2017年アイスランド&フィンランド旅行～③ヘルシンキにも曇りの日はある～

2017/08/19 - 2017/08/26

　テレビで偶然見たヨークルスアゥルロゥン氷河湖の美しさに魅せられ、免許がないにも関わらず行くことを決めたアイスランド。日本からアイスランドへの直行便はないため、ヘルシンキかコペンハーゲンあたりで乗り継いで行くことになりますが、ここは大好きなヘルシンキで即決定です。航空券も安いし。
　夏でも寒いアイスランドに行く前の慣らしを兼ねてヘルシンキには２泊することにしました。(ざっくりいうとこの時の最高気温は東京３３度、ヘルシンキ２０度、アイスランド１０度位。)フィンランドは実は４度目の私。今回は行ったことのなかった世界遺産スオメンリンナ島、ミュールマキ教会、当時出来たばかりのムーミンカフェなどを中心に、ヘルシンキっ子気取りでぶらぶら歩き回りました。初の快晴じゃないヘルシンキでしたが、それもまたよし。ヘルシンキにも曇りの日はあるのです。

エリア ヘルシンキ(フィンランド)

　フィンランドに着いて、ターンテーブルの荷物を待つ間にまずは券売機で48時間有効のトラベルチケットを購入しました。今回はヘルシンキ市内だけではなく、空港部分を含む郊外でも使えるものを購入します。基本海外でスーツケースを持っているときは公共交通機関は使わないのですが(スリ対策)、治安がよくて土地勘のあるヘルシンキだけはスーツケースを持っていても公共交通機関を利用するのです。それにしても、ヘルシンキ中央駅～空港間の鉄道が完成する日が来るとは、１旅行者ながら感無量です。
　ヘルシンキ中央駅でトラムに乗り換え、ホテルにチェックイン。夕方４時前なので、時差ぼけで眠いけど観光に向かいます。まずやってきたのは当時オープンしたばかりの、ヘルシンキ美術館HAMにあるトーベ・ヤンソンの部屋。ムーミンの作者ですね。

　展示数は多くはないですが、トーベの大きな絵が飾られていて、見ごたえがありました。
　ゆっくり絵を見た後、何か温かいものが食べたいとHAM内のカフェで今日のスープ(ヌードルスープ)を注文。ドイツ語圏の国で出てくるようなものを想像していたら、まさかの東南アジアテイスト。酸っぱいような辛いようなつかみどころのない味のスープに、春雨のようなそうでないようなつかみどころのない麺が入っていて、とても食べられない!笑顔で対応してくれたお店の女の子には申し訳ないけれど、半分位食べたところでそそくさと出てきてしまいました。
　HAMの隣のカンピ(Kamppi)には日曜の夕方でも開いているカフェもあるのですが、眠くてしょうがないのでスーパーで水、チョコレート、ヨーグルトだけ買って早々にホテルに帰ることに。
　帰りのメトロでスマホをいじりながらプラットホームに立っていて、ふと隣を見たら頭から腰位まである銃をぶら下げ、迷彩服を来たフィンランド兵の集団がすぐ隣に立っていてビックリ!日曜の夕方だから、一時帰宅した家から宿舎に帰るところなのでしょうか?静かにメトロを待つ彼ら(２０歳位)を見ながら、フィンランドって兵役あるんだよなあと何だかしみじみしてしまいました。
　ホテルに戻るとまだ夕方６時頃。でもこの後のアイスランドがこの旅のメインなので、ここはちょっとゆったりします。シャワーを浴びて早々にお休みなさい。

　旅２日目。まずはヘルシンキから１５分で行ける世界遺産、スオメンリンナ島へ向かいます。空港で買ったトラベルチケットが、このスオメンリンナ行きのフェリーでも使えるのです。(ただし、民間の会社が運航している水上バスに乗るには別料金がかかります。)　
　お天気が悪くても船旅って気分いい!これはフィンランドとスウェーデンを結ぶタリンクシリヤラインとすれ違うところですね。タリンクシリヤは昔一度乗ってものすごくよかったので、もう一度(一度といわず年１位で)乗りたいなと思っています。

