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カフェブルー(Cafe Blue)からもう少し坂道を登ると左に分かれる道が突然現れ、ストロベリー・ヒル(Strawberry Hill)のサインが。急なカーブを左に曲がり、曲がりくねった急坂をサインに従って上り詰めるとセキュリティが詰めたゲートが左手に。これがアイランド・レコード(Island Records)の創業者クリス・ブラックウェル(Chris Blackwell)が創り出したユニークなリゾートホテル、ストロベリー・ヒル(Strawberry Hill)。ここも美しい景色を見ながら美味しいコーヒーが飲めるポイント。<br /><br />丘の上に建つ木造りのコテージ群を上り詰めると奥のブルーマウンテン山脈(Blue Mountains)が見渡せる広場が広がり、広場横のレストランのテラス席からはキングストン(Kingston)やポートモア(Portmore)の眺望が広がる。レストランの横にはプールも。キングストンの喧騒とはかけ離れた時間が優雅に流れる。宿泊するのはやはり欧米人が多いようで、普段の生活では逢わないくらいのたくさんの白人の方を見掛けた。また、丘の上の広場の木にはハチドリ(Hummingbird)もいた。<br /><br />もともとここはイギリスの初代首相ロバート・ウォルポール(Robert Walpole)の三男で、政治家、貴族、小説家であった第4代オーフォード伯爵ホレス・ウォルポール(4th Earl of Orford, Horace Walpole)に1780年に与えられた土地。その標高がイチゴ栽培に理想的であることに気付いた彼は、彼がロンドン郊外に建てた中世風の城、ストロベリー・ヒル・ハウス(Strawberry Hill House=1748年着工で77年まで増築が行われた)と同じ名前を与えた。彼の従弟にあたるネルソン提督(Horatio Nelson)もここを訪れた。<br /><br />18世紀後半には外交官海軍病院(Foreign Officers&#39; Naval Hospital)として使われた後、いろいろな所有者を経由し、最終的に1974年にクリス・ブラックウェルによって買収された。ブラックウェルは37年6月、イギリス人の音楽プロデューサー、経営者、篤志家。上にも書いたが、アイランド・レコードの創業者。01年にはレゲエ(Reggae)を世界中に広めた功績を称えられロックの殿堂入りを果たしている。母がジャマイカに先祖を持ち、セントメアリー(St. Mary)パリッシュのオラカベッサ(Oracabessa)近郊に土地を所有していたことから、幼少期をジャマイカで過ごし、学校はイギリスの名門ハーロー校(Harrow School)に通ったが、卒業後ジャマイカに戻った。なお、母のブランチ(Blanche Blackwell)はイアン・フレミング(Ian Fleming)の恋人だったことがあり、ボンドシリーズの中には彼女がモデルの人物が登場しているとも云われる。59年に22歳でアイランドを設立。62年にはイギリスに会社を移し、キング・クリムゾン(King Crimson)やエマーソン・レイク・アンド・パーマー(Emerson, Lake &amp; Palmer)、U2、キャット・スティーヴンス(Cat Stevens)などをヒットさせたが、最大の功績はボブ・マーリー&amp;ザ・ウェイラーズ(Bob Marley &amp; The Wailers)を発掘し、レゲエを世界に広めたことと云われる。<br /><br />彼は幼少時代に母に連れられてここを訪れており、その時からいつかはここのオーナーになりたいと思ってたそうだ。彼がオーナとなって以降、ここはミュージシャンたちの溜まり場となり、76年にボブ・マーリーが自宅で狙撃された後も、ここに逃げ込んだそうだ。86年にレストランをオープンしたが、88年のハリケーンギルバート(Hurricane Gilbert)の被害を受け、短命に終わった。94年に改めてアイランドアウトポスト(Island Outpost)の最初のホテルとしてオープン。その後このホテルチェーンには、イアン・フレミングがボンドシリーズを執筆した邸宅を含むオラカベッサのゴールデンアイ(GoldenEye)とネグリル(Negril)のザ・ケーブ(The Caves)が追加された。<br /><br />宿泊、スパ、レストランの予約がないビジターは受付で1人2500JM$の入園料が必要。ただし、受け取るチケットでコーヒーかソーダ、ビールもしくはストロベリーブリス(Strawberry Bliss)の飲食が可能。あるいは食事、スパトリートメントや宿泊に全額使うこともできる。払い戻しはなし。また、プールとブールサイドチェアーの使用は宿泊客のみ。<br /><br />セキュリティがこのシステムを説明してくれ、了承すると受付前のパーキングに誘導してくれる。受付で入園料を払った後は、瀟洒なコテージ越しにキングストンの町を見下ろしながら丘の上へ。しばし、景色を楽しんだ後は、レストランのテラス席でコーヒー。3杯は楽に飲めた。下界に比べて涼しいし、景色はいいし、コーヒーがうまい。2500JM$は景色代を考慮しても高いのではあるが、一度くらいなら許せるかな。まあ、有効に入園料を使うなら、食事を取るのが得策とは思う。帰り道、来た道ではなく、まっすぐにプールの横を降りていくと受付の上にあるギフトショップに出られる。私は昼前から1時間ほどいたが、その間にもどんどんと車が増え、来た時には空いていた駐車場が満杯だった。<br />https://www.facebook.com/media/set/?set=a.2465252586878084&amp;type=1&amp;l=015b2152fe<br /><br />ストロベリー・ヒルのすぐ上には、前に行ったUCCコーヒー農園(Craighton Estate)がある。ここについてはレポート済。<br />https://4travel.jp/travelogue/11390779<br /><br /><br />その4に続く。

