2019/12/23 - 2019/12/24
44位(同エリア285件中)
玄白さん
義母が入所している老人ホームへの毎月の慰問。春から秋にかけては、友人の山中湖ロッジをベースに日帰りで伊豆まで出かけていたが、冬はロッジがクローズになる。そこで、自宅から慰問に出掛けるのだが遠いので日帰りはきつい。せっかく冬暖かな伊豆に行くので、老人ホームがある修善寺から足を延ばして、南伊豆の温泉民宿で一泊し、新鮮な海の幸を満喫することにした。
宿泊先は、南伊豆町弓ヶ浜の温泉民宿。夜は好きな星空撮影を楽しみ、翌日は近くの休耕田にもう菜の花が咲き始めていることに驚き、帰る途中で河津七滝を散策すると、まだ紅葉が楽しめた。まさに南伊豆は春と秋が同居しているところだった。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 自家用車
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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義母の元気見舞いを終えて、一路天城越えして南伊豆へ。宿に直行する前に、下田市と南伊豆町の境付近に、竜宮窟という海蝕洞があるので、立ち寄ってみた。
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イチオシ
伊豆の海岸には、あちこちに波に削られてできた海蝕洞という洞穴がある。この龍宮窟は、巨大な海蝕洞の天井の一部が崩落して天窓があいたものである。西伊豆の堂ヶ島にも類似の地形があるが、ここのは、ずっと大きい。
ここを訪れた目的は、機会があれば天窓から星空を撮影しようと考え、そのロケハンである。ただ、空が狭いので、撮影に訪れる季節、時間帯をよく検討しなければなるまい。 -
条件が良ければ、海面上に空いた穴から朝日が差し込むシーンが見られるかもしれない。スマホのコンパスで方位を確かめておけばよかった。
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天窓の周りには遊歩道が整備されていて、竜宮窟を上から覗ける。波に削られた跡がハート型に見えることから、下田市観光協会もラブパワースポットとして売り出しているようだ。ただし、ハートの上半分しか見えない。
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イチオシ
竜宮窟の西側に広がる田牛(とうじ)海岸。夏は海水浴場となるが、白浜や弓ヶ浜ほど知名度はなく、穴場的ビーチである。
西の空が茜色になってきた。宿に急ごう。 -
東側には田牛サンドスキー場が見える。南から風に吹き上げられた砂が自然に積み重なり、斜度30度の砂丘になっている。子供達のかっこうのソリ遊びの場所で、入場料を取られることもない。夕暮れ間近とあって、この日はだれも遊んでいなかったが・・・
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今宵の宿は、弓ヶ浜の温泉がある民宿「ますはら」
伊豆の宿泊は、リーズナブルな価格で新鮮でボリュウムたっぷりの海鮮料理が味わえる民宿というのが、我が家のポリシーである。
温泉は、海水と同じような成分の塩分を含むナトリウム・カルシウム塩化物泉。むろん、豪華なホテルのような大浴場や露天風呂はないが、それでよし。 -
夕暮れ時の弓ヶ浜。夏は海水浴客で大混雑するが、今は閑散としている。民宿も宿泊客は、我が夫婦のみの貸し切り状態。
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お待ちかねの夕食。
伊勢エビの生き造りは新鮮そのもの。ヒゲがピクピク動いているが、連れ合いは可哀そうと言いながらパク付いている。豪華な船盛り、伊豆の定番シーフードの金目鯛の煮付け、車エビの鬼殻焼き、てんぷら、手毬寿司など食べきれないほどの御馳走だが、完食! -
酒は修善寺の酒蔵、万代酒造の「伊豆の里」。味はウ~ン、期待はずれ。ただ、他に選びようがないのは、民宿の限界だな。
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夕暮れには雲があったが、夜9時ごろには快晴となり、予定通りの星空撮影。弓ヶ浜は、ホテルや民宿の灯りが邪魔なので、東隣りの逢ケ浜へ。宿から歩いて10分ほどのところにあるゴロタ石が転がる岩場の浜である。東の空から冬の大三角、冬のダイヤモンドという冬空の代表的な一等星たちが勢ぞろい。
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この浜にはしゅうとめ根、スズメ岩などと名前が付いた岩礁がある。この岩礁群をアクセントにして星空撮影しようという狙いだ。南伊豆の星空撮影ポイントとして大瀬の蓑掛岩という岩礁があり、星景写真屋にはよく知られていたが、2~3年前、大瀬漁港で漁具の盗難があって、夜間立ち入り禁止となってしまった。そこで、蓑掛岩と似た海岸風景を探したところ、この場所を見つけたのである。
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明るい星ほど大きく写るように、ソフトフォーカスフィルターを装着して撮影。オリオン座など星座の形がよく分かるように写る。
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イチオシ
フィルター無しバージョン。冬の天の川は夏の天の川に比べるとはるかに淡い。ここは伊豆半島の最南端で、南の空には光害がないため、淡い冬の天の川もよく写る。
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しゅうとめ根上空に立ち昇る位置まで天の川が来るのを待って、もう一枚。干潮なので、しゅうとめ根まで歩いて渡れそうなほど潮が引いている。
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一旦宿に引き上げ、夜明け前の4時に、ふたたび逢ケ浜へ。満潮に変わっているので、磯の風景はガラリと変わっている。岩礁は海の中。
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東から月齢28日の三日月が昇って来た。
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やがて水平線に茜色が射してきた。
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イチオシ
マジックアワーの空に浮かぶ三日月
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しゅうとめ根、ススメ岩の背後の空も朱色に変わって来た。
ただ、このあと、水平線上に雲が広がり、朝日が雲の上に昇る前に朝食の時間となってしまった。宿に戻る。 -
朝食の目玉は、昨夜の生き造りの伊勢エビの味噌汁。ウ~マッ!
