2018/07/06 - 2018/07/07
1位(同エリア82件中)
bunbunさん
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長年行きたくて行けなかったマダガスカルにようやく行って来ました。ユーラシア旅行社さんのツアーで、日程17日間、参加人数は男性10名女性8名の計18名です。マダガスカルは道路事情が悪い(特に西部)関係で移動は全行程四駆のSUV 8台のコンボイです。
これから時間が許す限り順次旅行記を書いていきたいと思います。
付録にマダカスカルの基礎知識を載せますが、膨大な量になりますので旅行記に関係する部分をその都度載せていくことにします。今回は1.地勢、2.気候、3.稲作、4.バオバブです。ご興味のお有りの方はご覧ください。
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標高約1300 mのアンタナナリボ(Antatatarivo)*)から国道7号線を25 km程南下してほぼ同じ標高のトサイアファイ(Tsiafahy)付近にやって来ました。
右側の山の上に角の無い大きな岩が見えますが、これはラテライト(付録1参照)層が侵食されて現れて花崗岩です。
遠くの山には殆ど木がありませんが、これは住民が燃料(薪や炭)や建築材料として長年渡り、森林伐採をした結果です。
*) マダガスカルの公用語はフランス語とマダガスカル語ですが、フランス語は都市部や知識階級を除くとあまり使われません。マダガスカル語の”o”は「ウ」と発音されますので、”Antatatarivo” の日本語表記としては「アンタナナリブ」や「アンタナナリヴ」もよく使われます。他の”o”を含む単語も同様です。 -
さらに国道7号線を20 km程南下した標高約1400 mブアンジー(Behenjy)付近です。
稲の刈り取りが終わった田んぼですね。焼き畑で得られた土地です。ここは平地ですが、人口が増えて土地が足りなくなると、山の斜面を開拓し、段々田んぼとしてその面積を増やしていきます。
稲作については付録3を参照してください。 -
さらに国道7号線を25 km程南下した標高約1600 m のアンバトランピ(Ambatolanpy)付近です。
標高がやく200 m 上がりましたが、暖かいんですかねえ。刈り取った稲の株からは芽がでているし、二毛作をやっている。 -
さらに国道7号線を20 km程南下したアンボイマンドロゾ(Ambohimandroso)付近。
サトウキビですね。マダガスカルのサトウキビ生産量は2016年時点で300万トンですが、これは全世界の0.2%に過ぎず、生産量の順位は39位で、マダガスカルの主要輸出農産物にはなっていません。
この後アンツィラベ(Antsirabe)のフラワーパレスホテル(Flower Palace Hotel)で一泊します。 -
翌朝アンツィラベを出て国道34号線を西に向かいます。
約30 km進んだところでMania川の支流であるlandratsay川を渡ります。
この辺は平地が少ないので段々田んぼとなります。
山の木は全くないですねえ。 -
森林伐採で水源涵養機能が低下し、降水侵食によって形成されたガリー(gully)がたくさん見えます。
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禿山と川。川岸に生えているいる植物はアシの一種のようですね。
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農地が少ないんでしょうね。焼き畑で得られたと思われる農地が丘の上まで広がっています。
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禿山と農地。
手前の民家の壁は、ラテライトから作った日干し煉瓦に漆喰を塗って作られています。
この国は気候的に過ごし易い(付録2参照)中央高地に富裕層が集まり、西に行くほど貧困になるため、住宅も粗末なものになっていきます。日干し煉瓦はまだましな方です。 -
国道34号線をさらに進み、アンツィラベ西北西約40 km の位置までやってきました。
禿山と段々田んぼ。
標高は1265 m まで下がってきました。 -
国道34号線を北西にさらに5 km程進みました。
標高は1150 m です。
この辺はラテライトが侵食され始めたサバンナ草原ですね(付録1.、2.参照)。 -
サバンナ草原を流れるlandratsay川をまた渡ります。
ガリーがあちこちに見えます。 -
典型的なガリー。
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また草原です。
