2019/09/29 - 2019/10/01
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はなまりんさん
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一度は見てみたかった「宗像大社みあれ祭」。
今年、絶対行く!と決心しました。県内だからいつでも行けるさ、と油断していたら、月日がどんどん経ってしまいます。とにかく行動を起こさないかん!!
「みあれ祭」は、宗像大社秋季大祭の初日、沖ノ島の長女神と大島の次女神のご神幸をお護りして、大島から三女神の待つ宗像の神湊(こうのみなと)まで、おびただしい数の漁船が御座船の周りを取り囲むように走りながらパレードを繰り広げるというものです。全国一勇壮な海の祭りだと言います。
福岡県民なら、知らん、じゃ済まされんめえもんね!
色々調べていたら、いつもは神湊と大島を結ぶ連絡船が、この日は観光船に変身して、海上パレードに随行するという情報を掴みました。更に、大島に宿泊した客は、この乗船券が優先的に購入できる、というのです。
よっしゃ、これやね! 大島に渡ろう!! 大島に泊まろう!!
そして、みあれ船団の伴走に加わろう!!
…ついでに魚釣りばしょう!!弥次の強い希望です …
(;´∀`))
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- グルメ
- 4.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 船 自家用車
PR
-
自宅からは、福岡都市高→九州自動車→若宮インター経由で神湊へ。宗像市で釣具店に寄ったりもしたので、二時間超かかりました。
古賀インターで降りた方が良かったかも。
神湊フェリーターミナルの第一駐車場に車を停めます。愛車(スバル)には、このまま二泊、ここでスタンバイしてもらうことになります。駐車料金はたしか12時間300円だったかな?
明後日帰って来るから待っててね~ -
次の大島行きは15:30のようです。
大島渡船 (おおしま しおかぜ) 乗り物
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あ、あれだ! 大島行のフェリーです。
大人片道、たしか590円/1名だったと思います。 -
あっという間に大島に到着です。この写真は、宗像大社中津宮の方面を見ています。
大島港渡船ターミナル 乗り物
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本日の宿「三国屋」さん。
実は、せっかく島に遠征するんだから、魚釣りをしないって方はないよね!という(もちろん弥次が)ので、みあれ祭の前々日から二泊の予定で宿泊予約をお願いしていたのです。大島 自然・景勝地
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しかし、宿は無人・・・ 呼べど叫べど応答なし・・・ 玄関にもどこにも鍵なんか掛かってもいないのですが・・・
途方に暮れてその辺をウロウロしていたら、通りかかった軽トラのおじさんが声をかけてくれました。 「どげんしたと?」
訳を話すと、
「おばちゃんは畑にでも行っとんなっちゃろ。
もし夜のご飯がなかったらうちにきんしゃい。ほら、あそこに見えとろ?あの海宝丸ていう店。いつもは昼だけばってん、なんか作っちゃるたい。 今から船やけん、後で電話して。」
気さくにそう言うと、おじさんの軽トラは船着き場の方に去って行きました。
この島では誰もが顔見知り。家に鍵なんか掛けたこともないそうな。
何の気負いもてらいもなく、おじさんは三国屋さんをサポートしてくれるようです。 -
不安は的中しました! しばらくして畑から戻ってきた宿の女将さんは、私達のことをすっかり忘れてたんだそうです?
「は?あんた達お客さん?今日のお泊り?」「部屋はあるばってん…」と。
オーマイガー!
