2019/09/10 - 2019/09/10
4位(同エリア69件中)
かっちんさん
2020-12-27追記
昨晩、NHKBSプレミアムで放送された「チロルの挽歌」。
芦別の舞台となった「チロルワールド」、実は「カナディアンワールド」のことです。三井芦別炭鉱の閉山により斜陽化する対策の一つとして「炭鉱から観光」への掛け声のもとに開園しました。
昨年閉園しましたが、存続を希望する民間人と既存のテナント入居者とて「カナディアンワールド振興会」を結成し、クラウドファンディングで集めた寄付金をもとに復活しました。
4/末~10/末の土日(夏休み期間は毎日)開園しています。
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今日は2019年10月20日に閉園する「カナディアンワールド公園」を訪ねます。
カナディアンワールドは、平成2年(1990)に「赤毛のアン」をキャッチフレーズとし、19世紀のカナダを再現したテーマパークとして開園。
しかし、入場数が伸びずに経営破綻し平成10年(1998)閉園。
平成11年(1999)に市の公園として再オープンし、無料開放します。
園内中央にある池のほとりには、カナダの「古い街並み」が並び、そのまわりの森に「赤毛のアンの家」や「アンの教会」が建っています。
週末には各種テナントがオープンし賑わっていますが、今日は平日なのでひっそりとしています。
イベントとして、「赤毛のアン祭」や「アンのスターパーク プレミアムナイトツアー(星空観賞会)」なども開催されてきました。
当初のテーマパーク時代には「街並み」の周囲にミニ鉄道が走り、今でも線路や駅、列車等の面影が見られます。
また、平成4年(1992)NHKで放送された山田太一脚本、高倉健・大原麗子ダブル主演のドラマ「チロルの挽歌」は、炭鉱の閉山で過疎に悩む「納布加野敷(ぬぷかのしけ)」市にテーマパーク「チロリアンワールド」を建設し、地域を活性化させる物語です。
「カナディアンワールド」が「チロリアンワールド」のモデルとなり、ロケもこの地で行われました。
今朝は帯広から根室本線に乗り、途中の新得~東鹿越間を代行バス、再び鉄道に乗り換え芦別にやって来ます。
「カナディアンワールド公園」へのアクセスは芦別駅前からタクシーで15分ほど。まもなく閉園となる「赤毛のアンの家」や「カナダの街並み」の建物を見ながら散策します。
その後、函館本線の江部乙(えべおつ)へ移動し、江部乙神社の「笑う狛犬」を拝観します。
今晩の宿は札幌です。
カナディアンワールド公園の閉園の経緯は細かくなりますが、以下の通りです。
元々は石炭露天掘りの芦別鉱業が市から土地を借り、「黄金露天坑」の一部として露天掘りをしていましたが、輸入炭との価格競争の激化などを受け、昭和58年(1983)に採掘を終了。
その敷地にカナディアンワールドが作られました。
芦別鉱業は、近隣で操業中の「紅葉の沢露天坑」が2020年に予定量の採掘を終える見込みで、後継の炭鉱として石炭が豊富な夕張層に位置するカナディアンワールド公園に注目。
近年は重機の改良などで採掘効率が高まり、採算が取れる可能性が高まってきたと判断し、2017年10月からボーリングによる調査を2年間行い、石炭の埋蔵量や品質を確認しています。
調査結果はそろそろ公表されると思います。
また、カナディアンワールドを運営していた第三セクターの「星の降る里芦別」は2007年に自己破産を申請。
市が負債約32億円を肩代わりし、金融機関に利息込みで毎年1億7千万円の返済が7年後の2016年まで続きます。
公園内の建物は老朽化が進み、建て替えには20億円かかる試算。市は2018年11月に、2019年度末に閉園することを決めました。
今年の開園期間は2019年4月27日~10月20日。つまり10月20日が実質的に閉園となります。
なお、旅行記は下記資料を参考にしました。
・カナディアンワールド振興会「赤毛のアンの世界を模したカナディアンワールドを存続させたい!」
・新得町「現地案内板、北海道の重心地」
・新築町観光協会「しばた牧場ロケセット一般公開します!」
・NPO法人 旧狩勝線を楽しむ会「旧狩勝線の近代化遺産」
・北海道駅前観光案内所ブログ「島ノ下」
・芦別市「2019年度まちづくり懇談会、芦別駅前広場等整備工事平面図」
・芦別市観光総合ガイド「カナディアンワールド公園」
・北海道Likers「星の降る里・芦別のカナディアンワールド公園へ、星空観賞ツアーに出かけませんか」
・北海道新聞「カナディアンワールド公園敷地 炭鉱開発も」2017年9月12日
・北海道新聞「ほっかいどう平成考、バブルの回廊、テーマパークに時代の波」2019年3月8日
・カナディアンワールド公園の現地案内板
・江部乙駅の待合室の掲示板
・「日本で最も美しい村」HP
