東海岸、台東と花蓮７泊８日②（第二天）―枋寮で普通快速車に乗り換え台東へ

2019/07/04 - 2019/07/11

時計が５時を表示していたので起きてテレビを点けたら、
まだ４時だった。

電波時計を持ってきたのだが、台湾まで日本標準時の電波
が届いているということなのか。

今日は高雄から台東へ列車で移動する。

計画としては、新左營を８時55分に発車する区間快速で枋
寮まで行き、そこで10時55分発の普通快速台東行きに乗り
換える。スムーズにいけば13時21分に台東へ着く。４時間
ちょっとの列車旅だ。

ぼくが持っている時刻表は日鉄連という鉄道好きの人たちの
集まりが作った臺鐡の時刻表を日本の時刻表風に作り直した
もので、今年初めに出たもの。

しかし、臺鐡は列車ダイヤを１年に何度か変更するようで、
昨年も区間車を乗り継いで台北から高雄まで行ったときも、
最初に乗るつもりの電車がもう走っていなくて、いきなり
計画を変更させられた。今回もこうならないとは限らない。

もし、変更があったなら、区間車を乗り継いで台東へ行く
ことはできなくなる。東海岸を走る列車の本数は極端に少
なく、ほとんどが自強や莒光なのだ。もっとも、そこまで
区間車でというこだわりはないので、無いならないでいい
のだが。

エリア 台東(台湾)

• 旅行の満足度: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 3万円 - 5万円
• 交通手段: 鉄道 高速・路線バス 徒歩
• 利用旅行会社: 楽天トラベル

こだわりがないくせに、電車に乗るときはできる
だけ始発駅から乗りたいという妙なこだわりを持
っている。

西武新宿線に乗るときはほぼすべて西武新宿駅か
ら。山手線で高田馬場に着いても西武新宿に戻る。
丸の内線も新宿発があればを何本か待つことがある。

そんなわけで、今回も区間快速の始発駅、新左營
站まで行くことにした。

その前に高雄駅の旧駅舎を写真に収めておく。

高雄站もこんな感じになった。全体像を撮りにくく、
一部だけ。完成まであと一息といったところ。

高雄站から約10分の新左營に行き、そこで台東行き
のきっぷを買うことにする。

窓口で「到Dai Tung（タイトゥン）、一張票」とい
うと、「Dai Dong（タイトン）か？」と聞き直され
た。「東」はローマ字表記では「dong」とつづるの
に、なぜか台東の場合「Dai Tung」となる。だから
「タイトゥン」と言ったのに、やっぱり「タイトン」
でいいんじゃないか。

そして、メモ用紙に「区間車」と書いた。しかし、
男性駅員は「区間車で台東まで行けませんよ」みた
いなことを言っている。

それで、日本の鉄ちゃんが作った時刻表を示したの
だが、今はこの区間快速は走っていないという。

駅員はこの時刻表を取り上げ表紙を見返したりして
いた。

確かに窓口の表示にも８時55分発の列車の表示はな
かった。

ここで、仕事が終わった感じの鞄を抱えたもう一人
の男性駅員が加わり、話を始めた。どうやらこの日
本人のおっさんは、区間車を乗り継いで台東まで行
きたいらしいということで、二人で自分たちの時刻
表を見て検討を始めた。そして、９時24分の台東行
き自強號で枋寮まで行けば、10時40分の普快車に乗
り継ぐことができますよと教えてくれた。台東行き
なのに、途中で鈍行に乗り換えるのもどうかという
気がしたが、まあ、当初の目的がそれなので、良し
とすべし。「ちなみに枋寮までは『無座（指定座席
なし）』ですから」といわれた。

