2020/05/10 - 2020/05/23
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j-ryuさん
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☆福島県と茨城県の県境に聳える八溝山を水源とする
久慈川の源流域に麗しき野の花を見に行ってきました。
久慈川は福島県側の八溝山(1022m)を源流として
茨城県北部を南下し日立市と東海村の堺で太平洋に注ぐ1級河川です。
八溝山の標高は知れたものですが茨城県では一番高い山で
その広い山麓はまだまだ手付かずの深い森が残る自然の宝庫です。
植生は北限植物と南限植物の境界になっている種が多く
貴重な植物をたくさん見ることができます。
ただ久慈川源流を沿うように走る八溝林道は昨年の台風19号を始め
度重なる豪雨被害で通行止めになっているので車では源流までは入ることが出来ません。
徒歩で向かうのは大変ですが
だからこそ原始の美しい自然が残っているのだと思います。
観光地ではありませんが山野草好きには憧れのサンクチュアリーです。
新型コロナウィルス感染症の緊急事態宣言が
ようやく全国的に解除されましたが
まだまだ油断することなくみんなで力を合わせ
一日でも早く終息するよう頑張りましょう。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
PR
-
☆久慈川源流域 Map (※Google Earthに加筆)
今回は棚倉町大梅から茨城県に抜ける八溝林道に入り途中まで行きましたが
砂防ダム辺りから先は昨年の台風19号被害の復旧工事の為に通行止めになっています。
その先は徒歩で向かいますが工事現場手前までしか行けませんので
ご注意下さい。 -
☆矢祭町 吉野平の不動滝 (2018年7月撮影)
久慈川源流域は山野草は豊富ですが一般観光客が訪れるような
観光名所はありません。
あるのは大自然だけ。
そんな中で久慈川の支流、茗荷川には大きな穴から流れ落ちるような
吉野平の不動滝があり、大きな滝ではないのですが
その形状がとてもユニークなので遠くからも滝マニアが訪れます。 -
☆矢祭町 吉野平の不動滝 (2018年7月撮影)
大きな穴から流れ落ちるように見えますが
実際はU字型の穴なので上部はふさがっていません。
なのでいかにも大穴から流れ落ちるかのように撮るのが
マニアのテクニックです。
完全な穴ではありませんがとても神秘的な滝です。 -
☆久慈川源流三階滝
福島&茨城県境周辺は袋田の滝をはじめたくさんの
滝や渓谷があります。
でもなぜか久慈川源流周辺だけは滝らしい滝が殆どありません。
そんな中で久慈川に流れ落ちるのが三階滝です。 -
☆久慈川源流三階滝
久慈川から見えるのは下の部分だけで
その上にもう2段あり、細い滝ながら落差は15mくらいあります。 -
☆久慈川源流のヤマブキソウ(山吹草/ケシ科クサノオウ属)
久慈川源流は多種多様な山野草が見られますが
この時期はなんと言っても透き通るような黄色が美しい
ヤマブキソウです。 -
☆久慈川源流のヤマブキソウ(山吹草/ケシ科クサノオウ属)
ヤマブキソウ(山吹草)は名前こそヤマブキと付きますが
落葉低木バラ科のヤマブキ(山吹)とは全く別物です。
花はそっくりですがヤマブキは5弁花ですが
ヤマブキソウはケシ科クサノオウ属の宿根草で4弁花。
草丈20~30cm、花径は4cmほどとヤマブキの2倍もあります。
遠目で花は似ていても近づいてみれば低木と草なので間違うとはないと思います。 -
☆久慈川源流のヤマブキソウ(山吹草/ケシ科クサノオウ属)
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☆久慈川源流のヤマブキソウ(山吹草/ケシ科クサノオウ属)
