2019/07/01 - 2019/07/01
12位(同エリア87件中)
かっちんさん
大船渡市末崎半島の東南端約6kmの海岸線は「碁石海岸」と呼ばれ、雄大な海蝕地形で知られるリアス式海岸の中でも特に断崖や洞門、洞穴などの変化に富んだ景観になっています。
その中でも穴通磯(あなとおしいそ)は3つの洞門を持つ奇岩で、小型観光遊覧船で穴をくぐることができます。
碁石海岸で見られる地層は、中生代白亜紀(約1億3千万年前)の海に堆積したものと言われています。
2011年3月11日、大船渡線(一ノ関~気仙沼~大船渡~盛)は東日本大震災による津波で線路や駅舎が流出し、全線不通となりました。
翌4月1日、一ノ関~気仙沼間が運転を再開。
残りの気仙沼~盛間は2013年3月、鉄道から専用道(鉄道敷地の一部)・車道を走る「BRT(バス高速輸送システム)」の運行として開始。
9月には「碁石海岸口駅」が新設され、穴通磯と碁石海岸への最寄り駅となりました。
今日は気仙沼からBRTに乗り碁石海岸口駅から徒歩で穴通磯と碁石海岸を訪れます。
穴通磯から碁石海岸までは風光明媚な遊歩道を歩き、乱曝谷(らんばくや)では雷岩の洞穴から雷のようなドーンという音が轟きます。
帰りは路線バスで細浦駅に出て、BRTで気仙沼に戻ります。途中、陸前高田では震災遺構から津波の教訓を学びます。
なお、旅行記は下記資料を参考にしました。
・大船渡観光サイトおおふなとりっぷ「碁石海岸遊歩道」
・現地案内板「穴通磯」「北緯39度線」「巾着岩」「大浜」「雷岩と乱曝谷」
・きのこ図鑑「ヒトクチタケ」
・釣りTIKI東北の釣行記「大船渡末崎半島の漁港・岩壁釣り場、細浦」
・東海新報「トマト栽培施設着工へ、いわて銀河農園が地鎮祭/大船渡」、平成30年4月14日
・LINEトラベル「遺されたのは、伝えるため。陸前高田市の震災遺構を目に焼き付けろ」
・今川悟氏「10年以内に新庁舎を整備【気仙沼市】」
・ウイキペディア「大船渡線」「BRT」「碁石海岸口駅」「細浦駅」
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- JRローカル 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
気仙沼~碁石海岸の地図
大船渡湾の一角に、三陸リアス式海岸の見どころ「穴通磯・碁石海岸」があります。
気仙沼から大船渡線BRT(バス)に乗り、碁石海岸口駅から徒歩50分ほど(3.4km)で穴通磯へ行くことができます。
細浦駅前から運行頻度が少ないですが、路線バスで碁石海岸行くこともできます。
穴通磯~碁石海岸までは海岸沿いの遊歩道があります。 -
大船渡線BRT
3.11東日本大震災以降、大船渡線気仙沼~盛間の鉄道路線復旧は、BRTによるバス運行に変わっています。
碁石海岸口駅はBRT専用道路開通に合わせて開業した駅です。 -
BRTバス(碁石海岸口)
今日は気仙沼から碁石海岸口までBRTに乗ります。
BRT運行は車道とバス専用道(以前は鉄道線路)を利用しており、これから専用道の様子を紹介します。 -
BRT専用道(小友付近の車窓)
国道の陸前高田を過ぎ、西下(にしした)付近から専用道に入ります。
通常、踏切バーはバス専用道を遮断しており、BRTが接近すると信号が赤から緑に変わり、踏切バーが上がってBRTが通過できます。 -
行き違いの停車(小友付近の車窓)
専用道は単線なので、ところどころにBRT行き違い用の停車エリアがあります。 -
小友トンネル(車窓)
鉄道トンネルを通ります。
トンネル出口から「S雨地震」標識は、異常時に「雨規制・地震規制の開始位置」を意味しています。 -
鉄道のキロポストもそのまま(車窓)
大船渡線起点(一ノ関)からのキロ程(94.0km)を示す「キロポスト」です。 -
まもなく碁石海岸口駅(車窓)
上り、下りの乗降用ホームが設けられています。
綺麗なトイレも整備されています。 -
碁石海岸口駅の駅名標
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穴通磯・碁石海岸の案内図
今までは公共交通機関にて穴通磯を訪れることが不便でしたが、碁石海岸口駅が新設され徒歩で行けるようになりました。
かっちんの散策コースは、碁石海岸口駅-(徒歩50分、3.4km)-穴通磯-(遊歩道1時間30分、3.7km)-乱曝谷・碁石海岸駐車場。
帰りは碁石海岸駐車場(レストハウス前)から路線バスで細浦駅へ出ます。 -
子猫のお出迎え(碁石海岸口駅付近)
-
穴通磯に到着
