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2017年11月27日(月)朝11時過ぎ、リマ セントロ地区(Lima Centro)、旧市街の観光開始。メトロポリターノ(Metropolitano)バスのラウニオン通り(Jiron de la Union)駅を降りて歩き出すと年代物の立派な建物が次々と現れる。1ブロック北に進んだところに現れた立派なファザードを持つビルは1860年末に竣工した証券取引所(Bolsa de Valores de Lima)。翌年の1月7日に営業開始されたところ。<br /><br />そこからさらに1ブロック北、1ブロック東に進めば中央準備銀行博物館(Museo del Banco Central de Reserva del Peru)。1929年にペルー中央準備銀行(BCRP)が創業した建物で、1982年から博物館となった。1階部分に銀行のブースが残り、植民地時代のコインやペルー各地の伝統を伝える大衆芸術である民芸品や工芸品が展示されている。メインは地下の考古学展示室で、プレインカからインカにかけての土器や織物を文化別に多数展示し、奥の金庫室では黄金の装飾品を見ることができる。2階には19~20世紀にペルーで描かれた歴史的名画を展示する絵画館がある。入場無料とのことだったが、残念ながら月曜はお休み。<br /><br />その半ブロック東にはトーレタグレ宮殿(Palacio Torre Tagle)。1735年に初代トーレ・タグレ侯爵(Marquesado de Torre Tagle)が自身の邸宅として建てたもの。1954年から2年掛けて修復されている。1918年から外務省庁舎として使用されており、土日のみパティオが公開されているそうで、覗こうとしたらダメと云われた。入口の両サイドにはイスラムの影響を受けたムデハル様式(Estilo Mudejar)の出窓があり美しい。スペイン南部のアルハンブラ宮殿(la Alhambra)やセビリア(Sevilla)を思い出す。片方は修復中だった。<br /><br />その斜め向かいにある教会がサンペドロ教会(Iglesia San Pedro)。1534年建てられものが地震で崩れ、1638年にイエズス会(Societatis Iesu)によって奉献されたもので、それ以降の大地震でもほとんど崩れず、オリジナルの植民地時代の豪華さと優雅さを持つバロック建築をきれいに残しており、ペルー国内にある最高建築の一つと云われる。天井ドームはローマ(Roma)のサンピエトロ寺院(Basilica di San Pietro in Vaticano)をまねたもので、窓から光が差し込むと金色に反射し、とても美しく輝く。黄金の主祭壇はイスラム教(Islam)の影響を受けたムーア(Moro)様式の彫刻や陶器瓦(表面を釉薬で化粧したタイル)で装飾されている。外壁のクリーム色が可愛らしい。<br /><br />そのまま通りを東に進むと、悪魔の扮装をしたストリートパフォーマーが杖の途中、空中でピタリと動かないパフォーマンスをしていたが、その後ろのデカい建物は国立図書館(Biblioteca Nacional)。1821年、リマ解放を果たしたホセ・デ・サンマルティン(Jose Francisco de San Martin y Matorras)が彼の蔵書を寄付して設立したところだが、1943年に火災で焼失、貴重な歴史的作品が失われた。現在の建物は同じ土地に建て直されたもの。<br /><br />国立図書館の正面の広いアバンカイ通り(Avenida Abancay)、「リマで最も渋滞のひどい大通り」とも云われるそうだが、この通りを2ブロック北に進むと南米各国独立の立役者シモン・ボリバル(Simon Bolivar)の銅像が建つボリバル広場(Plaza Bolivar)がある。公園の東側の奥には1939年築のフランスのボザール様式(French Beaux-Arts)の国会議事堂(Palacio Legislativo del Peru)が建つ。16世紀から存在する広場で、いろいろ名前が変わっているが、現在の名前の前のラインキシシオン広場(Plaza Inquisicion)と今でも呼ぶ人がいるそうだ。その名前の由来となっているのが、この広場の南に建つ宗教裁判所博物館(Museo de la Inquisicion)。<br /><br />ラインキシシオンと云うのが宗教裁判所のことで、キリスト教(カトリック(Ecclesia Catholica))への改宗や異端審問を行っていた。1570年にラウニオン通りのラメルセー教会(Iglesia de La Merced)の向かい側に設立されたが、牢獄建設などに不都合が生じたため、1584年に現在の場所に移され、ペルーが独立前の1820年まで存続していた。建物は新古典主義建築で、ペルー独立後に再建と拡張がなされ、上院議会や代議院の公立図書館として使われていたが、1968年に現在の博物館として公開された。<br /><br />館内には、岩を掘った穴に寝かされ、仰向けになったまま身動きひとつできない牢獄が残されているほか、当時の裁判や拷問の様子が蝋人形で再現されている。裁判所があった250年間で有罪判決が下されたのは1474人、うち死刑判決が32人。鞭打ち、国外追放、禁固刑などに加え、罰金や精神的刑罰(叱責や断食、祈り、聖地巡礼など)、そして社会的不名誉が与えられた。死刑囚の約半数は生きたまま火炙りの刑にされ、残りは撲殺されていた。入場無料で、スペイン語か英語の約30分のガイドツアーが毎日15分おきにあるそうだが、こう云うの苦手なのでパスした。<br /><br />そこから北の道を今度は西に1ブロック進むとあるのが広い前庭を持ったサンフランシスコ教会・修道院(Basilica y Convento de San Francisco de Lima)。1546年に建築が始まったが、100年以上経った1655年の地震で完成前に崩壊し、1657年から再建が始まり1672年にようやく完成した。1963年にローマ教皇(P?pa)からローマにある4つのメジャーバシリカ(Basilica maior)に次ぐマイナーバシリカ(Basilica minor)の名誉ある称号を受け、1988年には世界文化遺産に登録された。<br /><br />広場の東側にすらりと伸びた2棟の鐘楼とバロック様式(Baroque Architecture)でアンダルシア風(Andalucia)のファサードの教会が建つ。中央祭壇が木掘り製の教会の中を拝観したあと、修道院と地下墓地(Catacombe)を英語ガイドツアーで回る。10S/(約360円)。写真撮影は禁止だったので、細かいことはあまり覚えてないが、修道院の回廊を飾る17世紀の美しいセビージャタイルは美しく、約75,000体もの修道僧の遺骨が眠る地下墓地は敬虔な場所ではあるが、おどろおどろしい。30年以上前にローマでも行ったのを思い出した。その他、多くの礼拝堂、宗教芸術博物館、図書館も多分、回ったと思う。1時間ほど掛った。<br /><br />サンフランシスコ教会・修道院には、この他聖母教会(Santuario de Nuestra Senora de la Soledad)と奇跡の聖母礼拝堂(Capilla del Milagro de La Dolorosa)が敷地内に建っている。聖母教会は1669年築。2005年に火事で被害を受けたが復旧されていた。奇跡の聖母礼拝堂は市内でも有数の礼拝堂の一つと考えられているそうだ(こちらは写真なし)。<br />https://www.facebook.com/chifuyu.kuribayashi/media_set?set=a.2152512421485437&amp;type=1&amp;l=8a89379cb0<br /><br /><br />アルマス広場へ続く。

