2020/03/17 - 2020/03/20
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mom Kさん
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因島のお宿で出会ったサイクリスト。
♂「御手洗、いいですよ。」
「どこですか。」
♂「…島。ここからも行けますよ。」
「松山から船で行けますか。」
♂「行けます。」と、きっぱり。
帰宅後早速調査開始。
松山からどころか,
今治からも、大崎下島への船はない。
ない!
呉観光局に問い合わせる。担当者は、とても親身。尋ねた以上のお返事をくださる。
御手洗観光所への電話は、お声から年配のような方。「歩いて?!バスもないし、・・・前は豊島のタクシーが行ってくれたけど、・・今は行ってくれないしねえ・・・。(一緒に困ってくれる)」
歩いたらどれくらいかと尋ねてみるも、「30分くらいかなあ」と。
あの距離ではそんなはずはないと思うが、、。また地図を見つめる。
当方、術後。
御手洗への思いをふつふつとためている折、友人の事務所で発見。建築誌2019年5月号表紙に「瀬戸内テリトーリオの再構築」特集。
中世から近世にかけての瀬戸内の船運詳細と航路地図のど真ん中に、太字堂々「御手洗」
行きます。行く。行かねば。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 3.5
- ショッピング
- 3.0
- 交通
- 3.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 3万円 - 5万円
- 交通手段
- 船 JRローカル 徒歩 Peach
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
初めての今治。JRからフエリーの港まで、まっすぐ静かな商店街を歩く。まずはフェリー切符を購入。時刻と乗り場確認。
「銀座」は、ほとんどシャッター店舗。
とにかく歩くエネルギー源を求めて、ご当地グルメ「焼豚玉子飯」を探す。
開店を待って、カウンターへ。白楽天 今治本店 グルメ・レストラン
-
今治港から岡村港までは地図で見る通り、船はあっという間。
ここからがいよいよ勝負の時。
歩くには絶好のお天気。風はそよそよ、
陽光燦燦。全てが私のサポーター。
方角的には、おそらくあの島が大崎下島。 -
灯籠確認。御手洗に違いない。目測1キロはなさそうなのになあ。うらめしい。
かつては日常的に行き来した島同士の間柄だったに違いないのに。
今は航路が、ない。 -
最初に渡る橋があんなにも遠い。弱気になる。千里の道も一歩から。うつむき、足裏を感じながら歩く。がんばろう。御手洗が待っている。
車も通らない。 -
汗が、汗が。坂が、坂が。
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本当は休みたいけれど、歩く速度で距離を測っているので立ち止まらない。
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県境を橋上で越えます。
-
二つ目の橋です。
サイクリストのカップルが追い抜かしていく。
「こんにちは!」彼らは明るい声。 -
万葉の時代から、すでにここは華々しい海のメインストリート、かつての賑わいを想像する。
村上水軍の縄張りか。 -
最後の橋です。ここを渡れば、下りのはず。
-
渡り終えます。我が相棒の御足は痛い?かな。
気づかないふりをしよう。 -
ようやく御手洗表示。まだキロ表示。
しかし宿は一つ手前の港そば、もうすぐのはず。 -
岡村港出発1時21分。宿玄関2時49分。
やりました。応援してくれていた呉の観光局Hさんに完歩報告ができる。
汗で濡れたコットンパーカーを干す。
とにかくシェスタ。すでにお布団は敷かれている。
(この写真を見る度に、悲しい。この藍色パーカーはニュルンベルグの思い出。この旅で置き忘れる。毎回の失敗。)オレンジハウス グルメ・レストラン
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午後5時。好きな時刻。いよいよ御手洗入り。
大長からぶらぶら10分。
とうとう来ましたよう。御手洗に心で叫ぶ。御手洗休憩所 名所・史跡
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ここは東側だから、夕日は山の向こう。
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独り占め。
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軒先に見とれる。
ここも毎日雨戸を閉める真正日本家屋。 -
電柱がないって、ほんとにきもちいいいーーーーい。
空が汚されていないよーーーー。 -
まっすぐ向こうに海。
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洋館はどうして横板なんだろうと、見かけるたびに思ってしまう。
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ああ、一番お楽しみにしていました。
ショーウィンドーの中に見入る。キャプションを読み続ける。
欲しい置時計発見。
作業中の店主が目を上げるまで、見つめる。
気づいてくれたので、合図を送って、中へ。松浦時計店 名所・史跡
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よく手入れされている。
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空のオレンジ色が見えなくなってきた。夜の始まる気配。
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今日はもう十分。明日のお楽しみ。日暮れに向かって帰るのもいいなあ。
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カレイの煮つけ、お皿からはみ出している。
お刺身?「メバルですよ。」と亭主。後ろの水槽で泳いでいた?