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ガリー。
溝状に侵食が進んでます。
雨季には川となるんでしょうね。 -
国道34号線を北西にさらに10 km程進んで、標高は1170 m です。
この辺は緑が多いし、畑もあります。 -
さらに10 km程進んで、まだ比較的緑の多い地域が続きます。
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さらに国道34号線を西に30 km程進んで標高1020 m まで下りて来ました。
トイレ休憩です。
こんなところにトイレ?青空トイレなのです。
ラテライト層が侵食されて花崗岩が現れ始めた山と、たくさんのガリーを有する草原。 -
1つ上の写真の右側。
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2つ上の写真の左側。
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四駆SUV 8台のコンボイ。
この辺の道路はまだ舗装されているので、乗り心地はいい。
各SUVは運転手さんの所有です。マダガスカルでは裕福な人たちと思います。 -
国道34号線を北西にさらに10 km程進んで標高900 m まで下りて来ました。
サバンナ草原はまだ続きます。
侵食された浅い谷には段々田んぼが見えますね。 -
国道34号線は、1つ上の写真の場所から120 km程西に行くと今度は南に方向を変えます。
そこから70 km 程南下したところにある、Mania川の支流であるSakeny川のさらに支流のManambolo川にやって来ました。標高100 m です。随分下りて来ましたね。もうモザンビーク海峡までは直線距離で約 110 km です。
川が茶色ですが、これはラテライト微粒子が縣濁しているためです。 -
北北東から見たManambolo川に架かる橋。
川は左(東南東)から右(西北西)に流れています。
おや、対岸の河岸の砂浜に人が集まっていますね。 -
集まっている場所をズームイン。
はー、洗濯物を干しているんだ。
マダガスカルの電気普及率は約20%程度、地方はもっと低いから(電柱や電線が殆ど見えません)電気洗濯機は無いだろうし、仮に電気が来ていても生活費は$2/日以下とのことですから、家電品も買えませんね。川で選択して干すのが一番いいってことですか。
この後橋を手前(北北東)から対岸方向(南南西)に歩いてみます。 -
上流側。あの砂浜(右側中央やや上)でも洗濯物を干しています。
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下流側。右上の砂浜でも洗濯物を干しています。
右側では川の中に土手を作って水を分けているようですが、用水路へと続くんですかねえ。 -
橋の中央付近から見た上流側。
乾季で水が少ないこともあるでしょうし、流れが緩やかなんで川の中にラテライトがたくさん堆積してます。 -
橋の中央付近から見た下流側。
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橋の対岸付近から見た上流側。
カラフルな選択物です。
プライバシーに関わるような物や人は・・・、あります、います。フォートラさんの写真サイズでは見えないとお見ますが、一応モザイクをかけておきました。 -
橋の対岸付近から見た下流側。
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川岸に生えているいるアシの一種ですかねえ。家の屋根葺きに使われるそうです。
ガイドさんに名前を聞いたら後で調べて教えてくれる、とのことでしたが聞きそびれました。 -
1つ上の写真の位置から国道34号線を約50 km 南下し、国道35号線に入って西に70 km 程走り、標高 190 m、モザンビーク海峡までの直線距離約80 kmの地点にやって来ました。
ありました。バオバブです。
現地ガイドさんによると、種類はザー(za)だそうです。
冬なんで葉は落ちていますが、実がたくさんぶら下がっています。
バオバブ関する詳細は付録4.を参照してください。 -
こちらは双子のザーです。
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国道35号線を北西に1 km程走って、標高 320 mの高台から見た平原。
緑が多いですね。 -
国道35号線を西に走り、バオバブ並木が近くにあることで有名なムルンダバ(Morondava)の西約15 km、標高約20 mの地点までやってきました。