(ノД`)・゜・。 うそやろ??~! 女将さ~ん(泣)
泊り客はどうやら私たち一組だけのよう。
みあれ祭の前日に泊まりに来るお客さんはたくさんいても、前々日に来る人はあまりいないのです。釣り客もたまに来るくらいで…
女将さんは、「ご飯は今からじゃあ間に合わんねえ…」 と思案顔。なので、結局、晩ご飯は例の海宝丸さんにお願いすることになりました。
助かりましたよ! だって、他に開いてる食堂なんて全然見当たらないし、売店もない! もちろん、コンビニらしきものも一軒もないんです! 神様仏様海宝丸様!!漁師食堂 海宝丸 グルメ・レストラン
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こちらが「食堂海宝丸」で作って下さった晩ご飯です。
「急ごしらえばってん、うまかよ!」のおじさんの言葉通り、とても美味しい地魚のオンパレードでした。もちろん、海宝丸で獲った、この島の周りの魚ばかり。
ご馳走さまでした♪ -
海宝丸の店内には海宝丸の大漁旗が飾られていて、いかにもな漁師店。テンションが上がります。
と同時に、偉く立派な神棚が目立ちます。
「ここらで一番大きな神棚じゃけん!」 と自慢げなおじさん。
「漁師は神様に命ば護ってもらっとるとやけんね!」 -
がしかし、ご飯の後、とんでもないものを見せて頂きました。
これ、35年前のビデオフィルムです。テレビ画面で再生して下さったのです。もちろんこの方、若き日の”おじさん”こと、福崎久幸さんその人です。
彼曰く、「俺が沖ノ島の出土品ば宗像まで運んだとばい。」
え~~~っ ( ゚Д゚)。。。 -
福崎さんは代々の漁師で、四人兄弟共に同じ船「海宝丸」に乗り込んで漁業を営んでいました。かなり大きな船です。漁獲高も相当なものだったでしょう。
-
彼らはとても熱心に沖津島の神を信仰しており、島に上がるときは必ず、というか当然、海でみそぎを行っていました。
そして神に獲れたての海の幸を奉納し、操業の安全を祈っていたのだそうです。
海の民にとって、海の神の護りを得ることは最も大事なことです。だって、板子一枚下は地獄、なのですから。
中でも、沖津島の田心姫(たごりひめ)は、宗像大社三女神の中でも最も強い神であり、漁民の信仰を一身に集めておわすとか。 -
でも、その福崎さんが沖津島の出土品を運んだという話は何処でどう繋がるの??
実は、昭和初期、宗像大社は大変に疲弊し崩れかけんばかりの有様だったのだそうです。これを見て、とても心を痛めたのが、あの出光石油の出光佐三氏。「海賊と呼ばれた男」で、若い方にもよく知られているあの出光氏です。出光氏はこの宗像の出身なんだそうです。
彼は、私財を投げ打って宗像大社を復活させることを決心します。手始めに史料の編纂から始め、次に沖津島の発掘調査にも乗り出します。この時、あの、海の正倉院と言われるような貴重な出土品が初めて日の目を見ることとなったのです。
出光氏は、福崎青年にとても目をかけて可愛がってくれていました。出土品を運ぶのにも、海宝丸を抜擢してくれました。だから、喜んで海宝丸で宝を運んだのだと、福崎さんは話してくれました。
そうして、海に暮らす漁師たちの姿と神への信仰の心を記録するためにも、出光氏は彼を中心にした映像を撮影したのだそうです。本当に貴重なフィルムでした。
福崎氏は「お宝を一つくらい貰っとけばよかったかな?ハハハ」と豪快に笑っていらっしゃいましたが・・・ -
ああ・・・知りませんでした・・・ あの出光氏が宗像大社を衰退から救った人だったとは・・・宗像大社の中興の祖と言っても言い過ぎではないほどの人物ではありませんか・・・
彼がいなければ、現在世界遺産として輝いている宗像大社もどうなっていたことか…
出光氏は自分の名前を出すことを非常に嫌っていたそうで、大社のどこにも出光の”い”の字もありません。他にも様々な地域貢献をされたようなのですが、一切名前を出すのを嫌われたのだそうです。
明治の男って、なんか偉いなぁ… 尊敬…
(*'▽')
これから、ガソリンは出光で入れようっと!
