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18年3月31日の土曜日。イースターホリデーの2日目。JICAシニア海外ボランティアとして着任してまだ5日目で、時差ボケもまだ解消してない時期、朝の8時半、JICAの手配で同期隊員みんなで向かう。私の自宅からだとまっすぐ向かえば車で約30分。キングストン(Kingston)の北東の外れパピン(Papine)からくねくねと山道を上がっていくとやがてアイリッシュ・タウン(Irish Town)と呼ばれる一帯に着くが、ほぼその地域の終わり(上側)にこの農園はある。標高としては800mくらい。<br /><br />9時過ぎに到着するが、いきなり農園へのゲートが閉まってて入れない。この時は、わりとすぐに入れてもらうことが出来たが、ガイドがなかなか現れず1時間くらい待たされた。ここは見学は予約制で時間も決まってるはずなのに、いきなりジャマイカらしい。見学ツアーは大きく分けると事務所となっているクレイトンハウス(Craighton House)とコーヒー畑の二つになる。ガイドが来ないので、まずはクレイトンハウスとその庭園を各自自由に回る。いい加減。なお、ここには秋篠宮様と紀子様もいらしたことがあるそうで、他にも梅宮辰夫&amp;アンナ親子など芸能人も何名か来たことがあるそうだ。<br /><br />ここの成り立ちについては諸説あるが、1790年から1805年の間にスコットランド人のコーヒー農園主ジョージ・クレイトン(George Creighton)が建てたと云うのが正しいらしい。当初はここはクレイトン・ホール(Creighton Hall)と呼ばれていた。その後数人の持ち主を経て1842年に植民地総督のものとなった。彼はここを夏の間の住みかとしたが、若き夫人がここで22歳で亡くなったそうだ。今でも彼女の幽霊が出没すると云われる。さらに数人の持ち主を経て、1867年に新たな植民地総督のものとなり改装され、1891年まで歴代の植民地総督の夏の住居として使われた。その後は多くの民間人の手に渡ったが、イギリス王室の方も訪れたことがあるそうだ。<br /><br />そして、1981年。アメリカ・ジャマイカの両政府から、日本の農水省経由で全日本コーヒー協会にジャマイカでの栽培技術援助の要請が届き、それが協会の初代会長を務めていたUCCの創始者・上島忠雄の「ジャマイカに農園を持ちたい」という長年の夢と合致したことで農園造りが始まり、手始めとしてこの建物を購入して事務所にした。同じ頃、ストーンズのミック・ジャガーも買い取ろうと交渉していたらしい。マホガニー調の床、壁に飾られた数々のエッチングなどが歴史の重みを感じさせる建物は、ジャマイカに現存するグレートハウスの一つとして、国の重要文化財の指定を受けている。玄関を入るとUCC KOBEの樽が迎えてくれる。そうだよな、上島珈琲って神戸だったんだよな。ポートピアランドに博物館あるよなあ。81年の神戸ポートピア博覧会のUCCコーヒー館が前身で、行ったわ、懐かしい。<br /><br />クレイトンハウスに話を戻すと、部屋の数も多く、広い。天蓋付きのベッド、寝心地良さそう。正面から見て右手の2階のテラスは、風通しもよくくつろげるスペース。また、様々な熱帯植物が育つ広い庭園は植物園さながらの美しさ。野生の鳥も多く、写せなかったがハチドリも見かけた。庭には上島さんの胸像もある。<br /><br />10時。ようやくガイドツアーがスタート。建物前のプール横から説明を受けながら海抜885mにある東屋までコーヒー畑の中を上がる。20分くらい掛かり、結構上りはきつい。途中キングストンの街並みが見渡せる。コーヒーの収穫期は9月から3月であいにくもう終わってた。青い実は見られた。丘の上の東屋は創業者に招福亭と名付けられている(日本語のプレートもある)。椅子に座ってしばし一休み。きれいなオレンジ色ののど袋を持ったトカゲを見掛けた。イグアナ科のアノールトカゲの一種のようだ。南国を感じる。<br /><br />周りは一面コーヒー畑。開設当初は約33haにコーヒーの木3万5千本だったこの農園は、今や約100haに13万本を超えるまでに成長した。畑にはバナナの木も沢山ある。コーヒーは暑い地域で育つが、過度の直射日光は好まないためバナナの木を日傘にしている。