このバオバブを含め、今後この旅行記で紹介するバオバブは全てグランディディエリ(grandidieri)です。 -
近づいて見上げる。
実がなってるな。 -
裏に回って幹の下部を見る。
樹皮が剥がされた跡です。繊維が丈夫であることから、屋根、ロープ、籠、工芸品等の材料や解熱剤にも使われるそうです。 -
北を見ると、バオバブが何本も並んでいますねえ。
この後2 km 程西に進み、北に曲がって有名なバオバブ並木がある国道8号線に入ります。 -
国道8号線に入り、5 km程北上した地点。
バオバブの本数が増えてきました。 -
手前の2本のバオバの間に杭が打ち込まれています。
この杭を使って木に上り、実を取るようです。 -
子供たちが木に上ろうとしています。
幹の表面には削り取った跡がたくさん残ってますね。 -
北に少し歩いて、前方のバオバブズームイン。
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4つ上の写真の後方のバオバブの位置まで来ました。さらに進んで、
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遠くに見えるバオバブズームイン。
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さらに2 km程北上すると、ガイドブック等で見かけるバオバブ並木です。
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右下ではお姉さんがバオバブの置物を土産品として売っており、その横の看板にはフランス語、英語、日本語で説明があります。
最近は日本語ではなく、中国語が多いのに嬉しいですね。
左下ではバオバブの実を売っています。 -
試食用にガイドさんが1つ買ってくれました。
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かなり固い殻を割ってみんなで試食です。
内部にはたくさんの果肉が入っています。
ほんのりとした甘みと酸味があり、食感は、う~ん、敢えて言えば生八つ橋、って感じですかねえ。なかなか美味です。
食べられる実は木から直接採ったもので、自然に落ちたものは中に虫が入っていて駄目だそうです。 -
改めてバオバブの木を見上げる。
たくさんなってますね。 -
さらにズームインすると、こんな感じです。
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バオバブ並木に沈む夕日が綺麗ということで、しばらく待ちました。
バオバブの後ろに夕日が沈んでいきます。 -
夕日が沈んでいきます。
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夕日が沈んでいきます。
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夕日が沈みました。
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沈んだ後の夕焼け。
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沈んだ後の夕焼け。
これで今日の観光は終わり。
ムルンダバのホテルに向かいます。
付録
1.地勢
マダガスカル島は南北約1600 km、東西最大幅約 560 km、面積約59万平方キロメートル(日本の約1.6倍)の南北に長い島で、幅約400 kmのモザンビーク海峡を挟んでアフリカ大陸東部のインド洋上、南緯11度57~25度35分に位置します。この緯度は北半球で言うとほぼハワイに相当します。標高は中東部が800~1800 mと高く、西に行くにしたがって徐々に低くなって行きます。この島の東側約2/3は、始生代中始生代(32億年前~28億年前)、始生代新始生代(28億年前~25億年前)、原生代中原生代(16億年前~10億年前)、原生代新原生代(10億年前~5億4千年前)といった先カンブリア時代に造られた様々な種類の火成岩、堆積岩や変成岩からできており、その表面の多くは岩石が風化してできた、やせて農業に適さない赤いラテライト(紅土)1) の厚い層で覆われています。また、西側約1/3は顕生累代(5億4千年前~現在)に造られた砂岩や石灰岩といった堆積岩を主体とした岩石からできています。
このようなマダガスカルの地学的起源は、当然のことながら、地球の歴史と密接に結びついています。地球の歴史は、私の他の旅行記とも深く関係してきますので、ここで(マダガスカルに重点を置いて)簡単に説明しておきます。