ヤマブキソウは本州、四国、九州に分布し、山野のやや湿った林縁や樹林下に
自生します。 -
☆久慈川源流のヤマブキソウ(山吹草/ケシ科クサノオウ属)
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☆久慈川源流のヤマブキソウ(山吹草/ケシ科クサノオウ属)
久慈川源流のヤマブキソウは大きな群生は見られませんが
あちこちに小さくまとまって自生しています。 -
☆ヤマブキ(山吹/バラ科ヤマブキ属) (4/25撮影)
こちらがヤマブキソウの名前の由来となったヤマブキ(山吹/バラ科ヤマブキ属)。
ヤマブキソウ(山吹草)は名前こそヤマブキと付きますが
落葉低木バラ科のヤマブキとは全く別物です。 -
☆ヤマブキ(山吹/バラ科ヤマブキ属) (4/25撮影)
ヤマブキは5弁花ですがヤマブキソウはケシ科クサノオウ属の宿根草で4弁花。
草丈20~30cm、花径は4cmほどとヤマブキの2倍もあります。
遠目で花は似ていても近づいてみれば低木と草なので;
間違うとはないと思います。 -
☆ヤマブキ(山吹/バラ科ヤマブキ属) (4/25撮影)
-
☆ヤマブキ(山吹/バラ科ヤマブキ属) (4/25撮影)
山吹と言えば太田道灌にまつわる『山吹伝説』が有名ですよね。
山吹伝説道灌が父を尋ねて越生の地に来た。
突然のにわか雨に遭い農家で蓑を借りようと立ち寄った。
その時、娘が出てきて一輪の山吹の花を差し出した。
道灌は、蓑を借りようとしたのに花を出され内心腹立たしかった。
後でこの話を家臣にしたところ、それは後拾遺和歌集の
「七重八重花は咲けども山吹の実の一つだになきぞ悲しき」の
兼明親王の歌に掛けて、山間の茅葺きの家であり貧しく
蓑(実の)ひとつ持ち合わせがないことを奥ゆかしく答えたのだと教わった。
古歌を知らなかった事を恥じて、それ以後道灌は歌道に励み、
歌人としても名高くなったという。豊島区高田の神田川に架かる面影橋の近くにも山吹の里の碑があり、1kmほど東へ行った新宿区内には山吹町の地名があり、伝説の地に比定されている。また、埼玉県越生町にも「山吹の里」と称する場所が存在し、この地が伝説の地であるという説もある。ただしいずれも真偽は不明。また、落語にこの故事をもとにした『道灌』という演目がある。
※Wikiより -
☆ヤマブキ(山吹/バラ科ヤマブキ属) (4/25撮影)
農家の娘はかりそめの姿で
実は名家の姫だったならともかく
たいした学もないであろう農家の娘が
後拾遺和歌集の兼明親王の歌を知っていて
遠まわしに山吹を差し出したとは俄に信じがたいが
あまり無粋な突っ込みは止めておきましょう(^_^;)。 -
☆ヤマブキ(山吹/バラ科ヤマブキ属) (4/25撮影)
-
☆シロヤマブキ(バラ科シロヤマブキ属)
ヤマブキつながりで我が家に咲いているシロヤマブキもご覧ください。
白いヤマブキといった印象ですがヤマブキとは別種です。
野性種は中国地方にわずかに自生しますが
園芸用として広く普及しています。 -
☆シロヤマブキ(バラ科シロヤマブキ属)
野生種はレアですが園芸用普及種はとても丈夫で手間いらずです。 -
☆シロヤマブキ(バラ科シロヤマブキ属)
野生種は数が少なく絶滅危惧種ですが
普及種は丈夫だし種がこぼれ芽が出て勝手に増えていきます。
なのにどうして野生種は数が少ないのだろう? -
☆シロヤマブキ(バラ科シロヤマブキ属)
「七重八重花は咲けども山吹の実の一つだになきぞ悲しき」は
ヤマブキは種が出来ないことを蓑が無いことに掛けた和歌ですが
ここで言う実の無いヤマブキとは八重のヤマブキのことで
野生の5弁花のヤマブキは種ができ自然に増えていきます。 -
☆クサノオウ(瘡の王/ケシ科クサノオウ属)(5/8撮影)
ヤマブキソウとヤマブキは良く似ていますが
植物学的には赤の他人です。
ヤマブキソウの親戚にはクサノオウがあります。
