2020/06/26 - 2020/06/27
136位(同エリア350件中)
タブラオさん
梅雨時の空いた時期を狙って、金・土で万座温泉に行ってきました。今回、初めての試みでしたが、一人であったことあり、素泊まりで行ってきました。
万座温泉は日本で一番硫黄濃度が高い温泉ということで以前から気になっていましたが、去年の秋に初めて行った時には、泊まった旅館が大規模旅館であったせいか、印象はイマイチでした。ただその後、色々と調べていく中で万座温泉にも規模が大きくない風情のある旅館があることを知り、この時期を狙って行ってきました。
で、どうだったかというと、今回は「豊国館」と「湯の花旅館」の2ヶ所に行きましたが、期待通りの濃厚な硫黄泉で、お湯はやはり横綱級でした。狙い通り他に人もいなくて、ゆったりと日本一の硫黄泉を味わうことができました。また気になっていた熊の湯温泉にも行ってきましたが、こちらも素晴らしいお湯でした。
これで万座温泉も面目一新。東京からの距離も200キロ程度ですのでそんなに遠くない。後はアクセスですが、今は東京からだと片道1,050円の万座ハイウェイを通らないと行けません。価値のある道には喜んでお金を出しますが、景色もなくて制限速度40キロの道路にはお金を払いたくありません。せめて片道200円位ならまだ通っても良いと思えるんですが、何とかならないものか。
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この日は、まあ色々と事情があり、自宅を夕方前に出発しました。途中まで曇りでしたが、前方にはいかにもゲリラ豪雨っぽい雨雲が…
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案の定、ワイパーも機能しない程の大雨に。路面もあっという間に水浸しになりましたが、これを乗り越えた後は目的地の万座温泉まで雨は降りませんでした。
ちなみに前回通ってとても印象の悪かった万座ハイウェイですが(大した道でもないのに料金が片道1,050円)、行きは時間がなかったため、今回もやむを得ず通りました。ところが料金所には誰もおらず、係員が来るのをずっと待っても来なかったため、そのまま通り抜けました。ラッキー! -
自分の車に乗る時は、いつも窓を全開にしてサウンドを楽しみながら走ることにしていますが、今回は高速道路を利用予定であったのと雨予報であったため、レンタカーで行くことにしました。1泊2日で約7,000円ちょっとと格安でしたが、随分お疲れのフィットでした。
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今回宿泊した「万座温泉 豊国館」
宿泊先の候補としては、この「豊国館」とこれより更にひなびた雰囲気の「湯の花旅館」がありましたが、露天風呂がこちらの方が広かったのと、同じ素泊まりでもこちらの方が若干安かったため、「豊国館」にしました。「湯の花旅館」は翌日に日帰り入浴で行きました。 -
豊国館の受付ですが、こんな感じで雑然としていました。宿に着いたのは6時半前でしたが、受付には誰もいませんでした。
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泊まったのは旧館の方でしたが、予想以上に綺麗でした。トイレはありませんが、部屋にはテレビも付いていて、居心地は悪くありませんでした。素泊まりの中でも「全自炊」という要は浴衣もタオルも何も付いていない一番安いプランでしたが、値段は4,200円(税別)で格安でした。
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チェックイン後、すぐに館内を探検してみました。写真は部屋の前の廊下です。旧館には私以外、誰も宿泊者がいなかったためだと思われますが、とてもひっそりとしていました。全体でも宿泊客は数組程度だったようです。
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洗面所は当然ながら共同ですが、露天風呂以外で他の人は見掛けませんでした。
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旧館にもトイレはありましたが、新館のトイレを勧められました。写真は新館へ繋がる廊下です。右側に洗面所があって、突き当たりがトイレです。
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自炊用の部屋。自炊はいいんですが、食材はどこで買うんだろ? チェックインする前にまとめて買ってきて冷蔵庫に入れておくのかな?
