2020/09/19 - 2020/09/19
7位(同エリア272件中)
かっちんさん
小松市は石川県南西部に広がる加賀平野の中央に位置し、市の南東部の山間部に「尾小屋(おごや)鉱山」がありました。
尾小屋鉱山は、江戸初期に発見された鉱山で、銅の他に金・鉛・亜鉛を産出。
銅は明治から大正に生産量が増大し、日本有数の産出量を誇り、昭和46年(1971)の閉山まで地域の基幹産業として支えました。
鉱山の製錬の過程で生じる「カラミ」は、本来は廃棄されるものですが、尾小屋鉱山ではこれを直方体や六角柱に成形し、鉱山関係施設の基礎や石垣や擁壁の材料として活用してきました。
カラミ煉瓦は建物の壁材としても用いられました。
尾小屋の町は、カラミの黒く重厚感のある建物や擁壁等により独特の景観が形成され、現在も残されています。
尾小屋鉱山の粗銅、鉱石、鉱山用資材などを運ぶための「尾小屋鉄道」は、大正9年(1920)に新小松駅と尾小屋駅を結んで開通し、住民の生活の足にもなりました。
昭和32年(1957)に鉱石輸送がほぼ廃止となってからは旅客輸送が中心となり、多い時は年間100万人超の旅客があり、運行本数は1日に14往復もありました。
鉱山が閉山してからは尾小屋の人口が減少の一途をたどり、同時に鉄道利用者も減少し、昭和52年(1977)廃止となりました。
現在、「ポッポ汽車展示館」には蒸気機関車(5号機関車)・気動車(キハ3)・客車(ハフ1)の3両が保存され、随時見学が可能になっています。
令和元年から始まった尾小屋の街を歩く見学会「カラミの街・尾小屋をめぐる」は、今年はコロナの影響により8~10月に3回開催されました。
今日は2回目(9月19日)の見学会で、鉱山資料館館長の貴重な話を聞きながら街歩きをしました。
そして、ボランティア団体「なつかしの尾小屋鉄道を守る会」から見学会へのサプライズがあり、動態保存の気動車キハ3に乗車することができました。
なお、旅行記は下記資料を参考にしました。
・小松市HP
・小松市「小松瓦活用事例」
・石川県土木部景観形成推進室「白山眺望スポットガイド」
・小松バスHP
・小松だよ!全員集合!!「小松市が誇る日華石!!」
・奥谷ろくろ職人工房HP
・樹木好き!「チカラシバとアオチカラシバ」
・小松市、尾小屋鉱山資料館雑記帳「令和2年度第2回「カラミの街・尾小屋をめぐる」について」
・小松市、尾小屋鉱山資料館「尾小屋鉱山資料館概要及び歴史」「令和2年度『カラミの街・尾小屋をめぐる』の開催について」
・小松市、ポッポ汽車館「ポッポ汽車とカラミ保存活動写真帳」「尾小屋鉄道について」
・尾小屋鉄道ホームページ「尾小屋鉱山について」
・すまいるーふ、屋根辞典「葺き止め」
・ウィキペディア「小松市立ポッポ汽車展示館」「立山重工業」「蒸気機関車」
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 高速・路線バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
「カラミの街・尾小屋をめぐる」見学会の案内
令和元年から始まった尾小屋の街を歩く見学会は、コロナの影響により8~10月に3回開催されました。
各回募集人員は30名。
尾小屋鉱山資料館のホームページから申し込みました。
https://www.city.komatsu.lg.jp/soshiki/ogoya/2020karamimeguri.html -
「小松瓦」の味わいのある屋根(小松市本折町)
宿泊した「アパホテル小松グランド」からの眺めです。
江戸時代に加賀藩三代藩主前田利常公が生産を奨励した「小松瓦」。
「小松瓦」は裏面にも釉薬を塗り焼成してあるため、積雪や凍害に強く耐久性が高いのが特徴です。 -
特急電車と白山(アパから南東方向)
北陸本線を走る特急と、さらに遠くに白山連峰が見えます。 -
小松空港(アパから西方向)
ホテルから3km程のところにあります。 -
小松バス「尾小屋線」
尾小屋へのアクセスは、小松駅前から路線バス「尾小屋線」が出ています。
午前中のバス時刻は8:00のみ。 -
尾小屋行きのバス(小松駅前)
-
小松市内路線バス「1日パスポート」
バス車内で「1日パスポート」1,000円を購入します。
小松駅~尾小屋間 片道860円なので、とってもお得。 -
在りし日の「尾小屋鉄道」(バス車内ポスター)