地球の歴史には諸説ありますが、ここで事象に関してはは多くの研究者が受け入れている標準モデルを使い、年代については事象の時系列に矛盾がない値を使います。地球は約46億年前2)に、宇宙塵やガスが集まって直径数キロメートル程度となった多くの微惑星やこれらが集まった小惑星が、万有引力によって衝突・合体して形成されました。この時の地球は、衝突によって温度が上昇し(物理用語を使えば運動エネルギーの熱エネルギーへの変換)、2000~3000度の高温になっており、その周囲は水素、ヘリウム、水蒸気といったガスに覆われていました。この温度で岩石は個体で存在することはできず、地球は岩石が融けたマグマの塊になっていました(火の玉地球)。一方地球を覆っていたガスのうち、水素、ヘリウムといった軽いものは、太陽風の影響で数千万年以内には宇宙に散逸して、水蒸気を主成分とした原始大気となりました。その後地球は一旦冷え、地球表面には地殻ができ、冷やされた原始大気は雨となって地表に降り注いで、海もできました。しかし微惑星の衝突は40億年前まで断続的に続き4)、地球表面の温度は変動して海が干上がったり、再び冷えて海ができたりを繰り返していました。この間、45億年前には火星程の大きさの惑星(テイア(Theia)と名付けられています)が地球に衝突し(ジャイアント・インパクト(Giant impact)と呼ばれています)、飛び散ったマグマは1ヶ月程で集まって月ができました3)。この期間を過ぎると、地球は熱を宇宙に放出(物理用語を使えば輻射)して冷え始め、表面のマグマは分化して固体となって玄武岩質の岩石、または超苦鉄質(ultramafic)岩であるコマチアイト(komatiite、珪酸分45%以下、比重3.3~3.5 g/cm3の火山岩)から成る原始地殻を形成し、岩石成分より重い金属(多くは鉄やニッケル)は重力で地球の中心に集まり、核を形成しました。地殻下部にあってゆっくり冷えたマグマは橄欖岩(コマチアイトとほぼ同成分の深成岩)からなるマントルを形成します。このときマグマに含まれていた大量の二酸化炭素、水蒸気、塩素、硫化水素等のガスが原始大気へ解放されます。水蒸気はこれらのガスと反応し、地球の上空で冷やされ、酸性雨として地上に降り注いで地殻の上に海を作る一方、地殻を構成する岩石を侵します。ちなみに水(H2O)と反応した塩素(Cl)は塩酸(HCl)となりますが、塩酸がナトリウム(Na)を含む岩石を侵すと塩(NaCl)になります。現在の海水がしょっぱいのはこのためです。このような状態の地球はまだ高温であったため、地殻下のマントルは激しく対流し5) 、地殻をマントル内に引き込みました。これがプレートテクトニクス6) が対象とするプレート運動の始まりと考えられ、小さな陸が造られて(マダガスカルの断片はこの時すでに造られています)、これらが合体し大陸が形成されていきます。その後さらにこれらの大陸が合体と分裂を繰り返しますが、地球表面の全大陸が合体したような大きな大陸(超大陸と呼びます。)は、約27億年前にケノーランンド(Kenorland、この大陸の存在に関しては議論があります。大陸)、約19億年前にヌナ(Nena)大陸7)、約11億年前にロディニア(Rodinia)大陸ができ、その縁部分には既にマダガスカルの原型が造られています。さらに、約5億5千年前にゴンドワナランド(Gondwanaland、単にゴンドワナ大陸と呼ばれることもありますが、後出のゴンドワナ大陸と区別するため、こうしておきます。次のパンゲア大陸ができる過程の大陸と考える場合もあります。)、3億年前にパンゲア(Pangaea/Pangea)大陸が造られました。2億5千万年前頃、このパンゲア大陸は再び分裂を開始し、1億8千万年前頃には、現在のユーラシア大陸となる北のローラシア(Laurasia’s)大陸と南のゴンドワナ(Gondowana、ゴンドワナランドとは異なります)大陸に分裂します。マダガスカルはこの時、西が後のアフリカ大陸、東が後のインド亜大陸となる、ゴンドワナ大陸のほぼ中央に位置しました。1億年前頃になると、ゴンドワナ大陸は現在のアフリカ大陸、南アメリカ大陸、マダガスカル島+インド亜大陸、南極大陸+オーストラリア大陸とに分裂します。8800万年前頃にはマダガスカル島とインド亜大陸が分裂し、インド亜大陸は北上して4000万年前頃にユーラシア大陸に衝突します。一方、6500万年前頃には南極大陸とオーストラリア大陸が分裂します。それぞれの大陸は各プレートに乗って移動を続け、500万年前頃にほぼ現在の地球上の地形になります。
