旭川旅行記(ブログ) 一覧に戻る
それは昔の北海道旅行でした。ウロウロするうちに静かな所で温泉でも入ろうと泊ったのが塩狩温泉でした。季節外れで宿泊者も少なく、温泉は貸し切りで入れました。宿に本が一冊、三浦綾子の「塩狩峠」でした。作者は知っていましたがこの題名は知らず、ご当地の題名ですから読み始めてみました。すると面白くてやめられなくなり、本を読むためにもう一泊してしまいました。読後に宗谷本線の線路を見ると、実話をもとにした小説を体験したような感覚になった思い出があります。<br /><br />今回の北海道旅行でも、まだ読んでいない三浦綾子の作品を一冊持って行こうと思いつきました。今頃ですが、新聞の懸賞小説に当選したデビュー作とも言える「氷点」を読みながら、旭川にある三浦綾子記念文学館に行って見ようとも思ったのです。<br /><br />出発前に図書館へ行くと、文庫版は貸し出されていて全集の重い本しかありませんでした。今でも読まれているのだと思い書棚を見ていると「氷点を旅する」と言う本もありました。重いと言っても何キロのある訳でもないので、一緒に借りて読みながら旅をすることにしました。<br /><br />読み始めてわかったのですが、「氷点を旅する」にはストーリーが短くまとめられていて、これを先に読んではいけないかとも思ったのですが、作家としての生い立ちや信仰についてなど、作品を理解するのに関連する内容もあったため、その後の物語がつまらなくなると言う事はありませんでした。<br /><br />昼間は観光、夜はホテルで読書、そんな日程の旅でした。毎日少しの文章しか載らない新聞小説で、これほどの内容がデビュー作で書けるのかと驚くほどの文章でした。そして「原罪」がテーマだと言われているのですが、考えさせられる内容も含まれています。<br /><br />読み終わった次の日、札幌を出発し旭川に向かいました。着いたのはお昼前でお腹が空いたので回転寿司店へ。どうも文学より、まず食欲を優先してしまう凡人です。お腹を満たしてから記念文学館を目指すと、小説に出てきた見本林の入口あたりに立っていました。とても静かな場所に館内で、出版された作品が年代ごとに展示されています。二階では映画化やテレビ化された作品が、DVDに整理され見ることも出来ました。別館には夫である光世と一緒に作業をした書斎が移築され保存されていました。<br /><br />館内を見学した後に静かな見本林を散策すると、より「氷点」の世界に浸れる旅でした。<br />

氷点を旅する

12いいね!

2019/07/21 - 2019/07/25

1086位(同エリア2343件中)

0

20

マリオット

マリオットさん

それは昔の北海道旅行でした。ウロウロするうちに静かな所で温泉でも入ろうと泊ったのが塩狩温泉でした。季節外れで宿泊者も少なく、温泉は貸し切りで入れました。宿に本が一冊、三浦綾子の「塩狩峠」でした。作者は知っていましたがこの題名は知らず、ご当地の題名ですから読み始めてみました。すると面白くてやめられなくなり、本を読むためにもう一泊してしまいました。読後に宗谷本線の線路を見ると、実話をもとにした小説を体験したような感覚になった思い出があります。

今回の北海道旅行でも、まだ読んでいない三浦綾子の作品を一冊持って行こうと思いつきました。今頃ですが、新聞の懸賞小説に当選したデビュー作とも言える「氷点」を読みながら、旭川にある三浦綾子記念文学館に行って見ようとも思ったのです。

出発前に図書館へ行くと、文庫版は貸し出されていて全集の重い本しかありませんでした。今でも読まれているのだと思い書棚を見ていると「氷点を旅する」と言う本もありました。重いと言っても何キロのある訳でもないので、一緒に借りて読みながら旅をすることにしました。

読み始めてわかったのですが、「氷点を旅する」にはストーリーが短くまとめられていて、これを先に読んではいけないかとも思ったのですが、作家としての生い立ちや信仰についてなど、作品を理解するのに関連する内容もあったため、その後の物語がつまらなくなると言う事はありませんでした。

昼間は観光、夜はホテルで読書、そんな日程の旅でした。毎日少しの文章しか載らない新聞小説で、これほどの内容がデビュー作で書けるのかと驚くほどの文章でした。そして「原罪」がテーマだと言われているのですが、考えさせられる内容も含まれています。

