ネパール一か月周遊旅～古都からヒマラヤ、ジャングル動物探検にブッダ誕生の地まで③～ヒマラヤ登山編①

2014/03/24 - 2014/04/21

あの大地震に見舞われる前年の2014年の3月から4月に掛けて、約1か月間ネパールを旅してきた時の記憶です。
元々ヒマラヤ山脈でのトレッキングがメインの目的で行ったのですが、一か月の間には他にも歴史的な古都の散策やジャングルでの動物探検にブッダ生誕の地訪問など大自然から歴史までバラエティーに富んだ内容でした。

主な旅程は、以下の通り

☆カトマンズ到着＆周辺を散策
☆ヒマラヤトレッキングのペースになる湖畔の町・ポカラ周辺で日帰りトレッキングや周辺散策
☆アンナプルナベースキャンプまで8日間のヒマラヤトレッキング
☆再びポカラで周辺をバイクなどで散策
☆チトワン国立公園で徒歩ジャングル探検中にサイに襲われたり、村でゾウの入浴や撮影隊を見る
☆ブッダ生誕の地・ルンビニでネパール正月のフェスティバルに出くわす
☆旅行者がまだ少ない、かつての都・タンセン（Palpa)で歴史的町並みやトレッキングを楽しむ
☆カトマンズに帰って来て、翌年に大地震でダメージを受ける前の中世の街並みが残るバクトプル（Baktapur)を散策

こんな感じの行程で、盛沢山ネパールを満喫出来ました。

また、ローカルの人達も本当に優しくて、かつフレンドリーで色々と彼らのホスピタリティにも勉強させられた旅でもありました。

カトマンズまでは住んでいるオーストラリア・パースからエアアジアXでクアラルンプール経由で行きました。
ネパール内は全てバスで移動してます。

第３弾はメインの目的であった、８日間に渡るアンナプルナベースキャンプを目指すヒマラヤトレッキングの第一部です。

エリア ヒマラヤ(ネパール)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 4.5
• グルメ: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

ポカラにてトレッキングに入る前に、オーストラリアの自宅から持ってこなかった物を購入した。それはサングラスに手袋や高山病予防の錠剤（ポカラのレイクサイドのメイン通りにある薬局で購入可能）、そしてWater Purificationのピル（水を浄化する錠剤）などだ。
他の防寒具、寝袋、シューズ・ヘッドライトなどはオーストラリアから持参してきた。

今回のトレッキング先はアンナプルナベースキャンプ・通称“ABC"への往復で、有名ルートの為一人で行こうと思っていたが行く直前に考えが変わり、初ヒマラヤで自分自身が極度の方向音痴の為、ガイドを雇って行く事にした。

ガイドを頼んだトレッキングサービス会社は”３ Sisters"という、その名の通り実の３姉妹が経営している会社で、欧米のフェミニスト達の寄付や支援を受けて設立された、ネパール女性の社会進出を目標に掲げている会社である。
なので女性ガイドも多く女性限定のツアーもやっているらしいが、俺は男一人なので、Jayaという男性ガイドにガイドしてもらう事になった。

この会社からついでにKarineというスタート地点まで車を手配してもらって、ポカラの町から車でドライバー・Jaya・自分の３人で出発した。

ちなみにガイドのJayaは以前出稼ぎで日本の工場で働いていたことがあるらしく、時折”浜松の花火、キレイでした”などのトリッキーな日本語を繰り出してきたりする。
ただもう日本を離れて何年もたっているので、日本語をあまり覚えていないみたいだ。

車で１時間ちょっと走っていると、もう目指すアンナプルナの名峰群が見えてきたぞ??

左に見えているのがアンナプルナサウスなどの山々で、登っていく時の言わばランドマーク的な存在となっていく。そして中央の山がその特徴的な頂上の形から通称”フィッシュテイル”と呼ばれているMacchapucchareの頂き。

”フィッシュテイル”の頂きは本当に尖っていて、魚のしっぱのような特徴的な頂上のだ。
ここの山は神聖で、今では登山者を受け入れていない。かつてあまりの危険さに遭難する登山者が続出した。。

出発地点のKarineにつき、ドライバーと分かれここからは完全にエンジンの無い世界だ。
後はガイドのJayaと８日間ひたすら二人で登るだけである。

いや～、初日から晴れていて良かったな～?
気持ちの良いスタートだ??

