2018/07/02 - 2018/07/04
22位(同エリア106件中)
molmさん
以前から気になっていた、あんず(杏)を産地まで足を運んで目の当たりに
してみたい思いがあり、「あんずの里」と言われる長野県千曲市へ行って
みました。
私の地元京都も含め関西には生食できるあんずは小売店では買えません。
周囲の常連店、主に洋菓子や和菓子店でも生食できるあんずは使ったことが
無いという声が殆どで、だったら現地まで取りに行ったら良いと思い計画を
立てたのが経緯となります。
あんずの収穫は1年のうちたった3週間ほどで、収穫期は人手が足りない
ほど多忙になります。
例年は6月中旬~7月上旬ですが、2018年は春先が暖かく開花が前倒しに
なり、伺った2018年7月3日で終盤でした。
本旅行記は2020年に書き上げており、参考までに再訪した2019年は不作
のため(収穫期は例年通り)、買い求める客が多かったように思えます。
旅行記の内容は2018年ですが、2019年の経験も含め盛り込んだ内容に
しております。
価格は当時のもので消費税増税前です。
では、ご覧になってやってください。
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 3万円 - 5万円
- 交通手段
- 高速・路線バス レンタカー
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
自宅の京都~長野の移動は、高速バスにしました。
運転できるが車は持っていない、長距離ドライブ苦手、
鉄道は交通費がかかる(北陸新幹線なんてもっての外)、
これらの条件に近づけると、長野市までは高速バス、
長野市からはレンタカーで移動することに。 -
あんずは柔らかく、痛みやすい食材のため、持ち運びは
どうするべきか悩みました。
箱で持ち帰りしても、途中で潰れたり損傷することは
充分に考えられ、安定した状態の維持、冷やし続ける
対策が必要となります。 -
今回はこのために番重(ばんじゅう)4段と蓋を購入し、
あんずを各段内で重ねず並べ、移動時もなるべく水平に
近づけるよう心掛けました。
事前に保冷剤を用意し、蓋or上段底に凍らせた保冷剤を
貼り付けて1晩越せるように工夫。
後で紹介しますが、保冷剤を往路では常温のまま、復路で
あんずを持ち帰る前の日(要は到着日)に直売農家さんで
冷凍してもらうようお願いしています。 -
ここから往路です。
手荷物のカートと、骨組カートに括り付けた
番重4段積みを持参して高速バスに乗車。 -
往路のルートは、上から3番目の緑ライン。
京都駅八条口~長野駅で、日曜出発のため5800円。
長野道から途中停車する便を選んだのは、早く到着
しすぎてもレンタカーを借りる時間(最速8時)まで
待ち時間が長くなるのを避けるためです。 -
バスに乗車し、途中2回サービスエリアで休憩があり
移動中(6時間ほど)はほぼ爆睡していました。 -
長野駅前に到着。
といっても朝6時半くらい。 -
レンタカーを借りるガソリンスタンドは市役所前駅が
最寄りとなるので、1駅だけ乗車。 -
長野市役所は建て替えされたばかりなんですかね。
(2018年当時) -
朝8時からしか借りれなかったので、近くのコンビニで
時間をつぶしていました。 -
近距離しか走らないので、カーナビ代の節約もあり
外して構わないと予約したら、ホントに付いてない。 -
今回購入をお願いした農家「杏里庵」に到着。
千曲市内でも最大級で、某ネットサイトでも購入可能。
購入するのは帰りの翌日ですが、先に番重と保冷剤を
預けるため、長野市から直行しました。
保冷材は常温で持参しており、1日冷凍庫で冷やして
もらう理由もございます。 -
販売所裏のあんずの木です。
お金を払って収穫体験もできます。
全体から見るとほんの一部で、大半は所有する山から
あんずを収穫されています。
収穫から帰ってきた軽トラの量を見ると、少なくとも
200kg以上、恐らく300kg前後ありました。 -
このように大量に置かれており、1kgから購入可能。
-
形が歪気味だったり熟し加減が進んでいれば
値段が下がったりします。 -
あんず1個の写真。
1kgで16~18個程度あります。
獲れたての生あんずも食べてみましたが、酸味のみで
甘みが全くありません。
追熟すると甘みが増してきます。 -
シロップ漬けも試食できました。
-
あんずを天日干ししている様子です。
3日間くらい干しているようで、乾燥させると
甘みは全くなく、梅干しより酸っぱくなります。 -
あんすの種も売っていました。
本格的な中華料理店では、種から杏仁を取り出し、
杏仁豆腐を作られます。 -
