正覚寺の庚申塚（横浜市港南区港南2）

2020/05/25 - 2020/05/25

　横浜市港南区港南2にある正覚寺の門前には庚申塚がある。庚申塔と「十一面観世音菩薩」である。
　庚申塚の側面には「文政十三庚寅八月吉日」とあり、1830年に建立された。一方、「十一面観世音菩薩」側面には「寛政三年三月吉日」とあり、1791年に建立された。もう一方の側面には側面に「金沢札所二十六番松本山正覚寺」と刻まれている。これは武州金沢三十四ヶ所観音霊場の26番札所で十一面観世音菩薩を祀っていることを示す標石であろうか。少なくとも台座には花立ての2つの穴が穿たれており、建立当時は庚申塚に「十一面観世音菩薩」として建てられたもので標石も兼ねていたのであろう。いずれも18世紀末と19世紀の建立であり、時代が下がる。
　また、庚申塚で庚申塔と「十一面観世音菩薩」の組み合わせは珍しい。なお、東福寺門前山頂墓地下の庚申塚には庚申塔（元文5年12月14日（1741年1月31日）銘）と馬頭観音道標（元文3年（1738年）銘？）が建っている。
（表紙写真は正覚寺の庚申塔）

エリア 戸塚・いずみ野・港南台(神奈川)

正覚寺門前の庚申塚。

「十一面観世音菩薩」（寛政3年（1791年）銘）。

「寛政三年三月吉日」。

庚申塔（文政13年（1830年）銘）。

「文政十三庚寅八月吉日」。