このように超大陸の形成と分裂の繰り返しをウィルソンサイクル(Wilson cycle)と呼びます。このサイクルが起こる原因は地球科学で説明できます。ただ、それには地球の内部構造やマントル内の運動に関する知識が必要になりますのでまたの機会にしますが、大陸は現在も動き続けていて、コンピューターシミュレーションによると、今から2~3億年後には今の大陸が集まって超大陸ができるといういくつかの結果が得られており、それらの大陸にには「アメイジア(Amasia)」とか「「ノヴォパンゲア(Novopangea)」とか「パンゲア・ウルティマ(Pangaea Ultima)」といった名前がもう付けられています。
1) 風化物から水溶性の珪酸分や塩基類が除去されて残った鉄やアルミニウムの水酸化物で、赤の起源は鉄イオンです。
2) 地球と同時期にできたとされる火星-木星間の小惑星帯から来たと思われる隕石の放射性年代測定値です。ここで用いられる元素は、上記14Cと異なって半減期が45億年と極めて長いウラン238Uや同7億年のウラン235Uです。これに使われる鉱物は通常それが生成された時点でウランを取り込み易いジルコン(ZrSiO4)で、最終的にはウランが鉛に変わります。
3) 地球の自転軸が公転面と直角な方向から傾いている(現在は23.5°)原因はこのジャイアント・インパクトによります。
4) 地球同様の微惑星衝突受けた月のクレーターの放射性年代測定によります。この期間は「隕石の重爆撃期」と呼ばれます。
5) 固体ではありますが、流動性があります。
6) 敢えて和訳すると「岩盤変動学」です。
7) “Nena”は” Northern Europe?North America”の略です。
2.気候
マダガスカルの気候は地勢(付録1参照)、風の影響によって以下のように分けられます。中央高地を除く部分は東から、熱帯雨林気候、熱帯モンスーン気候、中央高地を越えてサバンナ気候、南西部のステップ気候、砂漠気候であり、中央高地は東から夏の気温が高い温暖湿潤気候、標高の特に高い部分の温帯夏雨気候、比較的標高の低い部分の夏の気温が低い西岸海洋性気候となります。という訳で、南北の中央部付近を東西方向にみると、東海岸のトゥアマシナ(Toamasina)年間降水量は3300 mm(東京のほぼ2倍)、年間平均気温は24℃、中央高地のアンタナナリボ(Antananarivo)で年間降水量は1500 mm(東京と同程度)、年間平均気温は18℃、西海岸のムルンダバ(Morondava)で、年間降水量は800 mm、年間平均気温は25℃であり、乾季はいずれも冬ですが、雨季と乾季の降水量の差は西に行くほど大きくなります。このような気候は、インド洋を渡って多量の湿気を含んだ夏の南東方向の貿易風と、アフリカ大陸・モザンビーク海峡を渡る比較的乾いた北西方向のモンスーンによります。
3.稲作
マダガスカルの最初の住人は、言語および遺伝子解析から、8世紀以前にボルネオ島からアウトリガー船で貿易風を利用してやって来た、オーストロネシア人(モンゴロイドとオーストラロイドの混血)と考えられていますが、稲作がマダガスカル北部に伝わったのはそれより遅い10世紀から12世紀頃で、品種はインディカ米です。この稲作が中央高地に広がったのはメリナ王国時代の16世紀で、その後灌漑(付録2参照)工事が進んで19世紀頃までに稲作は全島に広がります。
現在のマダガスカルの農業人口は全人口の7割以上で、そのうち7割以上が稲作に従事しているとのことですから、全人口半分以上は稲作従事者ということになります。米の生産性は、1.8~2.6 t/ha・年とされていますが、日本は約5 t/ha・年ですから、日本の半分以下です。これは生産土壌として痩せたラテライト(付録1参照)を使っているためと思われます。米の消費量は約150 kg/人・年ですが、これは日本の約3倍にもなります。
4.バオバブ(Baibab、学名:Adansonia)
一般的な木を根こそぎ引き抜いて反転させ、地面に挿し込んだようなバオバブは、その奇妙な形状からか、サン=テグジュペリ(Saint-Exup?・ry)の「星の王子さま(Le Petit Prince)」に悪の象徴として登場しますが、その姿は独特で美しく、群生は絶景です。ちょっと横道にそれますが、「星の王子さま」の意図は未だに議論が絶えません。私自身、この著書は人間社会における物事の本質を適格にとらえた文化人類学書であり、これをどう解釈するかは読者に委ねられていると思っております。