杏里庵を離れ移動。
ここには何種類かのあんずの木があります。 -
有志の農家が集まってあんずが売られていました。
千曲市のあんずは主に6種類で、信州大実が最も多く、
平和・昭和が続きます。
ハーコットは生食向きです。 -
更に移動して、お土産屋さんであんずソフトクリームを。
-
あんずのお土産も買いました。
-
戸倉上山田温泉へ移動。
今回の宿泊は温泉宿にしました。 -
今回お世話になった亀清旅館。
http://www.kamesei.jp/index.html
某サイトを通すと2000円ほど安くなりました。 -
案内された部屋です。(4人部屋か)
こういう旅館は1人部屋はなく広々と使えました。 -
大正時代から続く旅館ですが、亡くなった先代が重篤に
なられた際に、三女さんと米国人の夫婦が継がれる決心を
されたとか。
現若旦那と若女将は千曲市で出会い、結婚されてから米国に
移住されていました。 -
こちらはフロントから見える池です。
因みに露天風呂は青い目をした若旦那の手作り。 -
いったん旅館を出て街中を散歩。
無料の足湯がありました。 -
16時過ぎだったもののまだ暑く、この日の長野市の
最高気温は36℃でした。 -
お湯も熱めで、日差しもまだ暑いとあんまり長くは
足を浸せませんでした。
ここにいた時間帯は誰も来られませんでしたし。 -
旅館に戻り、夕食です。
料理長は別におられ、これだけの内容。
写真左上は、鍋あんずたれ、鍋の横があんずゼリー。 -
コーンポタージュ茶碗蒸し
-
パパイアとメロンの和え物
オクラとコーンのゴマ和え
ワサビ菜入りのサラダ -
あまご塩焼き
夏野菜のゼリー寄せ -
信州サーモン(マス)竜田揚げ
-
お造り・ご飯・お吸い物・香の物。
満足いく内容でした。 -
香の物はお好みで。
夕食後は眠気に襲われ、21時過ぎに眠る羽目に。
深夜4時に起きてしまい、この日はサッカーW杯
日本vsベルギーの試合を後半から生放送を視ました。 -
早朝に露天風呂に入湯。
こちらは亀清旅館の朝食です。
青い目の若旦那に挨拶して旅館を跡にしました。 -
姨捨の高台まで移動し、棚田を眺めました。
-
棚田を見に行った帰りに、事前に調べていた味噌屋
「たかむら」に寄りました。
http://www.misogura.co.jp/
お土産はここである程度揃えようと思い、自宅用に味噌、
みそ煎餅(炭酸煎餅味噌味)も買いましたが、絶妙な土産が
信州大実のジャム(前年モノ)でした。
ご参考までに姨捨SA内では、ここの味噌を使ったラーメンも
頂くことができます。 -
あんずを取りに行くため杏里庵へ。
その前にホームセンターに立ち寄り、追加の保冷剤と
保冷バックを購入し、保冷材は杏里庵で冷やして
もらうことに。
途中で見かけた保育園は「あんず保育園」でした。
他にも「あんずクリニック」を見かけましたね。 -
ランチは長野市篠ノ井のsobacafe En。
http://cafe-en.info/ -
まず蕎麦が本格的で、もちろん手打ち、蕎麦打ち部屋もあります。
限定メニュー夏野菜の冷かけ850円 -
チョコレートブラウニー400円とカフェオレ300円。
チョコレートブラウニーもちゃんとしており、丸山珈琲の
豆とレベルの高い店を見つけられて良かったと思えるほど。 -
最後にもう1回、温泉に入ろうと思い、国民温泉へ。
古い大衆浴場ですが、趣があり良かったです。 -
あんずを取りに杏里庵へ。
着いたら既に番重に詰めてくれていました。
4段で19kgに。 -
緩衝材を敷いて綺麗に並べてくれました。
-
ここからは温度が高くならないよう工夫が必要です。
冷凍した保冷材を新聞紙で包み、蓋の内側に貼り付け。
布テープは用意していましたが、新聞紙は頂きました。 -
4段重ねにつき、上段の底に保冷剤を貼り付けています。
もちろん新聞紙で包んだのは、結露があんずにかからない
ためです。 -
番重4段を重ね、バンドで固定。
そして骨組みカートに括り付け。 -
帰る前に長野駅近くのケーキ屋「ヴァンセント(仏語で27)」に
立ち寄り。
https://www.instagram.com/patisserie27/?hl=ja
長野県内で数店ある有名な千歳屋の系列で、フランス帰りの
パティシエがより現地に近いスタイルの店を2017年オープン。 -
伺ったのは2018年7月で、2019年6月にリニューアル
されています。
コバルトとルージュメティス(ポット)を注文。 -
コバルトのアップです。
-
コバルトは、カルダモン風味のホワイトチョコムースの
中に、ヘーゼルナッツとグレープフルーツのジュレが
入っています。
閉店時間の22時まで居てしまい、夕食を抜きましたが、
