2018/07/18 - 2018/07/19
1位(同エリア41件中)
かっちんさん
北海道南西部「渡島(おしま)半島」の日本海に面する「せたな町」。
ここは、瀬棚郡瀬棚町・北檜山町、久遠郡大成町の3町が、平成17年(2005)に合併し「せたな町○○区」となりました。
南側にある旧大成町の「長磯海岸」は、日本海の強風と荒波によって形成された奇岩が多数点在し、風光明媚な海岸線です。
「親子熊岩」、「マンモス岩」、「タヌキ岩」など有名ですが、それ以外にも何かの形に似ていて命名したくなる奇岩がたくさんあります。
ツラツラ岬には板状の岩が縦に並ぶ美しい柱状節理の海岸が見られます。
北側にある旧瀬棚町三本杉地区には、海水浴場と海にそびえ立つ鋭い形をした三つの巨岩「三本杉岩」があります。
今日は熊石から路線バスで移動し、3.5kmある長磯海岸をゆっくり歩き奇岩や柱状節理の景色を楽しみます。
次に路線バスで北上し北檜山へ向かいます。
昭和62年(1987)まで国鉄瀬棚線北檜山駅だったところが、現在の北檜山バスターミナル。
当時の駅舎をそのまま利用しているので、国鉄時代の面影を何となく感じます。
今晩の宿は瀬棚三本杉の民宿「海の家」。宿からは海に佇む「三本杉岩」が目の前に見え、日本海に沈む夕日を背に三本杉岩がシルエットになります。
なお、旅行記は下記資料を参考にしました。
・檜山振興局「檜山の自然環境-長磯海岸」「三本杉岩」「馬場川防潮水門」「ロシア軍艦アレウト号遭難慰霊碑」
・せたな町勢要覧2007、第3楽章観光「奇岩、怪岩、断崖絶壁が彩る海」
・せたな観光協会「長磯海岸」「奇岩・怪岩」「立象山公園」
・全音「三味線」
・渡島半島の自然を訪ねて「せたな町(旧大成町)奇岩の宝庫」
・bojan.net、アイヌ語地名の傾向と対策「岩澗川・ヨリキ岬・ツラツラ岬・荷菱内川」
・暮らしの歳時記「うろこ雲・鯖雲・いわし雲・羊雲…秋の雲の見分け方」
・北海道開発局トンネル点検計画・修繕計画資料
・道南地元市場「秀明ナチュラルファーム北海道」
・函館バスHP
・せたな東ハイヤーHP
・せたな民宿海の家HP
・せたな町ゑびすや釣具店のブログ「当店から三本杉岩が消えた馬場川水門橋」
・日本マンホール蓋学会「久遠郡せたな町のマンホール」
・ウィキペディア「澗」「北海道道740号北檜山大成線」「瀬棚線」
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 高速・路線バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
喉越しのいい「いかソーメン」(熊石)
お昼ご飯は、渡島半島西海岸の旧熊石町にある寿し処「かき多」。 -
「熊石病院前」バス停(熊石)
ここから西海岸を路線バスで北上し、旧大成町の「長磯海岸」へ向かいます。 -
道路を挟んだところに「どっしりとした背の低い消火栓」(熊石病院前)
背の高い標識があるので、雪に埋もれても大丈夫。 -
大成学校前行き(熊石病院前)
12:00に通る函館バス「檜山海岸線」に乗ります。
江差~熊石間の運行は1日6本ありますが、ここから北へ向かうバスは3本になります。
今日1本目のバスはお昼に通ります。 -
「荷菱内」バス停で下車
熊石から隣町の「荷菱内(にびしない)」に10分ほどで到着。
住所は「九遠郡せたな町大成区長磯」。
荷菱内川の河口にバス停があります。 -
荒々しい「長磯海岸」
国道229号は切り立った断崖の下につくられ、3つのトンネルがあります。
海岸線ではいろんな形の奇岩や柱状節理を見ることができ、これから3.5km先の「貝取澗(かいとりま)」まで歩くことにします。
この区間は「奇岩ロード」とも呼ばれています。 -
最初の奇岩「夫婦岩」(奇岩ロード)
二つの岩が寄り添う「夫婦岩」です。
大きめの岩が、かかあ天下の奥さん岩でしょうか? -
巨大な「親子熊岩」(奇岩ロード)
親熊の頭が緑色の毛で覆われています。
ところで、子熊はどこにいるのかな? -
イチオシ
横から見れば「親子熊岩」(奇岩ロード)
親熊が溺れそうな子熊を救い上げる姿に見えます。
伝説の解説板によれば
「 大昔、この地に天変地異をもたらす大嵐があり、生物の生存を脅かし、自然の猛威は飢餓という試練を与えた。
この頃、山奥に親子の熊が棲んでいたが飢えをうったえる子熊を連れ海岸に辿りついた。
親熊は海岸に群れる子蟹を見つけ食べさせていた。子熊も親のしぐさを真似て子蟹を追ったが、一瞬のうちに岩をすべり海の中へ・・・
親熊は夢中で溺れる子熊を助けるため手を伸ばすが濡れた岩に足をとられ、無残にも海中へ・・・
一部始終を見ていた海の神様は、子を思う親の愛の深さに心をうたれ、溺れる親子熊を救いあげ、愛の姿をそのまま岩に変身させたのだった」 -
こちらを見つめる「オオワシ」(奇岩ロード)
名前のない奇岩は、思い付きで命名します。
この海岸線は通れないので、「親子熊トンネル」を抜けます。 -
夏の花「クサフジとノコギリソウ」(奇岩ロード)
トンネルを抜けたところで見つけました。 -
日本海を眺める「ゴリラ」(奇岩ロード)
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ガオーとあばれる「ゴジラ」(奇岩ロード)
目ん玉をひんむき、歯が見えます。 -
奇岩「三味線岩」(奇岩ロード)
奇岩案内板はなかったのですが、このあたりなので。
おそらく三味線の弦の張りを調整する糸巻部分が似ていることからでしょうか?
