2018/11/22 - 2018/11/22
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ペコちゃんさん
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船橋にあるサッポロビール千葉工場では、通常のビール工場見学のほかに「SHIRASE5002&新・黒ラベル コラボツアー」があります。
このツアーは、3代目の南極観測船「しらせ」の船内見学とビール工場の見学が出来るユニークなコースで、「しらせ」に興味があったので仲間6名と参加しました。
折角、千葉まで出かけるので、少し早めに出発して、午前中は市川にある法華経寺に参拝。
中山法華経寺とも呼ばれる日蓮宗の大本山のお寺ですが、広大な境内や歴史的建造物には驚かされました。
午後から「しらせ」とサッポロビール千葉工場の見学で、最後に作り立てのサッポロ黒ラベルを試飲して、仲間の皆さんも満足・・・楽しい一日でした。
写真は、サッポロビール千葉工場前の岸壁に係留されている「SHIRASE5002」。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- 友人
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- JRローカル 私鉄
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日暮里から京成本線に乗り、京成中山駅へ。
法華経寺は京成中山駅から徒歩10分。
駅前の案内板を見ると、法華経寺の手前に多くの塔頭寺院があります。 -
大正4年に開業した京成中山駅。
下りホームからは、線路を渡って改札口に行く懐かしいスタイル。 -
駅を出て、京成電車の踏切を渡ると、緩やかな上り坂の左右に商店が並び、その先に法華経寺の総門が見えます。
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途中にあった「東山魁夷記念館」の案内板。
市川市東山魁夷記念館は、京成中山駅から徒歩約15分のところにあります。
20世紀の代表的な日本画家・東山魁夷(1908~1999)は、生涯の大半を市川市で過ごしました。 -
境内入り口の手前にある総門は、全体が墨塗りとなっているため「黒門」と呼ばれています。
揚げられた額には、遠州掛川藩の第3代藩主・太田資順の筆による「如来滅後 閻浮提内 本化菩薩 初転法輪 法華道場」の文字があります。
建立の時期は明確ではありませんが、赤門の創建と同じく、江戸時代の初期頃と考えられます。 -
坂を上り切った所にある「仁王門」・・・通称・赤門ですが、朱色が剥げ落ちて黒門みたいです。
扁額の「正中山」は、本阿弥光悦(1558~1637)が揮毫したもの。 -
門の右横には「立正安国を説くお祖師さま」と書かれた日蓮の像・・・左手に「立正安国論」を握っています。
1222年に安房国(現在の千葉県鴨川市)に生まれた日蓮は、清澄寺へ入門・出家し、その後、比叡山・三井寺・仁和寺・高野山・東寺などで修行を積み、清澄寺へ帰山後に「南無妙法蓮華経」の悟りを得て、政治の中枢だった鎌倉で辻説法を行い、布教を開始します。
その布教は、天皇・幕府の権威を認めない仏法絶対の教えの為、日蓮は島流しなど様々な迫害を受け、また、当時流行していた浄土宗を邪宗と説いたため、信者から襲撃されます。
最後は、誕生の地である安房国へ両親の墓参りに向かう途中の1282年、池上宗仲邸(東京都大田区)にて享年61歳で入滅。
その場所には日蓮宗の大本山・池上本門寺が建立され、遺骨は自身が開山した身延山久遠寺に安置されています。 -
日蓮宗の六大本山の一つ・法華経寺は、この地に館を構えた富木胤継(後の富木常忍)が法華寺、太田乗明が本妙寺を建立し、1545年に両寺が合体して華経寺と改称しました。
日蓮聖人に帰依した富木常忍は、出家して日常と名乗って法華経寺の初代貫主となり、二代目貫主は太田乗明の子・日高が継ぎました。
赤門を通り、境内を進みます。 -
参道の左右にはいくつもの塔頭が建ち並び、お土産屋さんもあります。
昭和20年に造られた龍渕橋(龍閑橋)の欄干に置かれているのは、鬼子母神の象徴のザクロ。
橋の先には、五重の塔が見えます。 -
「蒋介石」の胸像。
昭和47年の日中共同声明に伴って日本と台湾が断交となったことを憂い、当時の住職が日台友好を願って境内に建立したものです。
「徳必有隣」とは、徳のある人は孤立することなく、必ずそれに賛同する人が集まるという意。 -
台石に「江戸惣講中」と刻まれた青銅の燈籠。
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日蓮宗の宗祖・日蓮聖人をお祀りする「祖師堂」は、1325年に創建された御堂で、現在の建物は1678年に再建されたものです。