名前こそヤマブキの名は付きませんが
ヤマブキソウと最も近い花はクサノオウです。 -
☆クサノオウ(瘡の王/ケシ科クサノオウ属)(5/8撮影)
クサノオウ(瘡の王/ケシ科クサノオウ属)はその辺の野原でふつうに見られ
珍しい花ではありませんがとても可愛らしい花だと思います。
春~秋まで次々と咲く花期の長い野草で、
茎を折ると黄色い液が出、それが丹毒(急性の皮膚細菌感染症)に
効き目があるのでクサ(瘡=できもの)の王と呼ばれます。
花の大きさはヤマブキソウの1/4ほどですが
花はそっくりです。 -
☆クサノオウ(瘡の王/ケシ科クサノオウ属)(5/8撮影)
雑草扱いですが花は可愛いので
目の敵にされることは少なく
田園地帯や山間の道端でよく見かける花です。 -
☆久慈川源流のヤマブキソウ(山吹草/ケシ科クサノオウ属)
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☆久慈川源流のヤマブキソウ(山吹草/ケシ科クサノオウ属)
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☆久慈川源流のヤマブキソウ(山吹草/ケシ科クサノオウ属)
ヤマブキソウのハナビラはとても薄いので
光を良く通します。
こういうハナビラの薄い花は透過光を利用すると
透明感あるより美しい花に撮ることができます。 -
☆久慈川源流のヤマブキソウ(山吹草/ケシ科クサノオウ属)
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☆久慈川源流のヤマブキソウ(山吹草/ケシ科クサノオウ属)
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☆久慈川源流のヤマブキソウ(山吹草/ケシ科クサノオウ属)
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☆久慈川源流のヤマブキソウ(山吹草/ケシ科クサノオウ属)
ヤマブキソウとヤマブキは赤の他人で
ヤマブキソウとクサノオウは親戚
ヤマブキソウにはちゃんと兄弟姉妹もいます。
セリバヤマブキソウ(芹葉山吹草)は葉っぱに深い切れ込みがあり
ホソバヤマブキソウ(細葉山吹草)は名前通り細身の葉です。
でもどちらも花は普通のヤマブキソウと全く同じです。 -
☆ヤマブキソウのレッドデータ (日本レッドデータ検索より)
赤紫(絶滅危惧種1類)
オレンジ(絶滅危惧種2類)
黄色(準絶滅危惧種)
黄緑(その他)
白は指定無しor自生の報告例無し
自生地は本州宮城以南、四国、九州なので
ほとんどの都府県で指定されています。 -
☆久慈川源流のヤマブキソウ(山吹草/ケシ科クサノオウ属)
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☆久慈川源流のヤマブキソウ(山吹草/ケシ科クサノオウ属)
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☆久慈川源流のヤマブキソウ(山吹草/ケシ科クサノオウ属)
日本でも有数の群生地である白河市の天狗山へは
久慈川源流から2つの尾根を越え、車で40分ほど離れていますが
地図上での直線距離は7kmくらいしか離れていません。
動植物にとって7kmなどお隣同士くらいの近さでしょう。
植物学的植生からすればみな八溝山塊に入るので
植生が似ていて当然かも。 -
☆久慈川源流のヤマブキソウ(山吹草/ケシ科クサノオウ属)
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☆久慈川源流のヤマブキソウ(山吹草/ケシ科クサノオウ属)