裏側はさきほどのゴジラなんですが・・・ -
直立した岩の並ぶ長磯海岸(奇岩ロード)
-
国道229号(奇岩ロード)
2番目の長磯トンネルを出たところです。 -
「竜の雄叫び」(奇岩ロード)
ここから出しておくれぇ~・・・ -
イチオシ
森の中から「フクロウのやぶにらみ」(奇岩ロード)
海岸ではなく、反対側の崖です。 -
綺麗な滝(奇岩ロード)
-
「マンモス」の足(奇岩ロード)
意外と短足・・・
奇岩「マンモス岩」の側面です。 -
目がこわい「マンモス」(奇岩ロード)
-
奇岩「マンモス岩」(奇岩ロード)
これが正式な「マンモス岩」。 -
岩畳みたい・・・(奇岩ロード)
-
イチオシ
奇岩「タヌキ岩」(奇岩ロード)
お腹が突き出たタヌキの置物を横から見ている感じです。 -
遠くで手を振る岩(奇岩ロード)
「バイバイ岩」です。 -
綺麗な縞模様の岩盤(奇岩ロード)
柱状節理で囲まれたツラツラ岬です。 -
横澗トンネル(ツラツラ岬)
ツラツラ岬を「横澗(よこま)トンネル」で抜けたところ。 -
貝取澗(ツラツラ岬)
ここから、隣の集落「大成区貝取澗(かいとりま)」に入ります。 -
イチオシ
神秘的な世界(ツラツラ岬)
神秘的な海の色と薄い板を重ねたような美しい柱状節理。 -
規則正しく並ぶ岩の模様(ツラツラ岬)
-
ツラツラ岬(奇岩ロード)
奇岩ロードを少し歩いて振り返ったところ。
横澗トンネルは昭和43年(1968)に完成しているので、それ以前の旧国道は山の中腹を通っていました。 -
アイヌの「ニポポ」がいる(奇岩ロード)
アイヌの郷土玩具「ニポポ」にそっくり。 -
奇岩「釣の澗岩」(奇岩ロード)
「澗(ま)」の文字は、谷、谷川、谷水を意味します。
もう一つの意味は数の単位で、10の36乗を表します。
「兆」「京」に続く、5番目の単位が「澗(かん)」なんです。 -
「貝取澗坂下」バス停に到着(奇岩ロード)
「荷菱内」から3,4kmを1時間15分かけて歩いてきました。
写真を撮りながら歩いていたので、最後は駆け足でした(笑) -
大成学校前行きのバス(貝取澗坂下)
13:28発のバスに乗り、さらに北上します。 -
「宮野」バス停
住所は「せたな町大成区宮野」。
ここから先、海岸線を通り北檜山、瀬棚と結ぶ「道道740号」が全線開通したのは平成25年(2013)4月。
それまでは難所があるため途中で行き止まり。
太田地区は落石や高波で通行止めになり陸の孤島と化すことがありました。
従来からある「国道229号」は山に入り、太櫓越峠(ふとろごえとうげ)を桧山トンネルで抜けます。
私は昭和50年代に自転車で太櫓越峠を越えたことがあるのですが、当時トンネルがなく悪戦苦闘しました。 -
北檜山行きのバス(宮野)
宮野で大成学校前発のバスに乗り換え、北檜山へ向かいます。 -
北檜山バスターミナルに到着
瀬棚地区のバスは北檜山を拠点に発着しています。
かつて渡島半島の東西を結んでいた「国鉄瀬棚線(国縫駅~北檜山駅~瀬棚駅)」は、昭和62年(1987)3月16日廃止されました。
当時の北檜山駅舎はそのままバスターミナルとして利用されています。
鉄道駅舎の面影が感じられます。 -
バス発着場(北檜山バスターミナル)
鉄道のホームだった雰囲気があります。 -
三本杉バス停
北檜山から別路線の函館バスに乗り、瀬棚の「三本杉」に来ています。
函館バスのバス停もありましたが、この東ハイヤーのデマンドバス停留所の表示が気に入ったので使いました。 -
今晩の宿「民宿 海の家」
40年前、自転車旅行で泊ったことがある宿です。
改築されて綺麗な建物になっています。 -
宿の裏側(海の家)
宿の裏は海が迫り、三本杉岩が目の前に見えます。 -
宿のパンフレット(海の家)
お世話になった女将さんは平成29年(2017)に他界。
現在は農業生産法人「秀明ナチュラルファーム北海道」の民宿部門としてリニューアルオープンしています。
では、周辺の散歩に出かけます。 -
イチオシ
三本杉岩(三本杉)
三本杉岩は高さ30m前後で、海にそびえ立つ鋭い形の三つの巨岩です。
頂上に岩松や寒冷地特有の植物が緑を添え、独特の風情をもっています。 -
子どもが喜ぶ「浮き玉人形」(三本杉)
ドラえもん、アンパンマンシリーズだけでなく、皆に愛された志村けんのバカ殿も。 -
立象山と展望台(三本杉)
海岸の反対側は第一海岸段丘の公園として整備された高さ約95mの山です。