2018年4月時点で確認できている世界のバオバブは、マダガスカル固有種の6種類(グランディディエリ(grandidieri)、マダガスカリエンシス(madagascariensis)、ペリエリ(perrieri)、フニィ(fony)、スアレゼンシス(suarezensis)、ザー(za))、アフリカとアラビア半島固有種の2種類(ディギタータ(digitata)、キリマ(kilima))、オーストラリア固有種の1種類(グレゴリイ(gregorii))の計9種類です。このうちマダガスカルに生息するバオバブは、上記6種類の固有種に加えてアフリカから人為的に持ち込まれたディギタータを含めた7種類です1)。このように海で隔てられて遠く離れた複数の陸地にバオバブが存在する理由は、これらの陸地がゴンドワナ大陸起源であることによります(付録1.参照)。ゴンドワナ大陸時代にマダガスカルに隣接していたインドにバオバブがない理由は、インド亜大陸が北上過程で、異なる気候によって全滅した、と私は考えています。
バオバブの幹内部はサトウキビ状で、サトウキビが砂糖樹液を蓄えるように雨季に水を貯えて乾季に備えます。大きな樹になるとその貯水量は10トンを超えるそうです。この水は細胞の乾燥死からバオバブを守るためと考えるのが自然です。同じ種のバオバブでも、気候によってその形状は大きく変わります。乾燥地帯のバオバブは背の低いずんぐりした幹を持ち、樹齢が高くなると幹の根元や上部に空洞ができます。これは同じ体積でも表面積をできるだけ小さくして、蓄えた水の蒸散を防ぐためと私は考えております。ネット検索すると、また単行本にさえ、樹皮下にある葉緑素がこの水を使って光合成を行う、などと言った説明があります。しかし、厚さいが数 cm 以上にもなる樹皮を、光合成に必要な可視光(主として波長0.4~0.5μm、0.6~0.7μm。ちなみに波長0.5~0.6μm は葉緑素が示す緑色です。)が透過するとは、私には思えません。
世界最大のバオバブは南アフリカ共和国リンポポ州にある周囲47 m,直径15.9 mのディギタータ種とされています。しかし、2009年に2つに裂けてしまったため、現在単独の幹で世界最大のバオバブは同地区にある直径9.3 m、周囲約30 mのディギタータ種とされています。マダガスカル最大のバオバブはムルンベ(Morombe)の北東約 30 km のアンドゥンビリー(Andombiry)近郊にあるで、樹齢1300~1500年、周囲27.4 m のグランディディリ種で、村の聖なる樹として崇められていました。「いました」と過去形にしたのは、このバオバブは私たちが行く直前の2018年に落雷に遭って、2つに引き裂かれ、その半分が砕かれてしまったためです。村人はその近くにある同程度の大きさのバオバブを新たに聖なる樹とし、現在(2018年7月)そこに至る道路を整備中です。このバオバブが現在のマダガスカルで最大となります。
生きた木の樹齢を調べることは容易でありませんが、通常の木であれば根元から切り倒せば年輪を数えることで正確に樹齢がわかります。しかし、バオバブの場合、歳を経るにしたがって上記貯水作用もあって年輪が消えていくため、この方法は使えません。唯一の方法は、半減期5730年の炭素の放射性同位体である14Cを用いた、倒れた木の根元中心部の放射性炭素年代測定です。しかし、この方法も上記した根元付近の幹が空洞となる種には適用できず、対象は限られます。この方法で測定された最も長寿のバオバブは2500 歳程度です2)。
1) ブジィ(Bosy)を含めて、マダガスカル固有種7種、マダガスカル生育種8種類、世界のバオバブ種10種類とする見方他、多数の見方があるようですが、どれも一般的には受け入れられていないようです。
2) ネットを検索すると、現在生息する最古のバオバブは樹齢5000年、6000年、などと言う記事がたくさん出てきますが、これは大間違いです。放射性炭素年代測定によるとのことですが、この測定方法を正しく理解していれば、これが正しくないことは容易にわかります。
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この旅行記へのコメント (8)
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- Haruさん 2019/01/18 01:29:16
- バオバブって、こんなに大きな木だったんですね。。
- ぶんぶんさん
初めてコメントさせていただきます。
今まで何度か私のバンクーバーの旅行記にご訪問、ご評価をいただきありがとうございました。
ご挨拶が遅くなり失礼致しました。
バオバブは遠景が多いので、ぶんぶんさんの子供達がよじ登っているお写真を拝見し、初めてその大きさを知りました。また、詳しいご説明も勉強になりました。
私の拙い旅行記でさえ、書くのに相当な時間が掛かりますので、ぶんぶんさんの学術論文にも匹敵するような旅行記は、いったいどれぐらいの時間を掛けて書かれているのだろうと想像もできないです。
もう少し長いコメントを書いていたのですが、「投稿する」をクリックするとログイン画面に移り、その後「ページが見つかりませんと」となって消えてしまいました。。
