2017/06/30 - 2017/06/30
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1984年に世界自然遺産登録されたカナディアン・ロッキー山脈自然公園群の中では、最大の面積:約1万平方キロメートルを誇るジャスパー国立公園に行って来ました。今回はコロンビア氷原から流れ出るアサバスカ氷河と、アサバスカ滝-アサバスカ氷河間のアイスフィールド・パークウェイ(国道93号線)からの風景をご報告します。
付録に、1.北米大陸の地質学的歴史、2.コロンビア氷原とその歴史を記載しましたのご興味をお持ちの方はご覧ください。
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アサカスバ滝(Athabasca Falls)を出て、アイスフィールド・パークウェイ(Icefields Parkway)をバスで南に進みます。
左車窓(東)に見えた山。 -
右車窓(西)に見えたジェラルディン・ピーク(Geraldine Peak、右)とフライヤット N4山(Mt. Fryatt N4、左)。
手前のミルキーグリーンの川は、コロンビア氷原(Columbia Icefield)から融け出たアサバスカ川(Athabasca River)です。 -
右車窓(西)に見えたフライヤットN4山。
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右車窓(西)に見えたフライヤットN4山(右)、フライヤットNE3山(Mt. Fryatt NE3、左)とアサバスカ川。
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右車窓(西)に見えたフライヤットNE3山(右)、フライヤットE5山(Mt. Fryatt E5、中央)、クリスティー山(Mt. Christie、左端)、ブリュッセルズ・ピーク(Brussels Peak、クリスティー山の右)、ローウェル山(Mt. Lowell、フライヤットE5山とブリュッセルズ・ピークの間)とアサバスカ川。
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右車窓(西)に見えたクリスティー山(中央)とアサバスカ川。
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右車窓(南)に見えたクリスティー山(右端)、ドラゴン・ピーク(Dragon Peak)等の山々(左)とアサバスカ川。
この辺でアイスフィールド・パークウェイはアサバスカ川と別れます。 -
右車窓(南)に見えたドラゴン・ピーク(Dragon Peak、左端)等の山々。
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右車窓(西)に見えた山々。
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右車窓(西)に見えた山々。
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右車窓(西)に見えたマッシュルーム・ピーク(Mushroom Peak、左端)、ダイヤデム・ピーク(Diadem Peak、中央奥)等の山々。
手前はコロンビア氷原から流れ出す、後出のスタットフィールド氷河(Stutfield Glacier)、ドーム氷河(Dome Glacier)、アサバスカ氷河等から融け出たサンワプタ川(Sanwapta River)です。
この川はサンワプタ滝(Sanwapta Falls)を流れた後、アサバスカ川に合流します。 -
右車窓(西)に見えたクロムウェル山(Mt. Cromwell、中央左奥)、イングルハード(Mt. Englehard、中央右奥)等の山々とサンワプタ川。
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中央の雪で覆われた部分はコロンビア氷原です。
この下部にスタットフィールド氷河(Stutfield Glacier)があります。 -
右車窓(西)に見えたスタットフィールドNE2山(Stutfield NE2、右奥)、キッチナー山(Mt. Kitchener、左奥)等の山々とわずかに見えるコロンビア氷原(中央)
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右車窓(西)に見えたキッチナー山(中央奥)
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アサカスバ川の谷に飛び出す、2014年オープンのグレイシャー・スカイウォーク(Glacier Skywalk)
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右車窓(西)に見えた山々。
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右車窓(西)に見えたスノー・ドーム山(Snow Dome、中央奥)等の山々。
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右車窓(西)に見えた、コロンビア氷原から流れ出る6つの氷河の1つ、ドーム氷河(Dome Glacier、中央)。
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右車窓(西)に、コロンビア氷原から流れ出る6つの氷河の1つ、アサバスカ氷河が見えてきました。