・江部乙神社の現地案内板「笑う狛犬 福を呼ぶ」
・ウィキペディア「金山ダム」「チロルの挽歌」「赤毛のアン」
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- タクシー JR特急 JRローカル 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
ヤジロベエの塔(新得駅前)
帯広駅から7時前の特急「スーパーとかち」に乗り、新得駅に来ています。
新得町は「北海道の重心地」に位置し、重心モニュメント「ヤジロベエの塔」が設置されています。
具体的な重心地点は、新得駅から北に43km、トムラウシ温泉の西側です。 -
「なつぞら」のロケ地(新得駅)
2019年NHK連続テレビ小説「なつぞら」の舞台となった「しばた牧場 玄関前・新牛舎」が、新得駅近くで2019年10月31日(予定)まで公開されています。 -
根室線のバス代行輸送
東鹿越~新得間は2016年8月31日台風10号による被害を受けて鉄道が不通となり、バス代行輸送をしています。
運行ルートは国鉄旧狩勝線沿いの国道38号線です。 -
代行バス
新得駅 7:59発の代行バスに乗ります。 -
無線鉄塔(狩勝峠の車窓)
狩勝峠へ向けて出発。
旧狩勝線は昭和41年(1966)に廃線となり、新内~新得間は狩勝実験線として活用されました。
当時多発していた貨車の脱線事故の研究のため、競合脱線実験などによりそのメカニズムを解明しました。
無線鉄塔はデータ送信のために建てられたものです。 -
狩勝峠1合目通過(狩勝峠の車窓)
エゾシマリスの標識です。 -
動物注意標識(狩勝峠の車窓)
「鹿の子」模様のエゾシカがこちらを見ています。
「鹿の子」模様は珍しいです。 -
雄大な十勝平野の眺望(狩勝峠の車窓)
狩勝峠の少し手前。
国鉄旧狩勝線は大カーブの築堤があり、かつて「日本三大車窓」と言われ、見晴らしが最高だったと想像できます。 -
落合駅(車窓)
狩勝峠を越えた後、代行バスなので落合駅に立ち寄り停車します。
早めに着き、発車時刻まで5分ほどあるので、ホームに出てみます。 -
鉄道の来ないホーム(落合駅)
-
イチオシ
駅舎とホーム(落合駅)
線路は草ぼうぼう。鉄道は当分の間、復旧しないかも知れません。 -
馬鈴薯の収穫(幾寅付近の車窓)
-
映画「鉄道員(ぽっぽや)」に使われたキハ12(幾寅駅前の車窓)
キハ12は昭和31年から昭和55年まで道北・道東を中心に活躍していたディーゼルカーです。
お隣は映画に使われた「だるま食堂」。 -
幌舞駅に停車(幾寅駅の車窓)
正式な駅名はJR幾寅(いくとら)。
映画では「幌舞(ほろまい)」駅となり、終着駅の設定でした。
幌舞駅とその周辺は、2014年7月26日に訪ねているので、そちらの旅行記も参考にしてください。
「鉄道員(幌舞駅)で元気づいている南富良野を訪ねて(北海道)」
https://4travel.jp/travelogue/10913322 -
タマネギの収穫作業(幾寅付近の車窓)
-
東鹿越駅舎
代行バスは東鹿越駅に到着。 -
鉄道への乗換(東鹿越駅)
乗換時間は8分あります。 -
時刻表(東鹿越駅)
新得・帯広・釧路方面の下りは代行バス。
富良野・滝川方面の上りは鉄道。 -
行先板「東鹿越-富良野-滝川」(東鹿越駅)
東鹿越 9:15発の滝川行きです。 -
幾寅方面は赤信号表示(東鹿越駅)
不通区間ですから。 -
「かなやま湖」(金山付近の車窓)
滝川行きの列車は東鹿越駅を出発すると、「かなやま湖」を鉄橋で渡ります。
空知川の治水と滝川市・富良野地域への水源確保及び電力供給を目的に建設された金山ダム(昭和42年竣工)によってできた「かなやま湖」です。 -
黄金色の稲穂(布部付近の車窓)
富良野に入ると水稲田が増えてきます。 -
タマネギ畑(布部付近の車窓)
-
タマネギの天日干し(富良野付近の車窓)
富良野はタマネギ王国です。 -
空知川(旧島ノ下付近の車窓)
まもなく「島ノ下トンネル」に入りしばらくすると一瞬、外に出て次の「滝里トンネル」に入ります。
二つ合わせて約8.4kmもある長大トンネルです。
滝里ダム建設により平成3年(1991)にトンネルによる新ルートに切り替わりました。 -
駅前にある貯木場(野花南駅の車窓)
綺麗な響きの「野花南(のかなん)」です。 -
芦別駅で列車のお見送り
「芦別カナディアンワールド公園」を訪れるため、ここで下車します。 -
芦別駅駅舎
芦別周辺はかつて炭鉱で栄えてきたところです。
駅前広場は現在整備工事中で、2年前に訪れたときにあった歓迎塔の「五重塔(塔の下が電話ボックス)」は撤去されていました。 -
カナディアンワールド公園
芦別駅前からタクシーに乗り、15分ほどで山の中の公園に到着。
入場無料です。 -
公園案内図