セントアンドリュー キングストン郊外 山の上でコーヒーその3 (Strawberry Hill, Irish Town, St. Andrew)

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2018/10/21 - 2018/10/21

51位(同エリア75件中)

ちふゆ

ちふゆさん

カフェブルー(Cafe Blue)からもう少し坂道を登ると左に分かれる道が突然現れ、ストロベリー・ヒル(Strawberry Hill)のサインが。急なカーブを左に曲がり、曲がりくねった急坂をサインに従って上り詰めるとセキュリティが詰めたゲートが左手に。これがアイランド・レコード(Island Records)の創業者クリス・ブラックウェル(Chris Blackwell)が創り出したユニークなリゾートホテル、ストロベリー・ヒル(Strawberry Hill)。ここも美しい景色を見ながら美味しいコーヒーが飲めるポイント。

丘の上に建つ木造りのコテージ群を上り詰めると奥のブルーマウンテン山脈(Blue Mountains)が見渡せる広場が広がり、広場横のレストランのテラス席からはキングストン(Kingston)やポートモア(Portmore)の眺望が広がる。レストランの横にはプールも。キングストンの喧騒とはかけ離れた時間が優雅に流れる。宿泊するのはやはり欧米人が多いようで、普段の生活では逢わないくらいのたくさんの白人の方を見掛けた。また、丘の上の広場の木にはハチドリ(Hummingbird)もいた。

もともとここはイギリスの初代首相ロバート・ウォルポール(Robert Walpole)の三男で、政治家、貴族、小説家であった第4代オーフォード伯爵ホレス・ウォルポール(4th Earl of Orford, Horace Walpole)に1780年に与えられた土地。その標高がイチゴ栽培に理想的であることに気付いた彼は、彼がロンドン郊外に建てた中世風の城、ストロベリー・ヒル・ハウス(Strawberry Hill House=1748年着工で77年まで増築が行われた)と同じ名前を与えた。彼の従弟にあたるネルソン提督(Horatio Nelson)もここを訪れた。

18世紀後半には外交官海軍病院(Foreign Officers' Naval Hospital)として使われた後、いろいろな所有者を経由し、最終的に1974年にクリス・ブラックウェルによって買収された。ブラックウェルは37年6月、イギリス人の音楽プロデューサー、経営者、篤志家。上にも書いたが、アイランド・レコードの創業者。01年にはレゲエ(Reggae)を世界中に広めた功績を称えられロックの殿堂入りを果たしている。母がジャマイカに先祖を持ち、セントメアリー(St. Mary)パリッシュのオラカベッサ(Oracabessa)近郊に土地を所有していたことから、幼少期をジャマイカで過ごし、学校はイギリスの名門ハーロー校(Harrow School)に通ったが、卒業後ジャマイカに戻った。なお、母のブランチ(Blanche Blackwell)はイアン・フレミング(Ian Fleming)の恋人だったことがあり、ボンドシリーズの中には彼女がモデルの人物が登場しているとも云われる。59年に22歳でアイランドを設立。62年にはイギリスに会社を移し、キング・クリムゾン(King Crimson)やエマーソン・レイク・アンド・パーマー(Emerson, Lake & Palmer)、U2、キャット・スティーヴンス(Cat Stevens)などをヒットさせたが、最大の功績はボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズ(Bob Marley & The Wailers)を発掘し、レゲエを世界に広めたことと云われる。

彼は幼少時代に母に連れられてここを訪れており、その時からいつかはここのオーナーになりたいと思ってたそうだ。彼がオーナとなって以降、ここはミュージシャンたちの溜まり場となり、76年にボブ・マーリーが自宅で狙撃された後も、ここに逃げ込んだそうだ。86年にレストランをオープンしたが、88年のハリケーンギルバート(Hurricane Gilbert)の被害を受け、短命に終わった。94年に改めてアイランドアウトポスト(Island Outpost)の最初のホテルとしてオープン。その後このホテルチェーンには、イアン・フレミングがボンドシリーズを執筆した邸宅を含むオラカベッサのゴールデンアイ(GoldenEye)とネグリル(Negril)のザ・ケーブ(The Caves)が追加された。

宿泊、スパ、レストランの予約がないビジターは受付で1人2500JM$の入園料が必要。ただし、受け取るチケットでコーヒーかソーダ、ビールもしくはストロベリーブリス(Strawberry Bliss)の飲食が可能。あるいは食事、スパトリートメントや宿泊に全額使うこともできる。払い戻しはなし。また、プールとブールサイドチェアーの使用は宿泊客のみ。

セキュリティがこのシステムを説明してくれ、了承すると受付前のパーキングに誘導してくれる。受付で入園料を払った後は、瀟洒なコテージ越しにキングストンの町を見下ろしながら丘の上へ。しばし、景色を楽しんだ後は、レストランのテラス席でコーヒー。3杯は楽に飲めた。下界に比べて涼しいし、景色はいいし、コーヒーがうまい。2500JM$は景色代を考慮しても高いのではあるが、一度くらいなら許せるかな。まあ、有効に入園料を使うなら、食事を取るのが得策とは思う。帰り道、来た道ではなく、まっすぐにプールの横を降りていくと受付の上にあるギフトショップに出られる。私は昼前から1時間ほどいたが、その間にもどんどんと車が増え、来た時には空いていた駐車場が満杯だった。
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.2465252586878084&type=1&l=015b2152fe

ストロベリー・ヒルのすぐ上には、前に行ったUCCコーヒー農園(Craighton Estate)がある。ここについてはレポート済。
https://4travel.jp/travelogue/11390779


その4に続く。

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