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コロンビア氷原も見えます。
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アサバスカ氷河/コロンビア氷原観光の起点:コロンビア氷原・ディスカバリー・センター(Columbia Icefield Discovery Centre)の駐車場に着きました。
バスから降りて見た、コロンビア氷原から流れ出るアサバスカ氷河。
雪上車による氷河観光まで、しばしフリータイムです。
手前はアイスフィールド・パークウェイ。
その他の地名は以下に示します。 -
コロンビア氷原・ディスカバリー・センターの敷地内にあった説明板に日本語の地名を付け加えました。
「毎年何千人もの訪問者が到着し、それぞれが独自の冒険を求めています。ほとんどの場合、これは雪上車に乗ってアサバスカ氷河に降り立つことを意味します。他の人にとっては、専門ガイドの案内で氷河の特徴を探ることを意味します。そして、スポーツに精通している少数の人々にとって、これは夜明け前に起き、アンドロメダ山やアサバスカ山の頂上に登ることを意味します。」
「今日では、パークウェイが建設される前の、コロンビア氷原にたどり着く困難さを想像できません。 1919年にA. O. ウィーラーの調査隊は、コロンビア氷原を訪れただけでなく、あなたがあなたの周りに見るほとんどの山頂に、重い調査・撮影装備を運びました!彼らはアルバータとブリティッシュ・コロンビアの間の境界位置*)を永久に記すために、山岳地帯に境界塚用のコンクリートの袋を運びました。」
―説明板の英語を和訳―
*) 著者注 コロンビア氷原はアルバータ州とブリティッシュ・コロンビア州にまたがっています。 -
この後観光に行ったアサバスカ氷河上の説明板に日本語の地名を付け加えました。
左側の「A-Aコル氷河」の2つの”A”はアサバスカ山(Mt. Athabasca)とアンドロメダ山(Mt. Andromeda)の頭文字、「コル(Col)」は「鞍部」を意味します。
A-Aコル氷河はアサバスカ山やアンドロメダ山への登山ルートとなっています。 -
コロンビア氷原・ディスカバリー・センターの敷地内にあった、1919年のアサバスカ氷河の写真
「アサバスカ氷河の規模は記念碑的で、ここからの眺めは時代を超越しているようです。しかし、1919年の写真と今日の写真を比較するとわかるように、氷河は実際には非常に動的です。アサバスカ氷河が最大に達した1884年以来、氷の端は1.5 km以上後退しています*)。
コロンビア氷原上の冬の積雪よりも、暖かい気温が夏ごとに多くの氷を溶かし続けているので、今日もこの後退は続いています。」
―写真下の説明板の英語を和訳―
*) 付録2.参照
著者注 1884年からの平均後退速度は約10 m /年となりますが、最近の後退速度は約5 m /年とされています。気温が高い現在の方が後退速度が遅い理由は地形にあると私は考えています。 -
コロンビア氷原・ディスカバリー・センターの敷地内にあった、アサバスカ氷河後退の説明板
「モレーン(morain)と呼ばれる砂利の尾根は、150年間にわたるアサバスカ氷河後退の一時的な休止の痕跡を示します。」
―説明板の英語を和訳―
*) 著者注 モレーンは氷河が流れる際に谷を削り取った砂利で、氷河の後退が無ければ氷河の先端に溜り、一様に後退すれば平らに散らばって尾根はできません。 -
コロンビア氷原・ディスカバリー・センターの建物に向かいます。
左はドーム氷河です。 -
アサバスカ氷河、ズームイン。
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アサバスカ氷河左(南)側の山々。
右からアンドロメダ山、アサバスカ山、その手前左はバウダリー・ピーク(Boundary Peak)、です。
以下右(北)にカメラを振っていきます。 -
アサバスカ氷河とその左(南)側の山々。
リップル湖(Ripple Lake)の対岸からアサバスカ山の山麓を通って先に続く道が見えますが、これがアサバスカ氷河観光の雪上車が走る道路です。1台氷河に向かってますね。 -
アサバスカ氷河とその右(北)側のスノー・ドーム山等の山々、その右はドーム氷河です。
手前はアイスフィールド・パークウェイ、その向う左はリップル湖、右のミルキーグリーンはサンワプタ湖(Sunwapta Lake)です。 -
左からスノー・ドーム山等の山々、ドーム氷河、キッチナー山、K2山(Mt. K2)、コロンビア氷原・ディスカバリー・センターの建物です。
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左からドーム氷河、キッチナー山、K2山、コロンビア氷原・ディスカバリー・センターの建物です
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アサバスカ氷河観光道路方向を少しズームイン。
観光道路はアサバスカ山の山麓付近で、アサバスカ氷河へと下っています。 -
ドーム氷河方向、ズームイン。
左からスノー・ドーム山等の山々、ドーム氷河、キッチナー山です。 -
アサバスカ氷河、ズームイン。
以下段階的にさらにズームインしていきます。 -
車らしきものが並んでますね。
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アサバスカ氷河観光の雪上車です。