ヤマブキソウの実(種)には蟻を誘引する物質エライオソーム(オレイン酸などの脂肪酸やグルタミン酸などのアミノ酸、ショ糖などの糖)を含んだ付属体があり、
蟻はエライオーソム付きの種をせっせと巣に運び、
エライソーソムだけを食べ実際の種は巣の中のゴミ捨て場に捨てたり
巣の外に放り出します。
その種が条件の良い場所だと発芽する仕組みです。 -
☆久慈川源流のヤマブキソウ(山吹草/ケシ科クサノオウ属)
つまり種は発芽能力を失うことなく、花が咲いていた場所より
遠くに運ばれることになります。
蟻にとっても、栄養あるエライオソームを獲得できるので、
双方が利益を得ることになり、蟻とヤマブキソウは双利共生の関係にあリ
このような手段で、種を遠くに散布する植物をアリ散布植物と呼びます。
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☆久慈川源流のヤマブキソウ(山吹草/ケシ科クサノオウ属)
日本におけるアリ散布植物としては、スミレ属、イチリンソウ属、
フクジュソウ属、ミスミソウ属、キケマン属、クサノオウ属、
エンレイソウ属、カタクリ属などに200種類くらいはあると言われています
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☆久慈川源流のヤマブキソウ(山吹草/ケシ科クサノオウ属)
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☆久慈川源流のヤマブキソウ(山吹草/ケシ科クサノオウ属)
ヤマブキソウは文献の多くがクサノオウ属としていますが
ヤマブキソウ属とする文献もあります。 -
☆久慈川源流のヤマブキソウ(山吹草/ケシ科クサノオウ属)
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☆久慈川源流のヤマブキソウ(山吹草/ケシ科クサノオウ属)
ヤマブキソウのハナビラはハナビラの裏より表の方が
少し光沢があるので陽射しを浴びているヤマブキソウを
真正面から撮ると光が強過ぎてハレーションが起きやすくなります。 -
☆久慈川源流のヤマブキソウ(山吹草/ケシ科クサノオウ属)
ハナビラの裏側から透過光を利用して撮った方が
ハレーションが起きにくく透明感ある花が撮れます。 -
☆久慈川源流のヤマブキソウ(山吹草/ケシ科クサノオウ属)
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☆久慈川源流のヤマブキソウ(山吹草/ケシ科クサノオウ属)
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☆久慈川源流のクルマバソウ(車葉草/アカネ科クルマバソウ属)
久慈川源流ではクルマバソウも見頃になっていました。
草丈は20~25cmほど、
葉っぱが車輪状なので見たまんま車葉草と呼ばれます。
全国に分布しますが北海道以外は山地のやや湿った林内に群生します。 -
☆久慈川源流のクルマバソウ(車葉草/アカネ科クルマバソウ属)
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☆久慈川源流のクルマバソウ(車葉草/アカネ科クルマバソウ属)
クルマバソウ属の仲間にはオククルマムグラやキヌタソウ、ヤエムグラ、
カワラマツバ、クルマムグラ、ホソバヨツムグラなど良く似た花があります。
どの花もかなり小さいのですがクルマバソウはその中でも一番大きな花です。 -
☆オククルマムグラ(奥車葎/アカネ科ヤエムグラ属)
自生地がかぶり良く似ているのがオククルマムグラです。
全国に分布し山あいの湿り気のある山林内や渓流沿いなどに自生し
草丈は15~25cm、輪生する葉っぱは6枚,下部は8枚、
十字型の白い小花の花径は2.5mm、
茎や葉にとげ状の毛があります。
