2013/03/17 - 2013/03/17
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Yoheiさん
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「またどこか海外旅行したいなぁ~。」独り言の様に呟いた私の提案に、同級生が乗ってきた。彼は仕事が早くて、仕事の要領も良く、そ れでいて面倒見の良い3拍子揃った珍しい奴だった。高専生は中学を卒業してから5年(専攻科生は7年も)同じ学校に通っている為、外に目を向ける意識が非常に低い。他の学生とも触れ合う機会が少なく、完全に「井の中の蛙大海を知らず状態」にあると言える。しかも理科と算数の得意な人間が自然と集まる為、相対的に語学への関心が薄く、高専5年生ですら高校1年生レベルの英語の授業を受けている。英語の授業は英語のテストの為だけに受講しているので、テストが終わってしまったら構文も単語も全て忘れてしまう。そんな高専に居ながら、彼が私のこの話に乗ってきた事は正に「渡りに船」だった。
お互いのシンポジウム、学会、バイトの都合をすり合わせ、旅行期間は3月、最後のテストが終わり卒業式までの2週間になった。行き先については格安中華系航空会社の多く就航するアジア、そして私の「陸で国境を超えてみた い」と言う希望を優先して貰い、ベトナム~カンボジア~タイ~マレーシア~シンガポールを陸で移動する事で話が纏まった。
その後詳細調査を進めていった。カンボジアビザの取得方法、それぞれの国の入国手段等、お互い限られた時間であったが、要領よく旅の大枠を決めていった。卒業に必要なあらゆる成果品、論文、書類を提出し終え、翌2013年3 月5日に我々はホーチミンへ出発した。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- グルメ
- 4.0
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 友人
- 一人あたり費用
- 10万円 - 15万円
- 交通手段
- 徒歩 飛行機
- 航空会社
- 中国東方航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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朝7時に起きシャワーを浴びた。日本への飛行機(性格には上海経由)は、深夜25時55分の出発だったので、今日はゆっくりホーチミン観光が楽しめそうだった。
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グダグダと荷物の整理などをして、朝10時にホテルを出発した。今日もすこぶる暑く萎えそうになったが、結局今回の旅では大雨に降られることがなかったことが嬉しく感じられた。
相変わらず道路を走るバイクの数が多く、道路を横断するにも一苦労だった。右側通行のベトナムでは、たとえ前方の信号が赤く灯っていても、バイクは右折に限っては認められているらしく(それとも事実上認められているだけか)、歩行者としては気が気ではない。 -
ファングーラオ通りを出発し、まずはビンタン市場へ。ホテルからは徒歩で500m程の場所にあった。地球の歩き方には、市民の生活を支える重要な市場と紹介されており、中に入ると衣類や雑貨、食料品などが所狭しと並べられていた。なんとなくカンボジアのマーケットが思い出された。
ベンタイン市場 市場
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店員達は、日本人がきたぞ!とばかりに「オニイサンミテッテ~」と袖口を掴みながら商売熱心に接客してくる。ベトナムの女性はとてもスタイルがよく素朴で、声を掛けられるとついつい無視できず立ち止まってしまう。すると、あれこれと甲斐甲斐しく商品の説明をしてくれ、「1つだけなら買おうか」という気持ちになってくる。すると今度は「セットで買った方が安くなる」と他の商品の紹介を始める。
ベンタイン市場 市場
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勧められるがままに買い物しているとキリがないし、と言っても邪険にもできず、愛想笑いをしながら引き下がる始末。同じ様な日本人がよくここを訪れるのか、店員たちは皆日本語が絶妙に上手だった。
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続いて国営スーパーへ向かった。"一応"社会主義のベトナムらしく国営スーパーがある。店員の大多数は女性で、揃いの黄緑色のアオザイ(民族衣装)を身にまといとても美しかった。お土産にお菓子を買っていこうと、食品スーパーのある3階まで上がった。国営スーパーと言っても、他のスーパーと変わらず、1階に化粧品店、上階にファッション雑貨という造り、食品スーパーが3階にあるのは何故だろうか。搬入の際に面倒な気がするが。
タックス スーパー スーパー・コンビニ
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食品スーパーに入ろうとすると警備員に呼び止められた。どうやら犯罪防止のため、携行品はロッカーに預ける必要があるらしい。今日は1日重たいザックを背負っての移動だったので、肩の荷を降ろせるのは嬉しいが、少々厳重すぎやしないか。
タックス スーパー スーパー・コンビニ
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庶民が買い物をする食品スーパーでは、お土産品の適正価格を知ることが出来る。さきほどビンタン市場で勧められるがまま買った商品の適正価格はいくらだったのか?一応確認しながらお土産探しをした。
一通り買い物を終えレジに並ぶ。するとレジの前には、丁寧にも日本語で「お支払いはドンでお願いします」と書かれた札が掛けられていた。
ベトナムドンはインフレが進んでいるため、市内ではUSDの通用度が同じくらい高く、どちらで支払っても受け取って貰えるのが常だった。そのため、昨夜手持ちのお金をUSドルに両替したばかりだったのだ。ドンは20000ドンしか持っていない(たった1USD程)仕方なく買った物を元の棚に戻した。とんだ誤算だった。他の店がドン払い限定じゃないことを祈る。タックス スーパー スーパー・コンビニ
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続いて最上階の土産物屋フロアへ向かった。エレベーターを降りた瞬間、ここでも再び「オニイサーンミテ~」と、美人アオザイお姉さんからの口撃が始まった。買い物を切り上げるべく「他の商品を見てきます」と言おうものなら、「ジャアコッチミテ~」と違う商品を代わる代わる勧められる始末。
