2019/08/31 - 2019/09/03
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goemonpさん
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「大空と大地の中で」という松山千春の歌がありますが、北海道とりわけ道東方面を訪れると、「日本にもこんなに広い土地があったのか」と今更のように驚かされます。どこまでも牧場ばかりが続く風景を眺めていると、日ごろ雑事に追われて余裕がなくなっている心や体が少しずつ解放されていくような気がします。また知床の峻厳な山々と鬱蒼たる森を眺めていると、圧倒的な自然の前での、一人の人間の小ささに思い至らずにはいられません。
そんなわけで、日々の仕事で疲れた心と体をいやすべく、7-8年ぶりでしょうか、北海道に旅行に行ってきました。
釧路から知床半島に向かい、阿寒湖・摩周湖・屈斜路湖に遊び、最後は網走で監獄博物館を見学と、道東の有名な観光地を一回りしてきました。今回も我が家のマスコット、桜文鳥雛のぬいぐるみ、ゴエモンも一緒です。
Part4では阿寒湖遊覧船でマリモを見学した後、景勝地美幌峠を経て、網走監獄博物館を訪れます。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 4.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 15万円 - 20万円
- 交通手段
- レンタカー JALグループ 徒歩
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行なし)
- 利用旅行会社
- 楽天トラベル
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-
最終日の朝。
この宿は夕食も豪華バイキングを提供しているだけあって、朝食のバイキングメニューも豊富です。
和食・洋食・中華メニューが選び放題。
goemonpは和食主体のメニューで、とろろ、納豆、カレーで朝から3杯飯。
ゴエモン「食べすぎだ。」
旅行から帰ったら体重が2キロ増えていました。。。 -
goemonp妻は特に面白みのない普通の洋食メニュー。
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鶴賀リゾートをチェックアウトし、遊覧船乗り場へ。
鶴賀グループは北海道に13の温泉旅館を有する北海道の地元大手ホテルグループのようですが、施設といいサービスといい、なかなかいい旅館でした。
9時出発の阿寒湖遊覧船に搭乗する予定だったのですが、ホテルの駐車場が少し離れていて送迎に時間がかかったことと、遊覧船乗り場と最寄りの町営駐車場の位置が少し遠かったことが重なり、あわや乗り遅れるところでした。
(よく見たら私設の駐車場が遊覧船乗り場の近くにあることが分かりましたが、町営より100円ばかり高い。) -
しかし実は船着き場はもう一つあり、昨日泊まったホテルの近くにもあったのでした。
どうやら宿の人に頼んで遊覧船から帰ってくるまで宿の駐車場に車を置かせてもらってこちらの船着き場から乗船するのが正解だったようです。
ゴエモン「リサーチが甘いな。」 -
天気もよくのどかな景色が楽しめます。
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船は阿寒湖からの水の出口である阿寒川の源流、滝口に向かいます。
滝口は紅葉の美しいことでも有名なのだとか。 -
滝口に入ると水の色も少し変わり、川のような入り江が続く場所を遊覧船は器用に進んでいきます。ある程度進むと折り返して元来た進路を戻っていきますが、確かに紅葉の季節に訪れたならとても美しい景色を見ることができるでしょう。
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前半の見どころが滝口ならば、後半の見どころは本物のマリモが見られるチュウルイ島でしょう。この島に15分ほど上陸し、マリモを見学することができます。
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こちらがマリモを観察できる観察展示センター。
マリモが生息する場所は阿寒湖だけでなく、日本でも青森、山梨、富山などでも生息が確認されているほか、世界中にもいくつか生息地があるそうですが、これほど大量に、しかもこれほど大きなマリモができるのは、阿寒湖だけなのだそうです。 -
チュウルイ島はまたマリモが観察できるだけでなく、写真スポットにも恵まれています。こちらは雄阿寒岳と対を成す山、雌阿寒岳。
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ゴエモン「僕も記念写真を撮るのだ。」
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マリモ展示観察センターの入館料は、マリモクルーズの場合遊覧船のチケット代に含まれているので別途支払わなくとも大丈夫です。
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展示されているマリモは、実際に湖底から拾い上げてきた本物のマリモで、湖面が凍結してしまう冬季にはまた湖底に戻されるのだそうです。
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マリモの一生が分かる展示もありました。