ムグラ(葎)とは、密生し藪をつくる草のことだそうで
その通り渓流沿いのあちこちで群生しています。
でもクルマバソウと決定的に違うのは
クルマバソウの花は朝顔のようなロート型ですが
オククルマムグラは平たい星型です。
葉っぱも
クルマバソウは放射状に8枚で葉の表面に毛は生えていません。
オククルマムグラの葉も放射状ですが6枚で
葉の表面には細かい毛が密に生えています。 -
☆久慈川源流のクルマバソウ(車葉草/アカネ科クルマバソウ属)
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☆久慈川源流のクルマバソウ(車葉草/アカネ科クルマバソウ属)
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☆久慈川源流のクルマバソウ(車葉草/アカネ科クルマバソウ属)
クルマバソウの花はとても小さく
この大きさがほぼ等身大です。 -
☆久慈川源流のクルマバソウ(車葉草/アカネ科クルマバソウ属)
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☆久慈川源流のクルマバソウ(車葉草/アカネ科クルマバソウ属)
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☆久慈川源流のクルマバソウ(車葉草/アカネ科クルマバソウ属)
クルマバソウは山間部に行けばそう珍しい花ではありませんが
単独でこれだけ密に群生するのは稀です。 -
☆久慈川源流のクルマバソウ(車葉草/アカネ科クルマバソウ属)
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☆久慈川源流のクルマバソウ(車葉草/アカネ科クルマバソウ属)
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☆久慈川源流のクルマバソウ(車葉草/アカネ科クルマバソウ属)
クルマバソウの葉っぱに甘い香りの芳香成分であるクマリンが含まれ
ヨーロッパでは葉を乾燥させてワインやビールの香り付けに利用したり
衣類の防虫に使うそうです。 -
☆久慈川源流のクルマバソウ(車葉草/アカネ科クルマバソウ属)
クマリンの匂いなど知らないと思うかもしれませんが、実は桜餅のあの香りです。
桜の葉(特に八重桜)にクマリンが多く含まれていて乾燥させたり塩漬けにするとあの独特の甘い桜の香りがします。 -
☆久慈川源流のクルマバソウ(車葉草/アカネ科クルマバソウ属)
つまり我々が一般的に桜の香りだと思っているのは
クマリンの匂いで桜の花じたいは生ではあまり香りはしません。 -
☆久慈川源流のクルマバソウ(車葉草/アカネ科クルマバソウ属)
以前、私も試しにクルマバソウの葉を少し採ってきて乾燥させ匂いを嗅いだら正に
桜餅のような甘く美味しそうな香りがしました。
ちなみにクルマバソウは宿根草なので少々刈り取っても
来年また芽吹くので大丈夫です。 -
☆久慈川源流のクルマバソウ(車葉草/アカネ科クルマバソウ属)
クルマバソウの花はほんのり甘く優しい香りがしますが、
控えめな香りなので鼻を近づけないと気が付かないかも。 -
☆☆コンロンソウ(崑崙草/アブラナ科タネツケバナ属)
ヤマブキソウ咲く久慈川源流沿いではコンロンソウも見頃を迎えていました。 -
☆コンロンソウ(崑崙草/アブラナ科タネツケバナ属)
崑崙草だなんて中国的な名前ですが
日本各地の山あいのやや湿った場所に自生します。
草丈は40~50cm、菜の花を白くした感じですが葉っぱは全然似ていません。
群生すると真っ白く見えるので中国の崑崙山に積もる雪をイメ-ジして
名づけられたそうです。 -
☆コンロンソウ(崑崙草/アブラナ科タネツケバナ属)
でも、日本原産の花なのになぜ中国の山、それも崑崙なんでしょう?