昭和62年から始まった解体修理は、10年の歳月を費やして平成9年に完成し、建立当時の姿に復元されました。
祖師堂には日法上人(1259~1341)作の日蓮聖人像が安置されています。 -
祖師堂の手前にある「浄行菩薩」。
ご尊体を「南無妙法蓮華経」と一心に唱えながら磨くと、身体や心の穢れを浄化してくれるそうです。 -
手水舎で清めて祖師堂に参拝。
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祖師堂参拝の後は、広い境内を回ります。
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祖師堂の裏側は小高くなっており、右側に法華堂の建物がよく見えます。
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左側の階段を上った所にある「刹堂」は、三代将軍・家光の時代に、鎌倉に建てられていた建物を移築したもので、鬼子母尊神や大黒天が安置されています。
正面に掛けられた鰐口で見えませんが、扁額に「鬼子母神」と書かれており、刹堂は鬼子母神堂とも呼ばれます。
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室町時代後期に造られた「四足門」は、鎌倉の「愛染堂」にあったものをこの地に移したと伝えられていす。
移設当初は、本院の玄関門となっておりましたが、明治時代に現在の「法華堂」の前に移されました。 -
四足門の奥にある「法華堂」。
法華経寺の本堂で、鎌倉時代の文永年間(1264~1274)に富木常忍が銭四貫文で創建されたことから「四貫堂」とも呼ばれ、現在の建物は、室町時代後期に再建されたものと云われております。
堂内には、日蓮大聖人御真刻の「一尊四菩薩像」も安置されています。 -
法華堂の隣にある「宇賀神堂」。
財福の神として信仰されており、商売繁盛・家内安全などのご利益があります。 -
「聖教殿」は,国宝の『観心本尊抄』『立正安国論』などの貴重な文化財を、完全な状態で保存するために造られた建物で、平安神宮・明治神宮・築地本願寺などを設計した建築家・伊東忠太の設計で、昭和6年に造られました。
11月のお風入れの時には一部公開されます。 -
聖教殿から下って行くと、「宝殿門」があります。
2階に太鼓が見えますが、太客殿・荒行堂・祖師堂を結ぶ回廊でもあります。 -
毎年、11月1日~2月10日までの100日間に亘って、100人を超える日蓮宗の僧侶が苦行を行う「荒行堂」。
荒行僧の一日は、朝2時に起床し、3時から夜23時まで一日7回寒水で身を清める「水行」と、「万巻の読経」「木剣相承」相伝書の「書写行」があり、朝夕2回、梅干し一個の白粥の食事の生活が続きます。
この過酷な修行に耐えると、生まれ変わったような尊い身となるとか。 -
境内の奥に建つ「本院」は、日蓮聖人700年遠忌事業で平成9年に建て替えられました。
11月なので、七五三の方も訪れています。 -
広い本院の奥には、長い廊下で繋がった「鬼子母神堂」があり、日蓮聖人が彫ったと言われる鬼子母神像が安置されています。
中山鬼子母神は、江戸三大鬼子母神の一つとして、昔から安産・子育てのご利益があると厚く信仰されています。 -
中山法華経寺の初代貫主である「日常聖人」の像。
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日常聖人の右手にあるのは、中山大仏と呼ばれる「釈迦如来坐像」。
座高:約350cm、膝張:約280cmの大きさで、1719年の鋳造。 -
大仏さんの後ろにある「鐘楼堂」。
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1622年に加賀藩主・前田利光の寄進により建立された、総高31.6mの「五重塔」。
江戸時代以前の五重塔は関東には少なく、この五重塔を含めて池上本門寺の五重塔など4基が残るのみ。 -
普段は見ることが出来ない塔内部には、「木造釈迦如来」「多宝如来坐像」が祀られているそうです。
桜の時期に、もう一度訪れたくなる法華経寺でした。 -
再び京成本線に乗り、船橋競馬場駅で下車し、駅の近くで昼食。
1950年に開場した地方競馬場がある駅ですが、目的は競馬でなくサッポロビール千葉工場行の送迎バスに乗るためです。 -
サッポロ千葉工場へは、JR津田沼駅・新習志野駅・南船橋駅・京成本線船橋競馬場駅から無料バスを利用します。
逆に言うと、最寄りの駅から工場まで距離があるため、送迎バスがないと大変です。
11時55分のバスで、船橋競馬場駅を出発。 -