新左營から枋寮まで158元。枋寮から台東までが
104元。

駅員はきっぷと一緒に最新の臺鐡時刻表をくれた。
それによると、鉄ちゃん時刻表では枋寮発の普快
車は10時55分だったが、10時40分になっていた。

新左營をでて１時間ちょいで屏東線の終着駅枋寮着。
自強號はずっと雨の中を走っていた。

台東へは無骨なディーゼル機関車が４輌の客車を引っ
張る。

既にホームに待ち構えていた。

客車は年代物のボロ車輌（ヴィンテージ車輌ともいう）。

しかし、中はきれいに掃除されていた。

何人もの人たちが掴んでいたことがわかる古ぼけた吊り革。

１輌目の客は数人。中年夫婦、若いカップル、さかん
に写真を撮っている一人旅のメガネ女子、地元の人風
男、そして日本人のぼく。

出発してすぐ率亡渓という川を渡った。

水はここ２～３日降り続く雨で茶色になっていた。

一時代前の電車にあるような両端のつまみを押して窓
を開けた。

雨が降り、雨雲は水平線の彼方まで広がっていた。

海沿いに互いに寄り添うように集落があり、雨に濡れていた。

大きな台風が来るとどうなってしまうのだろう。

白波が立つ海沿いを白い車が北上する。

大武まできた。

台東まであと１時間ちょっと。雨はもうやんでいた。

このあたりは半分以上トンネルの中を走っていた。

金崙大橋あたりで青空が広がり、空より少し濃い青の
海が広がり始めた。

瀧渓站着。

ようやく半分の行程を消化した。

北上するにつれ、思い描いていた通りの東海岸の美しい
風景が車窓に広がる。

知本に着いた。台東まであと少し。

しかし、単線なので通過待ちに時間がかかり、現在10分遅れ。

知本で後れを取り戻したかと思ったが、結局10分遅れ
のまま台東站に着いた。

初めて乗った南廻線は何度も乗りたくなるくらい美し
い風景が続いた。

なお、この路線もいよいよ電化され、このオンボロ車
輌も退役することになるという。

残念だが、それにしてもいくら田舎とはいえ、電化が
2020年代とは遅すぎないか？

縦貫線は高速鉄道まで走っているというのに。

市街地から４キロほど離れたところにある台東站舎。
これまたなかなかイケてる駅舎である。

臺鐡は駅舎新築工事はどんどん進めているが、それだけに
ほかのところに予算が回っていない気がする。

土曜日だったので、観光客がたくさんいた。乗って来た列
車ガラガラだったのに、どこから湧いて来たんだという感じ。

駅前のバス乗り場から市街地へ向かう。鼎東客運をはじめ
として、いくつかのバス会社が運行している。

台東市内の旧台東站そばにある鼎東客運のバスターミナル
に着いた。だいたい20分くらい。

簡単に横断できるくらい車が少ない中山路を進んで、
今日のホテルを目指す。

宿はすぐに見つかった。

東之郷大飯店。元新大飯店と２つの名前がある。

ネットには元新大飯店で出ていた。

フロントの女性にパスポートを出して予約確認をして
もらうが、名前がないという。

前日のリストも含めて調べてもらうと、７月5日と6日
のつもりが４日と5日の宿泊になっていた。どうやら日
付を入力し間違えたようだ。

5日と6日の2泊に直してもらって、1450元を支払った。
6日は土曜日なので、200元アップする。

6階のエレベータのところ。

台東には空襲があるのか。

一休みしてすぐに外出。

宿からすぐのところに果物市場があった。

昔懐かしい駄菓子屋もある。

さっそく果物屋を覗いて。

マンゴーを物色。

36元のを２個購入。

宿に戻り、マンゴーを冷蔵庫に入れ、持ってきたラジ
オを聴いた。

短波帯は何も聞こえない。ＡＭも数局聞こえる程度。Ｆ
Ｍも地元局が聞こえるくらいだった。この時期のＦＭ帯
は、海外の放送局がよく聞こえ、日本でも台湾、韓国、
中国の放送局がよく入るので、台湾ならフィリピンあた
りの局が入るのではと期待していたのだが、全くダメだ
った。

