2008/06/15 - 2008/06/15
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AandMさん
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ウイルス蔓延が早く収束し、以前のように自由に旅行を楽しめるようになってくれればと思います。以前行った旅行を記憶を辿りながら纏めてみました。
2008年6月、ルーマニアの首都ブカレストを仕事で訪れました。滞在中の土日を利用してルーマニア観光することにしました。ルーマニア知人に観光アドバイスを頼んだところ、ガイド付きで1泊2日のドライブ観光をアレンジしてくれました。日本語が話せるガイドさんと運転手付きツアーです。ルーマニアは物価が安く、我々は5人グループの割り勘なので、費用は高くはありませんでした。
ブカレストを出発点に、ルーマニアの歴史的古都であるシビウ→シギショアラ→ブラショフ→シナヤを巡る全行程約700kmの周遊観光です。ルーマニアには高速道路が殆どなく道路状況も良くありませんので、短距離移動でも結構時間を要します。
この旅行記は、「トランシルヴァニアの古都シビウ」(https://4travel.jp/travelogue/11640860)、「ピエルダン要塞教会とシギショアラ歴史地区を見る」(https://4travel.jp/travelogue/11640987)の続編です。ブラショフを観光してからシナイヤへ移動し、ドラキュラ公の城として有名なブラン城やペレシュ城を巡りました。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- グルメ
- 4.5
- 交通
- 3.0
- 同行者
- 友人
- 交通手段
- 徒歩
- 航空会社
- ルフトハンザドイツ航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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6月15日
シギショアラからE60を南東に約120㎞車移動し、ルーマニア第2の都市であるブラショフにやってきました。ブラショフはドイツ系のザクセン人達が13世紀頃に建設した町で、街並みにはドイツ色が感じられます。
ここはブラショフ南西部のスケイ地区にある聖ニコラエ教会です。13世紀に建造されたときは木造教会でしたが、以降、増改築が繰り返され、ゴシックとバロック様式が混在した石造教会になっています。教会に入る門がルーマニア風です。聖ニコラ教会 寺院・教会
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尖った塔から成る聖ニコラエ教会の建物は、ドイツ的です。
聖ニコラ教会 寺院・教会
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教会敷地内にある建物は、1583年に開設されたルーマニアで最初の学校、ルーマニア語で授業が行われたそうです。現在、学校博物館になっていて、中世の学校教育で使われていた書籍などが展示されています。
ルーマニアの最初の学校が、ブカレストでなくブラショフで建造されたのは、ちょっとした驚きでした。 -
学校博物館入口の表示には、建物の歴史が説明されています。ルーマニア語で書かれていますが、「建物は1595-1597年に建てられ、1761年に改装された。数百年にわたって若者だけでなく大人の教育センターとして使用された。・・」といった内容です。
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学校博物館の表示です。
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学校博物館の前にある像は、ディーコン・コレシ(Deacon Coresi, 1500-1583)です。彼は、ルーマニア語で印刷された本を初めて出版し、ルーマニア人の教育に多大な貢献をしています。
司教、王族、貴族の像は結構見かけますが、実業に寄与した方の像は多くはありません。像の横に説明版があって欲しいと感じます。 -
聖ニコラエ教会の見学を終えて門前に戻ると、ウリニー広場に沢山の地元の方々が集まっていました。皆さん着飾り、ルーマニア国旗と同じ赤黄青色のタスキを架けた人もいました。
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音楽演奏が始まり、地元の方々が輪になって踊り始めました。伝統的な民族舞踊のようです。踊りに加わっているのは若者だけで、年配者は見学していました。
統一広場 広場・公園
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民族舞踊が何故行われているのか分かりませんでしたが、興味深く見学させて頂きました。
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聖ニコラエ教会の前の広場からブラショフ旧市街中心部に移動しました。旧市街入口にあるスケイ門(Schei Gate)は1827-1828年に建てられた石造り門で、中央部が車両通行用、両側に歩行者用の通路があります。門上部は倉庫として活用されたとのことです。
スケイ門 建造物
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スケイ門の近くにあるスフォリー通り(Strada Sforii)は、幅が1.1-1.3mでブブラショフで最も狭く、ヨーロッパで3番目の狭さだそうです。ルーマニア語の「スフォリー」は「ロープ」の意味なので、日本語的には「ロープ通り」となります。
人が何とかすれ違える程度の狭さで、80m程の長さの通りです。ガイドのマリアさんによると、ブラショフ旧市街を訪れた観光客の皆さんは、ここで記念写真を撮るそうです。ロープ通り 散歩・街歩き
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旧市街中心部にある「黒の教会, Black Church」は、1689年の火災の煙で黒くなり、以降、「黒い教会」と呼ばれています。塔の時計がカラフルで見ものです。
黒の教会 寺院・教会
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黒い教会の前にある像はヨハネスホンテルス(1498-1549)の像で、1898年に建造されました。ヨハネスホンテルスはザクセン人の宗教改革者で、手にもっているのは聖書です。中世時代の教育功労者でもあり、学校や教育施設なども造ったそうです。ブラショフ発展の歴史に残る功労者です。
黒の教会 寺院・教会
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旧市街の広場にあったレストランで昼食を取ります。
ブラショフ旧市街 旧市街・古い町並み
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入口は狭めですが、中には内庭もあって結構広々としていました。
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このレストランでも伝統的なルーマニア料理を注文しました。肉と野菜のスープに、生玉ねぎスライスを加えて頂きます。