JR南船橋駅の周辺には、1981年にオープンした「ららぽーとTOKYO-BAY」(ららぽーとの1号店)や、2006年にオープンした日本進出第一号店の「IKEA 船橋」などの巨大ショッピングセンターがあり、またその先から海岸方面には冷凍団地など物流倉庫群が立ち並んでいます。
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バスは20分で工場に到着。
東京湾に面したサッポロビール千葉工場なので、正面の建物の名称は「マリンハウス」。
その丸いエントランスから入館します。 -
入口の受付で、参加費:1,000円を支払います。
これまでいくつかのビール工場に行きましたが、有料の見学は初めて!
参加費には、「しらせ」の係船維持費が含まれており、工場見学の記念品も付いているので、仕方ないでしょう。 -
千葉工場は、恵比寿工場(跡地は恵比寿ガーデンプレイス)が閉鎖された1988年に竣工しました。
受付右横の階段を上ると、ツアーラウンジがあります。 -
サッポロビールのルーツは、1876年に札幌に設立された「開拓使麦酒醸造所(サッポロビール)」。
もう一つのルーツは、1887年に設立された「日本麦酒醸造会社(エビスビール)」。
その後、合併や分割により社名も変わりましたが、1964年にサッポロビール(株)へ。 -
ツアーラウンジには、歴代のビール缶やポスターなどが展示され、サッポロビールの歴史が感じられます。
<展示ポスターの作成年代>
上の右と中:大正4年頃、左:大正11年
下の右:昭和4年、中:昭和5年、左:昭和7年頃 -
受付の右側は、お土産コーナーの「マリンショップ」。
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12時半になり、先ずは「SHIRASE5002」の船内見学へ。
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南極観測船は、初代:宗谷(1957~1962)、2代:ふじ(1965~1983)、3代:しらせ(1983~2008)と続き、2009年からは「2代目しらせ」が任に就いています。
日本初の南極探検隊・隊長の白瀬中尉の名を冠した「しらせ」は、世界有数の大型砕氷船でしたが、任を終えた後は、あわやスクラップに・・・それを救ったのは、今や世界最大の民間気象情報会社となったウェザーニュース社の創業者である石橋博良。 -
そして船名も、平仮名からローマ字の「SHIRASE」に変更されました。
昭和58年に就航し、25回の南極渡航歴を誇る「SHIRASE」の全長は134m、幅が28mの大型艦。
階段を上って、ツアーがスタート。 -
研修室で映像を見ながら南極観測関連の説明を受けた後、3班に分かれて船内見学へ出発。
ツアーガイドは、実際に観測船に乗船していた元自衛官なので、経験談や専門知識が豊富です。 -
「しらせ」は、東京から約14,000kmも離れている南極に向けて、毎年11月14日に東京を出港し、オーストラリアに寄港して燃料や生鮮野菜などの食糧を補給した後、暴風圏や海氷域を突破して12月中旬頃に昭和基地の近辺に到着します。
狭い船内と約1か月に及ぶ生活で、一番の楽しみは食事でした。 -
厨房の反対側は、食堂と娯楽室。
麻雀は禁止! -
壁に飾られた南極のエンブレム。
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医務室(右の写真)と手術室(左の写真)。
いつも3~4名の医師が乗船していました。 -
歯科治療室。
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理髪室もありますが、理容師は乗船していないので、隊員同士で髪を切り合ったそうです。
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研修室(観測隊公室)。
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研修室に飾られた楯。
上の写真は、ウェザーニュース社に贈られたもの。
楯の周りに刻まれた「JMSDF」とは、” Japan Maritime Self-Defense Force ” (=海上自衛隊)の略称。 -
「しらせ」の活躍中の写真も飾られています。
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乗員170名のうち、観測隊員は60名。
2人部屋で、机などもありますが・・・ -
自衛隊員の部屋は、2段ベッドの6人部屋。
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甲板に出てみると、ヘリポートと3機分のヘリコプター格納庫があります。
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ヘリコプターで昭和基地へ物資を輸送する様子。