※この写真は画面がダブっていて見づらいですが、沖津宮でのお詣りの様子だそうです。
※以上の6枚はこのテレビの映像を映したものです。著作権が心配だけど、出光さんならそげなこまんかことは気にしんしゃれんやろうけんねっ
(;´∀`) -
ご神体でしょうか?ここに神が宿られるのでしょうか?いくら35年前の映像とは言え、なんだか、見てはいけないものを見ているような感覚に襲われます。
宗像大社の三女神は天照大御神と須佐之男命との間に出来た神たちで、宗像大社は、伊勢神宮・出雲大社と並ぶ格式だと言われているそうです。
中には国家神道と結び付けて、ある種のアレルギーを感じる読者もいらっしゃるかもしれませんが、ここ大島とその海域の漁師さんたちにとっては、まさに命がけですがる海の神そのものであり、それ以外の何物でもないのだと思いました。
元々この辺りはヤマト政権とは相いれない豪族の支配下にあったともいわれているそうですし。
三国屋の女将さんが私たちの予約を忘れていてくれたおかげで、大変な物語を知ることが出来ました。女将さんと海宝丸の福崎さんに感謝! -
さて、翌日早朝、防波堤で朝まづめを狙って釣りに挑戦。せっかく釣り具持ってきたんですものね!
でも、釣れたのは小さなアジゴばかり。この後数日間はアジの南蛮漬け責めにあいました
(*_*;大島 自然・景勝地
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トンビだか鷹の仲間だか分かりませんが、悠々と辺りを睥睨しています。気のせいか、こっちを見ているような…
この時期、アジゴしかかからないのにね、と思っているのかなぁ… -
三国屋の女将さん、遠藤敏枝さん。初日の宿泊は忘れられちゃいましたけど、とっても気のいいのんびりした方でした。もう年だからと自分ではおっしゃりながらも、とてもお元気。島の人はみんなおおらかで素敵です。
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二日目の朝釣りの後は島を見物しようと、レンタカーに申し込んだんですが、予約がいっぱいで断られちゃいました。でも、お店の方が、次のお客さんの予約時間までの一時間位でいいなら、自分が運転して案内してあげるよと言って下さり、一時間半で効率よく島を回って頂くことが出来ました。狭くて標識もあまりない山道ですから、自分たちで運転していたら迷子になってしまったかも!
大島の人は明るくて元気で親切な人ばっかり! ありがとうございます!大島港渡船ターミナル 乗り物
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ドライブ開始。
やはり真っ先に目指すのは中津宮。港のすぐ近くです。宗像大社中津宮 寺・神社・教会
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石段を登っていくと
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本殿が現れます。
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内部には、既に沖ノ島から到着していた沖津宮のタゴリ姫と、中津宮のタギツ姫のご神体と思しきものが安置してありました。神々しさを感じます。
デモ、でも、柵もなく鎖もなく、いわゆるセキュリティってどうなってんの?大丈夫なの?誰も盗んだりしないの???
・・・あ~やっぱり私達って、すっかり都会の毒にやられてるんですね!!この島で、神様をどうこうしようなんて罰当たりなこと、する人なんているわきゃないんですよね!!家に鍵を掛けたこともない人たちの住む島なんだもの! -
境内には明日ご神体をお乗せする神輿がこれも素直にそこに置いてありました。
都会なら、きっとセコムかなにかしてあるでしょうに・・・ -
次に向かったのは、沖津島を望む遙拝所です。沖津島は女人禁制で、男性でも必ずみそぎをしなければいけないので、女性や子供の為にここから沖合北方50㎞に浮かぶ沖ノ島を拝む遙拝所が作られたのです。
宗像大社沖津宮遙拝所 寺・神社・教会
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晴れていればはるかに見えるそうですが、あいにくこの日はガスっていてダメでした。残念。。。
でも、沖津島の方角に向かって、私たちも心を込めてお祈りをしました。
この海をどうかずっとずっとお守り下さい、と。 -
遙拝所の本殿。扉があいていれば、その先にまっすぐ沖津島が見えるそうです。
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太平洋戦争中のトーチカらしきものも残っていました。
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大島の観光案内所にあったポスターです。
『沖津島で見聞きしたことは決して口外してはならない』
これが島の掟なのだそうです。 -
さて、絶対に忘れてはいけないものをご紹介します。マジめっちゃグルメ!