「尾小屋鉄道」は大正8年(1919)に開業し、かつて小松の山深くに栄えた尾小屋鉱山から新小松駅までの16.8kmを58年間に渡り走っていました。
昭和52年(1977)にその歴史に幕を閉じ、その後「尾小屋鉄道」が「小松バス」となり、ほぼ同じルートを通るバス路線になりました。 -
田園地帯(八幡付近のバス車窓)
バスは小松駅を出発すると住宅街を抜け、田園地帯を走っています。 -
石切り場のある「観音山」(バス車窓)
やがて山の中に入り、「観音下(かながそ)」の石切場です。
小松市内では独特の黄色い石を使った家の塀や土蔵、倉庫などをよく見かけます。
観音下の石(日華石)が認められたのは、二度にわたる小松町大火でも石が割れずに残っていたことも一因します。 -
イチオシ
終点の「尾小屋」バス停
小松駅から路線バスに乗り46分で到着。
見学会の集合場所は、1kmほど離れた「ポッポ汽車展示館」駐車場なので、民家が点在する町並みを歩いて行きます。 -
黒い煉瓦の蔵(バス停近く)
黒い煉瓦に見えるのは、鉱山の不要物である「カラミ」を成型し煉瓦にしたものです。
鉱石を溶かし、銅を抽出する精錬の際に出るカスの「カラミ」を利用しています。 -
穂がきらめく「チカラシバ」(尾小屋)
-
これは何だろう(尾小屋)
後日、尾小屋鉱山資料館に問い合わせし、教えてもらいました。
『赤いものは消火栓です。
赤いカバーを外すと、ホースをつなぐ口があります。』
雪国に最適な消火栓とわかりました。 -
白山神社(尾小屋)
急な階段を登り参拝します。 -
美しい木彫りの拝殿(白山神社)
-
森を見つめる狛犬(白山神社)
意外と新しい昭和54年建立の狛犬。 -
「カンカンカン」と鐘を鳴らす消防車(尾小屋)
火事ではありません。
今朝、近くでクマが出たので、鐘の音でクマを追い払っています。 -
カラミの街 尾小屋へようこそ(尾小屋)
「ポッポ汽車展示館」に到着します。 -
「ポッポ汽車展示館」
旧尾小屋駅跡地に保管されていた尾小屋鉄道の蒸気機関車(5号機関車)・気動車(キハ3)・客車(ハフ1)の3両をこの場所に移設し、平成14年(2002)に「ポッポ汽車展示館」としてオープン。
オープンスペースとなっているので、随時見学可能です。 -
「No.5蒸気機関車」(展示館)
昭和22年立山重工業製造の「No.5蒸気機関車」。 -
イチオシ
客車をけん引していた「No.5蒸気機関車」(展示館)
動輪が3つあるのでC型機関車です。 -
No.5の機関室(展示館)
立山重工業は「飽和式タンク式蒸気機関車」を製造したメーカーです。
「飽和式」とはボイラーで発生させた200℃の飽和蒸気を直接シリンダーへ導く方式で、過熱式と比べ効率が今一。
「タンク式」とは石炭・水を機関車本体に搭載する方式で小型機に多く採用されています。 -
オープンデッキのある客車「ハフ1号」(展示館)
大正7年に名古屋電車製作所で製造した客車です。
当初は木製でしたが、後に外板を鉄板に改造し、さらに走行時外板が外れないようにボルトで固定されています。
車体の両端がオープンデッキになっています。 -
車内(ハフ1)
ロングシートの車内の定員は35人。
北陸地方、唯一の762mmの軌道(ナローゲージ)の軽便鉄道であり、車内の幅は狭いです。 -
お洒落な座席の脚(ハフ1)
背板は板張り、座席の脚はお洒落な「ろくろデザイン」。 -
上下開閉式の窓(ハフ1)
窓の数は片側で8枚。 -
気動車「キハ3号」(展示館)
もとは遠州鉄道奥山線で活躍していた気動車で、同線閉業後の昭和39年(1964)に尾小屋鉄道に導入されました。
昭和29年(1954)汽車会社で製造した気動車です。 -
トンネルを抜ける奥山行(2016年9月9日撮影)
以前、いなさ町の奥山軽便鉄道車両の展示を見てきたので、興味のある方はご覧ください。
旅行記『いなさ町の竜ヶ岩洞、方広寺、奥山軽便鉄道車両を訪ねる旅(浜松)』
https://4travel.jp/travelogue/11169812 -
合理的な銘板(キハ3)
遠州鉄道のときの車体番号は「1803」でしたが、尾小屋鉄道ではその「180」を塗りつぶし末尾の「3」を生かし、キハ3号として使用していました。 -
尾小屋鉄道の社章(キハ3)
-
運転席(キハ3)
機械式の変速機、アクセル、クラッチなどバスの運転にそっくり。 -
ロングシートの車内(キハ3)
床が少し高くなっている部分の下にはエンジンがあります。 -
手動式ドア(キハ3)
-
「カラミの街・尾小屋をめぐる」見学会の集合