見事な球体に仕上がっても、崩れてしまったり、崩れたものがまた球体に戻ったりすることもあるようです。
そもそも球体になることにはどんなメリットがあるのでしょうか。魚から捕食されにくくなるとか、エネルギーが有効に使えるとか何か利点があるのかしら。 -
マリモ見学を終え、船で阿寒湖畔の船着き場に戻ります。
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遊覧船の船着き場。
「Kamuy Lumina」の看板が出ているところを見ると、昨日の宿で宣伝していたナイトウオークはこの辺でやるのでしょうか。 -
阿寒湖を離れ、屈斜路湖を望む絶景が見られる美幌峠にやってきました。
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天気も良く、屈斜路湖の雄大な姿が良く見えて絶景です。
この屈斜路湖、一時期「クッシー」なるネッシーもどきの怪獣が目撃されたという噂がたったことがありましたがその後どうなったのかしら。
本家のネス湖は最近何とか大学の教授が湖水に含まれるDNAを分析し、実はネッシーは「オオウナギ」だったのでは、という説を出したようですね。
ゴエモン「ウナギじゃあんまり夢がないな。美味しそうだけど。」 -
美空ひばりさんの歌碑もありました。
「美幌峠」なんて歌、歌っていたんですね。 -
美幌峠のレストハウスでしばし休憩。
おや「あげいも」があるね。 -
「あげいも」は北海道産のジャガイモをゆでてその上にアメリカンドックみたいな甘い衣をつけて揚げた北海道定番のおやつです。
シンプルな食べ物ですが、何しろ北海道ではジャガイモ自体が美味いので、結構いける上にお腹にもたまるB級グルメです。
中山峠のものが有名ですが、ここにもあったとはね。折角なので一本いただいてgoemonp妻と一緒に仲良くシェアしました。 -
美幌峠から網走に向かってドライブする道すがら、見晴らしのいい道路を通りかかりました。この辺は「感動の径」というそうで、道路が小高い丘の上を通っているので、美幌峠側からだと右手には海と知床半島、左手には写真のような牧場ののどかな風景が広がり、思わずみとれてしまいそうになります。
ゴエモン「運転に気をつけて。」 -
道の駅「流氷街道網走」に到着しました。
海側は港になっており、昨日乗船したおーろら号の冬の船着き場になっています。 -
道の駅の食堂でお昼ご飯。
ここはサケのザンギ丼が名物らしいのですが、goemonpは北海道に来てからほぼ毎日サケを食べていて若干食傷気味だったので、普通の鶏ザンギ定食を注文しました。650円でお腹一杯。 -
網走はいろんな映画の撮影舞台になっているようで、「北の桜守」という吉永小百合さん主演の映画の撮影セットが保存されていました。
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道の駅から車で10分ほどで本日のメイン観光スポット、網走監獄博物館に到着。
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博物館入り口です。
なお本物の網走刑務所はここから少し離れた場所にあり、この博物館にある建物はそこから古い建物を移築したり、再建したりしたものです。 -
喫煙所も監獄の歩哨所風に作られています。
その向こうに見える「監獄食堂」では、実際に現在網走刑務所で出されているメニューとほぼ同じ焼き魚定食を味わえるそうです。「くさい飯」などと称される刑務所の食事ですが、意外に味は悪くないとか。
ではゴエモンと共に、通常ではたぶんすることのない(したくもない)囚人経験をしてみることにしましょう。 -
こちらが重要文化財の網走監獄庁舎です。
往時は網走監獄の管理施設として使われていたようですが、今は内部は部屋のしきりなどは取り払われ、売店兼展示スペースとして使われています。
展示物によると、北海道の監獄は明治期に北海道の開発を進めるため、安上がりな囚人の労働力を活用すべく開設されました。ここ網走の囚人は網走・旭川間を結ぶ180キロの道路を造るのに駆り出され、過酷な労働のため多数の死者を出しました。ロシアの南下政策に対抗するためという一面もあったとはいえ、かなりひどい政策であったことは確かです。
9/2に作家の安部譲二さんが亡くなられましたが、安部さんはこの史実に関心を持ち何度も網走を訪れては関係者に取材を重ね、「囚人道路」という作品をものされました。
奇しくもgoemonp達が網走監獄を訪れたのは氏の命日の翌日である9/3。氏のご冥福をお祈りします。 -
敷地内には当時の看守たちが住んでいた住居の再現施設もありました。
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こちらが官舎の建物です。
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中には看守一家の団欒風景が展示されていました。
こうしたものは全部博物館の手作りなのだそうですが、全員美男美女なのはなぜでしょう。
ゴエモン「マネキンだからに決まっているじゃないか。」 -
監獄だというので、もっと厳重な脱獄防止策がとられているものだと思っていましたが、この網走監獄には結構あっちこっち門があります。もちろんこれらは移設されたものなので、本物の監獄もこうだったとは限りませんが。
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こちらは網走川につながる水門で、生活物資の運搬などに使われていたそうです。
ゴエモン「こんなに大きな穴が開いていたんじゃ、脱獄し放題だ。」 -
こちらは独房です。