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仲間が注文した別種のスープですが、こちらも美味しそうです。
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スープの中に大きな肉が入っています。スープですが、結構なボリュームがあります。
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野菜、ポテト、肉を使ったメーン料理です。
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肉をふんだんに使ったルーマニア料理で、味も良く、量も多いので食べ応えがあります。スープとこの料理でお腹一杯です。
ルーマニア料理は今回の旅行で何度も食べましたが、場所が変わるとスープや肉料理味も微妙に変化し、飽きません。日本人好みだと思います。 -
旧市街中心部の評議会広場から見た「黒い教会」です。
スファトゥルイ広場 広場・公園
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評議会広場(Piata Statului)の中央に噴水がありました。1885年に造られた噴水で、ブラショフを象徴する噴水です。
スファトゥルイ広場 広場・公園
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広場に続く通り(Strada Republicii)はブラショフ市民の方々の憩いの場になっています。
レプブリチイ通り 散歩・街歩き
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鳩と戯れる子供達です。
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ドラキュラ伝説で観光客に人気のあるブラン城を訪問しました。ブラン城はブラショフの南西30㎞にあり、多くの観光客が訪れるため城の手前にある広場には沢山のお土産屋が並んでいました。
野外村落博物館 博物館・美術館・ギャラリー
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小高い丘上に建つブラン城です。城は、現在、個人所有ですが博物館として一般公開され、世界中から多くの観光客が訪れます。
「吸血鬼ドラキュラ」はアイルランドの作家ブラム・ストーカによる小説で、架空の話ですが、ドラキュラのモデルとされたのがこの城に住んでいたとされるプラド3世で、「串刺し公」として有名です。ルーマニアでプラド3世は、オスマントルコと戦って侵略を防いだ英雄と見做されています。見せしめのためにトルコ兵を串刺しにしたことが、「串刺し公」と呼ばれる理由です。 -
ブラン城は坂を上った丘にありました。
野外村落博物館 博物館・美術館・ギャラリー
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ブラン城城壁の下に、十字架がありました。紋章と文字が刻まれていますが、文字は中世ルーマニア語のようで、判読不能です。紋章はプラド公のものでしょうか?
ブラン城 城・宮殿
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城内部には、中世時代に用いられていた家具、陶器、武器等が展示され、まさに博物館そのものです。城上部のテラスから下方の景観を楽しむこともできますが、訪問者で結構混みあっていて、ゆったり見学の雰囲気はありません。
ブラン城 城・宮殿
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城内を急ぎ足で巡って、城外に出ました。ブラン城、混みすぎです。
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ブラン城から73号線、1号線を50㎞南東に進み、シナイアにやってきました。シナイア(Sinaia)は山間部に発達した小さな町で、1695年に建設されたシナイア修道院に町名称は由来します。
ここはシナイア北部にあるペレシュ城(Peles Castle)で、1873-1914年に建造されたネオルネッサンス様式の城です。ルーマニア王国のカロル1世(1839-1914)が建造した城です。ペレシュ城 城・宮殿
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ペレシュ城は、ルーマニアが共産圏に所属していた時代が終了した1989年以降、一般公開されています。今回は訪問時間が夕方に近かったため、内部見学は出来ませんでした。
ただ、我々が滞在しているブカレストから130km程の場所で列車を利用して手軽に来れることが分かりました。別な日に再訪問し、城の内部も見学することにしました。ペレシュ城 城・宮殿
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シナイア(Sinaia)のもう一つの見所であるシナイア修道院を訪れました。
シナイア修道院建物は、伝統的なルーマニア風です。1695年に建造されたオールド。チャーチと1846年に建てられたグレート・チャーチから構成されています。シナイア僧院 寺院・教会
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修道院入口にはフレスコ画が描かれています。
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修道院内部の天井画です。キリストを中心に聖人たちが描かれ、それぞれの聖人に文字が記載されています。多分、聖人名が記されているようですが、中世ルーマニア語なので我々には読めません。
シナイア僧院 寺院・教会
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修道院の内壁にあったフレスコ画です。消耗劣化が相当進んでいますが、中世時代の修道士たちの生活が描かれていることは、分かります。
ルーマニアの修道院壁画は、ドイツ風の教会にある画に比べて色彩は控えめで、素朴な印象を与えますが、味わいがあるように思います。一般庶民と聖人たちとの距離が近いように感じました。 -
修道院の柱に見事な幾何学模様が彫り込まれていました。抽象模様は、イスラム教のモスクなどで見かける文様と似ているように思います。オスマントルコのルーマニア侵入などを通して、イスラム文化の影響があったのかも知れません。
今回、ルーマニア知人の特別手配でルーマニア中部の代表的な町々を観光することができました。ドイツやオーストリアの地方の町と似ている一面もありますが、ルーマニア独特の修道院や伝統的民族料理などは相当異なっていると思いました。ルーマニアの地方に住む人達は、素朴で親切です。物価が安く、野菜や果物も豊富です。ルーマニアの地方は、日本では観光地としてあまり知られていません。公共交通機関の利便性が良くないという問題点がありますが、ルーマニアはとても魅力的で親しみの感じられる場所だと思いました。機会を作って再訪問したい観光地です。シナイア僧院 寺院・教会
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