ペルー リマ セントロ地区(Lima Centro, Peru)

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2017/11/27 - 2017/11/27

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ちふゆ

ちふゆさん

2017年11月27日(月)朝11時過ぎ、リマ セントロ地区(Lima Centro)、旧市街の観光開始。メトロポリターノ(Metropolitano)バスのラウニオン通り(Jiron de la Union)駅を降りて歩き出すと年代物の立派な建物が次々と現れる。1ブロック北に進んだところに現れた立派なファザードを持つビルは1860年末に竣工した証券取引所(Bolsa de Valores de Lima)。翌年の1月7日に営業開始されたところ。

そこからさらに1ブロック北、1ブロック東に進めば中央準備銀行博物館(Museo del Banco Central de Reserva del Peru)。1929年にペルー中央準備銀行(BCRP)が創業した建物で、1982年から博物館となった。1階部分に銀行のブースが残り、植民地時代のコインやペルー各地の伝統を伝える大衆芸術である民芸品や工芸品が展示されている。メインは地下の考古学展示室で、プレインカからインカにかけての土器や織物を文化別に多数展示し、奥の金庫室では黄金の装飾品を見ることができる。2階には19~20世紀にペルーで描かれた歴史的名画を展示する絵画館がある。入場無料とのことだったが、残念ながら月曜はお休み。

その半ブロック東にはトーレタグレ宮殿(Palacio Torre Tagle)。1735年に初代トーレ・タグレ侯爵(Marquesado de Torre Tagle)が自身の邸宅として建てたもの。1954年から2年掛けて修復されている。1918年から外務省庁舎として使用されており、土日のみパティオが公開されているそうで、覗こうとしたらダメと云われた。入口の両サイドにはイスラムの影響を受けたムデハル様式(Estilo Mudejar)の出窓があり美しい。スペイン南部のアルハンブラ宮殿(la Alhambra)やセビリア(Sevilla)を思い出す。片方は修復中だった。

その斜め向かいにある教会がサンペドロ教会(Iglesia San Pedro)。1534年建てられものが地震で崩れ、1638年にイエズス会(Societatis Iesu)によって奉献されたもので、それ以降の大地震でもほとんど崩れず、オリジナルの植民地時代の豪華さと優雅さを持つバロック建築をきれいに残しており、ペルー国内にある最高建築の一つと云われる。天井ドームはローマ(Roma)のサンピエトロ寺院(Basilica di San Pietro in Vaticano)をまねたもので、窓から光が差し込むと金色に反射し、とても美しく輝く。黄金の主祭壇はイスラム教(Islam)の影響を受けたムーア(Moro)様式の彫刻や陶器瓦(表面を釉薬で化粧したタイル)で装飾されている。外壁のクリーム色が可愛らしい。