読み終わった次の日、札幌を出発し旭川に向かいました。着いたのはお昼前でお腹が空いたので回転寿司店へ。どうも文学より、まず食欲を優先してしまう凡人です。お腹を満たしてから記念文学館を目指すと、小説に出てきた見本林の入口あたりに立っていました。とても静かな場所に館内で、出版された作品が年代ごとに展示されています。二階では映画化やテレビ化された作品が、DVDに整理され見ることも出来ました。別館には夫である光世と一緒に作業をした書斎が移築され保存されていました。

館内を見学した後に静かな見本林を散策すると、より「氷点」の世界に浸れる旅でした。

旅行の満足度
4.0
観光
4.5
グルメ
4.0
同行者
カップル・夫婦
一人あたり費用
1万円 - 3万円
交通手段
レンタカー
旅行の手配内容
個別手配

PR

  • 塩狩温泉で読んだ「塩狩峠」。当時の装丁ではなく、作品集に収められたもの。

    塩狩温泉で読んだ「塩狩峠」。当時の装丁ではなく、作品集に収められたもの。

  • 文庫本は借りられていて、作品集の本を持って旅行へ。

    文庫本は借りられていて、作品集の本を持って旅行へ。

  • 氷点に関する本を見つけたので、こちらも旅のお供に。

    氷点に関する本を見つけたので、こちらも旅のお供に。

  • 旭川に着いて、お腹が空いてしまいお寿司屋さんへ。

    旭川に着いて、お腹が空いてしまいお寿司屋さんへ。

    北々亭 旭川店 グルメ・レストラン

  • 回るお寿司ですが、地元の魚から500円のランチ寿司まで。

    回るお寿司ですが、地元の魚から500円のランチ寿司まで。

  • 季節の魚がメニューに、回らずに注文すると握ってくれました。

    季節の魚がメニューに、回らずに注文すると握ってくれました。

  • 北海道と言えば、ホタテとサーモンは外せないかな。

    北海道と言えば、ホタテとサーモンは外せないかな。

  • お腹を満たしてから、やっと本来の目的地へ。平日でも数台の車が止まっていました。

    お腹を満たしてから、やっと本来の目的地へ。平日でも数台の車が止まっていました。

  • 氷点の始まりの部分が石碑に書かれていました。

    氷点の始まりの部分が石碑に書かれていました。

  • 木々に囲まれ静かに記念館がありました。

    木々に囲まれ静かに記念館がありました。

    三浦綾子記念文学館 美術館・博物館

  • 入口には二人にポスターが。三浦綾子が書けなくなってからは、口述筆記を光世が担当したそうです。

    入口には二人にポスターが。三浦綾子が書けなくなってからは、口述筆記を光世が担当したそうです。

  • 何となく、教会ではないかと思えてしまう空間でした。

    何となく、教会ではないかと思えてしまう空間でした。

  • 数々の写真が年代順に並べられていました。

    数々の写真が年代順に並べられていました。

  • 初期の作品についての解説。

    初期の作品についての解説。

  • これが本としての初版かな。

    これが本としての初版かな。

  • その昔、塩狩温泉で読んだのはこの装丁だっただろうか。

    その昔、塩狩温泉で読んだのはこの装丁だっただろうか。

  • 一階は喫茶のスペースもありました。

    一階は喫茶のスペースもありました。

  • 二階に上がると、本やビデオの資料が沢山ありました。

    二階に上がると、本やビデオの資料が沢山ありました。

  • いろいろ映像がある中で、映画の氷点を少し見ました。この当時はモノクロのフィルムだったのですね。

    いろいろ映像がある中で、映画の氷点を少し見ました。この当時はモノクロのフィルムだったのですね。

  • 別館に移築された書斎、使われた当時とそのままの様な感じです。

    別館に移築された書斎、使われた当時とそのままの様な感じです。

12いいね!

利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。 問題のある投稿を連絡する

コメントを投稿する前に

十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?

サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)

報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。

この旅行で行ったスポット

この旅行で行ったグルメ・レストラン

旅の計画・記録

マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?

フォートラベル公式LINE@

おすすめの旅行記や旬な旅行情報、お得なキャンペーン情報をお届けします!
QRコードが読み取れない場合はID「@4travel」で検索してください。

\その他の公式SNSはこちら/

タグから国内旅行記(ブログ)を探す

この旅行記の地図

拡大する

PAGE TOP