　スオメンリンナ島の船着き場近くの民家(?)に咲いていた花。シンプルだけどかわいい。

　小さな島なので、のんびり歩いて見て回れます。午前中のうちにきたのは、人が少ないうちに来た方が落ち着いて楽しめるかなと思ったからなのですが、ご覧の通りの落ち着きっぷりです。

　かつて軍事施設だったとは信じられないほど平和です。

　トンネルから地元の小学生が出てきた！

　このトンネル、そんなに大きくないかと思いきや…

　横を見るとこんな感じ。やっぱり元軍事施設なんだと思いました。

　あのベンチに座りたかったけど、鳥達の邪魔をしたくないので写真を撮るだけにしておきました。

　島の奥の方は、鳥の楽園という感じ。

　こんなのんびりした世界遺産って他にあるのかな?天気がよければどこでもピクニックできそう。

　左上にフィンランド国旗が見えます。

　屋根に草を被せた家はアイスランドでもいくつか見かけました。北欧特有の建築様式らしいです。

　おとぎ話のような風景ですが、1973年までこの島は軍事施設で、第二次世界大戦でも基地として使われていたそうです。

　島の南側には大砲がいくつか残されています。

　島の南端にあるキングスゲート。ここから水上バスに乗れますが、ヘルシンキ交通局のトラベルチケットは使えないため、歩いて島の北端にあるフェリー乗り場まで戻ります。

　島の中央にあるカフェパイパーで島と海を見ながらコーヒー。写真だと分かりにくいですが、右手に海が見えています。

　フェリーでヘルシンキへ。

　白い建物は大聖堂。これを見るとヘルシンキに来たって感じがします。白いパラソルがあるのはマーケット広場です。食べ物や土産物がそこそこ高い値段で売っています。(フィンランドは物価が高い。)

　いつものファツェルカフェでスープランチ。サーモンクリームスープに外れなし。これで１０ユーロ位と、ヘルシンキにしてはお手頃価格で、味もまあまあ美味しいです。ファツェルはお菓子メーカーなので、ケーキ類も充実していて、お茶の利用も楽しめます。

　食後、ヘルシンキ中央駅から空港に向かう鉄道でミュールマキ教会へ。鉄道ができる前はバスに乗らないと行けなかったのですが、便利になりました。教会は駅前ですが、ミュールマキ駅ではなく、Louhela駅前なので注意です。(2020年７月現在一時的にクローズし、別の場所に移転しているそうです。)

　いいなーこんな教会でミサとかいいなーと思いふと見ると、この場にいる人は自分含め３組とも日本人観光客でした。でもヘルシンキから電車で２０分(電車もそこそこ本数があります)というロケーションを考えても、おすすめです。

　ヘルシンキに帰って、ジャストルッキング・ショッピングタイム。細々したものを買っても結局は邪魔になってしまうため、海外では絵はがきと食べ物以外は、よほど気に入ったものしか買わないことにしています。ヘルシンキは物価高いし。ストックマンというデパートにムーミンのストックマン限定品を見に行くも、いいのか悪いのかそれほど欲しいものがなかったので、ストックマンに出来たムーミンカフェでひと休み。

　ムーミンカフェの壁。やっぱりトーベの絵は好きだ。
　この後エスプラナーディ通り(オシャレなショップが並ぶ通り)のマリメッコ　マリクルマ本店に向かうと、うそでしょ、お店がない!
　通りすぎたか?と思って道を行ったりきたりするも、やっぱりない!
　とりあえず通りを渡って、目の前にあるエスプラナーディ公園のベンチに座ります。マリメッコのマリクルマ本店がないなんて…。２年前の2015年に来たときはあったのに…。なんとなく、自分の中でヘルシンキといえば、みたいに思っていたお店の１つなのでショックです。
　でも、公園の芝生に座りこんで短い夏を謳歌している地元民と一緒にしばらくボーッとしていたら、何かまあいいか、と。マリメッコがつぶれた訳じゃないだろうから、家賃の安いテナントに移ったんでしょう、きっと。

