八景島シーパラダイス　進化する放飼場と飼育技術の追求に感銘を受けましたが・・・まさか、朝日君とお別れすることになるなんて・・・

2019/08/22 - 2019/08/22

９月４日、この春に神戸どうぶつ王国から八景島シーパラダイスに移動し、八景島のファースト・パンダとなった朝日君が急な嘔吐と下痢に見舞われ、スタッフの懸命な措置も叶わず天国に旅立ちました・・・４歳の若さでの急逝でした。
新天地に慣れ、可愛いお嫁さんをもらい、無麻酔採血のトレーニングも順調にこなし、これからと言う時だけに残念でなりません。
また、館も次々と放飼場を改修し。朝日君、コキンちゃんへのトレーニングもスタートし、とても好感の持てる飼育をされていたので残念でなりません。

この旅行記表紙を書いている時点では、まだ朝日君の死亡原因は判明していないので原因についての論評はしませんが、
一般論として、全国のレッサーパンダ飼育園の担当の皆様に是非考えて頂きたいことがあります。

”レッサーパンダが暑さに弱い”と言うの言葉を勘違いしないでください・・・弱いのではなく、彼らは熱中症に罹ると命を落とすのです。

”レッサーパンダは感染症に弱い”とう言う言葉も勘違いしないでください・・・弱いのではなく、彼らは人からもうつる特定の感染症に罹ると命を落とすのです。

この２つは罹ったら終わりなのです。
昨日罹らなくても、今日、罹ったら終わりなのです。
このリスクを賭けのテーブルに乗せる展示は是非終わりにしてください。
１ファンの切なる願いです。

そして、八景島シーパラダイスさんにも１つだけお願いがあります。
朝日君の死亡原因の調査結果は必ず公表してください。
責任を追及したい訳ではありません、短い間でしたが貴館のファースト・パンダとして生きた彼への最後のはなむけとして・・・。

朝日君。
神戸にいる時にもっと会いに行けばよかった。
ありがとう、
やすらかに。
＜2019年9月7日記＞

これまでのレッサーパンダ旅行記はこちらからどうぞ→http://4travel.jp/travelogue/10652280

エリア 八景島(神奈川)