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甲板からは、目の前にサッポロビール千葉工場が見えます。
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大きな救命艇と、その先には幕張新都心。
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再び船内に戻り、操舵室へ。
スクリューは3基あるので、推力レバーも3つ。 -
艦橋中央にある三角は羅針盤。
舵は意外に小さい。 -
右側にある艦長の席は、赤いシート。
左側は白いシートの副艦長席。 -
南極へ到着する前には、荒波の暴風圏が待ち構えています。
その時の船の揺れは、” 吠える40度、狂う50度、絶叫する60度 ” と言われ、南極に近づくにつれて波は高くなっていくそうです。
左53度、右41度・・・こんなに揺れた時は、乗員の皆さん、どうしていたんでしょうね。 -
これは出港・入港などで吹くラッパ。
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操舵室を出て階段を下り、再度、研修室へ。
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まとめの話を聞いて、「しらせ」の見学が終了。
次はビール工場見学と試飲です。 -
最初に「黒ラベル」に関する話を聞いた後、原料の「麦芽とホップ」を手に取って製麦・加工工程の説明を受けます。
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次は、仕込の工程。
仕込釜:麦芽と副原料、お湯を混ぜ合わせ、加熱
仕込槽:酵素の働きで澱粉を糖に
ろ過槽:麦芽の殻皮を取り除き、麦汁を作る
煮沸釜:ホップを加え煮沸し、ビール特有の苦みを加える
ワールプール:煮沸で生じた濁りなどを除去 -
巨大な釜が並んでいますが、それぞれ役割が違うんですね。
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最後は、発行・熟成工程。
発酵タンク:麦汁に酵母を加えると、約1週間で若ビールに
熟成タンク:低温で数週間熟成させると、調和のとれた美味しいビールの出来上がり -
瓶ビールの空き瓶は、酒屋さんに持っていくと、1本5円で引き取ってくれます。
回収されたビンは、リターナブルびんとして約10年・約30回、繰り返し使用されます。 -
完全自動化の瓶詰め工程。
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缶ビールの箱詰め工程。
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工場見学の後は、マリンハウス内の「マリンサロン」で、待ちに待った試飲タイム。
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順番に、出来立ての黒ラベルを受け取ります。
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ビールの上手な注ぎ方は?
グラスをまっすぐにし、ビールを勢いよくグラスの6割ほど注ぐ ⇒ 泡が落ち着いたら、もう一度注ぐ ⇒ 残りのビールを泡が盛り上がるように静かに注ぐ(ビールと泡の美味しい目安は7:3〉
実演の代表選手はメキシコ人でしたが、上手に出来ました。 -
仲間の皆さんも、お代わりして上機嫌。
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工場見学の最後に貰ったお土産のグラス。
「CHIBA BREWERY」の文字が入っている限定品で、これだけでも500円の価値がある(?) -
送迎バスの出発まで時間があるので、外に出てみると、はとバスも停まっています。
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マリンハウス前のロータリ広場の右(海)側は、2階が展望スペースになっています。
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マリンハウスと反対側(入り口側)にあるサッポロビール・千葉ビール園。
窓は全面ガラス張りのオーシャンビューで、「しらせ」を眺めながらの生ビールとジンギスカンは、最高でしょうね。 -
「しらせ」と共に写真を撮った後、15時20分のバスに乗り、JR津田沼駅から帰路に就きました。
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