そのまま通りを東に進むと、悪魔の扮装をしたストリートパフォーマーが杖の途中、空中でピタリと動かないパフォーマンスをしていたが、その後ろのデカい建物は国立図書館(Biblioteca Nacional)。1821年、リマ解放を果たしたホセ・デ・サンマルティン(Jose Francisco de San Martin y Matorras)が彼の蔵書を寄付して設立したところだが、1943年に火災で焼失、貴重な歴史的作品が失われた。現在の建物は同じ土地に建て直されたもの。

国立図書館の正面の広いアバンカイ通り(Avenida Abancay)、「リマで最も渋滞のひどい大通り」とも云われるそうだが、この通りを2ブロック北に進むと南米各国独立の立役者シモン・ボリバル(Simon Bolivar)の銅像が建つボリバル広場(Plaza Bolivar)がある。公園の東側の奥には1939年築のフランスのボザール様式(French Beaux-Arts)の国会議事堂(Palacio Legislativo del Peru)が建つ。16世紀から存在する広場で、いろいろ名前が変わっているが、現在の名前の前のラインキシシオン広場(Plaza Inquisicion)と今でも呼ぶ人がいるそうだ。その名前の由来となっているのが、この広場の南に建つ宗教裁判所博物館(Museo de la Inquisicion)。

ラインキシシオンと云うのが宗教裁判所のことで、キリスト教(カトリック(Ecclesia Catholica))への改宗や異端審問を行っていた。1570年にラウニオン通りのラメルセー教会(Iglesia de La Merced)の向かい側に設立されたが、牢獄建設などに不都合が生じたため、1584年に現在の場所に移され、ペルーが独立前の1820年まで存続していた。建物は新古典主義建築で、ペルー独立後に再建と拡張がなされ、上院議会や代議院の公立図書館として使われていたが、1968年に現在の博物館として公開された。

館内には、岩を掘った穴に寝かされ、仰向けになったまま身動きひとつできない牢獄が残されているほか、当時の裁判や拷問の様子が蝋人形で再現されている。裁判所があった250年間で有罪判決が下されたのは1474人、うち死刑判決が32人。鞭打ち、国外追放、禁固刑などに加え、罰金や精神的刑罰(叱責や断食、祈り、聖地巡礼など)、そして社会的不名誉が与えられた。死刑囚の約半数は生きたまま火炙りの刑にされ、残りは撲殺されていた。入場無料で、スペイン語か英語の約30分のガイドツアーが毎日15分おきにあるそうだが、こう云うの苦手なのでパスした。

そこから北の道を今度は西に1ブロック進むとあるのが広い前庭を持ったサンフランシスコ教会・修道院(Basilica y Convento de San Francisco de Lima)。1546年に建築が始まったが、100年以上経った1655年の地震で完成前に崩壊し、1657年から再建が始まり1672年にようやく完成した。1963年にローマ教皇(P?pa)からローマにある4つのメジャーバシリカ(Basilica maior)に次ぐマイナーバシリカ(Basilica minor)の名誉ある称号を受け、1988年には世界文化遺産に登録された。

広場の東側にすらりと伸びた2棟の鐘楼とバロック様式(Baroque Architecture)でアンダルシア風(Andalucia)のファサードの教会が建つ。中央祭壇が木掘り製の教会の中を拝観したあと、修道院と地下墓地(Catacombe)を英語ガイドツアーで回る。10S/(約360円)。写真撮影は禁止だったので、細かいことはあまり覚えてないが、修道院の回廊を飾る17世紀の美しいセビージャタイルは美しく、約75,000体もの修道僧の遺骨が眠る地下墓地は敬虔な場所ではあるが、おどろおどろしい。30年以上前にローマでも行ったのを思い出した。その他、多くの礼拝堂、宗教芸術博物館、図書館も多分、回ったと思う。1時間ほど掛った。

サンフランシスコ教会・修道院には、この他聖母教会(Santuario de Nuestra Senora de la Soledad)と奇跡の聖母礼拝堂(Capilla del Milagro de La Dolorosa)が敷地内に建っている。聖母教会は1669年築。2005年に火事で被害を受けたが復旧されていた。奇跡の聖母礼拝堂は市内でも有数の礼拝堂の一つと考えられているそうだ(こちらは写真なし)。
https://www.facebook.com/chifuyu.kuribayashi/media_set?set=a.2152512421485437&type=1&l=8a89379cb0


アルマス広場へ続く。

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