ポッポ汽車展示館前の駐車場が集合場所。
見学開始は10:00。
路線バスで来たのはかっちん夫婦だけ。みんな車で来ています。 -
配布資料「蘇るカラミの街、尾小屋」
主催者の挨拶の後、街歩きが始まります。
コースは、展示館から移動し、①の鉱山病院跡から番号順に解説を聞きながら鉱山橋まで進み、戻って来ます。 -
旧映画館跡(見学会)
展示館近くにある鉱山会館跡で、元は映画館だったところ。
鉱山の人口は5,000人にもなり、娯楽の場があったのです。 -
プラタナスの実(見学会)
-
鉱山病院跡(見学会)
病院もあり、暮らしが充実していました。 -
テレビ取材のカメラマン(見学会)
見学会に、テレビ小松と北陸朝日放送が同行取材しています。
映像は地元放送のみで、全国放送されず残念! -
見学会の様子
後日、「ポッポ汽車とカラミ保存活動写真帳」に見学会の様子が掲載されています。
https://www.city.komatsu.lg.jp/soshiki/poppokisya/hozonkatsudo_album.html
参加者は尾小屋町や社宅に住んでいた人、鉄道が好きで全国を回っているご夫婦(かっちん夫婦のこと)、テレビで尾小屋鉱山の紹介を見て申し込んだ人など。
この見学会にて、尾小屋の街の歴史や魅力を知ることができました。 -
病院跡の擁壁
鉱山の製錬の過程で生じる「カラミ」を六角柱に成形した「カラミ煉瓦」を擁壁として積み上げています。 -
イチオシ
「亀甲カラミ」の擁壁(病院跡)
六角柱のカラミ煉瓦は、亀の甲羅の形に似ているので「亀甲カラミ」と呼ばれています。 -
カラミ煉瓦の中身(病院跡)
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カラミ煉瓦の石垣(病院跡)
立方体に成形したカラミ煉瓦をイギリス式の積み方で石垣にしています。 -
イチオシ
縁石(見学会)
馬車道と歩道の境界に縁石を並べて分けています。
一番上に家型をした五角形のカラミ煉瓦が積まれています。 -
墓の土台(見学会)
土台の部分に、立方体のカラミ煉瓦が使われています。 -
亀甲カラミの擁壁(見学会)
山の斜面に街並みがあるので、至る所で擁壁を見かけます。 -
イチオシ
黒光りする立派な蔵(見学会)
幅9.76m、高さ5.75mの赤木家の蔵です。
立方体のカラミ煉瓦を積み重ねています。 -
斜面につくられた「亀甲カラミ」の擁壁(見学会)
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赤木家の塀(見学会)
米や酒を販売していた赤木家跡。
「亀甲カラミ」は積み重ねると崩れにくい形をしています。 -
地下室の跡(赤木家)
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「亀甲カラミ」を利用した階段(赤木家)
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彩りのある擁壁(赤木家)
地下からの眺め。 -
黒光りする「亀甲カラミ」(赤木家)
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地下室の土台(赤木家)
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赤木家の敷地
地下室のある住居は撤去されていますが、土台、まわりの擁壁が当時の様子を物語っています。 -
現役の山口家(見学会)
奥まで長い建物です。
斜面に造られているので、奥は二階建てになります。 -
通りに面した表側(山口家)
-
洒落た模様の葺き止め(山口家)
荒々しい波を飛び跳ねる魚がデザインされています。 -
防空壕(見学会)
太平洋戦争時に造られた壕。 -
旧鉱山職員宅(見学会)
一段高い所に造られ、役員浴場もありました。 -
風情のある鉱山橋(見学会)
県内屈指の古いコンクリート橋と階段橋。
この先に旧鉱山事務所がありました。 -
イチオシ
美しいアーチ形の欄干(鉱山橋)
-
城壁みたいな「亀甲カラミ」擁壁(見学会)
この上に旧鉱山事務所がありました。
見学会はここで終わり、ポッポ汽車展示館へ戻ります。 -
動態保存の「キハ3」(展示館)
展示館に戻ると、「キハ3」が動いて屋外に出ています。
本日は見学会参加者へのサプライズとして特別に公開運転と試乗会を開いてくれました。
ラッキー!