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アイスフォール(Icefalls、氷瀑)下部、ズームイン。
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少し東のコロンビア氷原・ディスカバリー・センターの展望テラスに移動ししました。左からアサバスカ氷河とその右(北)側のスノー・ドーム山等の山々、その右のドーム氷河、キッチナー山。
右下は乗用車の駐車場です。 -
カメラを左に振って、左から、バウダリー・ピーク、アサバスカ山、アンドロメダ山等の山々。
手前はリップル湖です。 -
さらにカメラを左に振って、アイスフィールド・パークウェイの東側。
観光バスの駐車場はこの方向にあります。 -
コロンビア氷原・ディスカバリー・センターの展望テラスとアサバスカ氷河。
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さて、時間が来たので私達も雪上車に乗って氷河観光です。
私達が乗ったものと同タイプの6輪駆動の雪上車(Snow Coach)です。
この雪上車は、ツアーを運行するカナダ・ブリュースター社(Brewster Travel Canada)によって、アイス・エクスプローラー(Ice Explorer)と名付けられています。
ガイドさんの話ですと、この種の雪上車は世界に23台あり、うち22台はここで、残り1台は米国の南極観測隊が使っているそうです。また、カナダには自動車メーカーがないため、これらの雪上車の車体はカナダの農機具メーカーが作り、エンジンは独ダイムラー社*)製とのことです**)。
*) ダイムラー社が作る乗用車や商用車のブランド名がメルセデス・ベンツ(Mercedes-Benz)で、日本では「ベンツ」の呼び方が普及していますが、少なくとも私がいた独では「メルツェデス」と呼ばれています。
**) ガイドさんはこう話してくれましたが、いろいろ調べてみるとエンジンは米デトロイト・ディーゼル社製のものが多いようです。 -
雪上車に乗ってアサバスカ氷河へと出発です。
窓からのり出して見た前方(南西)の風景。 -
右側はもう氷河です。
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窓からのり出して見た前方(南西)の風景。
前方が下り坂になっています。コロンビア氷原とアイスフォールも見えますね。 -
氷河に向かって坂をおります。
氷河の上の道路も見えます。 -
坂を下りている最中です。
カメラの下をあえて窓枠の下と平行にしての撮影ですので、氷河は実際より右に傾いて見えます。
右端が氷河の先端です。 -
後方
この坂を下りています。 -
進行方向右側の風景
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この川を横切って、氷河上の道路に入ります。
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氷河上の道路を進みます。
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後方、氷河越しに見たコロンビア氷原・ディスカバリー・センター(中央やや右です。)
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終点が見えてきました。
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終点に到着し雪上車を降りました。
沢山並ぶ雪上車の間から、コロンビア氷原・ディスカバリー・センター(中央右です。)が見えます。 -
アイスフォールの方向へ進みます。
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さらに進みます。
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後方(アイスフォールと反対側)。
雪上車が沢山並んでますねえ。 -
この丸い看板辺りまでです。
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看板位置まで進んで見た、スノーフォール。
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スノーフォール、ズームイン。
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スノーフォールの右側の山。
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1つ上の写真の右側、氷河下流(北)方向の山。
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氷河下流方向。
氷河が融けた水が溝の部分を流れていきます。 -
流れの途中の水溜まり。
「氷河が融けた水を1口飲むと寿命が10年延びる」とガイドさんが言ったので、私は欲張って2口飲みました。氷河の表面は汚れていますが、水は綺麗です。
となると、私は少なくとも後20年は旅行記を書き続けることになるんですかねえ。 -
氷河を下流に引き返します。
上流側(スノーフォール側)。 -
氷河をさらに下流へ引き返します。
上流側。 -
上流方向南側の山々。
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下流方向東側のアサバスカ山。