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自炊はしませんでしたが、ここの電子レンジを使ってお弁当を温めました。
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永六輔さんのエピソードが書かれた新聞記事の切り抜きが壁に貼ってありました。『豊国館入口近くの「いい湯だな」の歌詞の一部が刻まれた石碑』には気づきませんでしたが、木製の歌碑はお風呂場にありました。
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部屋に置いてあった「ご案内」の一部ですが、万座温泉は硫黄含有量が日本一で、豊国館は万座温泉で2番目に硫黄含有量が多い源泉を持っているそうです。ということは、日本で2番目に硫黄含有量が多いのかと言うとどうも違うようで、2番目は月岡温泉の源泉のようです。
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ということで夕食前に早速一風呂浴びることにしました。お風呂場の入口は1部屋隔ててすぐ隣でした。いつでもすぐに入ることが出来て助かりました。
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更衣室はこんな感じでした。
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まずは内風呂に入ってみました。誰も入っていなかったため、まずは写真撮影。よく見ると木の棒には取っ手が付いていました。湯治目的のお年寄りの方が多いためだと思われますが、心遣いが感じられました。
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別の角度から撮ったものです。ホースが床に放置されていて、水も出っ放しでしたが、そういうことを気にする宿ではないということです。個人的にはこういうおおらかなところは好きです。
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無造作に置かれていた、「いい湯だな」の歌碑。
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日本一硫黄濃度が高い万座温泉で2番目に硫黄濃度が高いお湯ということで、これまで入った温泉の中でも最も硫黄のパワーを感じられるはずなんですが、まあ、他の硫黄泉の何倍も香りが強いかと言われれば、そこまでは違いを感じられませんでした。それでも、内湯ということもあり、浴室内は硫黄臭が充満していていい感じでした。
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露天風呂は旧館の真ん前にありますので、部屋からもすぐに行けました。
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木で若干視界は遮られていますが、向こう側には湯畑が見えました。
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事前に写真で見ても広そうな露天風呂だと思いましたが、実際にはそれ以上に広々としていました。露天風呂ではありますが、流石、万座温泉! 硫黄の香りも強く、とてもいい感じでした。
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湯船のサイズも大きいですが、それ以上にその深さに驚かされました。胸の位置までお湯がきましたが、ちょっとしたプールのようでした。お湯が少し熱めでしたので、少し浸かっては外で涼んでいました。
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露天風呂は旧館の真ん前です。写真の左側の窓が泊まった部屋の窓だと思われますが、部屋からは上手い具合に露天風呂が見えないようになっていました。
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露天風呂の周囲には人工芝が敷かれていて、風情が削がれているように感じました。板の部分が硫黄でとても滑りやすかったため、致し方ないところではありますが…
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別の角度から撮ったものです。夕方の時間帯はずっと一人でしたので、とてもいい気分で入ることができました。梅雨の時期はある意味狙い目かも知れません。
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源泉の注ぎ口です。この辺りは板敷であったため、もっぱらこの辺りで涼んでいました。
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「いい湯だな」の歌碑がここにもありました。「いい湯だな」というと、ついついドリフターズの「ババンババンバンバン」を思い出してしまいますが…
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夕暮れ時ですが、この時間も他に誰もいなくてひっそりとしていました。こういう静かな時間を過ごしていると、本当に心が洗われます。
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お湯の注ぎ込む音以外、何も聞こえませんでした。ゆったりとした、とても贅沢な時間が流れていました。
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この日の夕食は、自宅近くのスーパーで買ったお弁当をそのまま持ち込みました。自炊スペースに電子レンジがあったため助かりました。
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布団の上げ下げも、シーツを付けるのも、全て自分で行いました。でもこれで宿代が節約できるなら、自分でやる方がいいかも。
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夕食後は、暫く部屋でくつろいでから、また露天風呂に入ってみましたが、やはり誰もいませんでした。夕方に比べると湯温が下がっていて、浸かりやすい温度になっていました。
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翌朝5時半前に起きて、そのまま露天風呂に向かいました。前日は、全く人を見かけませんでしたが、この時には既に2人入っていました。湯治目的のおじいちゃんですから、やはり朝は強いようです。