これ「鯛さんど」です。船着き場の南東に海水浴場があるのですが、そのそばにある「kitchen KAIKYU」というカフェのイチオシメニューなんです。その美味しいことったら!!これを食べるためにだけこの島を訪れるお客さんもいるとか。
たぶん、カイキュウという船で獲った鯛を奥様の工夫で仕上げたレシピなんだと思います。ママもとっても美人!写真を撮らせてもらうのを忘れたのが残念!
「イスタンブールでサバサンド食べ損ねたもんね、鯛ならどげんやろか。」などと軽い気持ちで一口ほおばってあまりの美味しさにビックリ仰天!うそやろ??~!と思いましたよ。
おススメです!!かんす海水浴場 ビーチ
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夜には、大島渡船ターミナル近くの漁協売店の側でこんな夜店が出て賑わっていました。やはりみあれ祭の前夜は特別なんですね!
大島 自然・景勝地
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花火大会もありました。一番前でゆっくり見られました。みあれ祭の前夜祭かと思っていたら、単に夏の花火大会が延期になっていたから、なのですって。どこまでも島の生活はゆったりなんですね。
動画もあります。季節外れの花火をたっぷりお楽しみください。
私たちの周りには島の中学生の一団や赤ちゃん連れの家族がいて、和気あいあい、思い思いの声も入っていると思います。思いがけないプレゼントでした。
https://youtu.be/xo5E0eOdjSs -
いよいよ10月1日みあれ祭当日。今回のメインエベント!!
我々は連絡船変じた観光伴走船に乗り込み、海のパレードを見物します。
黄色い衣服を着けた神官さんたちの乗っているのが御座船。
宗像大社の白いのぼりが目印です。 -
二隻の御座船を取り囲むようにして、百隻以上の漁船団が一斉に大島から神湊を目指します。すごい迫力です!
よかったら、動画もご覧下さい。ただ、画像がめちゃくちゃ悪く、周りのお客さんたちの声も入って騒がしいのですが、雰囲気だけは感じて頂けるかも!
百聞は一見に如かずといいますから。
https://youtu.be/WVJzOBykHMg -
約1時間の海上神幸の後、御座船と漁船の集団は神湊に無事入りました。
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神湊で出迎えた辺津野宮の三番目の市杵島姫命(イチキシマヒメ)も加え、三女神の神輿が揃いました。向こう側が正面。手前は海側です。
大島渡船 (おおしま しおかぜ) 乗り物
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ここで、出迎えた宗像大社の神主さんによって祝詞が奏され、その後、三女神は大社に向かって神幸されました。大社ではここからがみあれ祭の本番だそうで、様々な儀式が行われるのだそうですが、私たちは今年はここまで。大社での参詣は来年のお楽しみにしようと思います。
※お写真を掲載させていただいた方々からは、その旨快諾をして頂いています。
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この旅行記へのコメント (2)
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- makiさん 2020/03/19 21:56:20
- こんばんは!
- 何時も写真の無い旅行記に沢山いいね!を
頂き有難う御座います!
私は福岡在住で宗像大社前の親戚に行きます!
昔は大社は交通安全や神湊の魚料理と有名でしたが
閑古鳥が鳴いてましたが
世界遺産で少しは有名になりましたが
中々宗像大社際は見れないので
投稿に感謝します!
- はなまりんさん からの返信 2020/03/22 09:58:27
- おはようございます
- 先日返信をさせていただいたはずなのですが、どこにも見当たりません。なので、再度書かせてもらいます。内容がダブっていたらごめんなさいね。
同郷の方がいらして嬉しいです。宗像大社は県民の誇りですよね!マイカーのフロントガラスには、宗像さんの交通安全のお守りを下げています。今回、やっとみあれ祭を見られて大感激です。しかも復興は出光さんの助力によるところが大きいと知り、これも嬉しい限りだと思いました。「海賊と呼ばれた男」も、郷土の誇りですね!
makiさんの、写真のない旅行記には初めビックリしましたが、読むうち、それもありだなと思いました。また色々書いて下さいね。
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