2013/03/07 - 2013/03/07
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Yoheiさん
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「またどこか海外旅行したいなぁ~。」独り言の様に呟いた私の提案に、同級生が乗ってきた。彼は仕事が早くて、仕事の要領も良く、そ れでいて面倒見の良い3拍子揃った珍しい奴だった。高専生は中学を卒業してから5年(専攻科生は7年も)同じ学校に通っている為、外に目を向ける意識が非常に低い。他の学生とも触れ合う機会が少なく、完全に「井の中の蛙大海を知らず状態」にあると言える。しかも理科と算数の得意な人間が自然と集まる為、相対的に語学への関心が薄く、高専5年生ですら高校1年生レベルの英語の授業を受けている。英語の授業は英語のテストの為だけに受講しているので、テストが終わってしまったら構文も単語も全て忘れてしまう。そんな高専に居ながら、彼が私のこの話に乗ってきた事は正に「渡りに船」だった。
お互いのシンポジウム、学会、バイトの都合をすり合わせ、旅行期間は3月、最後のテストが終わり卒業式までの2週間になった。行き先については格安中華系航空会社の多く就航するアジア、そして私の「陸で国境を超えてみた い」と言う希望を優先して貰い、ベトナム~カンボジア~タイ~マレーシア~シンガポールを陸で移動する事で話が纏まった。
その後詳細調査を進めていった。カンボジアビザの取得方法、それぞれの国の入国手段等、お互い限られた時間であったが、要領よく旅の大枠を決めていった。卒業に必要なあらゆる成果品、論文、書類を提出し終え、翌2013年3 月5日に我々はホーチミンへ出発した。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 4.5
- 交通
- 4.5
- 同行者
- 友人
- 一人あたり費用
- 10万円 - 15万円
- 交通手段
- タクシー 徒歩
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10時間以上も眠ったおかげで、私の体は完全に充電完了だった。朝8時前にホテルを出発してプノンペン観光へ向かうことに。ホテル正面の通りには、ここに宿泊する外国人を餌にするトゥクトゥクのドライバーが詰めており、昨日から彼らの必死の勧誘を受け続けていたのだが、今日は王宮周辺まで乗せて貰うことにした。夜もずっとホテル前に詰めている彼らは、私が外の写真を撮ろうとバルコニーに出現するのを確認するや否や、「トゥクトゥク!?」と声をかけてくるほど商売熱心だった。
キャピトル ゲスト ハウス ホテル
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朝のプノンペンの交通渋滞はすさまじい。道路が殆ど車両で埋め尽くされている。完全に道路のキャパシティをオーバーしていて、あらゆる交差点で滞留が発生している。それでも絶妙なバランスで、自動車、バイク、自転車が交差点を流れてゆく。
メコン川のほとりにある王宮に到着する。王宮周辺には国立博物館もあり、タクシーを降りた場所が博物館に近かった為、まずは博物館を覗いてみることにした。博物館内部は、カンボジア各地から出土したという石像や美術品が展示されていた。博物館の外観は、カンボジアの元となった昔の王朝であるクメール様式であることが分かり、真っ赤なことを除いてはタイの王宮にそっくりであった。ヒンズー教と仏教が融合した様式こそ、クメール様式である。プノンペン国立博物館 博物館・美術館・ギャラリー
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手入れの行き届いた博物館の中庭。
プノンペン国立博物館 博物館・美術館・ギャラリー
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博物館を後にして隣にある王宮へ向かう。2人で5000リエル(12.5米ドル)支払う。こちらもやはりクメール様式の外観である。朝から炎天下の下を歩き続けているため、汗がどんどん排出されてゆく。冷たいコーラが最高にうまい。王宮は観光地であると同時に現国王の住居にもなっており、1866年ウドンからプノンペンへの遷都に伴い、この場所に建設された。
王宮 (プノンペン) 城・宮殿