大大好きなカワハギのお味に似てる。
初めてです。最高。
ありがとうございます。
大根と人参のなますはレモン味。さすがレモンの島。
全館貸し切り、今夜のお客様は私一人。オレンジハウス グルメ・レストラン
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朝、宿の本棚で見つける。立派な装丁の「豊町史」で少しお勉強して出動。
ここは宮大工さんの修理と聞く。元の木を継いでいる。
わが町との違いを思う。こんなところが文化度レベルの違い。町の古さは同じ位なのに。 -
今日も素晴らしいお天気。
あの窓枠いいなあ。直していないぞ。元のまんまだぞ。 -
ガレージもこの作りにする徹底さ。御手洗。
-
船大工さん作かな。
それとも京都から名工を呼んできたのかな。 -
薩摩藩と広島藩の深い関係。
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屋根の形注目。壁の色と塗装の色と看板と。
文字は白で決まり。 -
今回のVIRUS禍でここも閉館。
ニュージーランド南島のあのクジラの町の映画館とよく似てる。
いつの時代も文化は伝播するのだ。このころの御手洗の勢いを想像する。
施主は個人と聞いた。
「お上」でないのは当然だ。
中の大きさや座席も似ていたらうれしい。
カイコウラの方は今も映画館で現役だから、あなたも頑張ってください。 -
何度も何度も同じ通りに出会ってしまう。ぐるぐるぐるぐる。
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ようやく開いているお店発見。迎えてくれた女性もウエルカムいっぱい。
-
窓越しに見える椿は珍しい種。ヨーロッパ人が愛でた椿。
花弁が重なり、白が入っている。バラの華やかさだ。
どこから運ばれてきたんだろう。
足ふみミシンの上に今回のお土産、瓶入り羊羹。 -
普通のおうちではなかった感。
-
気持ちの良い切り通し。こんなところを行き来して過ごす子供たちにどんな心が育っているのかしら。御手洗に生まれ育つ幸せ、知ってるよね。
-
閉め切っていてもこの美しさ。
丁寧に暮らす豊かさが伝わる御手洗。 -
海側(港側)に向いて並んでいる。荷揚げ倉庫かな。
それともお店だったのかしらん。 -
「ただいま!」って帰りたいおうち。
ピカピカ修理でないところも好きです。 -
横に回っても住まわれている気配なし。
こんなにきちんと裏まで修理修復されているのに。
私が、、、。と思ってしまう。サッシなんかどこにも、だもの。 -
格子の横までこのデザイン。贅沢を知っている御手洗なんです。
-
学制頒布が明治5年、、たしか、、、。なのにここ御手洗は、翌6年に小学校設立。しかも当時の町長さんが自費で。
すごいなあ御手洗。
乙女座同様ここもこの地に教育をと個人の財力でと
宿の亭主が教えてくれた。 -
あでやかで色っぽい雰囲気が醸し出される建物
-
乳母車ですよね。行商の道具ではありませんよね。うーん、思案。
主はもうおられないんだろうか。
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この旅行記へのコメント (3)
-
- mom Kさん 2020/03/23 13:57:49
- ありがとうございます
- まだ歩ける自分にうれしくなりました。おほめいただいてうれしい。
なんだって愛しさつのればできるんです。
実は後日談あり。帰途を覚悟していたんですが、若者が
車で送ってくださって、感激感謝。頼んでいないんですよ。申し出にうろたえましたが、歩いてのち帰宅までの長い道程を思うと甘えさせてもらいました。
だから一層とびっきりの旅になったのです。旅行記にコメントいただいたのは
初めて。で、気づくのがおくれ、ごめんなさい。ありがとうございます。
-
- 四太郎さん 2020/03/23 00:09:23
- 御手洗いいですよね
- よく歩くんですね
とおかったでしょう(笑)
ずっと向こうに橋が見えるのはきついっすねー。よく頑張ったと思います。
僕も古い建築が好きで御手洗は一度行ったことがあります。いいとこですよね
写真もきれいです。
- mom Kさん からの返信 2020/06/01 16:32:17
- 会いたい一心
- > よく歩くんですね
旅ではとくに。最も確かな手段で。
> とおかったでしょう(笑)
日差しは強いし、遠くまで見えるし、昨秋、釈迦岳に登れたんだから(友人に行き先騙されて)と言い聞かせ励ましながら、御手洗に会いたい思いを力に。帰りは気の毒がってくれた青年が岡村港に送ってくれました。一層の思い出。
> ずっと向こうに橋が見えるのはきついっすねー。よく頑張ったと思います。
先生からほめられた気分。ありがとうございます。うれしいです。
橋が見えた瞬間。ええ、あそこ!?と。それから足元だけ、50メートル先だけ見るように。マラソン選手がつらいとき、あの角まであの○○までと思うこと思い出して。
> 僕も古い建築が好きで御手洗は一度行ったことがあります。いいとこですよね
いつですか。よくご存じでしたね。きっかけはなんでしょうか。瀬戸内は私の死角と認識できた旅でもありました。
<豊町史のあとがき>
「明治期の町村合併で頑なに独立を守り抜いたという歴史をもっており、町村の合併を前にして、消えゆく町名、過ぎ去った過去の栄光を名残惜しむかのように編纂が進められた。」
とありました。1954年です。前日夕方お散歩して、ただならぬものを感じた街並み。翌朝宿の本棚に発見。読みふけりました。
> 写真もきれいです。
ありがとうございます。精進しております。が心に負けて目が甘い。
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