飛碟聯播網（UFO Radio Network）桑田佳祐の「白い恋
人たち」が流れていた。冬の歌なんですけどね。
ＵＦＯは中国語で飛碟（飛ぶ皿）と書くのか。

音楽局を聴いていると、１時間に１曲はＪ－popが流れていた。

夜になったので、晩飯を食べるために夜市に出かけた。

高雄の六合や花蓮の夜市に比べると小さいが、それだけ
に混雑していなくてのんびり歩ける。

ぬいぐるみがもらえるようです。

こういうのは、台湾の夜市ならどこにもあるね。

ハンバーグ屋や阿仔煎、ステーキ屋に人が集まっていた。

ハンバーグや焼き肉は最近のトレンドみたいだ。

入口にもあった同じ滷味屋だ。

鴨の頭や脚、手羽先が無造作に積み上げられている。

ここで手羽先他何点か購入。160元ぐらい。

好きな品物を取って女の子に渡し、カネを払う。後ろ
に回して、４人くらいのスタッフが油を通し、細かく
してくれたりして、スパイスをふりかけてくれる。
手際がとてもよく、見ていて気持ちがいい。

ついでにイカ焼きも。130元。

ホテルに戻って一人飲み。

台東の滷味は味が濃くて、脂を通してスパイスを
ふりかけるので、酒飲みに合うわあー。見た目汚
いけど。でもこれ、滷味っていうのかな。

で、デザートはマンゴー。至福のひとときである。

この旅行記へのコメント （2）

• まっつんさん 2019/09/19 23:43:21

  区間車

  枋寮から乗られた鈍行（冷房無しのレトロ扇風機のヤツ）は、確か1日1便しか走っていない車輛ですよね。
  
  鉄ちゃんはみんなそれ乗りに行ってるんじゃなかったでしょうか。
  
  だから、切符を買うときに駅員サンが、あの列車に乗りたいのだろうと考えて、枋寮で乗換えなさいって言ってくれたのでは。
  
  電化されたら引退となるらしく、二度と乗れない車輛になると聞いたことがあります。
  
  いいなー、私も乗ってみたい。
  
  まっつんより

  ハイペリオンさん からの返信 2019/09/20 14:15:44

  ごぶさたしております

  
  こんにちは。お久しぶりです。
  
  久しぶりに旅行記をアップされていたので読むと、
  昨年のでしたね。
  
  私も今まではのんびり書いていたのですが、やっぱ
  りフォートラポイントが欲しいし、写真だけだと忘
  れてしまうことが多いので、早めにアップすること
  にしました。yasakiさんみたいに１日でアップする
  なんてのは無理ですが。
  
  温州大餛飩は、塩をほとんど使っていないんでしょ
  うね。私が高雄で食べたのは、台北で見かけるチェ
  ーン店ではなく、普通の食堂のメニューにあったの
  を注文したのですが、同じ味でした。そういうもの
  なんでしょうね。まあ、血圧が私こういうのを食べ
  ないとダメなんでしょうが、ほとんど病院食でした。
  
  台東行きについては、最初に左營で区間車車と枋寮
  乗り換えの普通快速で買おうとしたので、それで察
  してくれたのでしょう。枋寮まで乗った自強は台東
  行きでしたから。あの電車のファンは一定数いるよ
  うですね。来年廃止になるようなので、最終日は日
  本のように台湾の鉄道ファンが押し寄せるんですか
  ね。
  
  
  崑崙大橋まで行ってＳＬを待ち構えていたのに、が
  っくりですわ。あの辺は、道路の状態もいいし、車
  もそんなに走っていないので、バイクは快適でしょ
  うね。台東〜花蓮間にある街は公共の交通機関では
  本数が少なくて不便なので、バイクを借りるのが一
  番のようですね。別に鉄道が好きというわけではな
  いので、来年はそうしようかなと思っています。
  
  まっつんさんもガンガンアップしてください。
  期待してますよ。
  
  では。