歴史の舞台を行く(カンボジア・トゥールスレン収容所)

2013/07/30 - 2013/07/30

2013年7月　カンボジアプノンペンを訪問した。

カンボジアは、1993年にカンボジア内戦の終結後にできた国家だ。

1953年に、欧米からの完全独立を果たし、カンボジア王国を樹立する。
その後、ベトナム戦争の影響もあり、1970年クーデターにより、クメール共和国となる。その後、1975年クメール・ルージュのポル・ポト書記長がクメール共和国を打倒し、民主カンプチアを樹立した。

ここから、暗黒の内戦時代になっていく。

原始共産制の実現を目指すクメール・ルージュが崩壊するまでの3年8カ月20日間に、旱魃、飢餓、疫病、虐殺などで100万人～200万人以上とも言われる死者が出た。人口の13～29%であったとされる。

エリア プノンペン(カンボジア)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5

トゥール・スレン収容所は、政治犯を主に収容していたが、秘密に稼働させており、当時には、暗号名S21　と呼ばれた建物だった。

稼働していた2年9か月の間に14,000～20,000人が収容されたと言われ、そのうち生還できたのは8人だったと言われている。
　

国立のトゥール・スレン虐殺犯罪博物館となっており、観光コースになっている。
2003年にユネスコの記憶遺産に登録されたこともあり、多くの人々が訪れる。

有刺鉄線が張り巡らされていた。

ここで、何人の政治犯が拷問され、命を落としたろう。

ここでは、首吊りの刑があったようだ。

クメール・ルージュは中国以外の国に対して　秘密主義を貫いていたため、そうした政治犯収容所の存在は国外には知られていなかったようである。

ベトナムがカンボジアに傀儡政権となるヘン・サムリン政権を擁立するにあたり、この収容所の存在を世界に発信し、ベトナム側の政治宣伝として利用した。

ここは、独房として使われたところ。

拷問をしていた部屋

同じ民族が、同族を敵対する。

戦争とは、狂気の産物をたくさん生み出す。
不幸な歴史を繰り返さないよう、考えていかなくてはいけない。