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カンボジア王宮も、タイの王宮の様なデザイン。
王宮 (プノンペン) 城・宮殿
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王宮の庭に飾られていたミニアンコールワット。
王宮 (プノンペン) 城・宮殿
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王宮見学を終え、トンレサップ湖沿いを歩く。この辺りは、外国人が多く滞在するという比較的高級なホテルが集まる。明らかに我々が滞在している安宿街とは雰囲気の異なる。欧米人がオープンテラスでゆっくりしている様子が見える。その中の一軒、Mekong Riverというレストランで昼食をとる。
トンレサップ川 滝・河川・湖
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川沿いには、桜のような花が咲いている並木道があった。
トンレサップ川 滝・河川・湖
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カンボジア料理とは何なのか?地球の歩き方によると、魚と米が主食という。とりあえず注文したのは、サバの塩焼きと温野菜の盛り合わせ、そして白身魚の入ったチャーハン。サバは身がぷりぷりで旨かった。
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今日もとにかく暑い。昨晩干した洗濯物も、起きた朝にはカラッカラだったし、今日の予想最高気温は35℃らしい。更にトンレサップ湖沿いを歩き、ポストカードを日本に郵送したいという友人と共に、プノンペン中央郵便局へ向かった。
プノンペン中央郵便局 建造物
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プノンペン中央郵便局は、フランスの植民地時代に作られたコロラド式の豪華な建物で観光名所になっている。郵便局内はよくクーラーが効いていて、暫く滞在して涼んでいた。
郵便局から少し離れたロータリーの真ん中に、緑に囲まれた丘がある。カンボジアの首都「プノンペン」という地名は、ペン婦人の丘(プノン)という言葉に由来しており、この場所がプノンペンの由来になった丘であるという。丘の上に立っている寺(ワット)がワットプノンである。多くの現地人が木陰で休憩している姿は、のんびりしていて気持ちよさそうだった。ワットプノン 寺院・教会
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丘の上には市内でも最古の部類に入るワットプノンという寺院があり、ペン夫人の像がある。線香の匂いが漂い参拝客が絶えない。お供え物の中には、化粧品や香水などが多かった。
ワットプノン 寺院・教会
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プノンペン発展のシンボル的存在、近代的な超高層ビルを右手に見ながらセントラルマーケットを目指す。歩き方によれば、ここにはコオロギやクモの唐揚げが売られているらしく、おっかないながらそれを見てみようと思った。
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セントラルマーケットは、中央に巨大なドームを構える本館を中心にして、浅草の帝釈天の仲見世通りの様な屋台街が放射状に伸びている。ドームの中に入ると貴金属、時計、電化製品、衣類を中心に、沢山の店が軒を連ねており、商売熱心な店員たちに沢山声を掛けられた。
オルセー マーケット 市場
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セントラルマーケットの内部、ドーム屋根の中心部は貴金属を売る店が並ぶ。
オルセー マーケット 市場
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記念にと、カンボジアボールの代名詞「Angkorビール」のTシャツと、海外に行くと必ず買っているその国の観光名所をあしらったマグネットを購入した。放射線状に伸びる場外市場には、食品を売る店が並ぶ一角があり、新鮮な肉、魚、野菜があまりに無防備すぎるスタイルで売られていた。衛生的にどうなの!?
