2019/11/17 - 2019/11/17
130位(同エリア1008件中)
風 魔さん
本日は友人から誘われて日本平の東麓にある鉄舟禅寺にて、森の音楽会と題する「琵琶と横笛の演奏」と「弦楽四重奏の演奏」を鑑賞しました。
鉄舟寺は元は久能寺と呼ばれ、家康公が祀られている久能山東照宮の山門近くにありました。しかし戦国時代に武田信玄により山頂に久能城が築城されたため一時廃寺となりましたが、幕末期に山岡鉄舟の尽力により臨済宗の禅寺・「鉄舟寺」として再建されました。
従来「森の音楽会」は、安倍川上流の梅ヶ島温泉近くの森の中の山荘で開催されていましたが、7回目の今年は鉄舟寺の本堂で行われました。
普段はあまり聴く機会のない「琵琶と横笛」の和音の演奏に耳を傾けて、過ぎ行く晩秋の一日に静かな時が流れました。
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
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臨済宗・妙心寺派の禅寺・「鉄舟寺」。
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「鉄舟寺」は元は「久能寺」と称して、江戸時代には朱印寺領として200石余りを与えられ、多くの支坊を有したが、江戸時代後期あたりから衰退し、明治に入ると無住(住職がいないこと)になって寺は荒廃しました。
その後、旧幕臣で明治以降に静岡藩権大参事も務めたこともある山岡鉄舟が、臨済寺から今川貞山師を招いて復興し、寺号も「鉄舟寺」と改めて再建されました。
そのため、当寺には山岡鉄舟の書跡の遺品も多い。 -
山門を上がる。
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知恵の神様・文珠菩薩の地蔵。
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秋の空に、一条の飛行機雲。
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「第7回森の音楽会」の案内。
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鐘楼堂。
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本堂への石段を上がる。
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庭園を通り会場へ歩く。
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山岡鉄舟翁の銅像。
山岡鉄舟は、勝海舟、高橋泥舟とともに「幕末の三舟」と称されます。
剣術では北辰一刀流の達人で、身長6尺2寸(188センチ)、体重28貫(105キロ)あり当時としては大柄な体格でした。
ちなみに江戸時代の武士の平均身長は、155cm位でしたが、徳川家康公の体格は38歳時に、身長:155cm・体重60kgでした。 -
勝海舟は幕臣として、官軍の西郷隆盛と駿府の地で「江戸城明け渡しの無血開城」について会談を行いました。
一方で山岡鉄舟は慶応4年(1868年)、新たに設立された精鋭隊の歩兵頭格となり、江戸無血開城を決断した「勝海舟と西郷隆盛の会談」に先立ち、官軍の駐留する駿府(現静岡市葵区)において西郷隆盛と面会する。
この結果江戸の町は、倒幕の官軍の進撃による戦禍から回避することができました。 -
山岡鉄舟翁の経歴表。
江戸時代には飛騨郡代となった父に従い、幼少時を飛騨高山で過ごして、幕末期には清水次郎長と意気投合して、討幕派との戦いによる清水港での幕府側の咸臨丸乗組員の戦死者を祀る「壮士之墓の碑」を揮毫した。
その後、明治時代には静岡藩藩政補翼となり、幕臣の救済事業である牧之原台地開墾の責任者である中條金之助に「茶の生産」を助言する。
明治4年(1871年)には廃藩置県に伴い新政府に出仕して、静岡県権大参事、茨城県参事、伊万里県権令などを歴任しました。 -
鐘撞堂。
明治21年(1888年)7月に山岡鉄舟翁が死去し、東京の「谷中全生庵」で行われた葬儀には清水次郎長が一家をあげて参列しています。 -
庭園から望める富士山の姿。
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蘇鉄の樹。
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昔は「旧清水市・不二見地区」の高台にありましたが、時代を経るに連れて周辺に人家、高圧送電線などがが建ち並び、富士山の景観の妨げとなりました。
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本堂の窓に映る庭木。
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黄色いツワブキの花。
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臨済宗の禅寺として、本堂では時折「座禅の会」が開催されています。
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達磨禅師。
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床の間には「今上天皇」(第126代の現天皇・徳仁天皇陛下さま)が、皇太子時代に当寺を訪れた際の写真が飾られてありました。
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本堂の襖絵。
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演奏する琵琶の楽器。
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本日の演奏会の聴衆は、180人ほどでした。
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演奏する横笛。
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本日の演目は、琵琶と横笛の二重奏です。
☆ 琵琶の奏者 =塩高和之さん(地元静岡市出身)
☆ 横笛の奏者 =松尾 慧 さん ( 〃 出身) -
琵琶は、温度、湿度に微妙に影響されるので、演奏前に調律を丹念に行います。
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楽琵琶と田楽笛による、演奏曲目「SIROCCO」。
塩高さんは、琵琶奏者・作曲家であり雅楽のわたってきた胡地シルクロードを想い描きながら、オリジナルや古典雅楽曲の斬新なアレンジなど多彩な楽曲を発表してきました。 -
ちなみに、当寺に保管される「薄墨の笛」(静岡市の指定文化財:平安時代に源義経のものとされる)は、以前はこの本堂で横笛奏者の第一人者である、赤尾三千子さんによる演奏会が開かれました。
「薄墨の笛」は、源九郎義経(牛若丸)が京都の五条橋で弁慶と対峙した時に、所持していた「愛用の龍笛」だったと伝えられています。 -
琵琶と横笛による二重奏。
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雅楽古典曲の「海青楽」の中の「聖夜譜」の演奏は、聴衆を平安時代に誘う。
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普段はあまり聴くことない、「琵琶と横笛」の和音の音色が新鮮に感じました。
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つづいては地元の「ルナール四重奏楽団」による弦楽演奏です。
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ルナール弦楽四重奏団による、ベートーベン作曲「七重奏曲」。
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楽団員は、それぞれ仕事をもっているアマチュアの方々です。
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最後に聴衆のアンコールの拍手に応えて、演奏した曲目は聴き覚えのある「瀬戸の花嫁」でした。
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山岡鉄舟の書跡。
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力強い筆跡の書。
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境内を巡り帰途につく。
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全国送電線工事の殉職者・慰霊碑。
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私の友人が代表を務める「静岡鉄舟会」は、その活動方針として・・・
1. 幕末維新の英傑山岡鉄舟の偉業を讃え、多くの市民に知ってもらう
活動をする。
2. 山岡鉄舟の功績、故事を後進に伝える。
全国各地には、山岡鉄舟の偉業を研究する「○○鉄舟会」があります。 -
帰り道に、晩秋の柿ひとつ。
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