　気を取り直してショッピング再開。中心部にあるムーミンショップ、フィレンソン、スーパーやドラッグストアを巡回していたら、ストックマンの向かい側にマリメッコを発見!
　ここに移転したんだ!と喜び勇んでショップに入ると、前のマリクルマ本店のオシャレだけどゆるい雰囲気はなくなっていて、デパートにあるマリメッコみたいな、オシャレだけど決まりきった雰囲気のお店になっていました。マリクルマ本店に行くと、波の音がBGMだったり、ハンモックのディスプレイがあったり、セール品があったりしたのですが、今の店舗はキレイなマリメッコの商品がきちんと並んでいる感じというか…。あんまりわあ買い物しよう、という雰囲気じゃなくなってしまいました。あくまでも個人の感想ですが、少し寂しく感じました。
　まあ、その後たまたまフォルムというショッピングセンターのマリメッコの前を通りかかったら、店員さんが笑顔で話しかけてくれたので、マリメッコってやっぱりいいよね～とか思った単純な私です。
　夜は疲れたのでストックマンのデバ地下で買ったグリースサラダをホテルの部屋で食べました。

　旅３日目。まさかのこの日も曇天。今日は夕方の便でアイスランドに飛ぶのですが、ギリギリまでヘルシンキを楽しみます。
　ところで、この数日前にフィンランドのトゥルクという町でナイフを使ったテロがあり、日本でもニュースになりました。日本の兄からメールが届き、「フィンランドでテロがあったって聞いたんだけど、お前今日本?」(←フィンランドに行くことは特に言っていなかった)「今フィンランドだけどヘルシンキだよ。事件があったのはトゥルクっていう町だよ。」以上。
　私は旅行者なのでフィンランドの詳しい事情は分かりませんが、少なくとも2017年に行ったときはフィンランドの治安は以前と変わらずいいと感じました。もう悲しい事件がおきませんように。

　今日は海辺のカイヴォプイスト公園に来ています。この公園を抜けて海辺の歩道に下り、近くのカフェウルスラでお茶をしてから海辺の歩道を北上して街の中心部にあるカウッパトリ(マーケット広場)に向かう、というのが私の一番好きなヘルシンキの過ごし方なのです。

カイヴォプイスト公園 広場・公園

　公園の一番高い所にはかわいい天文台が。

　公園から海を見下ろす。誰もいないので大声で歌いたくなりますが、ここはジョギング中の人が訪れる場所でもあるので、小声で歌います。(歌うことは歌う。)ヘルシンキのジョガーはペースが早い!ピューッとやって来てピューッと去って行きます。

　海辺の歩道。私もヘルシンキに住んだらここでジョギングするんだ、と思いながら歩きます。ちなみに、この道を５分位南下すると小さな島に行けるボート乗り場があります。ウーニサーリという岩だらけの島で、地元の人は泳ぎにくるみたい。私もあったかい岩に座ってずっと海を見ていた記憶があります…泳げないので。

　あいにくのお天気だけど、ヘルシンキにも曇りの日があるんだから仕方ないですね。これで曇りの日のヘルシンキも妄想できるようになったからよしとします。

　2015年にほぼ同じ場所で撮った写真がこちら。色が全然違う。

　なぜか私はここが世界で一番好きな風景なのです。世界中に行ったわけではありませんが。

　カフェウルスラに到着。映画かもめ食堂のロケでも使われた、海辺のテラスがあるオシャレカフェです。ここのテラスで食べると鳥にモテモテになれます。あなたの一挙手一投足を、鳥達が熱い視線で見ています…食べ終わるまでは。

カフェ ウルスラ カフェ

　海辺の歩道を北上。この曲がりくねった感じが好きです。街の中心部であるカウッパトリまではちょうど１キロ位。余裕で歩ける距離です。

　カウッパトリに着いたら、オールドマーケットを覗いたり、小さなお店をひやかしたりした後、ハカニエミマーケットにあるスープ屋さんでランチ。美味しいけどしょっぱすぎ!

　空港に移動して、ここでもムーミンショップをチェック。もうすぐ生まれてくる甥っ子のために、赤ちゃん用のお食事エプロンを購入しました。(甥っ子はこの年の１１月に無事生まれ、このエプロンは大活躍しました。買ってよかった。)
　出発まで一番好きなカフェの２階席で一休み。お店のお兄さんに「そのフルーツサラダちょうだい」と指さしたら、「君の方からは見えないかもだけど、こっちの方が美味しそうだよ」と選んでくれました。ずっと曇りだったけどやっぱり私はヘルシンキが好き。そう思いながらアイスランド行きの飛行機に乗り込んだのでした。