巨象が立っている姿に似ていることから 「立象山(りっしょうざん)」と名付けられました。 -
馬場川防潮水門(三本杉)
津波が馬場川に進入するのを防ぐための水門です。
平成5年(1993)7月21日22時17分に発生した北海道南西沖地震で津波が川から押し寄せ海水が逆流して大変な被害になった対策として、平成11年(1999)に水門が完成しました。
水門の震度計が震度4以上を感知したときや、気象庁が津波警報などを発したときに自動的にゲートが下がります。 -
秋の雲「いわし雲」(三本杉)
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デザインマンホール(三本杉)
中央に瀬棚のシンボル三本杉岩とカモメ、上部に「SETANA」の文字、外周に旧瀬棚町の町の花「ハマナス」がデザインされている旧瀬棚郡瀬棚町のマンホール。 -
瀬棚港に停泊するイカ釣り漁船(三本杉)
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イチオシ
集魚灯の「イカ球」(瀬棚港)
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事比羅神社(三本杉)
祭神は大物主神(おおものぬしのかみ)で、海上交通の守り神として尊崇される金毘羅宮と同じ。 -
オーガニック醤油(海の家)
お風呂に入り、いよいよ夕食。
農薬を一切使わずに作られた地元産大豆の「秀明ナチュラルファーム北海道」醤油が出されます。 -
魚介類の夕食(海の家)
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揚げたての天ぷら(海の家)
家族的な雰囲気の中で夕食をいただきました。 -
イチオシ
夕暮れの三本杉岩シルエット(海の家の裏)
秋のさば雲が空いっぱいに広がります。 -
瀬棚の日没(三本杉岩)
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赤く染まる夕日(三本杉岩)
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翌日の朝食(海の家)
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地元産納豆(朝食)
よく混ぜていただきます。 -
朝の三本杉岩
緑の頂上は朝になるとよく見えます。 -
マツヨイグサ(三本杉)
路線バスの到着まで朝散歩。 -
奇岩「わっかけ岩」(三本杉)
三本杉海水浴場の前に佇む「わっかけ岩」。 -
アレウト号慰霊碑(三本杉)
明治10年(1877)、ロシア帝国軍艦アレウト号が瀬棚沖で座礁。
乗組員は瀬棚の人々に救助され、その大半の人がまもなく帰国。
しかし翌年まで残留していた13名をロシア船が迎えに来たとき、船に向かうボートが転覆。12名が水死するという事故が起こりました。
故国を望む三本杉の丘に慰霊と国際親善、海難防止を願い、この碑が建てられたのです。 -
三本杉の通り
まもなく、北檜山行きのバスが来ます。
今日は鵜泊海岸のホルンフェルス(接触変成岩)を見に行きます。
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この旅行記へのコメント (2)
-
- ねもさん 2024/09/24 19:28:37
- せたな
- かっちんさん 大雪山沼めぐりに返信ありがとうございます。
北海道でもこの辺に行かれる方はまれかと。かっちんさんの旅は実に深いと思います(^^;)
私は2010年晩夏に訪ねました。道南の最高峰・狩場山に登ったついでに✌️
三本杉岩、懐かしく拝見しました。旧瀬棚町は、日本初の女医・荻野ぎんが長く開業していたので、私は彼女の史跡も歩きました。
街の鮮魚店で、殻付きホタテが安くて、自宅などに送りました。再訪は難しそうだけど、忘れがたいレアな旅です(^^*)
- かっちんさん からの返信 2024/09/26 23:38:24
- Re: せたな
- ねもさん こんばんは。
家内が奇岩や柱状節理が好きで、この旅を計画しました。
車は持ってないので、路線バスを利用したり、歩いたり、結構苦労することが多いです。
でも、珍しいところに出会う楽しみがあります。
かっちん
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