美人からのチヤホヤ接客に、嬉しいような迷惑なような複雑な心境だったが、ふと周りを見渡すと、フロア全体で同様の日本語接客が行われており、日本人男性客がデレデレしながら攻防を繰り広げている。ここはベトナムパブか!タックス スーパー スーパー・コンビニ
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ベトナムパブ?を出て市民劇場、サイゴン大教会、中央郵便局と次々とホーチミン中心部の観光スポットを見て回った。
ホーチミン市民劇場 劇場・ホール・ショー
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サイゴン大聖堂。
サイゴン大教会 寺院・教会
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サイゴン中央郵便局。
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汗をかいてきたところで、PARKSON(漢字表記で百盛)、ダイアモンドデパートなど、外国資本のデパートで汗を乾かす。しかしこのデパートも、ドンでの支払いしか受け付けないという旨が表記されており、一体手元に残った20ドル近くをどう使おうか途方に暮れた。ダイアモンドデパートから大統領府を見学し、続いてベトナム戦争の歴史を伝える「戦争証跡博物館」へ向かった。
統一会堂 建造物
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入場料は15000ドン(1USD以下)だったのだが、ドルしか持っていない事を係員に伝えると「ドルなら1ドルだ」と言われた。約5000ドン損をした計算になるが、ホーチミンに来たならここを見学しないわけにいかなかったので、1ドル支払い中へ入った。
ベトナム戦争証跡博物館 博物館・美術館・ギャラリー
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敷地内の庭には、アメリカ軍の戦闘機や戦車が展示されており、白人を含む多くの外国人が写真を撮っていた。
ベトナム戦争証跡博物館 博物館・美術館・ギャラリー
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ベトナム戦争証跡博物館 博物館・美術館・ギャラリー
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博物館は3階建てで、ベトナム戦争に関する写真、記事、パネル・・・2~3時間じゃ足りないほどのボリュームの展示があった。1階にはベトナム戦争に対して各国が報じた反戦記事なども展示され、日本の教科書や新聞赤旗も展示されていた。植民地時代からベトナム戦争まで、ベトナム革命を指導したベトナム初代首相のホーチミンの功績を称えるコーナーもあった。
ベトナム戦争証跡博物館 博物館・美術館・ギャラリー
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日本の敗戦・撤退と共に、ホーチミンはベトナムの独立を宣言した。しかしその独立はどの国からも認められず、結果北部は中華民国軍、南部はフランス軍が再び支配することになった。ホーチミンは各国の侵攻からベトナムを守ろうとするが、アメリカの侵攻と共に泥沼のベトナム戦争に突入することになる。
2階より上は、アメリカが行ったナパーム弾などの化学兵器による攻撃の事実とそれによる被害、また実際に使用された兵器の展示もあった。展示される白黒写真の中には、日本の博物館じゃとうてい展示出来ないと思われるような、思わず目を覆いたくなる写真も少なくなかった。
化学兵器を使用した戦争の結果、生まれてきた死産の子が、ホルマリン漬けにされて展示されていた。長期にわたり、莫大な戦費を投入して行われた不毛なベトナム戦争は、あまりに多くの影響をベトナムに与えた。この博物館の見学を終えた後では、反米感が大きく心に残ること受け合いだった。ただ史実は史実としてしっかり勉強するために、今度ホーチミンに行く人が居たら、勧めてやろうと思った。ベトナム戦争証跡博物館 博物館・美術館・ギャラリー
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やや重たい気持ちで博物館を出た。すでに大方のホーチミン観光を終え、特に他に見たい観光スポットもなくなった我々は、早くも空港に向かう事にした。ただ飛行機の出発までは12時間も残っていたので、徒歩にて空港に向かってみることにした。距離にして12Km程だった。歩いて国際空港に行くなんて人生初めてだ。そんなこと出来るのだろうか?
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タクシーなんて幾らだって走っているのに、なぜか汗をダラダラかきながら、遠い空港を目指す日本人2人。
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ついに徒歩でタンソンニャット国際空港に到着した。出発時刻まではまだまだ腐るほどの時間があったので、2週間前にベトナムに到着した日、外が明るくなるまで時間を潰した喫茶店に入った。
タンソンニャット国際空港 (SGN) 空港
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スマホをいじったり、思い出話を語り合ったり、ただただ出発まで時間を潰した。初日とは違って、営業時間中の喫茶店では多くの人が食事をし、知らない言葉が飛び交っている。ぼーっとそれらを眺めていると不思議な気持ちに囚われた。
タンソンニャット国際空港 (SGN) 空港
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もうすぐ日本に帰り、卒業式に出席し、自由だった学生生活と決別し会社員になる。そんな近未来が嘘みたいに感じられるほど、この卒業旅行中はとっても自由でのんきで裕福な気持ちでいた。
タンソンニャット国際空港 (SGN) 空港
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それでも新しい生活に順応してしまうであろう自分が、とても悲しく思える。きっと四月になって社会人になって、折に触れこの旅を思い出すだろう。
タンソンニャット国際空港 (SGN) 空港
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