ボランティア団体「なつかしの尾小屋鉄道を守る会」が、保存車両の整備や動態運転などの活動を行っています。 -
イチオシ
昭和の雄姿「キハ3」(展示館)
-
ブルルルル・・・(キハ3)
エンジン音を轟かせ発車します。 -
ギアチェンジ(キハ3)
昔のバスで見た光景です。 -
満席の車内(キハ3)
-
尾小屋の歴史を語る生き証人(キハ3)
今日は尾小屋鉱山の歴史を残されたカラミ煉瓦により学ぶことができました。
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この旅行記へのコメント (4)
-
- ateruiさん 2020/12/24 16:06:57
- すばらしい
- 珍しい鉄道で 珍しい車両 素晴らしいですね
かっちんさん こんにちは
全然知らない鉄道がアップされていて 驚きと同時に感謝でいっぱいです
しかも車両が綺麗に保存されていて 感激です
私もぜひ 見に行きたいです
ありがとうございました
aterui
- かっちんさん からの返信 2020/12/24 20:11:51
- Re: すばらしい
- ateruiさん
こんばんは。
昔の鉱山や炭鉱には地方の鉄道が鉱石などを運び出していた時代がありました。
尾小屋鉄道は保護活動がしっかりしているので、綺麗な車両を見ることができました。
機会を見つけてぜひ訪ねて下さい。
かっちん
-
- Akrさん 2020/12/11 10:08:20
- 尾小屋鉄道の動態保存、素晴らしいです。
- かっちんさま
こんにちは。Akrでございます。
旅行記拝見致しました。
尾小屋のキハ3は動くのですね。これは素晴らしいです。保存への熱意が伝わって来ます。尾小屋鉄道は私が小学生の頃に廃止されたので現役時代を知る由もありませんがこの気動車は写真で何回も見ました。シンプルな運転席もいいですね。クラッチ切ってギヤを変える。一度、運転してみたいですね。
小松市のウェブサイトで守る会の活動もよく解りました。かっちんさまも"鉄道が好きで全国を回っているご夫婦"とご紹介されていましたね。
キハ3、一度、この目で見てみたいです。
突然の書き込み、失礼致しました。
昭和中期の地方私鉄は特に興味がありまして、尾小屋の他にも別府鉄道や北恵那鉄道なども興味があります。
-Akr-
- かっちんさん からの返信 2020/12/11 16:46:53
- RE: 尾小屋鉄道の動態保存、素晴らしいです。
- Akrさん
こんにちは。
尾小屋鉄道のキハ3は、たまたま公開日だったので、動く場面と乗車することができました。
私は就職直後の昭和50年代初期に尾小屋鉄道に乗りに行ったことがあるのですが、廃止前の混雑で何となくしか覚えていません。
40年後にまた会えて感激です。
地方鉄道に興味があるようですが、岡山県の片上鉄道では毎月第一日曜日に戦前生まれの国鉄旧型気動車キハ303、他などを動かしており、体験乗車もできます。
今年はコロナの影響で残念ながら中止になっています。
機会があれば、ぜひお出かけください。
2019年4月に訪れた旅行記がありますのでご覧ください。
『片上鉄道の鉄道遺産と卵かけご飯〜昭和の国鉄旧型気動車が走ります』
https://4travel.jp/travelogue/11506076
かっちん
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