次回から、書き直さなくていいように、投稿する前にコピーしておきます。
時間も遅くなってしまったので、またの機会にします。。
失礼致します。
Haru
- bunbunさん からの返信 2019/01/18 21:26:48
- RE: バオバブって、こんなに大きな木だったんですね。。
- Haruさん、こんばんは。はじめまして。
ご訪問、私の拙い旅行記に投票ありがとうございました。
マダガスカルのバオバブとツィンギーはどうしてもこの目で見たかったのですが、遠いので在職中は時間がなくて行くことができず、定年退職してようやく行ってきました。
既報告のバオバブは確かに大きくて感激しました。ただ、別の所でもっと大きいバオバブを見てきましたので、時間を見つけてその旅行記も投稿しようと思っています。
私は何でも知りたい質でして、旅行前後に旅行先の勉強をします。マダガスカルの最初の旅行記執筆にあたっては、地球科学からマダガスカル島に至るまで20冊以上の本を読みましたので、最初の旅行記執筆には2ヶ月近くかかっていると思います。これらの本は、各分野の専門家が自分の研究成果を中心に執筆していますので、どうしても互いに矛盾する部分がでてきます。この問題を解決するには、できるだけ多くの情報を集め、時には直接著者に問い合わせ、時には原著論文まで踏み込んで論理的に矛盾がないような説明文を作り上げるという手法をとります。これだけやっても所詮素人ですので、専門家が読めば、なんだこれは、と思われるようなところもあるかも知れません。Haruさんのように、ここまで読んでくださる方がいらっしゃれば本当に嬉しく思います。
ただ、あまりに踏み込んだ内容はあくまで自分の趣味ですので、多くの読者には何の役にも立たないどころか、むしろ邪魔な存在になっているだろうと思い、こういった部分は付録として最後に載せています。
いつもこんなことをやっていますので、投稿に時間がかかってしまい、投稿のタイミングを逸してしまう旅行記もたくさんあります。
バンクーバーはカナダ旅行の初日と最終日に寄りましたが、あまり時間がなくて、グランビルアイランド、スタンレーパークとバンクーバー・コンベンション・センターのある広場を摘み見しただけです。ギャスタウンの蒸気時計はバスの窓から見ました。
見れなかった部分はHaruさんの旅行記で楽しませて頂きました。
バンクーバーは綺麗な街でいいですね。
これからもHaruさんの旅行記を楽しみにしております。
bunbun
- Haruさん からの返信 2019/01/19 16:49:28
- Re: バオバブって、こんなに大きな木だったんですね。。
- ぶんぶんさん
ご丁寧なご返信、ありがとうございました。
ぶんぶんさんは、研究職か学者さんなのかなぁと想像していました(^^)
私も調べたり勉強したりするのは好きですが、ぶんぶんさんほど掘り下げることはないです(^^ゞ
カナダ旅行前は、3カ月前からガイドブックは2種類買って、1冊は娘に持たせ、他は図書館の本を借りたり、インターネットで調べたり。。主人に呆れられていました。
でも、出発予定の1か月少し前に、台風により関空が閉鎖され、はたして出発できるのかと気になって気になって、下調べは中断してしまっていました。
旅行記を書くにあたり、現地で貰ったパンフレットをじっくり読んだりして、また新たな発見があります。バンクーバーの旅行記は、2カ月経った今もまだ完成していませんが、二度旅行しているような気分にもなります。
ぶんぶんさんの他の旅行記も、また時間を見つけて読ませていただきます。
今後もよろしくお願い致します。
Haru
- bunbunさん からの返信 2019/01/19 23:15:49
- RE: Re: バオバブって、こんなに大きな木だったんですね。。
- Haruさん、こんばんは。
またのご訪問ありがとうございます。
私の職業はそんなところでしたが、旅行の目的は人それぞれで、いろいろな旅行の仕方があっていいと思っています。
「新たな発見」、「二度旅行しているような気分」。そうですね、私自身は、いろいろと勉強することでその旅行の価値が何倍にも上がると思っております。
Haruさんの次のバンクーバー旅行記、楽しみにしております。
こちらこそ、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。。
bunbun
-
- baraさん 2018/11/30 10:37:19
- バオバブのシルエットに感動
- こんにちは。マダガスカル旅行記拝見しました。行ってみたいところです。退職後少し暇があるので今後の旅行記を参考にさせていただきます。バオバブのシルエットとても美しいですね!