多くのトレッカーはNayapulという所からトレッキングをスタートするのだが、俺達は混雑をさけるためにKarineから出発したので、最初から他の登山客に殆ど会わないのである。

最初の少し見晴らしのいい場所で休憩。
ここはオーストラリアの遠征隊が初のヒマラヤ挑戦でキャンプを張ったことから通称”オーストラリア・キャンプ”と呼ばれている所。

ここでテントを２つほど見かけた。
誰かキャンプしてるみたいだ。

ちなみに今回のトレッキングはキャンプスタイルではなく、この辺のルートのほとんどのトレッカーがやる”ティーハウストレッキング”スタイル。ティーハウスとは宿も兼ねた食堂で、その道すがらにあるティーハウスで食事・休憩・宿泊しながら行く。
荷物はキャンプトレッキングに比べると極端に少なくなるので今回は１２キロ弱の荷物を背負ってのトレッキング。

でもいつかはここヒマラヤでも、以前中央アジアでやったような、もっと奥地の人が全然いない山でキャンプトレッキングを絶対やりたいと思う。

今回は初ヒマラヤなのでまずはここがどんな所か見てみたい。

ヤク????、、、ただのウシか??
ヤクだったら嬉しいが。。

山の奥へと入っていくと、途中途中にまだ点々と集落がある。
この辺りはほぼ農業で生計を立てているのだろう。

山ならではの知恵・段々畑がいい雰囲気を出している。
この辺はまだ標高も低いので、神々しくド迫力なイメージのヒマラヤとは違って、ホンワカとした山間の村の暮らしが見えてくる生活感の強いエリアだ。

まだまだトレッキングが始まったばかりのこの辺は山を登ったり降りたりして、高度を上げ下げしながら奥へと進んでいく感じ。

前方には思い荷物を運んでいる地元の男達。
いや何がすごいってあの荷物、強い人は６０キロ近くの重荷を運んでいるそうな。。。
彼らはひたすら休まずに一歩一歩進んで遥か遠くまで荷物を運んでしまう。
彼らポーターの中には我らトレッカーが泊まるティーハウスへの食糧などを運んでいる人達も多いので、自分達がこうして海外からフラリと来てヒマラヤの大自然を満喫出来るのも、彼らのおかげでもあるので感謝しかない。

水牛も暑ければ水風呂に入るのである。

目の前を通る我々に何の関心も示さず完全にリラックスしているその姿は、地元の温泉に入っているおっさんと何も変わらない。。

思ったより全然人に会わないのである。
このルートはガイドのJayaの提案で来たので、当たりであった。
Nayapulから始まるルートではもっと全然人が多いとのこと。

まだ午後３時半くらいだが、今日の目的地であるLandrukという村に着いた??　
ここも段々畑が多い、農家の人たちが暮らす山間の村だ。
上がったり下がったりを繰り返したので、まだ標高は１６５０ｍ。

これが本日の宿

家族経営で皆親切だった。
部屋も思った以上に綺麗だったし、外装が結構ツボである。
何より娘が可愛くて愛想も良く、おまけに本日アジア系の客は俺しかいないからか、やたらとお茶や何やら気を使ってサービスしてくれるので思わずあと一週間くらいここにいようかと思ってしまう。。
いや、、、初日から何言ってんだ、、俺。。

ツインの部屋を与えられ、誰か来たらシェアになるという事だったけど、結局シェアする事なく一人でゆっくり眠る事が出来た。

但し都会のカトマンズさえ毎晩停電するネパール。そしてここは山の中の村。当然夜９時を過ぎると電気は無くなるのでヘッドライトは必須である。
夜は本当に完全に真っ暗になる