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途中から雨が降り始め、先に入っていたおじいちゃん方も出ていったため、また一人になりました。ちょうど露天風呂の出入口のところに傘が置いてありましたので、一番手前の壊れていない傘を拝借しました。
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途中からこんな感じでかなり強く雨が降ってきましたが、傘を差せばまったく不快ではありませんでした。人が多いところでは流石に使いづらいですが、意外と使えることがわかりました。
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マイ三度笠。露天風呂に入るときに陽射しがきつかったり、雨が降っている時に使おうと思い、ネットで購入したものですが、想像していたものの倍の大きさでした! 麦わら帽子で充分だったような…。今回、雨予報だったため、念のため持ってきましたが、雨傘を使ったため、結局出番はありませんでした。
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源泉の注ぎ口を見ていて気付いたんですが、お湯の温度は、湯船に流れ込む源泉の量を四角い石で調整して上げ下げをしていました。
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9時半前に豊国館をチェックアウトして、次のお目当ての「湯の花旅館」に向かいました。万座温泉の湯畑に繋がる道を上って行ったところにありました。
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豊国館も随分寂れた旅館だなとは思いましたが、それ以上に湯の花旅館はひなびていました。まるで昔話の世界にでもタイムスリップしたようでした。それにしても、旅館前が未舗装というのも最近なかなか見掛けないですが、個人的にはこういうのも風情あって好きです。
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「猿茸」はサルノコシカケのことなのでしょう。早速、名物のサルノコシカケ風呂に向かいました
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名物の「さるのこしかけ風呂」。日本で唯一だそうです。入った時には他に1人いましたが、すぐに出ていったため、激写してきました。サイズ的には4、5人がせいぜいの大きさです。
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床には木が敷き詰められていましたが、温泉街の共同浴場のような風情でした。
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木枠の入れ物の中にサルノコシカケとマツフジのつる(生薬として使われるそうです)が入っています。源泉はまずこの入れ物に注ぎ込まれ、サルノコシカケからにじみ出たエキスを含んだお湯がさらに湯舟に流れ込む仕組みになっています。
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木枠の箱の中のお湯に触れてみましたが、とても熱かったです。そのまま湯船に流れ込むと湯舟のお湯が熱くなるため、写真中央にある、2ヵ所の木の蓋を上げ下げして湯舟に流れ込む熱湯の量を調整していました。私が入った時には流れ込むお湯の量が絞り込まれていたため、お湯は熱くなく適温でした。
木箱の中のお湯はとても強い硫黄臭を放っていて、湯舟に流れ込むお湯も濃厚な硫黄泉でした。正に極上湯でしたが、ふとサルノコシカケの香りはと思い、注意深く嗅いでみましたが、硫黄臭以外の香りは特に感じられませんでした。 -
暫く一人であったため、サルノコシカケをじっくりと眺めてみましたが、マツフジのつるが出がらしのようになっていたため、ふとどれ位の頻度でサルノコシカケを交換しているのだろうという疑問が湧いてきました。
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ということで、お風呂から出た後に受付にいた男性(経営者の息子さんでした)に聞いてみたところ、大きさや物によりけりだそうですが、半年から1年に1度交換するそうです。サルノコシカケの香りが感じられなかったと率直に言ってみたところ、採取してきた当初は強い香りを発しているものの、硫黄の殺菌作用もあり、次第に香りが薄れて行くとのことでした。また香りは発しているものの、硫黄の香りがとても強いためサルノコシカケの香りに勝ってしまっているのかも知れないとのことでした。とは言え、もちろんサルノコシカケエキスは成分としてお湯に溶け込んでいるため、効能は期待できるとのことでした。
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サルノコシカケは育つのに長い年月が必要とのこと。栽培できるわけでなく、山で採取してくるそうですが、それほど採れるものではないそうです。ちなみに、この地域は国立公園内であり、自由にサルノコシカケを採取することはできませんが、湯の花旅館の場合、国立公園に指定される前からあるため、採取権のような物を持ってそうです。
湯の花旅館の息子さん、興味深いお話をとても気さくに話してくれました。人当たりが良く、とても感じの良い方でした。 -
その息子さんが自慢気に見せてくれた、若い女性とのツーショット写真(上の写真とは違います)。元乃木坂46の深川麻衣さんだそうです。へぇ~、若いのに本物の良さがわかるんだと思いつつ、帰って調べたら、深川麻衣さん主演のドラマで「日本ボロ宿紀行」というのがテレビ東京系でやっていたそうで、湯の花旅館はその舞台となったそうです。ちなみに、上の写真はドラマの中でのワンショット。幽霊を見て絶叫するシーンです。
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湯の花旅館は2019年4月に放映された第3話で登場したそうです。
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湯の花旅館は内風呂がメインですが、露天風呂もあります。雨が降っていたため、写真を撮っただけで、入りませんでした。露天風呂はサルノコシカケ湯ではないそうです。