- bunbunさん からの返信 2018/11/30 22:20:03
- RE: バオバブのシルエットに感動
- baraさん、こんばんは。はじめまして。
コメントありがとうございます。
毎日が日曜日になりましたので、初めて秘境(ですかね)といわれる所に行って来ました。マダガスカルはインフラの整備が進んでいませんし、安全、衛生等にも問題があり、いわゆる先進国にしか行ったことがない私にとってはハードで驚きの連続でしたが、この十年くらいでは最高に楽しい旅となりました。好き嫌いはあると思いますが、興味をお持ちの方には是非お薦めしたいと思います。
夕焼けのバオバブをお褒め頂き光栄です。あの写真を表紙にしようかとも思いましたが、当たり障りのないところで、オーソドックスな昼のバオバブ並木にしました。
大型クルーズ船で豪華な地中海クルーズとは羨ましい限りです。昔小さい船でエーゲ海1日クルーズをしたことがありますが、それでも感激しました。ジェノバやマルセイユはまだ行ったことがありません。ガウディが好きで数十年前にドイツからの個人旅行で、数年前には日本からのツアーでバルセロナに行き、それぞれ3日程滞在しました。
建築、絵画、彫刻等はみな好きです。ストリートパファーマンスも大好きで、時間が許す限りいつまでも見たり、演奏を聴いたりしています。最近はユーチューブでも見られるので、よく見ています。
またヨーロッパにも行って見たいですね。
これからもbaraさんの旅行記を楽しみにしております。
bunbun
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- 旅遊de美食散歩さん 2018/11/27 17:55:25
- 素敵です!
- マダガスカル、未知の国です~。バオバブの風景が美しくて感動しました。
実が食べられるなんて初めて知りましたよ♪生八つ橋の味?!不思議です~!!
- bunbunさん からの返信 2018/11/27 21:47:37
- RE: 素敵です!
- 旅遊de道楽様、こんばんは。
またのご訪問、私の拙い旅行記にいつも投票ありがとうございます。
「桜散歩IN鎌倉山&スイーツIN鎌倉山」拝読しました。紅葉の季節もそろそろ終わり、今度は春の桜ですね。北海道に長くいたせいか華やかなソメイヨシノに飢えていて、東京に戻ってからは春になるとサクラを追い回しています。鎌倉のサクラはまた綺麗ですね。幹が太いのは歴史ある鎌倉ならなのでしょうか。それにスイーツときたら、もう天国ですね。それにしても、1皿2700円は私には手が出ません。
マダガスカルのバオバブと、ツインギー(剣山が広がるカルスト地形)をずっと見たいと思っていましたが、遠いので在職中はなかなか行けず、定年退職してようやく行くことができました。
バオバブは葉が出る夏になるともっと美しいと思いますが、私は雨男でマダガスカルの夏は雨季ですので、遠くからはるばる行っても雨ではせっかくの景色も台無しと思い、乾季を選びました。それでもあの独特の形のバオバブが並ぶ様は壮観で実に美しく、感激しました。
バオバブの実ですが、書き方が悪かったですね。噛んだ時の感触のことを書きたかったのですが、柔らかく、かといってマシュマロのように柔らかすぎず、餅のように粘りはなく、自分が今まで食べたものの中では生八つ橋しか思い浮かびませんでしたので、そう書いてしまいました。味は生八つ橋とは全く違います。癖は全くありませんが、うまく表現できません。すみません。
これからも旅遊de道楽さんの旅行記を楽しみにしております。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
bunbun
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