今年の桜見－2020年

2020/04/02 - 2020/04/02

　昨年は体調不良で4月上旬から基本的には自宅で安静にしていた。したがって、昨年は多くの桜を見ることができなかった。それが、今年の桜見はと言えば、新型コロナウィルス感染拡大で外出自粛から緊急事態宣言になり、基本的には4月2日で終わった。
　今年の桜では、早咲き桜である春めき桜（かつては足柄桜と呼ばれていた）を知ったことであろう。また、大雄山最乗寺仁王門横にある枝垂れ桜の桜並木にも花見に行った。
　これを契機に全国の枝垂れ桜の桜並木もWebで調査してみた。福島県喜多方市にある日中線記念自転車歩行者道（お勧めができないが…）の他にも四国・徳島県美馬（みま）市にある4,000本あるとされる神山しだれ桜（旧名西郡神山町）が旧町内にある東西に走る国道や県道沿いを中心にした神山枝垂さくら街道（100本？3桁でなければ数が合わない）、ゆうかの里（300~350本）、神山森林公園 イルローザの森（15本？）に植えられているのだという。その枝垂れ桜の本数には驚く。しかし、旧町内の明王寺にある2本の枝垂れ桜はそれぞれ樹齢80年と60年であるというから、戦後になって移植した枝垂れ桜であろう。その後、「神山をしだれ桜で日本一美しい町にしよう」という20年以上に及ぶ一大プロジェクトが60代以降の数十人からなる地元NPO・神山さくら会によって枝垂れ桜の移植が始まった。その後、平成17年（2005年）に脇町・美馬町・穴吹町・木屋平村が合併し美馬市となった。人口3万人程度の市である。旧神山町の人口は4,800人弱であるから町内に植えられた枝垂れ桜の多さには驚く。あの秋田・角館の町内に植えられている枝垂れ桜の本数が400本、京都・平安神宮の枝垂れ桜が150本、中継（新潟県村上市）の枝垂れ桜が100本、京都・半木（はんらぎ）の道の枝垂れ桜の本数が70本とされるから全国的に見ても驚くべき本数である。国内で枝垂れ桜の名所として知られる上記以外では枝垂れ桜の本数が50本以下（、10~30本程度）しか植えられていないであろうか。また、それが染井吉野や良くある河津桜などの早咲き桜ではなく、開花まで年数が掛かるが樹の寿命が長い実生（みしょう）の枝垂れ桜（、写真を見ると紅枝垂れ桜が多いようだ）を植えて「日本一美しい町」を目指したということだ。常識的には自分の代ではなく、子や孫の代にならないと実現できない事業であるが、子々孫々の代になっても残る神山しだれ桜である。
　こうした信じられないほどの枝垂れ桜の桜並木があるにも拘わらず、ウィキペディアの「美馬市」には何も記載がない。旧神山町の名さえも出て来ないのであるから致し方ないか。それでも、美馬市の観光スポットにはたった2本しかない明王寺の枝垂れ桜と20本余りしかない木屋平（川井峠）のしだれ桜が紹介されている。こうした美馬市の観光スポットとして紹介されている枝垂れ桜の名所よりも2桁、3桁も多い神山しだれ桜の各枝垂れ桜の名所が紹介されていないのは、これまでの神山さくら会の活動に敬意を払うものではない。
　何と言っても、今年の「桜（染井吉野）はダラゝと咲いてダラゝと散る」という一言に尽きる。
　今年は緊急事態宣言によりこの後の藤の花もままならない。昨年見付けた「骨波田の藤」として知られる長泉寺（埼玉県本庄市）も昨年は体を気遣い無理をせず、今年に伸ばしたために、2年待ちとなってしまった。
（表紙写真は大雄山最乗寺仁王門横にある枝垂れ桜の桜並木）
　

エリア 秦野・松田・足柄(神奈川)

狩川土手の春めき桜（春木径）。

「一ノ堰ハラネ」の春めき桜。

大雄山最乗寺仁王門横にある枝垂れ桜の桜並木。

さらに、たけべの森公園（岡山市北区建部町田地子）が見付かった。八重紅枝垂れ桜など100種、約15,000本が植えられているという。奈良の吉野山の桜の本数は30,000本というから、全国では桜の本数としてはベスト5に入るようだ。
平成18年（2006年）に命名された「藤右衛門桜の小径」は、1.5kmほどのヤエベニシダレザクラのトンネルになっているというが、Webで調べてもその枝垂れ桜の本数は分からない。1.5kmの距離の両側に枝垂れ桜を何m間隔で植えるかでその必要本数は、3m間隔なら1,002本、5m間隔なら402本、7.5m間隔なら302本と（計算上は）なる。しかし、ブログも写真も少なく、その紅枝垂れ桜の本数は伺い知ることができないでいる。