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宿を9時にチェックアウトし、下田方面に10分ほど走ったところで、昨日は気が付かなかったが、休耕田が菜の花畑になっていた。
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なんと、年明け前のこれから本格的な冬になろうというのに、もうすでに花が咲き始めていた。
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ところどころ、小振りながらひまわりまで咲いている! 夏はひまわり畑になっていて、こぼれ種で、咲いたのだろうか。
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イチオシ
全体的には、まだこれからといったところだが、部分的には満開に近い咲き具合のところもある。
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枯れススキと菜の花。晩秋と春の共存!
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来月になれば、一面黄色の絨毯となりそうだ。
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下田を過ぎ、河津町に入って来た。そのまま帰路についてもよかったが、まだ時間はたっぷりあるので、河津七滝を散策し、滝巡りをしていこう。
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もう、紅葉の季節は終わっているかと思いきや、まだまだきれいな紅葉が見られた。
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イチオシ
滝は本谷川という天城山を源流とする清流にある。
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滝巡りの遊歩道には、踊り子歩道という愛称が付けられている。最初に現れる滝はカニ滝と呼ばれている。落差2mの七滝のうち最小の滝である。
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7つの滝にあやかって、それぞれの滝のそばには七福神の石像が置かれている。この石像は蟹布袋。
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次の滝、「初景滝」に行く途中に、対岸に渡る橋がある。そちらに寄り道してみると熔岩洞窟風呂という洞窟の中に沸いている天然温泉がある。洞窟の中からはもうもうと湯気が立ち昇っている。洞窟の入り口に電灯があるが、灯りはついていない。「ゆ」と書かれた小屋が脱衣場のようだ。洞窟風呂の横には「立ち湯」と書かれた看板がある露天風呂もあった。囲いはなく、対岸の遊歩道からは丸見えである。温泉大好き人間の我が夫婦だが、さすがに入ろうという気にはなれない。
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名前が付いた滝以外にもところどころ落差1~2mの小さな滝がある。
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若いカップルのマネをして、落ちモミジの遊歩道に写った影を撮ってみた。普段はこんなことはしないが・・・
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天城といえば、川端康成の代表作のひとつ「伊豆の踊子」とは切っても切れない縁である。「伊豆の踊子」の主人公である「私」という学生と踊子の女性の銅像。抒情的な短編ロマンス小説は、数々の映画化もされ、知らぬ者はいないほど有名である。
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名もない滑滝
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河津七滝の2つ目、「初景滝」。この滝の前に2つ目の「伊豆の踊子」の銅像。
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初景滝。七滝のうち他の滝は、カニ、エビ、蛇、釜など具体的なネーミングだが、この滝だけは「初景」という意味不明の名前が付いている。遊歩道の途中にあった説明板によると、これは盗賊に遭って、この滝に投げ込まれて亡くなった修行僧の名前だという。史実ではなく、伝説らしい。
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紅葉の枝の隙間から見える初景滝の滝口。
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3番目の滝、蛇滝。落差3mのカニ滝に次ぐ小振りの滝だ。
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落差が小さいわりには、滝壺が大きく、エメラルドグリーンの澄んだ水が美しい。
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遊歩道を少し上がって蛇滝を上から見下ろす。柱状節理の断面が蛇のウロコを連想させるところから、滝の名がついたのかもしれない。この辺り一帯は25,000年前に活発に活動していた火山群の溶岩流が流れこんでできた地形のため、あちこちに柱状節理が見られる。
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蛇滝から、遊歩道は階段に変わる。登り切ったところで、遊歩道は2つに分かれる。
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まず、左側の道に入り15mほど行ったところにあるエビ滝。すぐ脇に吊り橋があるのだが、老朽化のためか、あるいは台風の影響なのか、通行止めになっていた。吊り橋の上からはエビ滝を正面から見られるのだろうが、現在はこんなアングルでしか眺められない。
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分岐を右方向に進むと、七滝の最上流に位置する釜滝が見えてくる。観瀑台の上の紅葉の間から垣間見える釜滝。
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落差22mで大瀧に次ぐ規模が大きい直瀑である。
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釜滝の滝壺
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滝の周囲は、やはり柱状節理の岩壁になっている。
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残る2つの滝は、遊歩道の入り口の反対側になる。ここから先にもハイキングルートとして道はつづくのだが、ここで降り返す。
滝があるこの本谷川という渓流は、源流に近いこともあって、とても透明度が高い。 -
遊歩道はよく整備されていて、歩きやすい。
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遊歩道の入り口まで戻り、車道をはさんで反対側に出会い滝がある。
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本谷川と荻の入川という二つの渓流が合流するところにある滝ということで、「出会い滝」
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少し離れたところに七つの滝の最大の滝「大滝」があるのだが、滝ばかり眺めて少々飽きてきたので、大滝はパス。
天城の名産といえばワサビ。そこで駐車場の売店で、ワサビソフトクリームで一服してから帰宅の途についた。
南伊豆町では一足先に春を感じ、河津では名残りの秋を感じた一泊小旅行であった。
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