雪山なら日本の大雪山でも立山でもいいような気がしますが・・・・(^^ゞ。 -
☆コンロンソウ(崑崙草/アブラナ科タネツケバナ属)
コンロンソウの背後で咲いている花はヤマブキソウ。
コンロンソウだけだと清楚であり渋めですが
黄色いヤマブキソウがあると春らしい色どりになります。 -
☆コンロンソウ(崑崙草/アブラナ科タネツケバナ属)
コンロンソウは菜の花を白くしたような印象ですが
葉っぱは全然似ていません。
コンロンソウの葉は規則的に大きく切れ込み葉縁にギザギザがありますが
菜の花は切り込みやも葉縁にギザギザはありません。 -
☆コンロンソウ(崑崙草/アブラナ科タネツケバナ属)
種類が違うのに同じ場所に咲くってことは
似たような環境を好むと言うことなので
片方が見つかればもう片方も見つかる可能性があります。 -
☆コンロンソウ(崑崙草/アブラナ科タネツケバナ属)
でも現実的にはヤマブキソウよりコンロンソウの方が広範囲で見られます。 -
☆ナノハナ(菜の花/アブラナ科アブラナ属)
コンロンソウもアブラナ科なので菜の花と花自体は良く似ています。
でも菜の花はアブラナ科アブラナ属の花の総称です。
特にアブラナまたはセイヨウアブラナとも呼ばれます。
また、蕾、茎、葉、花などを食すものが多く菜花とも呼ばれます。
ナタネ、カブ、ハクサイ、キャベツ、ブロッコリー、カラシナ、
チンゲンサイ、ザーサイなどが菜花として食されます。 -
☆ナノハナ(菜の花/アブラナ科アブラナ属)
菜の花の種からは油をとったり、
西洋カラシナのようにマスタードの原料になったりします。
コンロンロンソウも花は似ていても当地では山菜として食べる習慣はありません。
モンシロチョウなどの幼虫はアブラナ科を食草としますが
コンロンソウにはウスバシロチョウの幼虫が葉を食べつくすことがあります。
ウスバシロチョウの幼虫は真っ黒なので増殖すると不気味です(--〆)。 -
☆ユキザサ(雪笹/ユリ科ユキザサ属)
久慈川源流沿いの木漏れ日射す林床では
ユキザサ(雪笹/ユリ科ユキザサ属)も見頃でした。 -
☆ユキザサ(雪笹/ユリ科ユキザサ属)
ユキザサは日本全国の里山~深山の木漏れ日が差すような林床に自生し
あまりま大きな群生はせず疎らにまとまって生えています。
葉っぱを笹に小花を雪に見立てた風情ある名前です。
清楚で香りもいいんですよ(^^♪。 -
☆ユキザサ(雪笹/ユリ科ユキザサ属)
別名、小豆菜とも呼ばれ山菜として食べるそうです。
当地では食べる習慣は無いし、山菜で食べるほど大量には自生していません。
茹でると小豆のような香りがするので小豆菜と言うそうです。 -
☆ユキザサ(雪笹/ユリ科ユキザサ属)
-
☆ユキザサ(雪笹/ユリ科ユキザサ属)
-
☆ユキザサ(雪笹/ユリ科ユキザサ属)の実
ユキザサは秋には真っ赤な実を付けます。
春の白い花とは対照的な美しさですね。
芽出しの頃は山菜になりますが
赤い実は美味しそうに見えるものの人間には有毒という記述がありました。
そう書かれるとさすがに賎しい私も味見する勇気はないです(^_^);。 -
☆久慈川源流域の野の花
今回訪れて見られた主な野の花は上記ですが
春から秋まで様々な花が見られます。
さすがに1度の訪問では無理なので
以前撮ったものを少し紹介します。
左上から右に(花期は順不同)
◎ミミガタテンナンショウ◎フジカンゾウ◎コアジサイ◎オタカラコウ
◎白花ツリフネソウ◎フタバアオイ◎クワガタソウ◎サワギク
◎ササバエンゴサク◎ジュウニヒトエ◎ヒゲネワチガイソウ◎ハナネコノメ
◎ミゾホウズキ◎ニリンソウ◎タニギキョウ◎エイザンスミレ -
☆オオヤマフスマ&ホタルカズラ
久慈川源流の野々花たちは上記でお仕舞い。
ここから下は町内郊外の里山に隣接する草地で
見頃になったオオヤマフスマとホタルカズラを紹介します。 -
☆オオヤマフスマ&ホタルカズラ
白い花がオオヤマフスマ
オオヤマフスマ(大山衾/ナデシコ科オオヤマフスマ属)は日本各地の
主に山地の林縁などで見られますが、
ここでは何故かは里山に隣接した田んぼ脇の土手に群生しています。
花の大きさは8mmほど、草丈は20cm、茎の太さはは1mmもなく