目的の虫の唐揚げを探しながら、イートインコーナーや、惣菜コーナーを歩くも、いくら探してもそれらの唐揚げはなかった。オルセー マーケット 市場
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魚もこの通り、豪快に店先に並べられる。
オルセー マーケット 市場
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将棋に近いゲームに昼間から興じるおじさんをよく見かけた。
オルセー マーケット 市場
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セントラルマーケットからトゥクトゥクを拾い、トゥールスレンへ行くことにした。トゥールスレンは、ポル・ポトが政権を握ったカンボジア内戦時代に行われた、知識人達の大虐殺の舞台になった場所である。トゥールスレンは元々学校で、それを改修して収容所にしたという。ポルポトが知識人達の大虐殺を始めてから2年9ヶ月の期間に14,000~20,000人が収容され、そのうち生還できたのはたったの8人という。想像できない。博物館まで我々を乗せてくれたトゥクトゥクのドライバーの兄ちゃんに、1時間くらいで戻ってくるから待っていてくれと告げ、中へ入った。
オルセー マーケット 市場
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収容所は見るからに学校そのもので、中にはいっても、黒板や、服をかける番号付きのフックなどが現在も尚残っていた。収容所はA~D棟に別れており、特別な囚人の収容所、木製の独房、レンガ造りの独房、雑居房となっている。展示の前には写真+英語とカンボジア語による解説が書かれているが、当時の不鮮明ながら生々しい白黒写真を見るだけで、収容所で行われていた残虐な拷問の様子は一目瞭然だった。床や壁に未だに血痕がこびり付いているのも見受けられた。
トゥールスレン虐殺博物館 博物館・美術館・ギャラリー
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収容所から生き延びた画家により描かれたというイラストの拷問の様子は恐ろしく、この世のものとは思えなかった。殺害された人々の頭蓋骨、剥ぎ取られた衣類が無造作に積み上げられている展示などもぞっとした
トゥールスレン虐殺博物館 博物館・美術館・ギャラリー
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我々が行った日は、偶然にも「沖縄カンボジア平和博物館展」的な催し物をやっていた。沖縄地上戦の紹介と、カンボジアと日本の協力関係について、パネルで解説されていた。思いもよらないところで日本と出会ってしまった感があったが、一般人が戦争の犠牲になったという点で共通しているのだ。
トゥールスレン虐殺博物館 博物館・美術館・ギャラリー
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ちょっと重たい気持ちになりつつ、トゥールスレンを後にする。1時間待たせていたトゥクトゥクのおっさんを見つけ、ホテルへ向かってもらう。ホテルの1階で、明日のシェムリアップ行きのバスのチケットを手配し、外が涼しくなるまで昼寝することにした。
キャピトル ゲスト ハウス ホテル
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17時30分になり、ホテル近くのオルセーマーケットを見に行くことにした。しかし市場の内部は、夕方ということで既に閉まっており、その外周にある場外市場の生鮮市場をうろつく。いかにも庶民の台所といった風情が醸し出される。狭い通りにはみ出さんばかりの食材たち。肉を切り落とす人、魚を捌く人、それらを買い求める主婦たち。これぞアジアと言う感じ、通りは活気に見ていた。少し歩く度に色々な匂いが鼻孔に入ってくる。
セントラルマーケット 市場
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オルセーマーケットの前は広場になっており、カンボジアンBBQを売る屋台が沢山出ている。お祭りのような雰囲気。焼き鳥やソーセージ焼き、焼きそばにビールを買い求め、ホクホクな我々も、簡易テーブルに座る。今日はビアガーデンだ。温い空気で汗びっしょりの中飲む冷たいビール、最高の気分だって。アジアの喧騒と活気を肌で感じながら、本当にこの日のビールは最高だった。ホテルへの帰りしな、もう一本ビールを買い、それはホテルの3階の踊り場から夜景を見ながら楽しもうということになった。踊り場から見る街の様子が、とっても綺麗で、夜景撮りにも挑戦したかった。
セントラルマーケット 市場
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しかしお目当ての踊り場には既に先客が居た。泥酔しているように見える欧米人の中年おじさん。「プノンペンはどう?」と尋ねるとロレツが回らないながら「プノンペンはうるさい。もう辟易している。」と寂しげにいった。オーストリアから来たという彼はこの先もまだ旅を続けるということだったので、乾杯し、お互いの旅の安全を祈願した。プノンペンは乾燥が激しく、常に砂埃が待っているような状態なのだが、洗濯物が夜のうちに乾いてくれるのが嬉しい。
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