ただ、バナナの木は、土壌の水分を大量に吸収するので、今は多くの水分を必要とせず、しかも空中の窒素を土中に固定でき、適度に日を通す小さな葉のマメ科の高木に切り替えているそうだ。また、コーヒーの木は7年に1回選定し。30年たつと実の付き方が悪くなるので切り倒すそうだ。豆はすべて手摘みで最盛期には200人がひと粒ひと粒、実り具合を確かめながら収穫する。ちなみにコーヒーの木はジャマイカの在来種ではない。1721年にイギリスのジャマイカ総督ニコラス卿(Sir Nicholas Lawes)により持ち込まれたもの(28年との説もあるが、それではニコラス卿の在任期間と合わない)。<br /><br />11時前にクレイトンハウスに戻ると、プール横の焙煎小屋でちょうどロースト中。いや、いい香り。そして、ハウス内に戻り各部屋の紹介があった後、ホールでレクチャー。コーヒーはアラビカ種とロブスタ種の2種のみ。ブランド豆はほとんどが、栽培条件が厳しく、耐病性も低く、収穫量が少ないが、香りが豊かで風味があるアラビカ種で、ブルーマウンテンコーヒーももちろんアラビカ種。穴の開いたトレーのようなものを使って豆の大きさでグレードを分け、さらに目視と手作業で細かくチェックされる。最高品質はNo.1と呼ばれるがほんの数%。以下No.2、No.3と続く。その他、通常1個の実の中に2個の種子が出来るのだが、たまに1個しかできないものがありこれはピーベリー(丸豆)と呼ばれる。なお、ブルーマウンテンコーヒーと名乗れるのは、ここブルーマウンテン山脈の標高800~1200mの限られた地域で栽培されるコーヒー豆のみとジャマイカのコーヒー産業公社(CIB)で定められている。秋田県とほぼ同じ面積しかないジャマイカでもかなり狭い地域。<br /><br />レクチャーが終わるとやっとブルーマウンテンコーヒーを戴ける。ああ、美味しい、3杯も戴いてしまった。そう云えば、ブルーマウンテンコーヒーは収穫量が少ない上に80%程度が日本に輸出されているので、日本以外ではほとんど知られてない。ただ、これは私の予想外だったが、ジャマイカ国内ではやはり高級ブランドとして有名。いくつかブルーマウンテンコーヒーを提供する店はあるが、やはり高い。いくつかこういう店も回ってるので、それについてはまた書こう。<br /><br />で、この後、私は買わなかったが、同行の皆さんが土産用のコーヒーを買うのに、さっきローストされてたものが出来上がるのを待つ。12時過ぎに無事皆さん購入してキングストンに1時前に戻って解散した。<br />https://www.facebook.com/media/set/?set=a.2009257962477551.1073743716.100001801017376&amp;type=1&amp;l=e20492bc3b<br /><br />ついでに最初なので、ジャマイカの簡単な説明。ジャマイカはカリブ海、キューバの南にある秋田県とほぼ同じ広さの島国。国名はヨーロッパから持ち込まれた病気で滅亡した先住民・タイノ族の言葉ザイマカ(Xaymaca:森と泉の国)が由来。最初はスペインの支配下にあったが、その後イギリスの植民地となり62年に英連邦王国の一国として独立。アフリカから奴隷として連れて来られた人の子孫の国になっておりほとんどの人がアフリカ系黒人。総人口は約250万人。基幹産業はコーヒーやサトウキビに代表される農業、そしてボーキサイト、アルミニウムの鉱業と大型クルーズが立ち寄る観光業。気候は年間を通じて20℃以上あり、夏には30℃を越える日が続く。1月から3月が乾期で、5月と10月に雨が多い(今年の5月はそんなことはなかった)。8月から11月の間にはハリケーンによって大きな被害を受ける事もある。国旗の緑は農業と天然の富、黒は困難の克服、黄は太陽の美と輝きを象徴し、X型は聖アンドレの十字といってキリスト教を表わす。公用語はイギリス式英語だが、実際にはジャマイカ方言の英語(アメリカ英語の影響を強く受け、標準的な英米語と異なるアクセントや発音もあり、またジャマイカ・クレオールの単語も取り込まれている)もしくはジャマイカ・クレオール語(パトワ語:Patowa)(英語とアフリカの言語をベースにして作り上げられた言語)が使われている。<br /><br />以上