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雪上車の位置まで戻って来ました。
氷河下流方向。コロンビア氷原・ディスカバリー・センター(中央やや左)が見えます。 -
中央の白い雪上車はベンツのマークがありますので、エンジンはダイムラー社製ですね。
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前輪のタイヤ。直径1.5 m、幅90 cmだそうです。
側面に”ALLIANCE”と書かれています。これは、農業機械用、産業機械用、建設機械用、林業機械用のタイヤ製造・販売に特化した、イスラエルのアライアンス・タイヤ会社(Alliance Tire Company)の製品であることを意味していいますが、様々な経緯を経て2016年に日本の横浜ゴム株式会社に買収されています。 -
後輪にも同じタイヤが使われています。
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さて、雪上車に乗ってコロンビア氷原・ディスカバリー・センターに戻ります。
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雪上車の窓から見たアイスフォール。
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アサバスカ氷河観光を終え、アイスフォールから遠ざかります。
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来た時と同じ席に座ったので、窓から見える景色は氷河の南東側です。
アンドロメダ氷河(Andromeda Glacier)とアンドロメダ山。 -
左はアサバスカ山、右はアンドロメダ山、その間にA-Aコル氷河の末端がかすかに見えます。
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左はアサバスカ山、右はアンドロメダ山、その間に今度はA-Aコル氷河がはっきり見えます。
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アサバスカ山
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A-Aコル氷河とアンドロメダ山、ズームイン。
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氷河の下流側から見たアサバスカ山
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氷河の下流側から見たアサバスカ山(左)とアンドロメダ山
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氷河の脇を流れる岩石粉末(ロック・フラワー)を含んだ水。
このロック・フラワーが氷河湖の美しいい色の原因となります。
詳細はhttps://4travel.jp/travelogue/11230654の付録3.で説明しましたので、ご興味がある方はご覧ください。 -
コロンビア氷原・ディスカバリー・センター手前まで戻って来ました。
大分雲が取れてきましたねえ。山の天気は変わりやすいですから。
ドーム氷河と両側の山々。 -
雪上車から下りてセンターに戻って来ました。
天気が良くなったので、最後にもう1回アサバスカ氷河の写真を撮ります。
氷河左(南)側の山々。 -
アサバスカ氷河と両側の山々。
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アサバスカ氷河右(北))側の山々とドーム氷河(右)。
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観光バスにのってまたアイスフィールド・パークウェイを通り、ジャスパーのアサバスカ・ホテル(Athabasca Hotel)に戻ります。
来るときにも見えた、グレイシャー・スカイウォーク。 -
グレイシャー・スカイウォーク
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途中で見えたタングル・クリーク滝(Tangle Creek Falls)
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タングル・クリーク滝
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マウンテン・ゴート(Mountain Goat)
岩に含まれるミネラルを舐めています。
ちょっと可哀そうな姿に見えますが、夏場のこの時期に体毛が抜け落ち、秋に新しい白い毛がまた生えてきます。 -
マウンテン・ゴート
家族ですかねえ。 -
草原のマウンテン・ゴート
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マウンテン・ゴートの群れ
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マウンテン・ゴートの親子
子供は可愛いねえ。 -
アサカスバ川。
まもなくジャスパーです。
付録
1.北米大陸の地質学的歴史
ここでは北米大陸がパンゲア(Pangaea/Pangea)大陸の一部だった頃以降の説明をします。それ以前についてはhttps://4travel.jp/travelogue/11426175の付録1.をご覧ください。