柵の向こうに見える岩が穴通磯。 -
イチオシ
穴通磯
3つの洞門を持つ奇岩で、小型観光遊覧船で穴をくぐることができます。
穴通磯は、砂粒の固まった砂岩と泥の固まった頁岩(けつがん)が交互に層となっています。 -
碁石海岸遊歩道
碁石海岸にみられる地層は、中生代白亜紀(約1億3千万年前)の海に堆積したものと言われています。
穴通磯から碁石海岸駐車場まで3.7kmの遊歩道を歩きます。 -
倒木の残る遊歩道
遊歩道に入るといきなり倒木。
引き返したくなる道ですが、リアス式海岸の景色を見たいのでこのまま進みます。 -
赤い「ヘビイチゴ」(遊歩道)
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垂水浜(遊歩道)
最初に見えてきたのが「垂水浜」。
遊歩道は浜へと下っています。 -
アップダウンの多い遊歩道
垂水浜から急な階段を上がると遊歩道が続きます。 -
イチオシ
穴通磯の絶景!(遊歩道)
穴通磯駐車場近くの展望台より、遊歩道から見る方が絶景です。 -
北緯39度線(遊歩道)
北緯39度線は、山形県遊佐町(庄内浜)からここ碁石海岸(赤土倉)を通り、ワシントン、天津、平壌などの都市を通っています。 -
巾着岩(赤土倉付近の遊歩道)
巾着岩は烏帽子に似ていることから別名烏帽子岩とも呼ばれ、ウミネコ、ウミウの営巣地になっています。 -
赤土倉漁港
赤土倉は小さいながらも天然の漁港として開け、巾着岩、白石島などの島々を擁し、碁石海岸の中でも風光明媚な浜辺です。 -
浮き玉(赤土倉漁港)
赤や黒の浮き玉に黄色い目印を付けています。 -
遊歩道の階段
再び階段を上がります。
断崖絶壁のある磯浜につくられた遊歩道なので辛抱辛抱・・・ -
チャワンタケ(遊歩道)
表面がゴムみたいなキノコです。 -
赤磯(遊歩道)
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風光明媚な赤磯(遊歩道)
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白いホタルブクロ(遊歩道)
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キリンソウ(遊歩道)
星形の黄色い花です。 -
ややっ、栗饅頭・・・(遊歩道)
枯れた松の木の側面に付いている「ヒトクチタケ」。
一口で食べられそうだけど、実は美味しくないとか。 -
大浜(遊歩道)
大浜に下りてきました。
碁石浜と同様に碁石海岸の由来となった黒い砂利が敷き詰められた海岸です。
名前のない洞門が見えます。 -
大浜洞門の裏側(遊歩道)
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見頃になっているキリンソウ(遊歩道)
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ニッコウキスゲ(遊歩道)
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イチオシ
雷岩と乱曝谷(雷岩展望台)
雷岩は左側の岩。2011年3月11日の東日本大震災では雷岩の半分より下の所まで津波が来ました。
乱曝谷(らんばくや)は、陸と雷岩が向かい合うように切り立つ、高さ約30mの断崖絶壁に挟まれた峡谷のような水道です。
雷岩からは洞穴に打ち付ける波が空気を圧縮して出る際に、ドーンという雷にも似た重低音がしています。 -
トド島(雷岩展望台)
波を被るトド島(海馬岩)は、その昔、トドが岩の上で休んでいたといわれてます。 -
アサツキ(碁石岬コース)
雷岩展望台から先の碁石岬コースを歩いています。 -
イチオシ
磯辺に咲く花(碁石岬コース)
険しい磯を這うようにして咲くキリンソウとアサツキ。 -
ドーンという音の出る雷岩の穴(碁石岬コース)
乱曝谷を反対側から眺めています。 -
ノハナショウブの群落(碁石岬コース)
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ウミネコの棲む千代島(碁石岬コース)
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白亜の「碁石埼灯台」(碁石岬コース)
昭和33年(1958)に設置された碁石埼灯台で今も現役灯台。
入り組んだリアス式沿岸を航行する船舶と大船渡湾や大野湾へ入る船舶の重要な目標になっています。 -
碁石岬
末崎半島の先端にあたる碁石岬。 -