今にも折れそうですがお互いに寄り添い立っています。
華奢とはいえ“柳に雪折れなし”と同じであんがい丈夫です。 -
☆オオヤマフスマ(大山衾/ナデシコ科オオヤマフスマ属)
フスマとは昔の寝具のことだそうですが
この花のどこが寝具なのでしょうね?。
大山は様々な説がありはっきりしません。
別名はヒメタガソデソウ(姫誰袖草)。
なんかこっちの方が由緒ありそう(^^♪。 -
☆オオヤマフスマ&ホタルカズラ
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☆オオヤマフスマ&ホタルカズラ
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☆オオヤマフスマ(大山衾/ナデシコ科オオヤマフスマ属)
茎は0.2mmほどしかなくとても弱弱しく見えます。
でもお互いに支え合ったり他の植物に寄りかかったりしながら立っています。
他人任せの運命のようですが『柳に雪折れなし』のことわざのごとく
しなやかで、強風で折れることもないし、つぶされてもすぐ復活します。 -
☆ホタルカズラ(蛍蔓/ムラサキ科ムラサキ属)
オオヤマフスマと仲良く共演しているのはホタルカズラ(蛍蔓/ムラサキ科ムラサキ属)。
ホタルカズラは日本各地の明るい山林に自生しますが、
数はあまり多くないようです。
佐賀では絶滅し、東京、石川、愛知、宮崎、長崎では絶滅危惧種1類、
他多くの県で絶滅危惧種2類に指定されています。
町内では3ヶ所ほど確認していますが
あまり標高の高い山や深山ではなぜか見かけません。 -
☆ホタルカズラ(蛍蔓/ムラサキ科ムラサキ属)
ホタルカズラはルリソウ(ムラサキ科ルリソウ属)と
同じように咲きかけや蕾はピンクや薄紫色ですが
時間とともに目の覚めるようなコバルトブルーに変化していきます。
でもピンク色や薄紫なのは半日ほどです。 -
☆ホタルカズラ(蛍蔓/ムラサキ科ムラサキ属)
蔓(かずら)とは蔓(つる)のことで
ホタルカズラは花後にランナー(匍匐茎)が伸びてきて子株ができ
地を這うように増えていきます。
このランナーを蔓(つる)とみなし青紫の星のような花を蛍の光にみたてた命名です。 -
☆ホタルカズラ(蛍蔓/ムラサキ科ムラサキ属)
園芸センターでよく似た花のミヤマホタルカズラが売られていています。
いかにも山奥の山野草っぽい名前ですがそれは欧州原産の園芸種です。
日本のホタルカズラは園芸種に勝るとも劣らないとても美しい山野草です。 -
☆ホタルカズラ(蛍蔓/ムラサキ科ムラサキ属)
花は合弁花なので花ごと散れます。 -
☆ホタルカズラ(蛍蔓/ムラサキ科ムラサキ属)
-
☆オオヤマフスマ(大山衾/ナデシコ科オオヤマフスマ属)
オオヤマフスマは標高500mくらいの山で見ますが
これほど密に群生するのは見たことがありません。
なせここでこれほど密に群生するかは謎です。 -
☆オオヤマフスマ&ホタルカズラ
里地ではオオヤマフスマよりホタルカズラの方が多く
目にします。
どちらもやや乾いた明るい草地を好みます。
藪になると生きていけないので適度に下刈りされる草地が理想的環境です。 -
☆オオヤマフスマ(大山衾/ナデシコ科オオヤマフスマ属)
単体では華やかな花とは言い難いですが
群生すると清楚でありながらとても見栄えがします。 -
☆オオヤマフスマ(大山衾/ナデシコ科オオヤマフスマ属)
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☆オオヤマフスマ&ホタルカズラ
オオヤマフスマもホタルカズラもほとんど自立できず
他の植物によりかかるように生えています。
ここではお互いに支えあうことができるので
混生しながら共生できるのかも。 -
☆オオヤマフスマ&ホタルカズラ
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☆オオヤマフスマ&ホタルカズラ
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☆オオヤマフスマ&ホタルカズラ
これだけ密に群生すると土元は暗く