後期古生代から前期中生代にかけて、北米大陸はその東がユーラシア(Eurasia)大陸となるパンゲア大陸の一部として他の現在の大陸と結合されました。この頃の北米大陸は、原生代の15~10億年前に形成された、クラトン(craton、カンブリア紀以前に形成された安定した古代地殻)を中心とした地質からなる北東部のローレンシア(Laurentia)のみで、現在の西部はまだありませんでした。7億年前には、太平洋が北米大陸西部のほとんどを覆っており、海は東に数回浸水し、シルト(silt、砂より小さく粘土より粗い砕屑物)と砂の層を堆積させました。海洋無脊椎動物や甲殻類のような生命が出現したとき、これらの死骸は堆積層に追加されました。パンゲアの形成が残した大きな地質学的結果の1つはアパラチア山脈であり、それは約4億8000万年前に形成され、世界で最も古い山脈のひとつになっています。パンゲア大陸がおよそ2億年前に分裂し始めたとき、北米大陸はローラシア(Laurasia)大陸の一部であり、その後白亜紀(1億4,500~6,600万年前)中期の間に、独立大陸としてユーラシア大陸から分離しました。ロッキー山脈やその他の西部の山脈は、この頃の8,000~5,500万年前に起きたララマイド(Laramide)造山運動と呼ばれる造山の時代から形成され始めました。このとき、太平洋プレートが北米プレートに衝突し、その下に沈み込こみました。堆積層は圧迫され、ねじられそして折り畳まれ、古い地層が若い地層の上に押上げられました。このため、これらの山脈は先カンブリア紀から白亜紀に属する粘板岩、苦灰岩、砂岩、石灰岩からできており、加えて地殻の割れ目から噴き出した溶岩も堆積しています。南アメリカと大陸を結ぶパナマ地峡は、おそらく約1500万から1200万年前に形成され、五大湖(ならびに他の多くの北部の淡水湖と川)は、約1万年前にウィスコンシン氷期(Wisconsin glacial stage)が終了した後、氷河の後退によって作られました(下記参照)。
2.コロンビア氷原とその歴史
コロンビア氷原は、カナダのブリティッシュ・コロンビア州(British Columbia)とアルバータ州(Alberta)の境界線に沿って、大陸分岐地帯をまたぐカナディアン・ロッキー(Canadian Rockies)にあり、その一部はバンフ国立公園の北西端、残りはジャスパー国立公園の南端にあります。面積は約325 km2、深さは100 m~365 mで、年間最大7 mの降雪量があります。
コロンビア氷原は、イリノイ氷期(Illinoian glacial stage、紀元前23.8~12.6万年、時期的にはヨーロッパのリス(Riß)氷期に相当)に形成されました。氷原の初期の成長は、ホモ・サピエンスが地球に出現し始めた頃の、初期ウィスコンシン氷期(ウィスコンシン氷期(Wisconsin glacial stage)は北米最終氷期で、時期的にはヨーロッパのヴュルム(Würm)氷期に相当)の後期数千年(紀元前73,000年~62,000年)の間に終わりました。コロンビア氷原の次の大きな成長は、後期ウィスコンシン氷期(紀元前18,000年~9,000年)の間に起こりました。最後の主要な氷原成長期間が小氷期の間に起こり、それはおよそ1,200から1,900 ADまで続きました。1800年頃、アサバスカ氷河はピークに達して後退し、その後1880年まで再度成長してからは現在まで後退を続いています。この氷原から流れ出す氷河はアサバスカ氷河の他に、キャッスルガード氷河(Castleguard Glacier)、コロンビア氷河(Columbia Glacier)、ドーム氷河(Dome Glacier)、スタットフィールド氷河(Stutfield Glacier)、サスカチュワン氷河(Saskatchewan Glacier)等があります。
コーカソイド*)によるコロンビア氷原の発見は、イギリスの探検家ジョン・ノーマン・コリー(John Norman Collie)とハーマン・ウーリー(Herman Wooley)で、1898年のことでした。コリーはこの時の感動を次のように記しています:
夕方の光の中で私たちの前に横たわっていた景観は、現代の多く登山家の前に容易に現れるものではありませんでした。新しい世界が私たちの足元に広がっていました。西側に広がる広大な氷原は、これまでおそらく人間の目では見られたことは無く、そして全く未知の名前のない、険しい山々に囲まれていました。
*) モンゴロイドのネイティブアメリカンはそれ以前に発見していたかもしれません。
私は小学校の社会科で「アメリカ大陸を最初に発見したのはコロンブスだ」、と習いましたが、これはコーカソイド視点の大嘘です。それより1万年以上前に我々と同じモンゴロイドが北米大陸に到達・居住していた訳ですから。今はどう教えているんですかねえ。
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この旅行記へのコメント (4)
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- Mollyさん 2019/02/10 11:26:51
- こんにちは。氷河の将来は。
- bunbunさんへ
こんにちは。
いつも紀行文に訪問いただき
ありがとうございます。
カナディアンロッキーの旅を
拝見しました。
当方の訪問時の写真と
bunbunさんのものを
こちらの最後に並べてみました。
あまり変化はない?
