州立図書館のクリスマスツリー

2020/12/12 - 2020/12/12

例年なら、アデレードや周辺地域ではクリスマスページェントや、クリスマスバザーなどが開かれるのですが、今年は多くが中止。それでもちょっとしたクリスマスらしいことは各所で行われます。


この日、とても暑くなる予報でしたが朝はまだ涼しいので買い物ついでにちょっと町歩き。

場所はアデレード市内中心部、所謂「シティ」の北端を東西に走るノーステラスという通り。文化、芸術、教育施設が集中しているアカデミックな通りです。

現在アデレード市は、バーチャルツアーと題するウェブサイトを公開中です。https://explore.cityofadelaide.com.au/guides-maps/adelaide-highlights-virtual-tour/

エリア アデレード(オーストラリア)

• 旅行の満足度: 5.0

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 旅行の手配内容: 個別手配

久しぶりに行くと、このようなオブジェが設置されていました。水をたたえて涼しげです。

これは博物館。今回はパス。

割と似たような建物も多く、こういう表示がないと解りにくいのです。

本日のお目当てはここ、州立図書館です。南オーストラリア州では、州政府の助成金と各自治体の資金で運用する公共図書館ネットワークがあり、一般書の貸し出しやリファレンスサービスはLibraries SAと呼ばれるこのネットワークが担います。この州立図書館は現在では研究用の図書館で、書籍、フィルム、写真その他の開拓時代からの資料を保存してあります。アーカイブには寄贈された移民の書簡や日記、地図なども保管されており、移民のための英語教育にも貢献しています。この建物は1884年に建てられたもの、

歴史的建造物２棟に挟まれた中央部はスペンスウィングと呼ばれ、2003年に建設されました。

11月のクラスター騒ぎのあと、COVID-SAFE CHECK-INというシステムが導入されました。CRコードを読み取ると、入場者の情報が登録されます。

今日のお目当てはこの先。Mortlock Wingと呼ばれる部分。この人はJohn Andrew Tennant Mortlock (1894-1950)という人物です。初期のアデレード開拓に貢献した父から受け継ぎ、自分で増やした彼の財産は、死後ほとんどがアデレード大学と図書館や博物館のために寄贈されました。

伝統ある建物の中には蔵書がぎっしり。

書架で区切られた区画ごとに机と椅子があり、心ゆくまで読書を楽しむ事ができます。

実際にはここにあるのはとても古い書物ばかり。特に分類がされているようでもなく、普通の図書館にあるインデックスもありません。

「世界の美しい図書館トップ20」にも選出されたことがある、というこの建物そのもを楽しむ場所です。

1884年に新しい公立図書館の建物がオープンした後、理事会が時計の必要性を感じたため、1885年にロンドンの高級時計店デントで購入してきて設置した時計です。購入してきたのは、チャールズ・ドットというアデレードからダーウィンまでの電信線を引いたエンジニアです。

今日、わざわざ来た理由はこれ。
アデレード最大の室内クリスマスツリーを見るためです。

誰にとっても厳しい年となった2020年のクリスマスシーズンに、州立図書館はSAパワーネットワークの協力を得てこのクリスマスツリーを点灯することで、少しでも人々のクリスマスが楽しくなるようにと企画したのだそうです。

ツリーの足元にはプレゼントが。

とても美しいツリーです。

こちらは1844年にアデレードを訪れた水彩画家ジョージ・フレンチ・アンガスが書いたカンガルーの絵で、英国で南オーストラリア州を紹介するために使われたものです。こういうものも時々展示があって、なかなか楽しめる図書館です。

州立図書館、というと観光スポットにはなりにくいところですが、この図書館はクラシックな建築と内装を楽しむ事ができます。

COVID-19の影響で、特別な図書室の一般開放もツアーも今は中止されていますが、また色々なイベントがここで開かれるようになるでしょう。アデレードを訪れたとき、ちょっと静かなところで過ごしたくなったらぜひ訪れてみてください。