野庭町(横浜市港南区)

2020/05/01 - 2020/05/08

　横浜市港南区野庭町は港南区では一番面積が広い。鎌倉郡永野村大字上野庭、大字下野庭から新設された町が野庭町であり、横浜市に編入された際のことだ。古くは上野庭村、下野庭村であった。昭和48年（1973年）に市住宅供給公社野庭団地の入居が始まり、以降巨大団地が形成された。この団地になった場所には2軒の家があったとあるが、その内の1軒は舞岡公園脇にあるバスロータリー近くに移転し、もう1軒は絶えてしまったという。
　旧上野庭村の中心部にも旧下野庭村の中心部にもバスさえも通ってはいない。横浜市内では稀有な区域である。ただし、かつての山林は団地になり、バスが通っている。上野庭に引っ越して来た人は団地に上ってバスに乗っているという。また、下野庭に住む人たちは市営地下鉄ブルーライン下永谷駅に歩いて向かうという。こうした理由であろうか、上野庭の馬洗川が流れる平地にはそれほどの住宅は建ってはいない。聞いた話では上野庭には市街化調整化区域が多いのだという。税金は安いが、家は建たないという訳だ。一方、下野庭は新しい令和になっても住宅が建ち続けている。その結果、上野庭はここが横浜かと誰もが思う山里であり、何と散歩する人たちが多いのであろうか。一方、下野庭では馬洗川が流れる辺りでは道路も昔のままではあるが、横横道路で分断されているにも関わらず、住宅地が近い。
　上野庭は馬洗川の源流部を流れる永谷平川沿いに中心部があり、下野庭は馬洗川の支流の永谷川沿いに中心部があり、山一つ隔てている。そのためであろうか、上野庭の人たちは宿場があって賑わった戸塚に出、下野庭の人たちは鎌倉街道に出たのだという。それ故、上野庭の中心部から出掛けても下野庭の中心部を通ることもなく、現在に至っても地元の人たちに聞いても、上野庭と下野庭との交流は少ないという。
　また、野庭町の子供たちが通う市立小学校は野庭すずかけ小学校、日限山小学校、日野南小学校、日野小学校、丸山台小学校、下野庭小学校、相武山小学校、吉原小学校と8校もある。こんなに通う小学校が違うのであれば、野庭町に住んでいるといっても学区が違えば交流もないのが実情であろう。60代の迎陽隧道近くの農家の人は鎌倉街道に出てバス通学で日野小学校に通ったと言っている。バスも通わない上野庭の中心地に住んでいてもトンネルを抜ければ世界が広がっているのだ。
　ではどこが上野庭と下野庭（上野庭村と下野庭村）の境界だったのか？旧野庭高校の辺りと言う地元民も多いが、下野庭の織茂家のご当主は戸塚からくる道（天谷（てんや））辺りと言う。上野庭の米寿になった浄念寺の住職の話では、「昔は天谷に5軒の家があり、その内の3軒は浄念寺の檀家で他の2軒は正應寺の檀家であった。」すなわち、現在の天谷大橋辺りに村堺があったのだろう。
（表紙写真は織茂邸）

エリア 戸塚・いずみ野・港南台(神奈川)

上野庭南の庚申塚。

迎陽隧道。

カフェこやぎに残る土蔵。野庭町ではこれ1棟だけのようだ。

「源流の森保存地区」。

臼居本家。

田園風景。里山には竹林。

浄念寺。

上野庭町内会館。

「上野庭町内会掲示板」。

野庭神社。

谷間の畑。

裏山には野庭団地。
日限団地から通っている道路の字西洗では老人ホームか何か建てるために測量中である。このように市が建てる施設には開発の許可が下りる。しかし、この丘には縄文遺跡がある場所だという。富士山が見え、神奈備になっていたのだろう。

庚申塚。

小川に鴨。

庚申塚。

ひまわり歩道橋。

馬洗川せせらぎ緑道。

畑の向こうの山裾に道路。

馬洗川せせらぎ緑道。

馬洗川せせらぎ緑道。

馬洗川せせらぎ緑道の東屋。

馬洗川。

天谷大橋。

馬洗川せせらぎ緑道の東屋。

馬洗川せせらぎ緑道の終点。

馬洗川。

馬洗川。

馬洗川。

馬洗川。

馬洗川。

馬洗川。

「下野庭町内会掲示板」。

馬洗川の段差。

馬洗川に架かる橋。

織茂邸の長屋門。

織茂邸の長屋と表門。

正應寺。永谷川に架かる正應寺橋。

福寿地蔵。

この旅行記へのコメント （2）

• コタ(Kota)１号さん 2020/05/10 01:06:04

  おおお、懐かしや...

  もうその土地を離れて40年ぐらい経ちますが、私は吉原小学校を出て、野庭中学校に通いました...懐かしくなり（子供の頃だったんで地元の知らないことばかりですが）、思わずキムル様の日記に、立ち止まってしまいました。コタ＠伯剌西爾

  ドクターキムルさん からの返信 2020/05/10 05:54:48

  RE: おおお、懐かしや...

  
  かつて住んだ土地は誰でも懐かしいものですが、日本の原風景を残す村の山里はその土地で暮らしたことがない人でも懐かしさを感じるものです。
  
  天気の良い日は農家の人たちが畑仕事をし、その横の道をリュックを背負って散策する人たちが通り過ぎる。そんな土地が残っているので、周辺の団地に住んでいる人たちが出掛けて来るのでしょうね。
  
  私もこの1週間に3度ほど徒歩で出掛けました。