この日は横浜近郊で用事があり午前中伊丹発の全日空で羽田に入りました。

少しだけ空いた時間があったので八景島シーパラダイスへ。

滞在可能時間はシーサイドライナー八景島駅出発から帰着までで１時間ほど、実際の観覧可能時間は４０分くらいかな？

急ぎ足でAQUA MUSEUMまで向かいますが、途中の垂れ幕に足を止めます。

朝日君、コキンちゃん・・・また、会いに来たよ！！

水族館４施設を回れるアクアリゾーツチケットは大人３０００円・・・もう少しお手頃な入館の仕方はないものでしょうか？

観覧時間がほとんどないこともあり、順路通りではなくエレベータで一気にレッサーパンダ舎のある４階へ。

こちらが八景島シーパラダイスのレッサーパンダ舎です。

わっ、忘れてた・・・そうだった！！

放飼場に到着したのが１４時１０分頃・・・観覧可能時間が短いなか「あちゃ～・・・」な感じですが・・・、

あら？コキンちゃん出てるやん！！

と言うか、冷房付きの休憩小屋から新た囲い付きの渡り廊下が作られてる！！

しかも、この中央のスペースも改良されてる！！

裏面いも囲いが設置され、スポットクーラーと思われる吹き出し口も複数設置！！

つまり、コキンちゃんの休憩小屋と中央の展示スペースがクーラーの効く状態で繋がってます。

さすが企業が運営する園は素早い動きをしますね！！
公立の園ではちょっと考えられないスピード感での対応に目を瞠るおもいです。

アドベンも細かい改良をすぐ行う園ですが、八景島はさらにその上を行っていると感じました。

寝室から渡り廊下を通って移動してきたコキンちゃん。

これなら休憩時間中でもコキンちゃんは自由に涼しい空間を行き来出来るし、お客さんの目を楽しませる事も出来ますね。

早くにお母さんを亡くしたコキンちゃんの幼馴染の”お友達”・・・釧路から八景島のお嫁入り道具としてコキンちゃんと一緒にやってきました。

お友達と遊ぶコキンちゃん。

お友達とキス。

キンお母さんが育児中に天国に旅立ち、親代わりとなったキーパーさんの深い思いが詰まった”お友達”。

この”お友達”は、コキンちゃん、天国のキンお母さん、そして、釧路の親代わりのキーパーさんの奮闘を語る上でけして忘れてはいけない登場人物なのです。

１歳での移動、他のレッサーパンダとの初めての同居（幼少期にキンお母さんとの同居はあります）・・・ファンの心配をよそにコキンちゃんは八景島で心配を吹き飛ばす活躍を見せています

理髪で強気で・・・性格的にはキンお母さんの気質を受け継いだ様に思います。

そして、コキンちゃんがすんなりと新天地に馴染めたのはこちらのご両人のおかげでもあります・・・朝日君と担当スタッフさん。

展示再開時間前に朝日君を東屋に誘導し何やらトレーニングをされていました。

朝日君がリンゴに気を取られている間に尻尾を握ります。

そして、注射器に見立てた容器を当てます。

無麻酔採血に向け他トレーニングだと思います。

おとなしくトレーニングを受ける朝日君・・・えらいね、賢いね！！

この様な健康管理のためのトレーニングや先ほどの放飼場の改修など、このスピード感で対応して頂けるとファンも安心して動物をお任せする事ができます。

老舗と言われる園が旧態依然とした飼育を漫然と続けるなか、新たに飼育を始めた園が率先して新しい取り組みをしているのが最近とても目に付きます。
老舗園の奮起を期待したいです。

トレーニングが終わると朝日君は休憩小屋に戻りました。

小屋で竹の葉を食べる朝日君。

新鮮な竹の葉もふんだんに準備されていました。

当たり前の事なのに、この当たり前の光景に「わ～、しっかりしてるな」と思う自分がいます・・・最近、当たり前の事をしてくれない園が多いのです・・・。

＜９月７日記＞
旅行記表紙にも書きましたが、９月４日に朝日君が天国に旅立ちました。
新しいレッサーパンダ飼育園で放飼場、スタッフさんと一緒に成長していた朝日君、可愛いお嫁さんをもらい、これからと言う時に・・・。

ありがとう、朝日君・・・やすらかに。

朝日君に続いてコキンちゃんの番です。

朝日君より遅れて来園したコキンちゃんはまだ採血トレーニングまではいってないのかな？

何せ頻繁に来ている訳でもなく、かつ、短い時間だけの観察なのでトレーニングのフェイズが現在どこまで進んでいるかまでは分かりませんでした。

”お友達”参上！！

正直、コキンちゃんがここまでこの人形に”固執”と言うか”想いを持続”してくれるとは思っていませんでした・・・新しい環境に移ると忘れちゃうんだろうなと思ってました。

キンちゃん、そして、釧路のキーパーさんの努力を知るファンとしてはとても嬉しいです。

コキンちゃん、短い時間だったけど成長を続ける貴方に会えて良かったです。

来た甲斐がありました。

春に初めて放飼場を見た時に「これ、いいな」と思っていた可動式の遮光ネットもちゃんと使われていました。

これなんか他の園にも流用できると思うのですが・・・レッサーパンダに限らず、今、動物園好きが心配している宇都宮動物園の宮子さんのところとか・・・。

帰り際に少しだけ１階のユキ丸君のところに寄ってみました。

気持ち良く泳ぐユキ丸君。

ここでターンを繰り返していました。

気持ちよさそう、楽しそうにも見えますが常動行動には違いないんですよね。

このユキ丸君もそうですし、アドベンのオホトさん、ライト君もそうですがホッキョクグマの常時屋内飼育はもう止めにして欲しいです・・・先週、マニトバ基準を満たした男鹿水族館ＧＡＯのホッキョクグマ放飼場を見たばかりなので猶のこと強く感じました

彼らは部屋飼い出来る存在ではないので・・・。