公園の玄関は山の中腹にある「出入口」一ヶ所です。
「出入口」から下り坂の斜面となり、池のほとりにある「街並み」・「ブライトリバー駅」付近は低地です。
「アンの家」は出入口と池の途中にあります。
最初に管理事務所に立ち寄って案内図をもらい、散策を開始します。
平日のせいか、スタッフが常駐しているのはここだけです。 -
ベルトレイン(出入口)
テーマパーク時代に園内を回っていたSL型バスが放置されています。 -
公園の外にある教会
この教会は「チロルの挽歌」のロケに使われたそうです。 -
落ち着いた雰囲気の「セントジョン時計台」(公園内)
ナイヤガラの滝から北へ20km、ナイヤガラ川がオンタリオ湖に流れいるところにナイヤガラ・オン・ザ・レイクという美しい町があります。
その町の入口に建っているクロックタワーをモデルにして作られたのが、この「セントジョン時計台」です。 -
デザインマンホール(公園内)
可愛い「赤毛のアン」が描かれています。 -
ノコンギクが満開(公園内)
-
ブライトリバー駅(公園内)
公園の一番低いところにあります。
テーマパークの時代はここも出入口でしたが、今は使用していません。 -
イチオシ
ミニ列車軌道跡(公園内)
カナダの山岳鉄道の雰囲気があります。 -
緑色の客車(公園内)
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ファーマーズ駅乗車口(公園内)
入口に鍵がかかっているので、駅舎には入れません。 -
カナダの街並み(公園内)
池のほとりにある街並みです。 -
急峻な屋根の建物が並びます(公園内)
-
イチオシ
青空に映える石造りの建物(カナディアンワールド公園内)
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PRセンター(公園内)
ここに展示室があります。 -
「チロルの挽歌」の一場面(PRセンター)
ロケ地に使われたカナディアンワールド。
出演者はみんな若いですね。 -
アンの家(公園内)
孤児として育ったアン・シャーリー(赤毛のアン)を養女に迎えてくれたマシューとマリラ兄弟の家です。
カナダのプリンス・エドワード島国立公園にあるグリーンゲイブルズをモデルに、建物や室内の造作をできる限り忠実に再現しています。 -
アンの部屋(アンの家)
「アンの部屋」の窓からは、友人のダイアナの家が見えます。 -
アンの衣装(アンの家)
衣装を着て、赤毛のおさげ髪を付ければ、「アン」になれます。 -
リンド夫人の家(公園内)
リンド夫人はグリーンゲイブルズの近所に住んでいて、マリラの旧友。
おしゃべりで、面倒見のいい性格のため地域住民から頼りにされています。 -
イチオシ
コスモスに囲まれる「セントジョン時計台」(公園内)
-
秋深まるコスモス畑(公園内)
-
レールでつくられたホーム上屋(芦別駅)
カナディアンワールド公園からの帰りもタクシーを利用し、芦別駅に戻ってきました。
これから滝川駅を経由し、函館本線の江部乙(えべおつ)駅へ向かいます。 -
イチオシ
青空に映える「菜の花色の江部乙駅」に到着
江部乙は「日本で最も美しい村」のひとつ。
春はナタネ採取のため菜の花が栽培され、秋には甘酸っぱく香るりんご園が点在しています。
平成28年に駅舎を改装し、菜の花を連想させる緑と黄色い壁、赤いりんご色の屋根が誕生しました。 -
イチオシ
ニタ~!「笑う狛犬」(江部乙神社)
丸くてぱっちりした目、お団子のような丸い鼻、左右に口角が「ニッ」とあがった口。
明治43年に奉納された狛犬です。
江部乙神社は明治27年に屯田兵とその家族が地域の鎮守様に天照大神を奉斎したのが始まりです。 -
「道の駅たきかわ」で遅めの昼食(江部乙)
1番人気メニューの「五目あんかけ焼きそば」、滝川産もち麦使用の「もちもちえびワンタン」、北海道産小麦を使い形が楽しくジューシーな「たきかわ餃子」が並びます。
すべて美味しくいただきました。 -
赤い実のナナカマド(江部乙)
江部乙駅へ戻る途中、江部乙中央児童公園でナナカマドを見かけます。 -
池に映る青空とナナカマド(児童公園)
水鏡の方が奇麗です。 -
建物アート(江部乙駅近く)
トタン壁と補強木材が現代アートに見えます。
所有している人はそうは思っていないでしょうが・・・ -
夕陽を浴び、列車を待つ女子高生(江部乙駅)
学校から家に帰るところですね。 -
美しい彩りの江部乙駅を出発する電車
今日はカナディアンワールド公園を閉園前に訪れることができ、カナダの美しい街並みを歩くことができました。
「アンの家」はプリンス・エドワード島のグリーンゲイブルズを忠実に再現した建物なので、閉園後もどこかに移築し保存して欲しいと思いました。
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