他の植物が芽生えにくくなり
増々オオヤマフスマ&ホタルカズラが密になります。
2種とも元々は横に広がる性質ですが
密になるとお互い支え合いながら上へ上へと伸びてきます。 -
☆オオヤマフスマ&ホタルカズラ
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☆オオヤマフスマ&ホタルカズラ
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☆オオヤマフスマ&ホタルカズラ
2種とも宿根草なので下刈りされたとしても
株じたいは生きているので他の植物よりいち早く復活できます。
群生するには様々な条件が必要ですが
一度群生すると見かけ以上に強く生きられるようです。 -
☆オオヤマフスマ(大山衾/ナデシコ科オオヤマフスマ属)
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☆クロアゲハ&オオヤマフスマ&ホタルカズラ
オオヤマフスマ&ホタルカズラの草むらにクロアゲハがじっとしていました。
あまり動かないし、翅に傷がなくキレイなので羽化したばかりかも。 -
☆クロアゲハ&オオヤマフスマ&ホタルカズラ
近づけば逃げますが少し移動するだけなので
まだ翅が乾ききっていないのかな。 -
☆クロアゲハ&オオヤマフスマ&ホタルカズラ
クロアゲハの幼虫の食草はミカン科の葉です。
当地の里山でミカン科は山椒の木くらいです。 -
☆クロアゲハ&オオヤマフスマ&ホタルカズラ
山椒の木がミカンの仲間??
山椒は北海道中南部~九州)、朝鮮半島南部及び中国を原産とする
ミカン科サンショウ属の落葉低木です。
「椒」は小さくて辛い実の意味です。
山椒のまだ若い青い実を観察すると
ミカンと良く姿をしています。 -
☆クロアゲハ&オオヤマフスマ&ホタルカズラ
元気な成蝶はすぐ飛び立つので撮影が難しいですが
羽化したばかりの蝶はあまり動かないので
素人の私でも楽に撮ることができます。 -
☆クロアゲハ&オオヤマフスマ&ホタルカズラ
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☆ナミアゲハ
クロアゲハがいた草地そばの雑木林の林床には
ナミアゲハが休んでいました。
これも羽化したばかりなのかも。
ナミアゲはアゲハともアゲハチョウとも呼び
北海道から南西諸島まで全国に分布し、日本以外にも台湾、中国、朝鮮半島に生息します。
アゲハチョウの仲間の幼虫の食草はミカン科の葉ですが
当地の里山でミカン科は山椒の木しかありません。 -
☆オオヤマフスマ&ホタルカズラ
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☆オオヤマフスマ&ホタルカズラ
花の名前は万葉集に出てくるような花以外は
明治期以降に名付けらたもの多いです。
その名付け親は日本植物学の父と呼ばれる牧野富太郎が有名で
名付けられた植物数も圧倒的に多いのですが
オオヤマフスマは田中芳男男爵だそうす。
田中芳男男爵は幕末から明治期に活躍した博物学者、物産学者、農学者、園芸学者で、明治期に動物園、植物園を構想し、上野で実現。「
博物館」という名称を生み出し、殖産興業の指導に尽力、基礎博物学の啓蒙に努めた人だそうですが、今回調べていて初めて知りました(^^;)。 -
☆オオヤマフスマ&ホタルカズラ
これで◆久慈川源流の楚々とした花たちはお仕舞いです。
いつも最後までご覧下さりありがとうございます。
そして『いいね』もありがとうございます。
5/25に新型コロナウィルス感染症の緊急事態宣言が
ようやく全国的に解除されました。
一安心な面も少しはありますがけして安全宣言では無いし
ましてや新型コロナウィルスはまだ存在し、
いつまたどこで感染爆発が起きるか分かりません。
ここで完全に気を緩めることなく
個々ができる対策は十分に実行し
一日でも早くみんなが自由に旅行ができるよう
お互い努力したいですね。
ではまた。 j-ryu
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