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お風呂から出て、館内を少し探検してみました。豊国館と同様、湯治目的のお客さんが多く訪れるようですが、造りも似たような感じでした。
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共同の洗面所。写真は撮れ忘れましたが、自炊の設備もありました。
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11時過ぎに湯の花旅館を出て、旅館の前の道を更に上り、湯畑の方に行ってみました。
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昨年の秋に泊まった「日進館」。湯の花旅館と日進館は直線距離では近いです。手前にある湯畑のお湯だまりが、雨の中、黄色く浮かび上がって見えたため、後で車で近くまで行ってみることにしました。日進館の前の道を奥まで行くと目の前まで車で行けることを知っていましたので、くるっと回って日進館まで行きましたが、日進館のところでちょうど通行止でした。日進館の方に呼び止められ、丁寧に追い返されました。
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遊歩道の階段を上がっていたら、雨の中、傘も差さずにデジカメのレンズを吹きつつ、何かを至近距離で撮影している方がいらっしゃいました。聞いてみると、この方は「粘菌」という菌類に興味があって、それをここで発見し大興奮しているのだそうです。何にせよ大興奮出来るものがあるということは、いいことだと思います。
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その「粘菌」のアップ。私にはその素晴らしさがわかりませんが…
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万座温泉を出て、次の目的地の「熊の湯温泉」に向かいました。途中、有毒ガスが発生している区域を通るのか、「オープンカー進入禁止」「オートバイ進入禁止」「自転車進入禁止」「歩行者進入禁止」といった物々しい標識が並んでいました。熊の湯温泉は県境を越え、長野県に入ってすぐのところにありました。
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「熊の湯温泉 熊の湯ホテル」
ちょうど正午に着きました。駐車場には1台の車もなくひっそりとしていました。 -
受付には誰もいませんでした。冬場はスキー客で賑わう人気のリゾートホテルのようですが…
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ロビーにも誰もいませんでした。この手のホテルに行くと、いつも人がごった返していて、それだけでもうウンザリなんですが、これ位空いていれば泊まるのも嫌じゃないかも。
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日帰り入浴が12時30分からであったため、その前にお昼をいただきました。事前に電話で聞いてはいましたが、メニューはカレーライスだけでした。
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男湯の入口ですが、いつも入る温泉と違って豪華な感じ。
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リゾートホテルっぽい雰囲気とは打って変わり、お風呂場はとても風情のある造りでした。日帰り入浴開始と同時に入ったため、他には誰もいませんでした。ここぞとばかり激写しましたが、結局私がいた間は他に誰も入ってきませんでした。
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わざわざここまで来たのは、この特徴のある緑色のお湯に興味があったからです。
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実際に入ってみて、お湯の色も香りも岩手県の国見温泉に似ていると感じました。香りはもしかしたら国見温泉ではなく新潟の咲花温泉かも知れませんが、9月に国見温泉にまた行ってきますので、その時に確かめてきます。いずれにしても、満足度・好印象度ではトップレベルのお湯だと感じました。
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綺麗な緑色のお湯でしたが、お湯の中を歩くとこの通りお湯が白く濁りました。細かい湯の花が底に大量に沈殿していたのでしょう。ついつい子供のように風呂中を歩き回ってしまいました。
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近くで見てみると、こんな感じの白くて細かい湯の花でした。
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内風呂はとても立派なんですが、露天風呂はいただけません。とても小さく、入れてせいぜい2、3人でした。おまけに周囲を竹の塀に囲まれ、解放感もないため、ちょっと残念な感じでした。
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他に誰も入ってきませんでしたし、お湯も雰囲気もとても気に入ったため、結局、1時間半位ゆっくりしていました。
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熊の湯温泉を出たのは2時過ぎでした。熊の湯温泉から須坂市に抜ける道を通って山梨県に出ようと思いましたが、写真の通り通行止でした。距離的には万座ハイウェイを通るのが一番近道ですが、意地でも使いたくなかったため、かなり大回りになりますが、渋温泉・湯田中温泉を通り抜けるルートで山梨県を目指しました。
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その後、下道をひた走り、自宅に着いたのは9時半。ほぼ休まず、夕食も食べずにずっと走り続けましたので、流石に疲れました。総走行距離は2日で527キロ。雨の中、進み具合の悪い市街地を通ることが多かったため、距離の割には疲れました。
今回の旅で万座温泉が素晴らしい温泉であることを確かめられたのは大きな成果でしたが、それにしても万座ハイウェイは何とかして欲しいものです。
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