何か問題を起こしたりした囚人が入れられたそうです。
扉を締め切ると全くの暗闇で、さすがの豪胆な囚人も精神的に参ってしまったとか。 -
こちらが浴場です。
辛い囚人生活の中でも、食事と入浴の時間はささやかな囚人たちの楽しみであったようです。 -
入浴時間は15分間と決められており、囚人たちは一列になって最初の3分間で衣服を脱ぎ、合図とともに前進して3分間入浴、次の合図で前進して3分間で体を洗い、次の合図でまた3分間入浴、最後の3分間でまた衣服を身に着ける、なんてことをやっていたらしいです。
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こちらは銭湯の番頭。。。ではなく浴場の見張り看守だと思いますが、どう見ても居眠り中。
ゴエモン「脱獄チャンス!」 -
何しろ囚人を働かせるための施設だったので、もともとの名前は
「網走囚人外役所」という名前だったそうです。
レンガの塀ができる前は、こんな木の塀しかなかったそうで、それこそ脱獄し放題だったかも知れません。もっとも逃げたところで当時周りには何もないので、無事娑婆に戻れるかは保証の限りではありませんが。 -
いよいよ監房のある舎房に入ります。
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舎房は中央に中央見張り所があり、そこから放射線状に5つの房舎が直線的に伸びています。
中央見張り所に入る見張りの看守からはすべての房舎が見通せる仕組みです。 -
どの房舎も見た目はほぼ同じですが、房舎によって独房だけの棟とか、雑居房もある棟といった違いはあったようです。
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各房の壁は木製ですが、柱が並行四辺形状に作られているので、ある角度から見ると房内が丸見えになる仕掛けになっています。
ただこんな風通しのよさそうな房では冬はさぞかし寒かったでしょうね。まあ一応冬季はストーブは入ったようですが。 -
こんな具合に囚人は生活していたのでしょうね。
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さてここは四舎の二十四房という部屋ですが、あることのために大変有名な房となりました。
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昭和の脱獄王と言われた白鳥由栄という人物が網走監獄に収監されていたのがこの四舎二十四房です。
青森や秋田で脱獄をやらかした後、この網走に収監され、「絶対脱獄させるものか」という刑務所の監視の目も何のその、何と房にある鉄格子を味噌汁の塩分で長い期間かけて腐食させ、鉄格子を外して脱獄したのだそうです。 -
その偉業を称えて(?)舎の天井には白鳥の脱獄の模様を伝える模型が設置されています。
白鳥は実際にこのように天井に登り、天井のガラスを頭突きでつきやぶって脱獄したのだそうですが、この天井のガラス、金網もはいったかなり頑丈なもので、普通の人が頭突きした程度ではびくともしない代物だったそうです。ところがこの白鳥という人物まるで忍者のような人物で、
1)身体の関節を意のままに外すことができ、狭い隙間からでも逃げ出せた。
2)足が速く、一日120キロもの距離を走ることができた。
3)手錠の鎖を手で引きちぎることができた。
というとんでもない体力と腕力の持ち主だったそうなので、こんなこともできたのでしょうね。
あまりにもとんでもない人物なので、吉村昭氏の小説「破獄」の題材になったり、「ゴールデンカムイ」という漫画の脱獄王白石のモデルになったと言われています。
ゴエモン「その能力をもっと役に立つことに使えなかったのかしら。」 -
ゴエモン「というわけで僕も囚人になったつもりで脱獄に挑戦してみようと思ったけど、文鳥にとっては楽勝だね。穴だらけだし。」
いやそんなことに挑戦しなくていいから。 -
現代の網走刑務所の房室と比較できるコーナーがありました。
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なんか結構いい感じのお部屋ですね。液晶テレビもついてるし。
まあ見れる番組に制限があったりはするのでしょうが、これよりしょぼい民間アパートあるんじゃないかしら。 -
楽しかった(?)監獄巡りを終え、車で3分ほどのオホーツク流氷館にやってきました。
ここには網走の冬の気候を再現した部屋があり、実際の流氷に触れたり、水にぬれたタオルをぶんまわすとぱりぱりに凍るといった体験をすることができます。
展望台の利用だけなら無料。 -
展望台からははるか知床の山々を望むことができます。
ゴエモン「あそこまで行ってきたんだね。楽しかったな。」 -
館内には嫁一押しの流氷ソフトクリームも。
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ついに休暇も終わり、東京に戻る時がやってきました。
女満別空港でレンタカーを返却し、JAL便で帰京の途へ。 -
最後に空港内のスープカレー屋さん「奥芝商店」さんで夕食。
これがなかなか本格的なスープカレーで美味しかったのですが、昼にがっつりザンギ定食を食べていたgoemonp達にはやや量が多すぎ、goemonp嫁は完食できず。別にまずかった訳ではないので、奥芝商店さんごめんなさい。
これにて道東旅行記はおしまい。長い長い旅行記を読んでいただきありがとうございました。
ゴエモン「じゃあね。」
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