先に着いていた他のトレッカーが重いトレッキングシューズを脱いで気持ち良さそうに裸足で寝転んでいる。
違うルートからここにやって来たみたいで、途中で全然会わなかった。
ただここら辺にはここくらいしか宿がないので皆ここに来た人は同じ宿に泊まる事になる。

下の芝生スペースでイギリス人の熟年団体グループがキャンプしている。
後で夕食の時話したが、彼らは若い時から山に行ったりしてるみたいで、同じ団体で他の国とかも行っているみたい。いわゆる山岳同好会みたいなものか。。
大所帯でポーターやシェフも帯同させて動いている。
彼らは俺の目指すアンナプルナベースキャンプを越えてもっともっと奥にある、５６００ｍくらいの高度までキャンプで目指すみたい。
２週間以上の行程でキャンプなので荷物も多くなるんだろう。。

この時夕食で隣になり仲良くなったフランス人の男一人のファビアという旅人とはこの後もペースがかぶりベースキャンプで一緒になるのであった。
やはり一人旅同士だと打ち解けるのも早い。

夕食前にガイドのJayaに連れられて付近の村を散策した。
写真はこの辺りの典型的な家。
藁の屋根に石を積み上げて作られた簡素な作りだ。
でも引っ越しは簡単そう。

農作業帰りか、これから合コンにでも行くのか分からんが、トラックの荷台にギュウギュウになりながらも道を歩く村の若い女の子に何か卑猥な？言葉を浴びせ盛り上がる若い男の集団。
冷やかされた女子グループたちも真っ赤な顔をして何か応戦していた。

結局都会の街だろうがヒマラヤの山の村だろうが、男達のやる事など一緒なのである。

村の一角の農家で一体普通に何育ててるの????

ガーリックなどと何気なく並んでるけど、何で堂々とこんな物を囲いも無く育ててるの？これ日本だったら即アウトだよ、、、っていうかネパールでももっとコソコソやってるのかと思ってたけど、、、公共に見えるように立派に育つハ○シの葉っぱ。。。

もしかしたらこれは他の、医療などの崇高な目的の為に育てられてるのかも知れない。。。ってそんな訳無いか?

山の奥に壮大にゆっくりと沈みゆく夕日。

トレッカー達も皆ボッーと今日の疲れを癒すべく眺めていた。。

こういう瞬間を沢山味わうために山に登ってるのかな。。。

一旦日が沈んでからの山の夜は早く深かった。

電気も止まるので、夜トイレに行くのに外に出た際中々の星の輝きだった。
もっと上に行ったら更に良くなりそうだ?

翌朝さっさと朝食を済まして７時前には出発だ??

この日の朝は快晴で、前日の夕方には霧でハッキリ見えなかったアンナプルナサウスがクッキリと姿を現したぞ?

何故ならやっぱり朝が天気が良い時が多く、景色もいいからだ。午後になるとドンドン雲が出てきて遠くの山の景色が見えにくくなってしまし、雨など降って来る確率もぐっと上がるので、出来る限り早めに動いて午後もあまり遅くならずに一日のトレッキングを終えるのがベスト。

また暑くなる前にどんどんと前に進んでいく為に。。

シェアすることなくゆったりと一晩過ごせた部屋にバイバイ??

思ってた何倍も快適だった?
ありがとう。

しばらく歩いていると村を通るたびにこういう場面に出くわした。

何か穀物を扱う村の女性。
この辺りは地理的にもほぼ自給自足なんだろうな。。。

元々ネパールはネット事情が良くなく、街にいても電気も止まればWifiも止まっていたけど、この山にいる８日間は完全にネットから離れられるのも嬉しい。

人間にはそういう時間も必要で、また最近では無理にそういう環境にでも行かないとどうしてもネットをやってしまうので。。
たまには人間本来の姿に戻らないと?