碁石海岸レストハウス
碁石海岸駐車場に到着。
レストハウスでソフトクリームをいただきます。
帰りは、ここから14:00発の路線バス「岩手県交通碁石線」立根行きに乗り、BRT接続駅「細浦駅前」へ向かいます。
昼の時間帯はこの1本だけ。 -
細浦駅前バス停
路線バスは碁石海岸から20分ほどで到着。 -
細浦漁港
大船渡湾の南側にある入り江状の漁港です。 -
イチオシ
津波に襲われた旧細浦駅
大船渡線細浦駅は昭和8年(1933)開業。
2011年3月11日の東日本大震災による津波で駅舎が流失。ホームは階段を上がったところにあります。 -
旧細浦駅のホーム
線路跡はBRTの専用道になりました。 -
細浦駅周辺の地図
茶色の道が県道38号線、県道と並行している左側の道がBRT専用道(鉄道の敷地)です。 -
気仙沼行きBRT(細浦)
このBRTに乗り、気仙沼へ向かいます。 -
いわて銀河農園(碁石海岸口付近の車窓)
末崎町小河原地区の広大な被災跡地に建設されたトマトを通年栽培できる施設です。
土を使わない養液栽培で、24時間体制で温度、湿度、日射量、二酸化炭素濃度を管理し、最新の農業システムです。 -
門之浜湾(碁石海岸口付近の車窓)
碁石岬に続く末崎半島が海を挟んだ先に見えます。 -
広田湾に浮かぶ養殖棚(陸前高田付近の車窓)
牡蠣やワカメを養殖しています。 -
震災遺構「市営住宅」(陸前高田の車窓)
陸前高田に入ると、被災地の復興作業が今も続けられています。
鉄筋コンクリート5階建の建物は4階部分まで窓がなく、津波が押し寄せた衝撃的な光景です。 -
震災遺構「道の駅高田松原」(陸前高田の車窓)
津波の避難施設として建てられた建物は、津波により上部をわずかに残して水没しました。 -
イチオシ
震災遺構「奇跡の一本松」(陸前高田の車窓)
国の名勝地「高田松原」は、約7万本の松が3.11の津波により全てなぎ倒されました。
その中で、10mを超える津波から奇跡的に生き残った1本の松が陸前高田市の復興のシンボルとなり、被災者に生きる力を与えています。
しかし、震災から1年後、海水に浸かったことにより奇跡の一本松は枯死してしまいました。
後方に見える被災した建物は「陸前高田ユースホステル」で、津波により完全に水没。
この建物のおかげで「奇跡の一本松」は津波から生き残ることができたとも言われています。 -
震災遺構「気仙中学校」(陸前高田の車窓)
気仙川の河口にあった気仙中学校は、津波が一番早く到達したところで、鉄筋コンクリート3階建の校舎は津波で水没しました。
津波による教訓をこれらの震災遺構から学び、早めに避難する判断力を身につけることが重要です。 -
木造の建物(気仙沼駅付近の車窓)
旧鼎が浦(きゅうかなえがうら)高校の木造校舎を活用した「気仙沼市役所の第二庁舎」です。 -
突然現れるカモシカ(気仙沼駅付近の車窓)
第二庁舎と裏山の間にBRT専用道があり、人通りがないところです。 -
気仙沼駅
気仙沼でBRTから、鉄道の大船渡線に乗り換えて一ノ関へ向かいます。
碁石海岸では、リアス式海岸の変化に富んだ風光明媚な景色が堪能できました。
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この旅行記へのコメント (2)
-
- fuzzさん 2019/08/27 14:36:46
- ようこそ岩手へ
- かっちんさん、こんにちは。
岩手にお越し頂いたんですね、嬉しいです♪
大船渡は今、大船渡高校の佐々木ろうき君で盛り上がっています。
同じ岩手にいながら、なかなか大船渡へ行く事がなくて。
おかげさまで今の様子が見られました。
大船渡も陸前高田にも友人がいて、津波被害にあいました。
それからはナカナカ足が遠くなっています。
あれから8年ですが、まだまだですね。
カモシカ(笑)
結構沿岸にいるんですよ。
宮古でも何度か見ました。
友達の話だと、JR山田線の線路を超えて行こうとしたカモシカがTUTAYAを見て、レンタルのカードがないから山に帰って行ったと(笑)
岩手の海は美しいけど、もの悲しいです。
fuzz
- かっちんさん からの返信 2019/08/27 17:50:46
- RE: ようこそ岩手へ
- fuzzさん こんにちは
岩手に勝手にお邪魔しました。
震災復旧後、元気な姿も見ましたが、まだまだでした。
レンタルカードを持っているカモシカさん、岩手は進んでいますね(笑)
碁石海岸や雷岩は素晴らしい景色でした。
かっちん
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