mだ。<br /><br /> ここまでの車載カメラの動画です。(山香の別れ道から)<br /> 時間があったらご覧ください。時間は8分です。<br />https://youtu.be/Zhp6ySyaKys

     「龍王権現遊歩道」の看板のある場所に到着してしまった。
     車が停められる場所まで用意されている。
     もっと山の上かと思っていたのに予想外。
     標高は255mだ。

     ここまでの車載カメラの動画です。(山香の別れ道から)
     時間があったらご覧ください。時間は8分です。
    https://youtu.be/Zhp6ySyaKys

  •  寒波襲来で防寒対策をしてきたが、寒さはそれほどでもない。<br /> 「河内川まで10分ほど」の案内に従って、ひょいひょいと降りていく。

     寒波襲来で防寒対策をしてきたが、寒さはそれほどでもない。
     「河内川まで10分ほど」の案内に従って、ひょいひょいと降りていく。

  •  ひざを痛めないように、足を滑らせないように、ゆっくり下ろうとするが、重力には叶わない。

     ひざを痛めないように、足を滑らせないように、ゆっくり下ろうとするが、重力には叶わない。

  •  しかし10分と書いてあったのに、なかなか遠い。

     しかし10分と書いてあったのに、なかなか遠い。

  •  高い杉の木が天に伸び、聞こえるは樹々の擦れ合い音と、枯れ枝を踏む音だけ。

     高い杉の木が天に伸び、聞こえるは樹々の擦れ合い音と、枯れ枝を踏む音だけ。

  •  その静寂な山の中に、せせらぎの音。<br /> 見下ろせば一本の吊り橋。

     その静寂な山の中に、せせらぎの音。
     見下ろせば一本の吊り橋。

  •  『竜王ごんげん橋』と名付けられた吊り橋を渡る。<br /> 下を流れるのは河内川。

     『竜王ごんげん橋』と名付けられた吊り橋を渡る。
     下を流れるのは河内川。

  •  高さはないが、ゆらゆらと揺れる頼りない吊り橋。<br /> 怖がりの私を心配して(からかって?)振り向く妻。<br />

     高さはないが、ゆらゆらと揺れる頼りない吊り橋。
     怖がりの私を心配して(からかって?)振り向く妻。

  •  でもそれほど怖くない。 <br /> 怖くないのは、樹木に囲まれているので、空中に浮遊している感覚がないからだろう。<br /> 怖さの原因は高さではなく、足元が消える浮遊感だと分かった。

     でもそれほど怖くない。 
     怖くないのは、樹木に囲まれているので、空中に浮遊している感覚がないからだろう。
     怖さの原因は高さではなく、足元が消える浮遊感だと分かった。

  •  滝はこの流れの先にあるようだ。<br /> 河内川は渓流の様子を見せている。

     滝はこの流れの先にあるようだ。
     河内川は渓流の様子を見せている。

  •  谷間は緑のトンネルだ。<br /> 昔見た冒険映画のシーンのようで、少年の心が戻る。

     谷間は緑のトンネルだ。
     昔見た冒険映画のシーンのようで、少年の心が戻る。

  •  と、滝の音。<br /> 「ここだよ!」と妻が呼ぶ。

     と、滝の音。
     「ここだよ!」と妻が呼ぶ。

  •  高さ10mとこぢんまりした滝だった。<br /> この滝には伝説がある。<br /> 日照り続きで困窮した下平の人々が、権現様に雨乞いをするのだが、お供えするお椀がない。<br /> 雨乞いと同時に、お椀を貸してくれるようにお祈りすると、一匹の大蛇が現れてお椀を貸してくれ、雨も降りだしたというのだ。<br /> その後も、雨乞いの際にはお椀やお膳を借りていたのだが、借りたお椀を壊してしまい、それ以後はお椀を貸してくれなくなったという伝説だ。

     高さ10mとこぢんまりした滝だった。
     この滝には伝説がある。
     日照り続きで困窮した下平の人々が、権現様に雨乞いをするのだが、お供えするお椀がない。
     雨乞いと同時に、お椀を貸してくれるようにお祈りすると、一匹の大蛇が現れてお椀を貸してくれ、雨も降りだしたというのだ。
     その後も、雨乞いの際にはお椀やお膳を借りていたのだが、借りたお椀を壊してしまい、それ以後はお椀を貸してくれなくなったという伝説だ。

  •  面白いのはこの「椀貸し伝説」だ。<br /> 当時器を作っていたのは漂泊の民である「木地師」。<br /> 「木地師」は特殊技能を持っているために、畏怖されると同時に忌避された、神秘的な存在だったという。<br /> 遠くよりやって来る「マレビト」とも呼ばれ、被差別階級でもあった。<br /> そのような木地師と交流する際は、直接会わないで品物のやり取りをする。<br /> それが「椀貸し伝説」の元になったと言うのだ。

     面白いのはこの「椀貸し伝説」だ。
     当時器を作っていたのは漂泊の民である「木地師」。
     「木地師」は特殊技能を持っているために、畏怖されると同時に忌避された、神秘的な存在だったという。
     遠くよりやって来る「マレビト」とも呼ばれ、被差別階級でもあった。
     そのような木地師と交流する際は、直接会わないで品物のやり取りをする。
     それが「椀貸し伝説」の元になったと言うのだ。

  •  周囲の崖は、高さが120mもあるようだ。<br /> 中央構造線の大断層が走る谷だ。 

     周囲の崖は、高さが120mもあるようだ。
     中央構造線の大断層が走る谷だ。 

  •  谷の一部が露頭となっていて、風化していない岩石が見える。<br /> 信じがたい圧力と熱で片麻岩となっている。<br /> これが1億年以上も前の、ユーラシア大陸の岩石なのか。<br /> 

     谷の一部が露頭となっていて、風化していない岩石が見える。
     信じがたい圧力と熱で片麻岩となっている。
     これが1億年以上も前の、ユーラシア大陸の岩石なのか。
     

  •  しばし滝と谷を楽しんで、駐車場まで登ることにする。<br /> 駐車場までの高さはおよそ75m。<br /> 25階建てのビルの高さだ。<br /> まとめは滝の動画です。(動画の長さは2分40秒です。)<br />https://youtu.be/jU8cmMaLbpc

     しばし滝と谷を楽しんで、駐車場まで登ることにする。
     駐車場までの高さはおよそ75m。
     25階建てのビルの高さだ。
     まとめは滝の動画です。(動画の長さは2分40秒です。)
    https://youtu.be/jU8cmMaLbpc

25いいね!

利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。 問題のある投稿を連絡する

コメントを投稿する前に

十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?

サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)

報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。

旅の計画・記録

マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?

フォートラベル公式LINE@

おすすめの旅行記や旬な旅行情報、お得なキャンペーン情報をお届けします!
QRコードが読み取れない場合はID「@4travel」で検索してください。

\その他の公式SNSはこちら/

タグから国内旅行記(ブログ)を探す

この旅行記の地図

拡大する

天竜の人気ホテルランキング

PAGE TOP