2016/05/07 - 2016/05/07
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わになのかさん
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「Puppeが企画してる母の日イベントがあるんだって」
「Puppe?ってあのパン屋さんか。黄色の看板の」
「そうそう。NeussにPuppeのパン工場があるらしくてね。そこでケーキ作り教室みたいなのがあるらしいよ。」
「ほーん、なるほど。いや、ドイツ語でしょ。作り方とか、教えてもらってもわかるかなあ」
「ふむ。怖いのね。」
「怖いーーだと?」
「だって、なんか言い訳してるし?周りがドイツ人ばかりだからってびびってるってことよね。」
「くっ、そんなことねえよ。いいさ、やってやるよ!ただ、申し込みはちょっと予定を見てからーー」
「申し込みはしといたから。」
「え?」
「申し込み、しといた。5月7日。」
「ーーーえ?」
「あれー?びびってるの?」
「び、びびびびびってねえよ。ぜぜぜ、全然?」
「楽しみだなあ。母の日のケーキ。」
「は、ははは、母の日のケーキ、どんとこい!」
- 旅行の満足度
- 5.0
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Puppeと言えば、黄色の看板が目印。数あるパン屋のチェーン店の中でもメジャーどころだ。
まあ、我が家はWieler派で、Oehmeも捨てがたくて、時々Kampsと言ったところで、おいおい、Puppeにはそんなに行かないじゃないか、という話だが、メジャーどころには違いない。
そのPuppeが毎年、母の日の前に企画するイベント、ケーキ作りである。
デュッセルドルフの隣の市、ノイスの工場で行われる。こんなところに工場があったとは知らなかった。なるほど、ここからいつも焼き立てパンが出荷されてくるのか。そう考えると、明日の朝はPuppeでパンを買って出勤するかな?と思うのだから、このイベントにも意味があるのかもしれない。
ちなみにこのあたりにはHariboの工場もあった。工場地帯なのだな、このあたりは。
まず申し込みしたときにもらえる受付番号を見せて、照会してもらい、父娘で名札をつけてもらう。そしてパン屋さんの紙の帽子とエプロンを渡される。
「見て、パパ、いえい!パン屋さんだ!」
「おお、これはまた、テンション上がるな!一日パン屋さんだ!」
「パン屋さんだ!」
そのあとは促されるまま、工場に入る。申し込みの際に時間は決められている。30分置きに枠が設定されているようだが、現場に行けば、そんなことはお構いなし。とにかく来た人から入る。ドイツらしい。
入ると、まずは工場長(らしき、おっちゃん)の説明を聞く。子供たちに質問しながらレクチャーが行われる。質問をされると、子供たちは全員さっそうと手を挙げる。日本人とは違って、子供たちも全く物怖じしないのだ。子供のころからこの積極性。たたかれることを恐れて手を挙げない日本人とは全く違う。そりゃ、勝てないわなあ。おっさんはもう負けた気分だ。娘はと言えば、平然とその中にいる。流石だ、わが娘よ。もう教えることは何もない。 -
さて、父には何もわからなかったレクチャーを経て、子供たち一人一人にトレイが渡される。トレイにはスポンジ生地、ジャム、型抜きのための型がセットになっている。
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生地を型でハートに抜いた後は、ジャムを表面に塗って、、
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生地を重ねて、さらに違う味のジャムをまた塗って、もう一つ生地を重ねる。よーし、ケーキなんて作ったことのない父にも、ここまではフィーリングでできたよ。ん?余った生地。んー?食べていいんじゃないか?食べるか?よし食べよう。
ママがいないことをいいことに、二人でむしゃむしゃと食べる。
旨いな、これ。 -
3段重ねにした後は、どうやらチョコレートコーティングらしい(周りの雰囲気を察した)。見よう見まねで娘とともに、トレイを持ってチョコレートコーナーへ。
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イチオシ
チョココーティングコーナーでは、厳つい職人さんたちが待っていた。
無言で生地をつかむと、「そいやぁ!」とばかりに大きなボールからチョコレートをかける。おぉ、こんな豪快なケーキ作りはじめて見た。祭りじゃ、祭りじゃあ!とばかりにドバドバとチョコをかけて、「いっちょあがりだぁ!」とトレイに生地をドカッと返される。
職人さんたちの周りはチョコだらけだ。 -
でもできたケーキは売り物のようにコーティングされている。すげぇ。何もしてないけど、父と娘でケーキ作っちゃったよ?どうするどうする?と周りを見ると、次は飾りつけのようだ。
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トレイにはあらかじめ所定量のマジパンが支給されている。マジパンと言えば、日本ではクリスマスケーキの上に載ってるサンタさんとかを作ってる原料として有名だが、ヨーロッパではお菓子にふんだんに使われる。アーモンドと砂糖の練り物だ。これがまた美味しい。なんとなく杏のようなフルーティーな風味なのだ。
これで色んな形を作って、ケーキに飾り付ける。ほかにもアラザンなどのデコレーションがテーブルに合って、好きなだけ使って飾りつけを楽しめる。これは父娘ともに楽しかった。
かくして、仕上がったケーキを引き渡し、冷蔵庫にて寝かせる。引換券をもらって小一時間休憩だ。その間は、Puppeのパンが食べ放題という太っ腹。青空の下、簡易テーブルとベンチが並べられたスペースで、娘と今日の成果を語り合った。
こういったイベントがあるところがヨーロッパの素晴らしいところだと思う。周りを見ると、同じようにパパが子供たちを連れてきていて、わきあいあいとケーキ作りを楽しんでいる。日本でこんなイベントがあるだろうか?平日は仕事でへとへとに疲れて、土日は倒れこむか、もしくは土日すら仕事にでかけ、子供や家族との時間をないがしろにしていた日本にいたころを思い返した。それに比べて、ドイツのパパたちはなんと楽しげに子供たちと暮らしているのだろうか。ごめんな、娘よ。ここでは、きっとたくさん一緒に過ごせる時間をとるよ。
え?もっとパンを食べたい?ああ、いいさ。パパも食べたい。よし、食おう!じゃんじゃん食おう!
そして夕ごはんが食べられなくなって怒られたのは言うまでもない。
「素敵なケーキに免じて、今回は許すけど!」
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