キングストン UCCブルーマウンテンコーヒー直営農園 (UCC Craighton Estate)

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2018/03/31 - 2018/03/31

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ちふゆ

ちふゆさん

18年3月31日の土曜日。イースターホリデーの2日目。JICAシニア海外ボランティアとして着任してまだ5日目で、時差ボケもまだ解消してない時期、朝の8時半、JICAの手配で同期隊員みんなで向かう。私の自宅からだとまっすぐ向かえば車で約30分。キングストン(Kingston)の北東の外れパピン(Papine)からくねくねと山道を上がっていくとやがてアイリッシュ・タウン(Irish Town)と呼ばれる一帯に着くが、ほぼその地域の終わり(上側)にこの農園はある。標高としては800mくらい。

9時過ぎに到着するが、いきなり農園へのゲートが閉まってて入れない。この時は、わりとすぐに入れてもらうことが出来たが、ガイドがなかなか現れず1時間くらい待たされた。ここは見学は予約制で時間も決まってるはずなのに、いきなりジャマイカらしい。見学ツアーは大きく分けると事務所となっているクレイトンハウス(Craighton House)とコーヒー畑の二つになる。ガイドが来ないので、まずはクレイトンハウスとその庭園を各自自由に回る。いい加減。なお、ここには秋篠宮様と紀子様もいらしたことがあるそうで、他にも梅宮辰夫&アンナ親子など芸能人も何名か来たことがあるそうだ。

ここの成り立ちについては諸説あるが、1790年から1805年の間にスコットランド人のコーヒー農園主ジョージ・クレイトン(George Creighton)が建てたと云うのが正しいらしい。当初はここはクレイトン・ホール(Creighton Hall)と呼ばれていた。その後数人の持ち主を経て1842年に植民地総督のものとなった。彼はここを夏の間の住みかとしたが、若き夫人がここで22歳で亡くなったそうだ。今でも彼女の幽霊が出没すると云われる。さらに数人の持ち主を経て、1867年に新たな植民地総督のものとなり改装され、1891年まで歴代の植民地総督の夏の住居として使われた。その後は多くの民間人の手に渡ったが、イギリス王室の方も訪れたことがあるそうだ。

そして、1981年。アメリカ・ジャマイカの両政府から、日本の農水省経由で全日本コーヒー協会にジャマイカでの栽培技術援助の要請が届き、それが協会の初代会長を務めていたUCCの創始者・上島忠雄の「ジャマイカに農園を持ちたい」という長年の夢と合致したことで農園造りが始まり、手始めとしてこの建物を購入して事務所にした。同じ頃、ストーンズのミック・ジャガーも買い取ろうと交渉していたらしい。マホガニー調の床、壁に飾られた数々のエッチングなどが歴史の重みを感じさせる建物は、ジャマイカに現存するグレートハウスの一つとして、国の重要文化財の指定を受けている。玄関を入るとUCC KOBEの樽が迎えてくれる。そうだよな、上島珈琲って神戸だったんだよな。ポートピアランドに博物館あるよなあ。81年の神戸ポートピア博覧会のUCCコーヒー館が前身で、行ったわ、懐かしい。

クレイトンハウスに話を戻すと、部屋の数も多く、広い。天蓋付きのベッド、寝心地良さそう。正面から見て右手の2階のテラスは、風通しもよくくつろげるスペース。また、様々な熱帯植物が育つ広い庭園は植物園さながらの美しさ。野生の鳥も多く、写せなかったがハチドリも見かけた。庭には上島さんの胸像もある。

10時。ようやくガイドツアーがスタート。建物前のプール横から説明を受けながら海抜885mにある東屋までコーヒー畑の中を上がる。20分くらい掛かり、結構上りはきつい。途中キングストンの街並みが見渡せる。コーヒーの収穫期は9月から3月であいにくもう終わってた。青い実は見られた。丘の上の東屋は創業者に招福亭と名付けられている(日本語のプレートもある)。椅子に座ってしばし一休み。きれいなオレンジ色ののど袋を持ったトカゲを見掛けた。イグアナ科のアノールトカゲの一種のようだ。南国を感じる。