このトレッキングで最初の吊り橋だ。

いや、これに乗っても本当に大丈夫なんだろうか？？
どうか対面からマツコ・デラックスみたいな人がやって来ませんように。。

まだまだ朝は天気も保って進みゆく前方にはアンナプルナサウスがでーんと見える。このトレッキングでは常に目に入ってきたので、とても印象深い山になった。

ちょろちょろだが川が出てきた。
もし水が無くなってもここなら何とか水分補給できる。

ちなみにトレッキング中は最低一日３リットルの水を飲めとガイドのJayaに言われた。高山病の予防にもなるらしく、ティーハウスで水はフィルター済みのを買う事が出来る。が、折角ポカラで買ったwater purificationの錠剤を使いたくてしょうがない俺は、水をペットボトルに入れてもらうたびにその錠剤を溶かし、ベテラントレッカーの様な顔をして得意げにしていた。

なんか、ちょっと近づいてきたか??
山をちゃんと登っている実感が湧いてくる。。
それにしても美しい山だ?

川がすぐ横を流れる中歩いていく。

この辺の水は少し生活圏内から離れているので綺麗になってきた。

でもJaya曰く、それでも標高３０００ｍくらいまでは民家もあるので彼らが平気で流す生活用水で汚染されているので、直接水を飲むのは３０００ｍを超えたあたりからにした方が良いとアドバイスされた。

こんな山の方にももう汚染が広がっているのね。。
見た目は綺麗な水なのに。。

これは何か穀物を引いている道具だと思うが、ちゃんと覚えていないがこの辺はこれで自家発電していると言っていたような気がする。。。

だとしたらなんて効率的で頭いいんだ。
この辺はそこまで電力要らないだろうし、少しのエネルギーで住むんだから。ザッツ・エコである。

本日２つめのつり橋。

ここならもし落ちても下が川だから大丈夫かな。。

それにしても一人しか通れない。

こんな山にまさか蝶々がいるなんて、ビックリ?

ジャングルならわかるけど、こんな生物っ気のない山で綺麗な色の蝶は不似合いというか、シュールだ。

水はちょっと汚染されててもいいもんね??
頭洗っちゃおう
気持ちいい～～～?

今日はよく歩いているのでこの冷たさが身に染みる。

これも民家で良く見た光景。

この干し菜っ葉はダル・バートの脇役として乗っかている事が多いが、高菜みたいでちょっとピリッとして美味しいのである?
お替りし放題のダル・バートと言っても、いい加減カレー攻撃に飽きてきてるので、そういう時はライスとこれをひたすらお替りして腹を膨らましたくなるので、そういう時この菜っ葉は一気に脇役から主役になるのである。

山の中のダル・バート攻勢にあえぐ、食卓の救世主となった。

そしてこの日はかなり歩いて、目的地のChhomrong（標高２１７０ｍ）という村にある宿に泊まる事になった。
ここは各ルートが交わう、いわゆるトレッキングルート大きな交差点みたいな村なので、滞在するトレッカーも多いが、宿も沢山ある。一つのちゃんとした村を形成していて、メイン通りには絵葉書などを売るお土産屋や、山のギアを扱う店まである。

そして思った以上に頭が寒い事に気付いた俺は、この先は買える店とかが無くなるので、ここでニット帽を買う事にした。思えばヒマラヤ来るのにペラッペラのキャップしか持って来てない俺って。。。

そしてこれがこの日の部屋。

ここも結局誰も来なかったので、２つベッドを独り占めに出来た??

ここまでシェアするまでなく快調に一人の空間で寝床を確保出来ている。

そしてこの宿の名は、"Excellent View Top Lodge"という分かりやす過ぎる物だ。
そして翌朝晴れるとその名の通りの光景が目の前に広がっているのだが。。

荷物をこれでもかと背中に背負わされ山を登らされている。。。
草食わされたくらいじゃ割に合わないと思う。。

あっ、ちょっと離れた向こうのスペースに昨晩のイギリス人グループがキャンプしてる。
そういえば俺が朝起きた時にはもうとっくに出発していた気がする。。

この日の宿には俺の他にはロシア系の若者の団体とプラス数人がいただけで、結構ガランとしていた。

いよいよ翌日からはもっと奥深くの雪が出てくるゾーンに入っていくので楽しみだ?