シュケットやビスケットサレなどの焼菓子も買い、
この店だけで5千円近く使ってしまいました。 -
帰りの高速バスチケット(2018年当時)です。
往路(日曜乗車)と比べ平日割引があります。
往路とバス会社は別ですが、料金体系は同じです。 -
大阪神戸方面ですが、京都駅前も立ち寄ってくれます。
-
こちらがバスルートです。
朝5時に京都駅へ到着し、一旦帰宅。
保冷剤を入れ替えて、知り合いの店へ届けました。 -
信州大実の皮を剥き、種を抜いて半割にした様子です。
再度申し上げますが、獲れたては甘みが全くなく酸味だけ。
しかも硬いため、甘みを増すのに追熟が必要です。
追熟も人によって様々で、常温で2~3日とか、冷蔵庫で
7~10日ほどとかありました。
あんずは酸味こそ重要で、加工する際に甘みは足せますが、
酸味は加えることができません。
某ベテランシェフのお言葉を借りると、
「あんずは酸味こそ重要で、酸味がないと頼りないだけ」
になり、こういう酸味こそ肉料理(鴨や鹿など)のソースに
合うそうです。 -
あるパン屋ではあんずジャムとクリームチーズで
パンにしてもらいました。 -
こちらが断面図ですが、ジャムとチーズは
焼いてから加えたかもしれませんね。 -
あるイタリアンでは、パスティチョットにあんずジェム添え。
パスティチョットはプーリア州の郷土菓子で、焼き方は店や
家庭によって異なりますが、こちらはマドレーヌのような
柔らかさにカスタードクリームが入っていました。
あんずジャムは甘さ控えめで、酸味が残っているのは魅力。 -
ある和菓子屋では、あんずわらび餅で白餡入り。
-
-
こちらは別のパン屋で、あんずジャムと白餡が入ってます。
-
あんずシロップ漬けをソーダ割で。
生で食べれる新鮮なあんずってどうなんだろうという
好奇心で長野県千曲市まで足を運びましたが、京都の
飲食店では生あんずを扱ったことがなく、追熟の具合が
試行錯誤という声が殆どでした。
生で食べれるってことは鮮度が良い証明でもあり、私も
含め面白い体験ができました。
ご覧頂き、ありがとうございました。
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この旅行記へのコメント (2)
-
- puyomushiさん 2020/05/07 09:57:32
- あんずの短い収穫期
- molmさん、おはようございます。
たいへんな世界になってしまいましたが、お変わりないですか??
あんずを求めて千曲まで行ってしまうって、すごい!!
でも、お出かけした甲斐ありますね。
昨年の7月に偶然、軽井沢に行きCafeであんずの収穫時期であることを知り、観光市場で生食用と加熱用を求めましたが、農家から直接購入するのとでは比較にならないほど、高かったですよ。
個人的には、生だと甘さを感じにくいのでコンポートの方が美味しかったです。
今年も行きたいのですが、どうでしょう。。
puyo
- molmさん からの返信 2020/05/07 19:26:59
- あんずは収穫期が短いです
- puyomushi さん、大変な世界になりました。
私はテレワークができる業種ではなく、ほぼ通常通りの出勤を
しており、ステイホームって何?という生活です。
2年ぶりの旅行記になってしまい、申し訳ないです。
あと3つほど内容の濃い旅行記を書けそうなんですが。
生あんずを求め千曲市まで、2018年7月と2019年6月に足を
運びました。
旅行記の内容は2018年のみで、より拡大する2019年は旅行記に
する予定はなく、そもそも写真が絶対的に足りないからです。
千曲市などの生産現地だと、生あんずは安いです。
生の賞味期限が短いためか、卸業者や中間業者は仕入れには
消極的で、セミドライや加工用は高くなります。
生産者価格だと(年によって異なるものの)500円/kgくらいを
推移している感じです。
実際関西では生あんずは流通しないこともあり、生を仕入れて
加工する飲食店にとっては付加価値(小売店から入手できない)
が出るはずです。
用は加工品を高くすることもできる訳です。
生あんずは甘さを感じにくいのはその通りで、私も現地に足を
運んで知ることになりました。
本来あんずは甘いものではなく、糖分を加えて甘くすることが
正確な申し上げ方っでしょうか。
追熟だけでは多少の甘味しか加わらないですし。
2020年は6月下旬に連休を取るつもりですが、行くなら2019年
同様レンタカーで往復、状況次第で断念なら現地から送付して
もらう段取りで考えています。
1週間前まで悩みそうなmolm
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