周りは一面コーヒー畑。開設当初は約33haにコーヒーの木3万5千本だったこの農園は、今や約100haに13万本を超えるまでに成長した。畑にはバナナの木も沢山ある。コーヒーは暑い地域で育つが、過度の直射日光は好まないためバナナの木を日傘にしている。ただ、バナナの木は、土壌の水分を大量に吸収するので、今は多くの水分を必要とせず、しかも空中の窒素を土中に固定でき、適度に日を通す小さな葉のマメ科の高木に切り替えているそうだ。また、コーヒーの木は7年に1回選定し。30年たつと実の付き方が悪くなるので切り倒すそうだ。豆はすべて手摘みで最盛期には200人がひと粒ひと粒、実り具合を確かめながら収穫する。ちなみにコーヒーの木はジャマイカの在来種ではない。1721年にイギリスのジャマイカ総督ニコラス卿(Sir Nicholas Lawes)により持ち込まれたもの(28年との説もあるが、それではニコラス卿の在任期間と合わない)。

11時前にクレイトンハウスに戻ると、プール横の焙煎小屋でちょうどロースト中。いや、いい香り。そして、ハウス内に戻り各部屋の紹介があった後、ホールでレクチャー。コーヒーはアラビカ種とロブスタ種の2種のみ。ブランド豆はほとんどが、栽培条件が厳しく、耐病性も低く、収穫量が少ないが、香りが豊かで風味があるアラビカ種で、ブルーマウンテンコーヒーももちろんアラビカ種。穴の開いたトレーのようなものを使って豆の大きさでグレードを分け、さらに目視と手作業で細かくチェックされる。最高品質はNo.1と呼ばれるがほんの数%。以下No.2、No.3と続く。その他、通常1個の実の中に2個の種子が出来るのだが、たまに1個しかできないものがありこれはピーベリー(丸豆)と呼ばれる。なお、ブルーマウンテンコーヒーと名乗れるのは、ここブルーマウンテン山脈の標高800~1200mの限られた地域で栽培されるコーヒー豆のみとジャマイカのコーヒー産業公社(CIB)で定められている。秋田県とほぼ同じ面積しかないジャマイカでもかなり狭い地域。

レクチャーが終わるとやっとブルーマウンテンコーヒーを戴ける。ああ、美味しい、3杯も戴いてしまった。そう云えば、ブルーマウンテンコーヒーは収穫量が少ない上に80%程度が日本に輸出されているので、日本以外ではほとんど知られてない。ただ、これは私の予想外だったが、ジャマイカ国内ではやはり高級ブランドとして有名。いくつかブルーマウンテンコーヒーを提供する店はあるが、やはり高い。いくつかこういう店も回ってるので、それについてはまた書こう。

で、この後、私は買わなかったが、同行の皆さんが土産用のコーヒーを買うのに、さっきローストされてたものが出来上がるのを待つ。12時過ぎに無事皆さん購入してキングストンに1時前に戻って解散した。
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.2009257962477551.1073743716.100001801017376&type=1&l=e20492bc3b

ついでに最初なので、ジャマイカの簡単な説明。ジャマイカはカリブ海、キューバの南にある秋田県とほぼ同じ広さの島国。国名はヨーロッパから持ち込まれた病気で滅亡した先住民・タイノ族の言葉ザイマカ(Xaymaca:森と泉の国)が由来。最初はスペインの支配下にあったが、その後イギリスの植民地となり62年に英連邦王国の一国として独立。アフリカから奴隷として連れて来られた人の子孫の国になっておりほとんどの人がアフリカ系黒人。総人口は約250万人。基幹産業はコーヒーやサトウキビに代表される農業、そしてボーキサイト、アルミニウムの鉱業と大型クルーズが立ち寄る観光業。気候は年間を通じて20℃以上あり、夏には30℃を越える日が続く。1月から3月が乾期で、5月と10月に雨が多い(今年の5月はそんなことはなかった)。8月から11月の間にはハリケーンによって大きな被害を受ける事もある。国旗の緑は農業と天然の富、黒は困難の克服、黄は太陽の美と輝きを象徴し、X型は聖アンドレの十字といってキリスト教を表わす。公用語はイギリス式英語だが、実際にはジャマイカ方言の英語(アメリカ英語の影響を強く受け、標準的な英米語と異なるアクセントや発音もあり、またジャマイカ・クレオールの単語も取り込まれている)もしくはジャマイカ・クレオール語(パトワ語:Patowa)(英語とアフリカの言語をベースにして作り上げられた言語)が使われている。

以上

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