https://4travel.jp/travelogue/10507853
でもだいぶ氷河は後退しているのでしょうか。
写真はしばらくしましたら削除いたします。
- bunbunさん からの返信 2019/02/11 17:07:13
- RE: こんにちは。氷河の将来は。
- Mollyさん、こんにちは。
ご訪問、私の拙い旅行記にいつも投票ありがとうございます。
お写真拝見しました。2枚の写真を比べて見ますと、私の写真では氷河の先端がMollyさんのお写真より丘一つ分後退しているように見えます。また氷河右の岩を見ますと、私の写真の方が広く露出しており、氷河の幅、厚さとも小さくなっているようです。Mollyさんのお写真とGoogle mapの航空写真を比べてみますと、後退距離はこの30年で200 m 前後でしょうか。私は旅行記の中で「後退速度は約5 m /年」と書きましたが、お陰様でそう間違っていないことが確認できました。
氷河の将来ですが、例えば以下をご覧ください。
https://www.researchgate.net/figure/Projected-global-warming-and-climate-change-for-the-next-century-indicating-continuous_fig12_228340357
地球の温度は産業革命が起こった19世紀から上がり始め、その上がり方は年とともに激しくなっています。この図には将来の予想も示されていますが、赤線は温室効果ガス対策が取られなかった場合で、2100年には現在より現在より3℃以上の上昇となります。多少の対策を取っても温度上昇は避けられず、氷河は消えゆく運命にあると思われます。
貴重なお写真とコメント、ありがとうございました。
これからもどうぞよろしくお願い致します。
bunbun
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- TAKEおじさん 2019/01/18 23:12:16
- コロンビア氷原(アサバスカ氷河)
- bunbunさん
こんばんは。
コロンビア氷原の詳しい旅行記、興味を持って見させていただきました。
わたしは、45年前にコロンビア氷原を訪れ、その後は地球温暖化でコロンビア氷原が後退していくのを気にかけていました。
bunbunさんの詳しい説明で、氷河の変遷などもよく分かりました。
次の世代に美しい地球を残さなければと思います。
私の旅行記は、記念撮影の写真ばかりですが、コロンビア氷原も載っています。
https://4travel.jp/travelogue/10377001
TAKEおじさん
- bunbunさん からの返信 2019/01/19 22:32:27
- RE: コロンビア氷原(アサバスカ氷河)
- TAKEおじさん、こんばんは。
私の拙い旅行記を丁寧にお読み頂き、ありがとうございます。
TAKEおじさんの「思い出の カナダ1974年(3/4) カナディアン・ロッキー編」拝読いたしました。アサバスカ氷河ですが、TAKEおじさんのお写真と比べると私の写真の方が後退していることは、一目瞭然ですね。それに氷河の厚さも薄くなっていることがよくわかります。
原因は地球温暖化ですが、急速な温暖化の原因が二酸化炭素を主とした温室効果ガスであることは多く科学的データから明らかであり、殆どの専門家の見解はこの点一致しております。ただ中には温暖化の原因を他に求めたり、一般人の中には、今は間氷期でまた氷期がやってくるから、少しくらいの温暖化はあった方がいいといった意見もあります。しかしながら、過去数十万年間の氷期の周期からすると、次の氷期が訪れるのは早くても1万年後であり、このまま温室効果ガスの放出を放置すれは、人類存亡の危機に至るやも知れません。この意味で、トランプのパリ協定脱退表明は非常に残念です。
次の世代に美しい地球を残さなければならないことは、TAKEおじさんのおっしゃる通りで全く同感です。
bunbun
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